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公開番号2025034651
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141157
出願日2023-08-31
発明の名称眼科検査装置及び眼科検査方法
出願人国立大学法人大阪大学,株式会社トプコン
代理人弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類A61B 3/10 20060101AFI20250306BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】被検眼が輻湊と調節の不一致が起きる立体視に適応しやすいかどうかの評価ができる眼科検査装置及び眼科検査方法を提供すること。
【解決手段】眼科検査装置100は、視標投影系4と、他覚測定光学系6,7と、制御部140と、を備える。ディスプレイ41は、左右の被検眼EL,ERから一定の検査距離Lidだけ離れた視標位置に、異なるアスタリスク82L,82Rを有する左眼投影視標8Lと右眼投影視標8Rを提示する。視標投影系4は、左右の被検眼EL,ERの網膜に映る2つのアスタリスク82L,82Rの視差を変えることで、左右の被検眼EL,ERの位置から2本の視線が交わる輻湊位置Rまでの輻湊距離Lが変化する状態を処方する。制御部140は、輻湊距離Lの変化に対し左右の被検眼EL,ERにより融像を試みたとき、左右の被検眼EL,ERの眼特性を他覚測定光学系により測定し、他覚測定情報として他覚屈折値を取得する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
左右の被検眼に固視標を提示する視標提示部を有する視標投影系と、
前記左右の被検眼の眼特性を他覚的に測定する他覚測定光学系と、
装置の各部を制御する制御部と、を備え、
前記固視標は、前記左右の被検眼のそれぞれに投影し、視標フレームに対する上下方向位置が同じ位置に同じ図柄を有する左眼投影視標と右眼投影視標であり、
前記視標提示部は、前記左右の被検眼から一定の検査距離だけ離れた視標位置に前記左眼投影視標と前記右眼投影視標を提示し、
前記視標投影系は、前記左右の被検眼の網膜に映る2つの前記図柄の位置の違いである視差を変えることで、前記左右の被検眼の位置から2本の視線が交わる輻湊位置までの輻湊距離が変化する状態を処方し、
前記制御部は、前記輻湊距離の変化に対し前記左右の被検眼により融像を試みたとき、前記左右の被検眼の前記眼特性を前記他覚測定光学系により測定し、他覚測定情報として他覚屈折値を取得する
ことを特徴とする眼科検査装置。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載された眼科検査装置において、
前記眼科検査装置は、自覚検査機能付きの他覚測定機であり、
前記制御部は、前記左右の被検眼による適応能力を評価する適応評価検査部を有し、前記適応評価検査部は、自覚検査処理部と他覚測定部を含み、
前記自覚検査処理部は、前記左右の被検眼から一定の検査距離だけ離れた視標位置に前記左眼投影視標と前記右眼投影視標を提示し、前記左右の被検眼の網膜に映る2つの前記図柄の位置の違いである視差を変える制御により、前記左右の被検眼の位置から2本の視線が交わる輻湊位置までの輻湊距離が変化する状態を処方し、
前記他覚測定部は、前記自覚検査処理部での処理と並列に実行され、前記輻湊距離の変化に対し前記左右の被検眼により融像を試みたとき、前記左右の被検眼の前記眼特性を前記他覚測定光学系により測定し、他覚測定情報として他覚屈折値を取得する
ことを特徴とする眼科検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載された眼科検査装置において、
前記左眼投影視標と前記右眼投影視標は、それぞれに表示した前記図柄の左右方向の位置を異ならせることで、前記視標フレームに対する2つの前記図柄の左右方向位置を異ならせて視差を設けた立体視用の視標に設定し、
前記自覚検査処理部は、前記視差を変える制御を、両眼視により2つの前記図柄の融像を試みるときに視差角又は視差距離を変える制御とする
ことを特徴とする眼科検査装置。
【請求項4】
請求項2に記載された眼科検査装置において、
前記自覚検査処理部は、前記輻湊距離の変化に対し前記左右の被検眼により融像を試みたとき、被検者から自覚回答を取得し、
前記適応評価検査部は、前記自覚検査処理部と前記他覚測定部に加え、前記自覚検査処理部にて取得した被検者からの自覚回答、及び、前記他覚測定部にて取得した前記他覚屈折値に基づいて、前記左右の被検眼の立体視への適応能力を判定する判定部を有する
ことを特徴とする眼科検査装置。
【請求項5】
請求項4に記載された眼科検査装置において、
前記判定部は、前記輻湊距離の変化に対し、両眼視による融像に対し肯定的な自覚回答が得られ、かつ、前記他覚屈折値の変化幅が所定範囲に抑えられていると、前記左右の被検眼が立体視へ適応しやすいと判定する
ことを特徴とする眼科検査装置。
