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公開番号2025017502
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023120570
出願日2023-07-25
発明の名称分岐状プロピレン系重合体
出願人日本ポリプロ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08F 10/06 20060101AFI20250130BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】成形加工に必要な溶融張力を保持しながら、溶融時の延展性に優れる分岐状プロピレン系重合体を提供する。
【解決手段】プロピレンと、エチレン及び炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のコモノマー0モル%~11モル%からなる分岐状プロピレン系重合体であって、下記特性(1)、(2-1)及び(3)を有する、分岐状プロピレン系重合体。特性(1):MFRが0.1g/10分~100g/10分である;特性(2-1):示差熱走査熱量測定(DSC)により測定される融点(Tm)が、155.0℃未満である。;特性(3):動的粘弾性を測定して得られる流動活性化エネルギー(Ea)kJ/molとMFRとが下記の式(1)を満たす。[式(1):Ea≧-12.5×log(MFR)+66]
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プロピレンと、エチレン及び炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のコモノマー0モル%~11モル%からなる分岐状プロピレン系重合体であって、下記特性(1)、(2-1)及び(3)を有する、分岐状プロピレン系重合体。
特性(1):温度230℃、2.16kg荷重で測定するメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分~100g/10分である。
特性(2-1):示差熱走査熱量測定(DSC)により測定される融点(Tm)が、155.0℃未満である。
特性(3):動的粘弾性を測定して得られる流動活性化エネルギー(Ea)kJ/molとMFRとが下記の式(1)を満たす。
Ea≧-12.5×log(MFR)+66 式(1)
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
さらに下記特性(2-2)を有する、請求項1に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(2-2):示差熱走査熱量測定(DSC)により測定される融点(Tm)と結晶化温度(Tc)の差(Tm-Tc)が、34.0℃より大きく、40.0℃未満である。
【請求項3】
さらに下記特性(4-1)を有する、請求項1又は2に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(4-1):3D-GPCによって得られる分子量分布曲線において、絶対分子量M
abs
が100万の分岐指数g’(100万)が0.60~0.75である。
【請求項4】
さらに下記特性(5-1)を有する、請求項1又は2に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(5-1):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって得られるz平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2.0~4.0である。
【請求項5】
さらに下記特性(5-2)を有する、請求項1又は2に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(5-2):GPCによって得られる積分分子量分布曲線において、分子量が200万以上の成分の割合(W200万)と分子量が100万以上の成分の割合(W100万)の比(W200万/W100万)とMFRとが下記の式(2)を満たす。
(W200万/W100万)<-0.05×log(MFR)+0.34 式(2)
【請求項6】
さらに下記特性(6-1)及び(6-2)を有する、請求項1又は2に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(6-1):
13
C-NMRで測定するメソトライアッド分率が95.0%以上、99.0%未満である。
特性(6-2):異種結合(2,1結合)量が0mol%~0.30mol%、及び異種結合(1,3結合)量が0mol%~0.25mol%の範囲である。
【請求項7】
さらに下記特性(7)を有する、請求項1又は2に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(7):
13
C-NMRで測定する長鎖分岐数が0.1個/1000モノマー~0.5個/1000モノマーである。
【請求項8】
さらに下記特性(8)を有する、請求項1又は2に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(8):o-ジクロロベンゼンによる昇温溶出分別測定で得られる溶出曲線において、40℃以下の温度で溶出する成分の量が0.1質量%~4.0質量%である。
【請求項9】
さらに下記特性(9)を有する、請求項1又は2に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(9):歪速度(dε/dt)が1.0/秒での歪硬化度が0.70~2.50である。
【請求項10】
さらに下記特性(10)を有する、請求項1又は2に記載の分岐状プロピレン系重合体。
特性(10):多分岐指数が0.10~1.00である。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐状プロピレン系重合体に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ポリプロピレンに分岐構造を導入することにより、比較的高い溶融張力の素材が求められるシート成形、ブロー成形、熱成形、発泡成形等への適性を高める検討が多く行われている。
最近になって、ポリプロピレンに分岐構造を導入する手法としては、主としてメタロセン触媒を利用したマクロモノマー共重合法が提案されている。マクロモノマー共重合法による分岐状ポリプロピレンは、架橋助剤を用いてパーオキサイド変性した架橋ポリプロピレンと比べて、過度に架橋した成分によるゲルの発生や、架橋により高分子量化した成分による延展性の悪化等の問題点が少ないといった利点がある。
【0003】
そのようなマクロモノマー共重合法による分岐状プロピレン系重合体としては、例えば、アイソタクチックポリプロピレン及び、所望により、1種以上のコモノマーから本質的に成るポリオレフィン組成物であって、前記ポリオレフィン組成物の全コモノマー含有率が0~20mol%であり、そしてさらに、前記ポリオレフィン組成物の低分子量領域に対する重量平均枝分れ指数g’が0.93未満である、ポリオレフィン組成物が開示されている(特許文献1参照)。また、(a)温度230℃において測定した荷重5.0kgでのメルトインデックスMI

