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公開番号
2025154920
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024058206
出願日
2024-03-29
発明の名称
直交変調装置、スプリアス補正方法及び直交変調の補正方法
出願人
国立大学法人大阪大学
代理人
弁理士法人ドライト国際特許事務所
主分類
H04L
27/36 20060101AFI20251002BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】回路構成に制限されずに変調波のスプリアスを良好な精度で測定できる直交変調装置、スプリアス補正方法及び直交変調の補正方法を提供する。
【解決手段】量子コンピュータ10において、直交変調装置12は、変調部17及び測定部18を有し、変調部17は、直交変調されたTX1信号を出力する第1直交変調部21、直交変調されたTX2信号を出力する第2直交変調部22を有する。TX1信号、TX2信号は、互いに同じ周波数の所望波を含む。TX1信号及びTX2信号のイメージ成分、ローカルリークを測定部18で測定する際に、TX1信号の所望波とTX2信号の所望波が互いに同じ振幅で逆位相となるように調整され、TX1信号とTX2信号との合成波からイメージ成分、ローカルリークを測定する。測定部18のダウンコンバータ53は、混合器53a及びフラクショナルN型PLL回路からなる第3ローカル発振器53bで構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第1のI信号及び第1のQ信号を用いて第1搬送波を直交変調した第1変調波を出力する第1直交変調部と、第2のI信号及び第2のQ信号を用いて、前記第1搬送波と周波数が異なる第2搬送波を直交変調し、所望波の周波数が前記第1変調波の所望波の周波数と一致するとともにイメージ成分の周波数が前記第1変調波のイメージ成分の周波数と異なる第2変調波を出力する第2直交変調部とを有する変調部と、
前記第1変調波、前記第2変調波または前記第1変調波と前記第2変調波との合成波が対象波として入力され、前記対象波の周波数を下げるダウンコンバータ、前記ダウンコンバータから出力される信号をデジタル変換するAD変換器及び前記AD変換器の出力に基づいて前記対象波を測定する信号処理部を含む測定部と
を備え、
前記変調部は、前記測定部が前記合成波から前記第1変調波のスプリアスを測定する際に、各所望波の振幅が等しくかつ所望波間で逆位相となる前記第1変調波と前記第2変調波とをそれぞれ出力し、前記合成波における前記第1変調波と前記第2変調波の所望波を抑圧し、
前記ダウンコンバータは、局部信号を出力するフラクショナルN型PLL回路と、前記対象波に前記局部信号を混合する混合器とを有する
ことを特徴とする直交変調装置。
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【請求項2】
前記変調部は、前記第1変調波と前記第2変調波の各所望波の振幅を等しくしかつ所望波間で逆位相とする所望波抑圧用補正値を算出する際に、振幅を減少した前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を前記第1直交変調部に入力することで得られる振幅が減少した前記第1変調波と、振幅を減少した前記第2のI信号及び前記第2のQ信号を前記第2直交変調部に入力することで得られる振幅が減少した前記第2変調波とを択一的に出力し、
前記信号処理部は、前記変調部から前記第1変調波のみが出力されている間に前記第1変調波の所望波の振幅と位相とを測定した測定値と、前記第2変調波のみが出力されている間に前記第2変調波の所望波の振幅と位相とを測定した測定値とから前記所望波抑圧用補正値を算出し、前記測定部が前記合成波から前記第1変調波のスプリアスを測定する際に、前記所望波抑圧用補正値によって前記第1のI信号及び前記第1のQ信号と前記第2のI信号及び前記第2のQ信号とを相対的に補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の直交変調装置。
【請求項3】
前記第1変調波を外部に出力する際に、第1補正値に基づいて前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を補正する補正部を備え、
前記信号処理部は、前記第1変調波と前記第2変調波の所望波が抑圧された前記合成波から測定した前記第1変調波のイメージ成分及びローカルリークの振幅及び位相角を含む測定値に基づいて、前記第1変調波のイメージ成分及びローカルリークの信号強度を小さくするように、前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を補正する前記第1補正値を求める
