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公開番号2025015121
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118283
出願日2023-07-20
発明の名称質量分析装置
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類H01J 49/06 20060101AFI20250123BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】イオン導入部へのイオンの取込効率を向上させることを一の目的とする。
【解決手段】質量分析装置は、イオン化室内に液体試料を噴霧するプローブを含むイオン源と、イオン化室から真空室に向けてイオンを送るイオン導入部と、噴霧流を挟んでイオン導入部の導入口と対向する位置に配置された反射電極と、噴霧流を挟んで反射電極と対向する位置に配置された第1集束電極と、噴霧流を挟んで反射電極と対向する位置に配置され、第1集束電極によって集束されたイオンを導入口に向けて集束させる第2集束電極と、各電極に電圧を印加する電圧印加部とを含む。電圧印加部は、噴霧流中のイオンが第1集束電極へ向かうとともに、第1集束電極から第2集束電極へと向かい、第2集束電極から導入口へと向かう電場を形成するように、各電極に電圧を印加する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
大気圧イオン化法によりイオンを生成し、生成したイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置であって、
大気圧雰囲気であるイオン化室内に液体試料を噴霧するプローブを含むイオン源と、
前記プローブからの液体試料の噴霧方向に交差する方向であって前記イオン化室から真空室に向けて、前記プローブから噴霧された試料液滴中のイオンを送るイオン導入部と、
前記プローブからの試料液滴の噴霧流を挟んで前記イオン導入部の導入口と対向する位置に配置された反射電極と、
前記プローブからの試料液滴の噴霧流を挟んで前記反射電極と対向する位置に配置され、前記反射電極によって反射または偏向されたイオンを集める第1集束電極と、
前記プローブからの試料液滴の噴霧流を挟んで前記反射電極と対向する位置に配置され、前記第1集束電極によって集束されたイオンを前記導入口に向けて集束させる第2集束電極と、
前記プローブからの試料液滴の噴霧流中のイオンが前記第1集束電極へ向かうとともに、前記第1集束電極から前記第2集束電極へと向かい、前記第2集束電極から前記導入口へと向かう電場を形成するように、各電極に電圧を印加する電圧印加部とを備える、質量分析装置。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記第1集束電極によって、第1透過路が形成され、
前記第2集束電極によって、第2透過路が形成され、
前記反射電極から前記導入口を平面視した場合に、前記第1透過路の内縁の内側以下に前記第2透過路の内縁が位置し、前記第2透過路の内縁の内側以下に前記導入口が位置するように、前記第1集束電極、前記第2集束電極、および前記イオン導入部が配置される、請求項1に記載の質量分析装置。
【請求項3】
前記電圧印加部は、前記第2集束電極へ高周波電圧を印加する高周波電圧印加部を含み、
前記高周波電圧印加部は、前記第1集束電極によって集束されたイオンを前記第2集束電極から前記導入口の中心に向けて集束させる高周波電場を形成するように、前記第2集束電極に高周波電圧を印加する、請求項1または2に記載の質量分析装置。
【請求項4】
前記第2集束電極は、前記第1集束電極と前記イオン導入部の導入口との間に配置される、請求項3に記載の質量分析装置。
【請求項5】
前記第2集束電極は、イオンファンネル型または多重極イオンガイド型の電極である、請求項3に記載の質量分析装置。
【請求項6】
前記電圧印加部は、前記第2集束電極へ直流電圧を印加する直流電圧印加部を含む、請求項1または2に記載の質量分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、質量分析装置に関する。より特定的には、本開示は、大気圧イオン化法によりイオンを生成し、生成したイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
質量分析装置における液体試料中の化合物をイオン化する方法として、エレクトロスプレイイオン化法、大気圧化学イオン化法、大気圧光イオン化法などの大気圧イオン化法が知られている。大気圧イオン化法によるイオン源を用いた質量分析装置では、略大気圧雰囲気であるイオン化室内で生成したイオンを真空雰囲気に維持される真空室に導入する必要がある。このような分析装置において分析感度を向上させるためには、イオン化室内で生成されるイオン量を増加させること、および、イオン化室から真空室へのイオンの導入効率を向上させること、の二点が特に重要である。
【0003】
特許第6593548号公報(特許文献1)には、イオン化室から真空室へのイオンの導入効率を向上させるために、イオン化プローブから噴出する噴霧流を挟んで反射電極と集束電極とをイオン化室内に配置し、集束電極の開口部にイオンを真空室に導入する加熱キャピラリの入口端を挿入して配置させた質量分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6593548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の質量分析装置によれば、反射電極と集束電極との間の空間にイオンを反射及び偏向させる反射電場が形成され、入口端付近にはイオンを入口端に集束させる集束電場が形成されるため、イオン化室から真空室へのイオン導入効率を高くすることができる。
【0006】
加熱キャピラリであるイオン導入部からイオンを取り込む場合、イオン導入部の端部において導入口の口径と同程度までイオンを集束させることで、イオンの取込効率を上げることができる。導入口の口径を広げることでイオンの取込効率を上げることもできるが、導入口の口径を広げると、真空ポンプの性能を上げる必要や、導入口からイオン以外の不純物等も真空室内に輸送され故障等のリスクも上がる。そのため、イオン導入部の端部において、イオンをより集束させる必要があった。
【0007】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、イオン導入部へのイオンの取込効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の質量分析装置は、大気圧イオン化法によりイオンを生成し、生成したイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置である。質量分析装置は、大気圧雰囲気であるイオン化室内に液体試料を噴霧するプローブを含むイオン源と、プローブからの液体試料の噴霧方向に交差する方向であってイオン化室から真空室に向けて、プローブから噴霧された試料液滴中のイオンを送るイオン導入部と、プローブからの試料液滴の噴霧流を挟んでイオン導入部の導入口と対向する位置に配置された反射電極と、プローブからの試料液滴の噴霧流を挟んで反射電極と対向する位置に配置され、反射電極によって反射または偏向されたイオンを集める第1集束電極と、プローブからの試料液滴の噴霧流を挟んで反射電極と対向する位置に配置され、第1集束電極によって集束されたイオンを導入口に向けて集束させる第2集束電極と、各電極に電圧を印加する電圧印加部とを含む。電圧印加部は、プローブからの試料液滴の噴霧流中のイオンが第1集束電極へ向かうとともに、第1集束電極から第2集束電極へと向かい、第2集束電極から導入口へと向かう電場を形成するように、各電極に電圧を印加する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、質量分析装置において、第1集束電極に加えて第2集束電極を配置し、第2集束電極から導入口へと向かう電場を形成することによって、第1集束電極のみを配置する場合に比べてイオンをさらに導入口の中心に向かうように集束させることができる。したがって、イオン導入部へのイオンの取込効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施例にかかる質量分析装置の全体構成を示す模式図である。
第1実施例にかかるイオン化室内の概略構成を示す模式図である。
第2実施例にかかるイオン化室内の概略構成を示す模式図である。
第2実施例にかかるイオン化室内におけるイオン軌道のシミュレーション結果を示す図である。
導入口におけるイオン到達位置を示した第2実施例および比較例のシミュレーション結果を示す図である。
比較例にかかるイオン化室内の概略構成を示す模式図である。
第3実施例にかかるイオン化室内の概略構成を示す模式図である。
第3実施例にかかるイオン化室内におけるイオン軌道のシミュレーション結果を示す図である。
導入口におけるイオン到達位置を示した第3実施例および比較例のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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