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公開番号
2025067429
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2023177400
出願日
2023-10-13
発明の名称
量子鍵配送装置
出願人
日本電信電話株式会社
,
国立大学法人大阪大学
代理人
弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類
H04B
10/70 20130101AFI20250417BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】本開示は、多数のノードのうちの任意の2つのノード間で秘密鍵を共有する量子鍵配送(QKD)ネットワークにおいて、伝送光の偏波制御が不要であり、鍵ビット生成効率が高く鍵ビット誤り率の小さい量子鍵配送装置を提供する。
【解決手段】共通鍵暗号のための秘密鍵を供給するQKDネットワークは、リング状の伝送路と、リング状の伝送路上に配置され、信号光140を出力する光源を有する送信機およびリング状の伝送路を経由してきた信号光のパルス列から光子を検出する受信機を備えた1つの送受信ノードと、リング状の伝送路上に配置され、信号光のパルスを所定位相に変調する位相変調部711および位相変調部で変調された信号光のパルス強度を調整する可変光減衰器715を備える中継ノード710と、を備えている。
【選択図】図7
特許請求の範囲
【請求項1】
共通鍵暗号のための秘密鍵を供給する量子鍵配送装置であって、
リング状の伝送路と、
前記リング状の伝送路上に配置された1つの送受信ノードであって、
信号光を出力する光源を有する送信機、および
前記リング状の伝送路を経由してきた前記信号光のパルス列から光子を検出する受信機、
を備えた送受信ノードと、
前記リング状の伝送路上に配置された中継ノードであって、
前記信号光のパルスを所定位相に変調する位相変調部、および
前記位相変調部で変調された前記信号光のパルス強度を調整する可変光減衰器、
を備えた中継ノードと、
を備えた量子鍵配送装置。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
前記位相変調部は、垂直または水平偏波成分のいずれかに対して位相変調を行う第1の位相変調器および第2の位相変調器を備えた、請求項1に記載の量子鍵配送装置。
【請求項3】
前記第1の位相変調器と前記第2の位相変調器が直列に接続されており、
前記位相変調部は、前記第1の位相変調器と前記第2の位相変調器との間に配置された偏波回転素子をさらに備えた、請求項2に記載の量子鍵配送装置。
【請求項4】
前記第1の位相変調器と前記第2の位相変調器が並列に接続されており、
前記位相変調部は、前記第1の位相変調器および前記第2の位相変調器の入力段に配置された第1の偏波ビームスプリッタ(PBS)、および前記第1の位相変調器および前記第2の位相変調器の出力段に配置された第2のPBSを備えた、請求項2に記載の量子鍵配送装置。
【請求項5】
前記受信機は、1つの干渉計、および複数の光子検出器を備える、請求項1に記載の量子鍵配送装置。
【請求項6】
前記干渉計が、遅延マッハツェンダー干渉計である、請求項5に記載の量子鍵配送装置。
【請求項7】
前記中継ノードは、光モニター装置をさらに備えている、請求項1に記載の量子鍵配送装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、暗号システムに関し、具体的には、秘密鍵を配信するための量子鍵配送装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
離れた2者に共通鍵暗号通信のための秘密鍵を安全に供給するシステムとして、量子暗号または量子鍵配送(Quantum Key Distribution:QKD)の研究開発が進められている。QKDでは、鍵情報がエンコードされた量子状態(例えば、単一光子または超微弱コヒーレント光)を送受信し、その送受信結果に鍵蒸留、誤り訂正、または秘匿性増強などの後処理を施すことにより、秘密鍵を生成する。生成した鍵の安全性は、量子状態は観測または操作されると状態変化を起こす、という量子力学的性質により保証される。この性質のため、盗聴が行われると受信状態が正常時と異なることとなり、これより盗聴行為が検知される。言い方を変えると、正常に送受信されていれば、盗聴されておらず、安全であることが保証される。
【0003】
上記のように、QKDの安全性は、量子状態に何らかの操作が施されると状態が変化することに基づいていため、再生中継や信号の分岐をすることはできない。従って、図1に示すように、QKD基本構成においては、QKD送信機110とQKD受信機120が伝送路130を介して直接接続され、QKD信号光140が一対一伝送されることになる。
【0004】
このため、多数のノード間で秘密鍵を共有する場合には、図2に示すように、各ノード210間を{QKD送信機-伝送路-QKD受信機}のセットで一対一接続する必要がある。したがって、N個のノード間でそれぞれ秘密鍵を共有するためには、{N×(N-1)/2}個のセットの{QKD送信機-伝送路-QKD受信機}を備えることになり、高価なネットワークとなる。
【0005】
これを解決するため、複数のノードをリング状に接続するQKDネットワークが特許文献1にて提示されている。
【0006】
図3は、特許文献1で提示されているQKDネットワーク300の構成図である。非特許文献1で提案されているQKDネットワーク300は、(各ノードの構成は、図4を参考しながらさらに詳しく説明するが、)送受信ノード210内に備える送信機110から送信された信号光140が、複数の中継ノード310を経由して再び送受信ノード210内に備える受信機120に戻ってくる、リングトポロジーのネットワークである。
【0007】
図4は、上記QKDネットワーク300における送受信ノード210の装置構成図である。送信機110は、コヒーレントパルス光源111、位相変調器113、及び光減衰器115を有する。これにより、送信機110は、パルス間隔が一定で、各パルスの位相が0またはπで変調された微弱コヒーレントパルス列(平均光子数がパルス当たり1未満)である信号光140を伝送路130へ送出する。
【0008】
受信機120は、遅延時間がパルス間隔に等しい遅延マッハツェンダー干渉計121、並びに光子を検出する第1の光子検出器123A、及び第2の光子検出器123Bを有する。これにより、受信機120は、隣接パルスが干渉し、その結果として光子を検出する。具体的には、隣接パルス間位相差が0であれば第1の光子検出器123Aで、位相差がπであれば第2の光子検出器123Bで、光子が検出される。但し、信号光は微弱であるので、光子が検出されるのは稀かつランダムである。
【0009】
上記の遅延マッハツェンダー干渉計121は、信号光140を2分岐して、一方を反射し他方を透過する第1のハーフミラー125A、2分岐されたパルスの一方を反射する第1のミラー127Aおよび第2のミラー127B、および2分岐されたパルスの一方を反射し他方を透過する第2のハーフミラー125Bを備える。
【0010】
図5は、上記QKDネットワーク300における中継ノード310の装置構成図である。中継ノード310は、入力される信号光140のパルスを位相変調する位相変調器113を備える。中継ノード310は、上記の位相変調器113を使用して、伝送されてきた各パルスに0またπの位相変調を加えたうえで、次のノードへ信号光140を送出する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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