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公開番号2025016619
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-04
出願番号2024190296,2023539715
出願日2024-10-30,2022-06-30
発明の名称顕微ラマン分光装置
出願人株式会社島津製作所
代理人個人
主分類G01N 21/65 20060101AFI20250128BHJP(測定;試験)
要約【課題】分光器の構造単純化によって小型化と低コスト化を実現することができるとともに、試料を常に高精度で分析することができる顕微ラマン分光装置を提供する。
【解決手段】顕微ラマン分光装置は、波長の異なる励起レーザ光(励起光)を出射するレーザ発振器(励起用光源)と、レーザ発振器からの励起レーザ光の照射によって試料から放射されるラマン散乱光R1又はR2を回折格子12又は13によって分光する分光器10と、該分光器10によって分光されたラマン散乱光R1又はR2を検出して光電変換するCCD検出器20を備え、分光器10は、入射開口11a,11bと、入射開口11a,11bから入射するラマン光R1又はR2を回折格子12又は13へと導く複数(2つ)の光学系I,IIを備え、回折格子12または13によって分光された複数の光束を1つの結像レンズ14にタンデムに入射させる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
波長の異なる励起光をそれぞれ出射する複数の励起光源と、前記励起光を集光して試料に照射する一の対物レンズと、
選択された1つの前記励起光源からの励起光の前記一つの対物レンズを通した照射によって試料から放射されるラマン散乱光を回折格子によって分光する分光器と、
前記分光器によって分光されたラマン散乱光を検出して光電変換する検出器と、
を備える顕微ラマン分光装置であって、
前記分光器は、
複数の入射開口と、
前記入射開口から入射するラマン散乱光を並行光束化して前記回折格子へと導く光学系と、
前記回折格子によって分光された複数のラマン散乱光の光束を前記検出器に結像する一つの結像レンズと、を備え、
前記光学系は、前記入射開口の数だけ備えられ、
前記一つの結像レンズは、前記回折格子によって分光された複数の光束が入射され、前記検出器に結像することを特徴とする顕微ラマン分光装置。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記結像レンズによって集光した光束を共通の前記検出器の検出面に結像させることを特徴とする請求項2に記載の顕微ラマン分光装置。
【請求項3】
前記各光学系は、前記入射開口から入射するラマン散乱光を反射させる反射ミラーと、
該反射ミラーによって反射した光を平行化させて前記各回折格子にそれぞれ導くコリメータレンズを備えることを特徴とする請求項1、2の何れかに記載の顕微ラマン分光装置。
【請求項4】
前記反射ミラーを1つとして複数の前記光学系に共用したことを特徴とする請求項3に記載の顕微ラマン分光装置。
【請求項5】
前記励起光源として、波長532nmの励起レーザ光を出射するレーザ発振器と、波長785nmの励起レーザ光を出射するレーザ発振器を備えることを特徴とする請求項2~4の何れかに記載の顕微ラマン分光装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡の対物レンズを用いて励起光を集光させることによってμmオーダの高い空間分解能を得ることができる顕微ラマン分光装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
物質(試料)に特定の波長の光(単色光やレーザ光など)を照射すると、その照射光が散乱され、その一部は、分子振動によって照射光の波長とは異なる微弱なラマン散乱光となる。
このラマン散乱光の振動数は、分子の固有振動数に一致するため、試料を構成する分子の振動や回転に基づいた或る決まった波数(ラマンシフト)にラマン散乱光が現れる。
このラマン散乱光を分光して得られるラマンスペクトルを検出することによって、試料の分子レベルの構造を解析する装置がラマン分光装置であって、このラマン分光装置は、励起光源と分光器及び検出器から構成されており、これについては今までに種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ラマン分光装置の光学系に顕微鏡の対物レンズを用いて照射光(励起光)を集光させることによって、μmオーダの高い空間分解能を得ることができる顕微ラマン分光装置についての提案もなされている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
ところで、試料は、紫外線や可視光に対する大小様々な蛍光特性を有しているため、試料からは照射光に応じた蛍光が発せられる。
ラマン分光法においては、試料の自家蛍光が強い場合には、ラマン散乱光と蛍光の波長同士が重なってしまい、ラマンスペクトルの非常に微弱なラマンピークが蛍光スペクトルに埋もれてしまうために試料の解析を高精度に行うことができないという問題が発生する。
【0005】
そこで、特許文献3には、試料に対する予備測定として蛍光観察を実行し、試料がどの励起波長のレーザ光に対してどんな波長の蛍光を発するのかを予測し、蛍光の波長とラマン散乱光の波長とが重ならないような励起レーザ光を選択することによって、試料の分析を高精度に行うことができる顕微ラマン分光装置が提案されている。
具体的には、この顕微ラマン分光装置は、複数の励起レーザ光源と、これらの励起レーザ光源を切り替えるためのレーザ自動切替機を備え、分光器には、複数のアパーチャの中から最適なものに選択するアパーチャ切替手段、複数の回折格子の中から励起レーザ光に応じた適切なものに切り替える回折格子切替手段、複数のCCD検出器の中から励起レーザ光に応じた適切なものに切り替える検出器切替手段などが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-113021号公報
特開2017-207522号公報
特許第6788298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3において提案された顕微ラマン分光装置においては、分光器に複数(励起レーザ光源の数と同数)のアパーチャ(入射開口)と回折格子及びCCD検出器を設け、これらを波長の異なる励起レーザ光に応じて切り替えるためのアパーチャ切替手段と回折格子切替手段及び検出器切替手段によって切り替える構成を採用しているため、分光器の構造が複雑化して大型化及び高コスト化を招くという問題がある。
【0008】
また、アパーチャや回折格子、検出器をそれぞれ物理的に切り替えるための各切替手段には可動部位がそれぞれ設けられているが、これらの可動部位の位置再現性などの問題が試料の解析結果に悪影響を及ぼす可能性もある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、分光器の構造単純化によって小型化と低コスト化を実現することができるとともに、試料を常に高精度で分析することができる顕微ラマン分光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る顕微ラマン分光装置は、
波長の異なる励起光をそれぞれ出射する複数の励起光源と、前記励起光を集光して試料に照射する一の対物レンズと、
選択された1つの前記励起光源からの励起光の前記一つの対物レンズを通した照射によって試料から放射されるラマン散乱光を回折格子によって分光する分光器と、
前記分光器によって分光されたラマン散乱光を検出して光電変換する検出器と、
を備える顕微ラマン分光装置であって、
前記分光器は、
複数の入射開口と、
前記入射開口から入射するラマン散乱光を並行光束化して前記回折格子へと導く光学系と、
前記回折格子によって分光された複数のラマン散乱光の光束を前記検出器に結像する一つの結像レンズと、を備え、
前記光学系は、前記入射開口の数だけ備えられ、
前記一つの結像レンズは、前記回折格子によって分光された複数の光束が入射され、前記検出器に結像することを特徴とする顕微ラマン分光装置。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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