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公開番号2025030773
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136345
出願日2023-08-24
発明の名称細胞抽出装置および細胞抽出方法
出願人国立大学法人大阪大学,ヤマト科学株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12M 1/00 20060101AFI20250228BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】血管細胞に傷を付けることなしに、組織塊から血管細胞だけを効率よく分離・抽出でき、血管細胞の数を容易に確保可能なものとする。
【解決手段】組織塊5から血管細胞7を選択的に抽出可能な細胞分散装置であって、組織塊5が載置される網状の載置用ステージ12と、載置用ステージ12上に載置された組織塊5に高水圧のUFBジェット水流水43を噴射して、組織塊5から血管細胞7を分離するノズルヘッド41の噴射口部42と、噴射口部42より噴射される高水圧のUFBジェット水流水43を生成する高圧ポンプ部22と、UFBジェット水流水43が噴射された組織塊5の残物である血管6に対して、より高圧力のUFBジェット水流水44をノズルヘッド41の噴射口部42より噴射させる超高圧ポンプ部23と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
組織塊から細胞を選択的に抽出可能な細胞抽出装置であって、
前記組織塊が載置される網状の載置部と、
前記載置部上に載置された前記組織塊にジェット噴流水を噴射して、前記組織塊から前記細胞を分離するノズル部と、
前記ノズル部より噴射される前記ジェット噴流水を生成する生成部と、
前記ジェット噴流水が噴射された前記組織塊の残物に対して、前記生成部において生成される、より高圧力のジェット噴流水を前記ノズル部から噴射させる高圧ジェット噴流水噴射部と、
を備えることを特徴とする細胞抽出装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記細胞として、血管細胞を抽出することを特徴とする請求項1に記載の細胞抽出装置。
【請求項3】
前記載置部に対し、前記ノズル部を垂直方向および水平方向に移動可能に保持する駆動機構部を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の細胞抽出装置。
【請求項4】
前記生成部は、生理食塩水または緩衝溶液から前記ジェット噴流水を生成するものであることを特徴とする請求項1に記載の細胞抽出装置。
【請求項5】
前記ノズル部は、ウルトラファインバブルを含むジェット水流水を噴射するものであることを特徴とする請求項1に記載の細胞抽出装置。
【請求項6】
前記ノズル部は、少なくとも4×4のスクエア状に配置された複数の噴射口を有し、前記複数の噴射口のうち、内側の噴射口の方が外側の噴射口よりも開口面積が大きいことを特徴とする請求項1に記載の細胞抽出装置。
【請求項7】
前記載置部は、前記組織塊を収容する外網と、前記外網内に収容された前記組織塊の位置を固定させる内網と、を有することを特徴とする請求項1に記載の細胞抽出装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記載置部上に載置された前記組織塊に噴射される、ポンプ圧が0.5~10Mpa程度の前記ジェット噴流水を生成する高圧ポンプと、前記組織塊の残物に噴射される、ポンプ圧が10~20Mpa程度の前記ジェット噴流水よりもより高圧力のジェット噴流水を生成するための超高圧ポンプと、を有し、前記超高圧ポンプによって前記高圧ジェット噴流水噴射部が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の細胞抽出装置。
【請求項9】
組織塊から細胞を選択的に抽出可能な細胞抽出方法であって、
前記組織塊を網状の載置部上に載置する工程と、
生成部によって、前記組織塊に噴射するためのジェット噴流水を生成する工程と、
前記載置部上に載置された前記組織塊に対して、前記生成部で生成された前記ジェット噴流水をノズル部より噴射する工程と、
高圧ジェット噴流水噴射部によって、前記ジェット噴流水が噴射された前記組織塊の残物に対して、前記生成部において生成される、より高圧力のジェット噴流水を前記ノズル部から噴射させる工程と、
を備え、
前記ノズル部より噴射される前記ジェット噴流水の圧力を切り替えることによって、前記組織塊から前記細胞を分離するようにしたことを特徴とする細胞抽出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、組織塊内より血管細胞を選択的に抽出することが可能な細胞抽出装置および細胞抽出方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、生体内の種々の臓器において、既存の血管の中には、移植臓器の血管としての長期的な血管貢献性を示すなど、幹細胞性を示す血管内皮幹細胞が存在することが、本願発明者らによって発見されている。また、血管内皮幹細胞は、それぞれ、CD31(汎血管内皮細胞マーカー)陽性、CD45(汎血液細胞マーカー)陰性、CD200陽性、CD157陽性などとして定義もされている。
【0003】
この血管内皮幹細胞を用いることで、例えば、虚血疾患の症状を長期的に改善できたり、肝臓の類洞血管を再構築できることから、類洞血管内皮細胞の特徴である凝固代VIII因子の分泌により血友病を完全に治癒できることも判明している。
【0004】
また、血管内皮幹細胞に遺伝子導入した分子を、体内で長期的に分泌させることができることも判明しており、今後のがん治療や代謝性疾患などに対する、新しい体内薬剤製造工場としての細胞治療の方法についても提案してきた。
【0005】
さらには、ヒト臍帯静脈の血管内皮細胞を、出生直後のマウスの肝臓組織の抽出液を用いて、血管内皮幹細胞様の表現型にリプログラミングする方法なども提案している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
CD157 Marks Tissue-Resident Endothelial Stem Cells with Homeostatic and Regenerative Properties. Wakabayashi T, Naito H, Suehiro JI, Lin Y, Kawaji H, Iba T, Kouno T, Ishikawa-Kato S, Furuno M, Takara K, Muramatsu F, Weizhen J, Kidoya H, Ishihara K, Hayashizaki Y, Nishida K, Yoder MC, Takakura N. Cell Stem Cell. 2018 Mar 1;22(3):384-397
【特許文献】
【0007】
国際公開第2019/098264号
国際公開第2021/070874号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、血管内皮細胞を回収するためには、組織塊を機械的・酵素的に処理して組織細胞を分散させ、さらに、雑多に含まれている組織細胞の中から細胞表面マーカーを用いて血管内皮細胞だけを抽出する、という煩雑な工程が必要である。
【0009】
即ち、組織培養や細胞培養を行う上で、まず臓器から血管組織だけを簡単に回収できる手段があれば、血管細胞に障害を与えずに血管内皮細胞だけを単離(分離)することが可能であり、培養される血管内皮細胞の数を確保することも容易になると考えられる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、血管細胞に傷を付けることなしに、組織塊から血管細胞だけを効率よく分離・抽出できる細胞抽出装置および細胞抽出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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