【請求項6】
請求項4に記載された眼科検査装置において、
前記判定部は、前記輻湊距離の変化に対し、両眼視による融像に対し否定的な自覚回答が得られ、かつ、前記他覚屈折値の変化幅が所定範囲を超えると、前記左右の被検眼が立体視へ適応しにくいと判定する
ことを特徴とする眼科検査装置。
【請求項7】
請求項2に記載された眼科検査装置において、
前記適応評価検査部は、前記自覚検査処理部と前記他覚測定部に加え、前記他覚測定部にて取得した前記他覚屈折値に基づいて、前記左右の被検眼の立体視への適応能力を判定する判定部を有し、
前記判定部は、前記他覚測定部にて取得した前記他覚屈折値の時間軸による屈折値特性の変動幅である振幅を計測し、前記屈折値特性の変動周波数が低周波数帯のとき、前記振幅が判定閾値以上であると、前記左右の被検眼が疲労群に属すると判定する
ことを特徴とする眼科検査装置。
【請求項8】
請求項2から7までの何れか一項に記載された眼科検査装置において、
前記自覚検査処理部は、前記左右の被検眼の網膜に映る2つの前記図柄の位置の違いである視差を段階的に変える制御により、前記検査距離より遠い位置から前記検査距離より近い位置までの距離範囲で前記輻湊距離が段階的に変化する状態を処方し、
前記他覚測定部は、前記輻湊距離の各段階で前記左右の被検眼の前記眼特性を所定回数測定し、他覚測定情報として、各段階で得られた所定回数の他覚屈折値を平均した他覚屈折平均値を取得する
ことを特徴とする眼科検査装置。
【請求項9】
請求項2から7までの何れか一項に記載された眼科検査装置において、
前記自覚検査処理部は、前記左右の被検眼の網膜に映る2つの前記図柄の位置の違いである視差を無段階に変える制御により、前記検査距離より遠い位置から前記検査距離より近い位置までの距離範囲で前記輻湊距離が無段階に変化する状態を処方し、
前記他覚測定部は、前記輻湊距離が無段階に変化する状態で前記左右の被検眼の前記眼特性を測定し、他覚測定情報として、時系列で測定された他覚屈折値を取得する
ことを特徴とする眼科検査装置。
【請求項10】
左右の被検眼に固視標を提示する視標提示部を有する視標投影系と、
前記左右の被検眼の眼特性を他覚的に測定する他覚測定光学系と、
装置の各部を制御する制御部と、を備える眼科検査方法であって、
前記制御部は、
前記左右の被検眼を、自覚検査での完全矯正値が処方された状態とする完全矯正処方ステップと、
前記完全矯正値の処方に続き、前記視標提示部に有する視標フレームに対する上下方向位置が同じ位置に同じ図柄を有する左眼投影視標と右眼投影視標を、前記左右の被検眼から一定の検査距離だけ離れた視標位置に提示する視標提示ステップと、
前記左右の被検眼の網膜に映る2つの前記図柄の位置の違いである視差を変える制御を行うことで、前記左右の被検眼の位置から2本の視線が交わる輻湊位置までの輻湊距離が変化する状態を処方する輻湊距離制御ステップと、
前記輻湊距離の制御と並列に実行され、前記輻湊距離の変化に対し前記左右の被検眼により融像を試みたとき、前記左右の被検眼の前記眼特性を前記他覚測定光学系により測定し、他覚測定情報として他覚屈折値を取得する調節反応量測定ステップと、
前記他覚屈折値に基づいて、前記左右の被検眼の立体視への適応能力を判定する判定ステップと、を有する
ことを特徴する眼科検査方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科検査装置及び眼科検査方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
眼科検査技術としては、例えば、特許文献1~特許文献5に記載されている技術が提案されている。特許文献1には、斜位を有する被検者の矯正レンズの処方をより適切に行うための検眼情報を提供する技術が記載されている。特許文献2には、被検眼が自然視に近く適切に融像した状態で測定できる眼科測定装置を提供する技術が記載されている。特許文献3には、被検眼の視線の位置を容易に確認し、適切な検眼を行うことができる検眼システムを提供する技術が記載されている。特許文献4には、眼位に関する状態の他覚的な検査を適切に行うことが可能な眼科装置を提供する技術が記載されている。特許文献5には、眼位に関する状態の他覚的な検査を適切に行うことが可能な眼科装置を提供する技術が記載されている。特許文献6には、両眼開放状態での検査を行う際に容易に融像状態を確認することができ、精度よく測定を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-038942号公報
特開2021-019957号公報
特開2020-069201号公報
特開2019-069049号公報
特開2019-063238号公報