ことを特徴とする請求項1または2に記載の直交変調装置。
【請求項4】
前記補正部は、前記第2変調波を外部に出力する際に、第2補正値に基づいて前記第2のI信号及び前記第2のQ信号を補正し、
前記信号処理部は、さらに前記第1変調波と前記第2変調波の所望波が抑圧された前記合成波から測定した前記第2変調波のイメージ成分及びローカルリークの振幅及び位相角を含む測定値に基づいて、前記第2変調波のイメージ成分及びローカルリークの信号強度を小さくするように、前記第2のI信号及び前記第2のQ信号を補正する前記第2補正値を求める
ことを特徴とする請求項3に記載の直交変調装置。
【請求項5】
第1のI信号及び第1のQ信号を用いて第1搬送波を直交変調した第1変調波を出力する第1変調波出力工程と、
第2のI信号及び第2のQ信号を用いて第2搬送波を直交変調し、所望波が前記第1変調波の所望波の周波数と一致しかつ逆位相となるとともに、イメージ成分の周波数が前記第1変調波のイメージ成分の周波数と異なる第2変調波とを出力する第2変調波出力工程と、
前記第2変調波の所望波の振幅を通常の振幅となるまで段階的に増加させる振幅増加工程と、
前記第2変調波の所望波の振幅が増加するごとに、前記第1変調波と前記第2変調波とを合波した合成波中の前記第1変調波と前記第2変調波の所望波同士が打ち消されるように前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を補正する所望波補正工程と、
前記所望波補正工程によって前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を補正するごとに、所望波同士が打ち消された合成波中の前記第1変調波のイメージ成分及びローカルリークを測定するスプリアス測定工程と、
前記スプリアス測定工程によってイメージ成分及びローカルリークを測定するごとに、前記合成波中の前記第1変調波のイメージ成分及びローカルリークを測定した測定結果に基づいて、前記第1変調波のイメージ成分及びローカルリークの信号強度を小さくするように、前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を補正する補正値を求める補正値算出工程と
を有し、
少なくとも前記第2変調波の所望波が通常の振幅となる前は、前記補正値が得られるごとに、得られた前記補正値によって前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を補正して前記第1変調波を出力させ、前記第2変調波の所望波が通常の振幅であるときに得られる前記補正値を、前記第1変調波を外部に出力する際に前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を補正する第1補正値とする
ことを特徴とするスプリアス補正方法。
【請求項6】
請求項5に記載のスプリアス補正方法によって得られる前記第1補正値に基づいて、前記第1変調波を外部に出力する際の前記第1のI信号及び前記第1のQ信号を補正する補正工程を有する
ことを特徴とする直交変調の補正方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、直交変調装置、スプリアス補正方法及び直交変調の補正方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
I(同相)信号とQ(直交位相)信号を用いて搬送波を直交変調する直交変調器(IQ変調器)が知られている。直交変調では、同一の周波数で位相が90°異なる2つの搬送波の一方をI信号で変調し他方をQ信号で変調したものを加算した1つの変調波として出力する。
【0003】
直交変調器では、スプリアス(不要波)としてイメージ成分とローカルリークが変調波に含まれることが知られており、これらは直交変調器における位相誤差、振幅誤差により発生する。直交変調器において、それらの発生を避けることは困難であるため、信号強度を小さくするように補正している。例えば、特許文献1には、イメージ成分を補正する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-208091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、直交変調した変調波に含まれるイメージ成分とローカルリークとを補正する場合には、ダウンコンバータやAD変換器などで構成される測定部において変調波をサンプリングして、イメージ成分とローカルリークとをそれぞれ定量する必要がある。一方で、変調波には、イメージ成分とローカルリーク以外に、それらに比べてかなり信号強度の強い所望波が含まれている。このため、検出部において、所定の精度をもって良好にイメージ成分とローカルリークとをそれぞれ定量する場合に、例えば信号強度の大きな所望波までをカバーするように、信号電力について広いダイナミックレンジのダウンコンバータ、信号強度に対する解像度やサンプリング周波数が高いAD変換器等のように性能が高い回路構成が必要である。サンプリング周波数が高いAD変換器は、電力消費が大きいという問題がある。
