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公開番号
2025019535
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-07
出願番号
2023123189
出願日
2023-07-28
発明の名称
オルガノイド組成物
出願人
国立大学法人大阪大学
,
株式会社島津製作所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/071 20100101AFI20250131BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】高機能なオルガノイド組成物を提供する。さらには当該オルガノイド組成物を作製する方法を提供する。
【解決手段】内胚葉系細胞の細胞塊で構成されるオルガノイドとサルコシン単位を有する親水性ブロック鎖と乳酸単位を有する疎水性ブロック鎖とを有する両親媒性ブロックポリマーを含むことを特徴とする、オルガノイド組成物による。オルガノイド組成物は内胚葉系細胞を前記両親媒性ブロックポリマーを含む培養系にて培養することにより作製することができる。これより得られたオルガノイド組成物は薬物動態や薬物毒性が評価可能であり、薬物スクリーニングに適している。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
内胚葉系細胞の細胞塊で構成されるオルガノイドを含み、当該オルガノイドを構成する細胞塊において、サルコシン単位を有する親水性ブロック鎖と乳酸単位を有する疎水性ブロック鎖とを有する両親媒性ブロックポリマーを含むことを特徴とする、オルガノイド組成物。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
両親媒性ブロックポリマーは、20個以上のサルコシン単位を有する親水性ブロック鎖と10個以上の乳酸単位を有する疎水性ブロック鎖とを有する、請求項1に記載のオルガノイド組成物。
【請求項3】
内胚葉系細胞が、肝臓細胞又は腸管細胞である、請求項1に記載のオルガノイド組成物。
【請求項4】
肝臓細胞が、生体から採取された肝臓細胞又は多能性幹細胞由来肝臓細胞である、請求項3に記載のオルガノイド組成物。
【請求項5】
腸管細胞が、生体から採取された腸管上皮細胞又は多能性幹細胞由来腸管上皮細胞である、請求項3に記載のオルガノイド組成物。
【請求項6】
請求項1に記載のオルガノイド組成物を含む、薬物動態評価用及び/又は薬物毒性評価用のオルガノイド組成物。
【請求項7】
以下の工程を含む、請求項1に記載のオルガノイド組成物の作製方法:
1)内胚葉系細胞を分散する工程;
2)前記分散した細胞を、サルコシン単位を有する親水性ブロック鎖と乳酸単位を有する疎水性ブロック鎖とを有する両親媒性ブロックポリマーを含む培養系にて培養する工程。
【請求項8】
前記工程1)の内胚葉系細胞を分散する工程が、三次元的に集合した内胚葉系細胞を分散する工程である、請求項7に記載の作製方法。
【請求項9】
内胚葉系細胞が、肝臓細胞又は腸管細胞である、請求項8に記載の作製方法。
【請求項10】
請求項1~6のいずれかに記載のオルガノイド組成物を含み、さらに薬物動態評価及び/若しくは薬物毒性評価検査のために必要なデバイス及び/又は試薬を含む、薬物動態評価及び/又は薬物毒性評価用キット。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノイド組成物に関する。さらに、本発明は当該オルガノイド組成物の作製方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
再生医療や薬物スクリーニングにおいて、使用する細胞の機能は生体に近い状態に向上させる必要があり、近年、オルガノイド培養技術が注目されている。オルガノイドとは、三次元的に形成した臓器に類似した特徴と増殖能を有する三次元培養(3D culture)細胞であり、細胞から生体内の各組織・器官を創製するために、試験管内の臓器モデルとして細胞研究や創薬スクリーニング、再生医療等の分野への応用等が期待されている。三次元的に形成したオルガノイドは、二次元培養(2D culture)と比べて生体に近い優れた機能を有するといわれている。例えば、ヒト肝臓オルガノイドは、器官の発生・再生機構に基づく三次元培養によって創出され、生体内器官が有する解剖学的・機能学的特徴を示す三次元組織体であり、創薬研究や再生医療に資する新規細胞ソースとして期待される(非特許文献1)
【0003】