特開2018-047050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常の3D映像を見ているときは、両眼で2つの像を単一視する融像のときの眼球運動である輻湊と、両眼で像にピントを合わせるときの調節機能である調節と、に不一致が起きる。つまり、輻湊と調節の間には、両眼で2つの視標を融像するとき、調節が一定で融像できる輻湊の幅(相対輻湊)と、輻湊が一定で融像できる調節の幅(相対調節)と、がある。このため、相対輻湊あるいは相対調節の範囲を超えると、調節反応に協働する輻湊運動(調節性輻湊)あるいは輻湊に誘発される調節作用(輻湊性調節)が起きることが知られている。ここで、「輻湊」とは、観察者から異なる距離(奥行き)にある対象物に視線を移動させたときに両眼が違う方向に動く眼球運動のうち、両眼が寄る方向の眼球運動のことをいう。
【0005】
これに対し、先行技術は、特許文献1~特許文献5の何れの文献をみても、被検眼から一定距離の位置に2つの視標を配置し、両眼で2つの視標を融像するとき、輻湊刺激を与えて輻湊と調節に不一致が起きる状態を再現する構成が記載されていない。このため、先行技術は、左右の被検眼が、輻湊と調節の不一致が起きる立体視に適応しやすいかどうかを評価できない。
【0006】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、左右の被検眼が、輻湊と調節の不一致が起きる立体視に適応しやすいかどうかを評価できる眼科検査装置及び眼科検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の眼科検査装置は、左右の被検眼に固視標を提示する視標提示部を有する視標投影系と、前記左右の被検眼の眼特性を他覚的に測定する他覚測定光学系と、装置の各部を制御する制御部と、を備える。前記固視標は、前記左右の被検眼のそれぞれに投影し、視標フレームに対する上下方向位置が同じ位置に同じ図柄を有する左眼投影視標と右眼投影視標である。前記視標提示部は、前記左右の被検眼から一定の検査距離だけ離れた視標位置に前記左眼投影視標と前記右眼投影視標を提示する。前記視標投影系は、前記左右の被検眼の網膜に映る2つの前記図柄の位置の違いである視差を変えることで、前記左右の被検眼の位置から2本の視線が交わる輻湊位置までの輻湊距離が変化する状態を処方する。前記制御部は、前記輻湊距離の変化に対し前記左右の被検眼により融像を試みたとき、前記左右の被検眼の前記眼特性を前記他覚測定光学系により測定し、他覚測定情報として他覚屈折値を取得する。
【0008】
本発明の眼科検査方法は、完全矯正処方ステップと、視標提示ステップと、輻湊距離制御ステップと、調節反応量測定ステップと、判定ステップと、を有する。前記完全矯正処方ステップは、前記左右の被検眼を、自覚検査での完全矯正値が処方された状態とする。前記視標提示ステップは、前記完全矯正値の処方に続き、前記視標提示部に有する視標フレームに対する上下方向位置が同じ位置に同じ図柄を有する左眼投影視標と右眼投影視標を、前記左右の被検眼から一定の検査距離だけ離れた視標位置に提示する。前記輻湊距離制御ステップは、前記左右の被検眼の網膜に映る2つの前記図柄の位置の違いである視差を変える制御を行うことで、前記左右の被検眼の位置から2本の視線が交わる輻湊位置までの輻湊距離が変化する状態を処方する。前記調節反応量測定ステップは、前記輻湊距離の制御と並列に実行され、前記輻湊距離の変化に対し前記左右の被検眼により融像を試みたとき、前記左右の被検眼の前記眼特性を前記他覚測定光学系により測定し、他覚測定情報として他覚屈折値を取得する。前記判定ステップは、前記他覚屈折値に基づいて、前記左右の被検眼の立体視への適応能力を判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る眼科検査装置及び眼科検査方法は、左右の被検眼が、輻湊と調節の不一致が起きる立体視に適応しやすいかどうかを評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1の眼科検査装置における外観斜視図を示す。
実施例1の眼科検査装置における左測定光学系の概略構成例を示す。
実施例1の眼科検査装置における制御ブロック構成を示す。
実施例1の眼科検査方法の処理手順をあらわすフローチャートを示す。
フレーム内の図柄位置を初期視差角の位置に設定した視標対を示す。
図柄を輻湊距離が検査距離よりも遠くなる位置に設定した視標対を示す。
図柄を輻湊距離が検査距離よりも近くなる位置に設定した視標対を示す。
2本の視線が交わる輻湊位置までの輻湊距離説明図を示す。
輻湊位置までの輻湊距離が検査距離と一致している例を示す。
輻湊位置までの輻湊距離が検査距離より近い例を示す。
輻湊位置までの輻湊距離が検査距離より遠い例を示す。
立体映像観察時における輻湊と調節の測定状況を示す。
輻湊と調節の測定での視差タイムチャートを示す。
健常眼例による輻湊と屈折度(調節)の測定結果例を示す。
疲労群による輻湊と屈折度(調節)の測定結果例1,2を示す。
健常群と疲労群による屈折時間変化周波数の解析結果例を示す。
複数の被検眼が測定対象の視差角と他覚屈折値の関係特性を示す。
実施例2の眼科検査方法の処理手順をあらわすフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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