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公開番号
2025044079
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-01
出願番号
2023151780
出願日
2023-09-19
発明の名称
無機構造物及び無機構造物の製造方法
出願人
国立大学法人大阪大学
,
株式会社戸畑製作所
代理人
アセンド弁理士法人
主分類
C30B
11/00 20060101AFI20250325BHJP(結晶成長)
要約
【課題】力学特性の異方性を発現可能な六方晶系の結晶系に属する結晶構造を有する無機構造物を提供する。
【解決手段】本開示の無機構造物は、単結晶様であって、六方晶系の結晶系に属する結晶構造を有する。無機構造物では、電子後方散乱回折法(EBSD)による結晶方位解析を実施して得られた{1 1 -2 0}面のMUD(Multiple of a Uniform Distribution)が7.00以上30.00以下であり、{0 0 0 1}面のMUDが15.00以上90.00以下である。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
単結晶様の無機構造物であって、
六方晶系の結晶系に属する結晶構造を有し、
電子後方散乱回折法(EBSD)による結晶方位解析を実施して得られた{1 1 -2 0}面のMUD(Multiple of a Uniform Distribution)が7.00以上30.00以下であり、{0 0 0 1}面のMUDが15.00以上90.00以下である、
無機構造物。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の無機構造物であって、
化学組成が、質量%で75.0%以上のMgを含有する、
無機構造物。
【請求項3】
請求項1に記載の無機構造物であって、
前記{1 1 -2 0}面のMUDが8.00以上である、
無機構造物。
【請求項4】
請求項1に記載の無機構造物であって、
前記{0 0 0 1}面のMUDが18.00以上である、
無機構造物。
【請求項5】
請求項1に記載の単結晶様の無機構造物の製造方法であって、
無機粉末を基台上に供給して、無機粉末層を形成する無機粉末層形成工程と、
前記無機粉末層の所定の選択領域にビームを走査して、前記選択領域を溶融して凝固層を形成する凝固層形成工程と、
を交互に繰り返し実施して複数の前記凝固層を積層して、前記六方晶系の結晶系に属する結晶構造を有する前記無機構造物を製造し、
前記凝固層形成工程では、
前記凝固層を形成するときの前記ビームの走査方向を、0°往路、0°復路、120°往路、120°復路、240°往路及び240°復路の6通りとし、各凝固層での走査方向は、往路又は復路のいずれか1方向、又は、同一角度での往路及び復路の双方向とし、
少なくとも、第j層(jは自然数)の凝固層の形成から第j+5層の凝固層の形成までの間に、前記6通りの走査方向で前記ビームを走査する、
無機構造物の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の無機構造物の製造方法であって、
前記凝固層形成工程では、
前記各凝固層での前記ビームの走査方向は、前記同一角度での往路及び復路の双方向とし、隣り合うビーム走査線において、一方を前記往路とし、他方を前記復路とする、
無機構造物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、無機材料で構成される無機構造物及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、付加製造技術AM(Additive Manufacturing)の積層造形法により形成される無機構造物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
人工関節や骨プレートに代表される医用インプラント、自動車、航空機、宇宙関連機器、及び船舶等に代表される移動体、又は、プラント設備や製造装置等の産業設備には、金属又はセラミックスで構成される無機構造物が利用される場合がある。このような無機構造物には、用途に応じて、力学特性に異方性が求められる場合がある。
【0003】
例えば、無機構造物を移動体に適用する場合、移動体内に適用される部位に応じて、無機構造物に求められる力学特性が異なる。例えば、無機構造物において、ある方向では高い強度が求められ、他の方向では、強度よりも変形能が求められる場合がある。
【0004】
そこで、本発明者らは、力学特性を調整可能な無機構造物を特開2011-136083号公報(特許文献1)及び特開2013-94390号公報(特許文献2)に提案している。
【0005】
特許文献1及び特許文献2に開示された構造体は、無機粉末が溶解されて形成される凝固部と、無機粉末が焼結されて形成され、凝固部と結合される焼結部とを備える。焼結部は、内部に隙間を有するため、中実材と比較して密度が低い。そのため、特許文献1に開示された無機構造物は、中実の無機構造物と比較して、弾性率を低くすることができる。このような無機構造物は例えば、付加製造技術AM(Additive Manufacturing)の積層造形法により形成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-136083号公報
特開2013-94390号公報
【非特許文献】
【0007】
H.Yoshinaga,R.Horiuchi,Deformation mechanisms in magnesium single crystals compressed in the direction parallel to hexagonal axis,Transactions of the Japan Institute of Metals,(1963),Vol.4,pp.1-8
M.Kang,N.Dixit,K.Hazeli,K.Xie,K.Hemker,K.T.Ramesh,The mechanical behavior of single crystal and polycrystalline pure magnesium, Mechanics of Materials,(2021),Vol.163,104078
F.Wang,K.Hazeli,K.D.Molodov,C.D.Barrett,T.Al-Samman,D.A.Molodov,A.Kontsos,K.T.Ramesh,H.El Kadiri,S.R.Agnew,Characteristic dislocation substructure in {1 0 -1 2} twins in hexagonal metals,(2018),Vol.143,pp.81-85
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、六方晶系の結晶系に属する結晶構造を有する金属又はセラミックス等の無機化合物は、結晶構造の対称性が低いために、力学特性に異方性を有する。そこで、六方晶系の結晶系に属する結晶構造の無機化合物からなる無機構造物であれば、力学特性の異方性が適度に発現する可能性があり得る。
【0009】
本開示の目的は、力学特性の異方性を発現可能な六方晶系の結晶系に属する結晶構造を有する無機構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示による無機構造物は、単結晶様の無機構造物であって、六方晶系の結晶系に属する結晶構造を有する。さらに、電子後方散乱回折法(EBSD)による結晶方位解析を実施して得られた{1 1 -2 0}面のMUD(Multiple of a Uniform Distribution)が7.00以上30.00以下であり、{0 0 0 1}面のMUDが15.00以上90.00以下である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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