(g/10分)と荷重2.16kgでのメルトインデックスMI
2.16
(g/10分)との比MI

/MI
2.16
と、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnとが、式
MI

/MI
2.16
≧0.240×Mw/Mn+3.1 ・・・(I)
の関係を満たし、また(b)温度230℃において測定した溶融張力MS(g)と、テトラリン溶媒中、温度135℃において測定した極限粘度〔η〕(dL/g)とが、式
logMS≧3.17×log〔η〕-0.68 ・・・(II)
の関係を満たし、かつ該極限粘度〔η〕が0.1~15.0dL/gの範囲にあるプロピレン単独重合体が開示されている。得られた分岐状プロピレン系重合体は、溶融強度や溶融張力が高くなることが示されている(特許文献2参照)。
【0004】
また、4.0以下の多分散性及び90℃を超える融点を有する分枝ポリプロピレン組成物であって、前記分枝ポリプロピレン組成物の重量平均分枝指数gが0.95未満である組成物が開示されている。得られる分岐状プロピレン系重合体は改良された溶融強度を示すことが示されている(特許文献3参照)。
さらに、特定の2種のメタロセン化合物を含む触媒、具体的には、rac-SiMe

[2-Me-4-Ph-lnd]

ZrC1

とrac-SiMe

[2-Me-4-Ph-lnd]

HfC1

等のメタロセン化合物と、メチルアルミノキサン(MAO)を担持したシリカとを組み合わせた触媒を用いて、多段重合する方法が開示されている。得られた分岐状プロピレン系重合体は比較的高い溶融張力を示すことが示されている(特許文献4参照)。
【0005】
加えて、下記(1)~(6)の特性を有するプロピレン単独重合体
(1)GPCによって得られる重量平均分子量(Mw)が20万~100万。
(2)GPCによって得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が3.5~10.5。
(3)GPCによって得られる分子量分布曲線の、ピーク位置に相当する分子量の常用対数をTp、ピーク高さの50%高さとなる位置の分子量の常用対数をL
50
及びH
50
(L
50
はTpより低分子量側、H
50
はTpより高分子量側)とし、α及びβをそれぞれα=H
50
-Tp、β=Tp-L
50
と定義したとき、α/βが1.2以上。
(4)
13
C-NMR分析によって得られるプロピレン単位3連鎖のmm分率が90%以上。
(5)オルトジクロロベンゼンを溶媒として使用した昇温溶出分別(TREF)の測定において、90℃以下の温度で溶出する成分が6.0重量%以下。
(6)プロピレン重合体の
13
C-NMR分析において、44.0~44.1ppm、44.7~44.8ppm及び44.8~44.9ppmに3つのメチレン炭素(Ca、Cb、Cc)が観測され、31.6~31.7ppmにメチン炭素(Cbr)が観測され、かつ該メチン炭素が全骨格形成炭素1000個あたり0.1個以上である(ただし、全骨格形成炭素とは、メチル炭素以外のすべての炭素原子を意味する)が開示されている。当該プロピレン単独重合体は溶融張力がよいことが示されている(特許文献5参照)。
【0006】
他に、特定の複数のメタロセン化合物を含む触媒を用いて、溶融張力の測定における歪硬化度(λmax)が2.0以上のプロピレン系重合体を製造する方法が開示されている。得られた分岐状ポリプロピレンは溶融張力がよいことが示されている(特許文献6参照)。
【0007】
また、特許文献7には、少なくとも0.15の多分枝指数(MBI)を有するポリプロピレンであって、該多分枝指数(MBI)は、ヘンキーひずみ速度の10を底とする対数(lg(dε/dt))の関数としてのひずみ硬化指数(SHI)の傾きと定義され、dε/dtは変形速度であり、εはヘンキーひずみであり、及び該ひずみ硬化指数(SHI)は180℃において測定され、該ひずみ硬化指数(SHI)は、1~3のヘンキーひずみの範囲内のヘンキーひずみの10を底とする対数(lg(ε))の関数としての引張応力成長関数の10を底とする対数(lg(ηE

))の傾きと定義される、ポリプロピレンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2001-525460号公報
特開平10-338717号公報
特表2002-523575号公報
特開2001-64314号公報
特開2007-154121号公報
特開2009-57542号公報
特表2009-533540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1~6に開示されているマクロモノマー共重合法により得られる分岐状プロピレン系重合体は、溶融張力は高く、シート成形、ブロー成形、熱成形、発泡成形等への適性は高められているものの、依然として、溶融体の延展性は十分でないという問題がある。
また、特許文献7に開示されている方法により得られる分岐状プロピレン系重合体は、非結晶領域の含量を多くすることで機械的特性はよくなるが、速い歪速度(dε/dt=1.0/秒)での歪硬化度(SHI@1s
-1
)で示される溶融張力はそれほど高くないため、各種成形性を充分に満足できるものではなかった。
【0010】
本発明の目的は、成形加工に必要な溶融張力を保持しながら、溶融時の延展性に優れる分岐状プロピレン系重合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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