【0006】
本発明は、回路構成に制限されずに変調波のスプリアスを良好な精度で測定できる直交変調装置、スプリアス補正方法及び直交変調の補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の直交変調装置は、第1のI信号及び第1のQ信号を用いて第1搬送波を直交変調した第1変調波を出力する第1直交変調部と、第2のI信号及び第2のQ信号を用いて、第1搬送波と周波数が異なる第2搬送波を直交変調し、所望波の周波数が第1変調波の所望波の周波数と一致するとともにイメージ成分の周波数が第1変調波のイメージ成分の周波数と異なる第2変調波を出力する第2直交変調部とを有する変調部と、第1変調波、第2変調波または第1変調波と第2変調波との合成波が対象波として入力され、対象波の周波数を下げるダウンコンバータ、ダウンコンバータから出力される信号をデジタル変換するAD変換器及びAD変換器の出力に基づいて対象波を測定する信号処理部を含む測定部とを備え、変調部は、測定部が合成波から第1変調波のスプリアスを測定する際に、各所望波の振幅が等しくかつ所望波間で逆位相となる第1変調波と第2変調波とをそれぞれ出力し、合成波における第1変調波と第2変調波の所望波を抑圧し、ダウンコンバータは、局部信号を出力するフラクショナルN型PLL回路と、対象波に局部信号を混合する混合器とを有するものである。
【0008】
本発明のスプリアス補正方法は、第1のI信号及び第1のQ信号を用いて第1搬送波を直交変調した第1変調波を出力する第1変調波出力工程と、第2のI信号及び第2のQ信号を用いて第2搬送波を直交変調し、所望波が第1変調波の所望波の周波数と一致しかつ逆位相となるとともに、イメージ成分の周波数が第1変調波のイメージ成分の周波数と異なる第2変調波とを出力する第2変調波出力工程と、第2変調波の所望波の振幅を通常の振幅となるまで段階的に増加させる振幅増加工程と、第2変調波の所望波の振幅が増加するごとに、第1変調波と第2変調波とを合波した合成波中の第1変調波と第2変調波の所望波同士が打ち消されるように第1のI信号及び第1のQ信号を補正する所望波補正工程と、所望波補正工程によって第1のI信号及び第1のQ信号を補正するごとに、所望波同士が打ち消された合成波中の第1変調波のイメージ成分及びローカルリークを測定するスプリアス測定工程と、スプリアス測定工程によってイメージ成分及びローカルリークを測定するごとに、合成波中の第1変調波のイメージ成分及びローカルリークを測定した測定結果に基づいて、第1変調波のイメージ成分及びローカルリークの信号強度を小さくするように、第1のI信号及び第1のQ信号を補正する補正値を求める補正値算出工程とを有し、少なくとも第2変調波の所望波が通常の振幅となる前は、補正値が得られるごとに、得られた補正値によって第1のI信号及び第1のQ信号を補正して第1変調波を出力させ、第2変調波の所望波が通常の振幅であるときに得られる補正値を、第1変調波を外部に出力する際に第1のI信号及び第1のQ信号を補正する第1補正値とするものである。
【0009】
本発明の直交変調の補正方法は、上記スプリアス補正方法によって得られる第1補正値に基づいて、第1変調波を外部に出力する際の第1のI信号及び第1のQ信号を補正する補正工程を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の直交変調装置によれば、直交変調された第1変調波のスプリアスを測定する際に、第1変調波の所望波と同じ周波数であって逆位相となる第2変調波を第1変調波と合波し、所望波同士が互いに打ち消しあった合成波を生成し、その合成波にフラクショナルN型PLL回路からの局部信号を混合してダウンコンバートして測定する。合成波の周波数に局部信号を簡単な回路構成で近づけることができ、周波数変換した後の合成波の周波数をより低くできるので、サンプリング周波数が低いAD変換器によって、省電力化を図りながらスプリアスを良好な精度で測定できる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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