オルガノイド培養に最適な培養基材である例えばマトリゲル(登録商標)(Corning)は、動物由来成分を含むためにバッチ間のばらつきが大きく、オルガノイド技術の創薬応用に際して実験の再現性が懸念される。また、再生医療への応用にあたっては感染症や免疫反応のリスクが懸念され、安全面で問題がある。一方、合成高分子は、高い純度と再現性、制御された化学組成、機械的特性等の理由から、マトリゲルの課題を克服する材料として創薬研究や再生医療に資することが期待される。
【0004】
本発明者らは、親水部にポリサルコシン、疎水部にポリ乳酸を有する両親媒性ブロックポリマーを開発した(非特許文献2、特許文献1)。特許文献2には、当該両親媒性ブロックポリマーを用いて細胞を培養したことが開示されている。さらに、ヒトiPS 細胞(induced pluripotent stem cells)由来肝細胞への当該両親媒性ブロックポリマーの適用により、肝スフェロイドが作製可能であることが報告された(非特許文献3)。
【0005】
足場を利用して三次元培養する方法として、特許文献3には、ゼラチン溶液と細胞とを接触させ、冷却してゼラチンをゲル化させて、短時間でスフェロイドを形成する方法が開示されている。特許文献4には、エチレン性不飽和基を有する多重アームPEGを用いたヒト腸細胞に由来するオルガノイドを作製する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公報第2017/017969号(特許6354905号公報)
国際公開第2018/142633号(特許6711424号公報)
特開2018-113945号公報
特表2022-546845号公報
【非特許文献】
【0007】
Huch et al., Nature, 2013 Feb 14;494(7436):247-50
Matsui et al., Mater. Today Commun., 2017, 156-162
J. Enomoto et al., ACS Applied Bio Materials, 2021, Sep 20;4(9):7290-7299
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高機能なオルガノイド組成物を提供することを課題とする。さらには当該オルガノイド組成物を作製する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を達成するために高機能なオルガノイド組成物培養技術の確立を試み鋭意検討を重ねた結果、内胚葉系細胞を親水性ブロック鎖と疎水性ブロック鎖とを有する両親媒性ブロックポリマーを含む培養系にて培養することで、高機能なオルガノイド組成物を作製することに成功した。当該オルガノイド組成物は薬物動態や薬物毒性が評価可能であり、薬物スクリーニングに適したオルガノイド組成物が得られ、本発明を完成した。
【0010】
即ち本発明は、以下よりなる。
1.内胚葉系細胞の細胞塊で構成されるオルガノイドを含み、当該オルガノイドを構成する細胞塊において、サルコシン単位を有する親水性ブロック鎖と乳酸単位を有する疎水性ブロック鎖とを有する両親媒性ブロックポリマーを含むことを特徴とする、オルガノイド組成物。
2.両親媒性ブロックポリマーは、20個以上のサルコシン単位を有する親水性ブロック鎖と10個以上の乳酸単位を有する疎水性ブロック鎖とを有する、前項1に記載のオルガノイド組成物。
3.内胚葉系細胞が、肝臓細胞又は腸管細胞である、前項1に記載のオルガノイド組成物。
4.肝臓細胞が、生体から採取された肝臓細胞又は多能性幹細胞由来肝臓細胞である、前項3に記載のオルガノイド組成物。
5.腸管細胞が、生体から採取された腸管上皮細胞又は多能性幹細胞由来腸管上皮細胞である、前項3に記載のオルガノイド組成物。
6.前項1に記載のオルガノイド組成物を含む、薬物動態評価用及び/又は薬物毒性評価用のオルガノイド組成物。
7.以下の工程を含む、前項1に記載のオルガノイド組成物の作製方法:
1)内胚葉系細胞を分散する工程;
2)前記分散した細胞を、サルコシン単位を有する親水性ブロック鎖と乳酸単位を有する疎水性ブロック鎖とを有する両親媒性ブロックポリマーを含む培養系にて培養する工程。
8.前記工程1)の内胚葉系細胞を分散する工程が、三次元的に集合した内胚葉系細胞を分散する工程である、前項7に記載の作製方法。
9.内胚葉系細胞が、肝臓細胞又は腸管細胞である、前項8に記載の作製方法。
10.前項1~6のいずれかに記載のオルガノイド組成物を含み、さらに薬物動態評価及び/若しくは薬物毒性評価検査のために必要なデバイス及び/又は試薬を含む、薬物動態評価及び/又は薬物毒性評価用キット。
11.前項1~6のいずれかに記載のオルガノイド組成物を用いた、薬物動態評価方法及び/又は薬物毒性評価方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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