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公開番号
2025092263
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023208034
出願日
2023-12-08
発明の名称
セミクラスレートハイドレートおよびその製造方法
出願人
国立大学法人大阪大学
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C09K
5/06 20060101AFI20250612BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】再結晶時に要するエネルギーを低減できるセミクラスレートハイドレートを提供する。あるいは、ハロゲン含有化合物などの環境負荷の大きい成分を含有していないセミクラスレートハイドレートを提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係るセミクラスレートハイドレートは成分A:水、成分B:テトラアルキルアンモニウムカチオンおよび/またはテトラアルキルホスホニウムカチオン、ならびに成分C:トリカルボン酸アニオンを含んでいる。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
下記成分A~Cを含んでいる、セミクラスレートハイドレート:
成分A:水;
成分B:テトラアルキルアンモニウムカチオンおよび/またはテトラアルキルホスホニウムカチオン;
成分C:トリカルボン酸アニオン。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
上記成分Bにおいて、中心の窒素原子またはリン原子は、4つのアルキル基と結合しており、このうち、
3つの上記アルキル基の炭素数は、いずれも、3~5個であり、
1つの上記アルキル基の炭素数は、1~6個である、
請求項1に記載のセミクラスレートハイドレート。
【請求項3】
上記成分Cの炭素数は、5~7個である、
請求項1に記載のセミクラスレートハイドレート。
【請求項4】
下記の手順で行う再結晶試験において、セミクラスレートハイドレートに再結晶する、
請求項1に記載のセミクラスレートハイドレート:
1. 1gのセミクラスレートハイドレートを、当該セミクラスレートハイドレートの分解温度よりも5℃高い温度にて30分間保持し、液体に状態変化させる。
2. 上記液体を、上記分解温度よりも10℃低い温度になるまで、0.1℃/分で冷却する。
【請求項5】
ハロゲン化合物を実質的に含んでいない、
請求項1に記載のセミクラスレートハイドレート。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のセミクラスレートハイドレートを含んでいる、
蓄熱材。
【請求項7】
下記成分A~Cを含有する混合物を冷却する工程を有する、セミクラスレートハイドレートの製造方法:
成分A:水;
成分B:テトラアルキルアンモニウムカチオンおよび/またはテトラアルキルホスホニウムカチオン;
成分C:トリカルボン酸アニオン。
【請求項8】
上記冷却における冷却温度をT
A
(℃)、上記セミクラスレートハイドレートの分解温度をT(℃)とすると、下記の関係が成立する、
請求項7に記載の製造方法。
T-T
A
≦10℃
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セミクラスレートハイドレートおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
水分子にある種のゲスト物質を混合して冷却すると、クラスレートハイドレートと呼ばれる結晶体が形成されることが知られている。クラスレートハイドレートにおいては、複数の水分子が籠状の結晶構造を形成しており、この籠の中にゲスト物質が包接されている。クラスレートハイドレートの中でも、籠状の結晶構造の形成にゲスト物質の分子が参加するものを、セミクラスレートハイドレートと称する。
【0003】
セミクラスレートハイドレートは、結晶が分解するときの潜熱が大きいため、蓄熱材としての応用が検討されている。例えば、特許文献1は、臭化テトラブチルアンモニウムをゲスト物質とするセミクラスレートハイドレートを開示している。ただし、このセミクラスレートハイドレートは、ゲスト物質がハロゲン原子を含有しているので、環境負荷が大きく、腐食性も高いという課題があった。
【0004】
これに対して、ハロゲン原子を含有していないゲスト分子を採用したセミクラスレートハイドレートも検討されている。特許文献2は、テトラブチルアンモニウムカチオンおよびR-COOで表されるモノカルボン酸アニオンをゲスト物質とするセミクラスレートハイドレートを開示している。特許文献3は、テトラブチルアンモニウムカチオンおよび
-
O
2
C-R
1
-CO
2
-
で表されるジカルボン酸アニオンをゲスト物質とするセミクラスレートハイドレートを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/013161号
特開2019-044095号
特開2020-147718号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2、3に開示されているセミクラスレートハイドレートは、後述するメモリ効果が小さく、一旦液体に状態変化したセミクラスレートハイドレートを再結晶させるのに要するエネルギーが大きいという課題があった。
【0007】
本発明の一態様は、再結晶時に要するエネルギーを低減できるセミクラスレートハイドレートを提供することを課題とする。本発明の他の態様は、腐食性や環境負荷の大きいハロゲン含有化合物を含有していないセミクラスレートハイドレートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明には、下記の態様が含まれる。
<1>
下記成分A~Cを含んでいる、セミクラスレートハイドレート:
成分A:水;
成分B:テトラアルキルアンモニウムカチオンおよび/またはテトラアルキルホスホニウムカチオン;
成分C:トリカルボン酸アニオン。
<2>
上記成分Bにおいて、中心の窒素原子またはリン原子は、4つのアルキル基と結合しており、このうち、
3つの上記アルキル基の炭素数は、いずれも、3~5個であり、
1つの上記アルキル基の炭素数は、1~6個である、
<1>に記載のセミクラスレートハイドレート。
<3>
上記成分Cの炭素数は、5~7個である、
<1>または<2>に記載のセミクラスレートハイドレート。
<4>
下記の手順で行う再結晶試験において、セミクラスレートハイドレートに再結晶する、
<1>~<3>のいずれかに記載のセミクラスレートハイドレート:
1. 1gのセミクラスレートハイドレートを、当該セミクラスレートハイドレートの分解温度よりも5℃高い温度にて30分間保持し、液体に状態変化させる。
2. 上記液体を、上記分解温度よりも10℃低い温度になるまで、0.1℃/分で冷却する。
<5>
ハロゲン化合物を実質的に含んでいない、
<1>~<4>のいずれかに記載のセミクラスレートハイドレート。
<6>
<1>~<5>のいずれかに記載のセミクラスレートハイドレートを含んでいる、
蓄熱材。
<7>
下記成分A~Cを含有する混合物を冷却する工程を有する、セミクラスレートハイドレートの製造方法:
成分A:水;
成分B:テトラアルキルアンモニウムカチオンおよび/またはテトラアルキルホスホニウムカチオン;
成分C:トリカルボン酸アニオン。
<8>
上記冷却における冷却温度をT
A
(℃)、上記セミクラスレートハイドレートの分解温度をT(℃)とすると、下記の関係が成立する、
<7>に記載の製造方法。
T-T
A
≦10℃
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、再結晶時に要するエネルギーを低減できるセミクラスレートハイドレートが提供される。本発明の他の態様によれば、ハロゲン含有化合物などの環境負荷の大きい成分を含有していないセミクラスレートハイドレートが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
製造例1で製造したセミクラスレートハイドレートにおいて、ゲスト物質の濃度を変化させた際の、分解温度および分解熱を表すグラフである。
製造例2で製造したセミクラスレートハイドレートにおいて、ゲスト物質の濃度を変化させた際の、分解温度および分解熱を表すグラフである。
実施例に係るセミクラスレートハイドレートのメモリ効果を表すグラフである。
比較例に係るセミクラスレートハイドレートのメモリ効果を表すグラフである。ゲスト物質として、トリカルボン酸に代えてモノカルボン酸を採用している。
比較例に係るセミクラスレートハイドレートのメモリ効果を表すグラフである。ゲスト物質として、トリカルボン酸に代えてジカルボン酸を採用している。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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