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公開番号2025016316
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-31
出願番号2023129601
出願日2023-07-21
発明の名称電流センサ
出願人甲神電機株式会社
代理人
主分類G01R 15/20 20060101AFI20250124BHJP(測定;試験)
要約【課題】周波数が高い領域でも感度が低下せず、隣相導体を流れる電流が発生する磁束の影響を受けにくい高感度で小型な電流センサを得る。
【解決手段】 X軸方向に延在し、その一部に+Y軸方向に延在する第一の検出部と-Y軸方向に延在する第二の検出部を有する導体20と、導体20に近接し、一対の磁気検出素子を内蔵した回路部10を、Z軸方向に3組以上並べ、
一対の磁気検出素子は、被測定電流が流れる第一の検出部と、第二の検出部のどちらか一方をX軸方向から挟む位置に配置し、一対の磁気検出素子の中心位置は、隣の導体20の第一の検出部と第二の検出部の中心位置とX軸方向で略一致し、
一対の磁気検出素子の中心と、隣の導体20のY軸Z軸断面の中心との最短距離は略同一である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
所定X軸方向に略並行に延在する三個以上の複数の導体と、前記導体に近接し前記導体を流れる被測定電流が発生する磁束を検出する一対の第一及び第二の磁気検出素子を、前記導体毎に複数対有し、前記第一及び第二の磁気検出素子が検出するそれぞれの磁束密度の差分相当値を複数対分出力する電流センサであって、
前記導体の一部に、前記X軸方向に対し90度の角度を成すY軸方向に略並行な延在方向を持つ第一の検出部と、
前記第一の検出部の延在方向に対し略180度(略逆方向)の角度を成す延在方向を持つ第二の検出部を有し、
前記第一及び第二の磁気検出素子は、前記X軸方向と前記Y軸方向の両方に対し90度の角度を成すZ軸方向に略並行な方向の磁束密度を検出し、
前記第一及び第二の磁気検出素子は、前記第一又は第二の検出部のどちらか一方を前記X軸方向から挟む位置に配置し、
前記複数の導体は、前記Z軸方向に略並行に並んでおり、
前記複数の導体の中の一つの導体に近接した前記第一の磁気検出素子と前記第二の磁気検出素子の中心の前記X軸方向位置と、隣の導体の第一の検出部と第二の検出部の中心の前記X軸方向位置が略同一であり、
前記複数の導体の中の一つの導体に近接した前記第一及び第二の磁気検出素子の中心と、隣の導体の前記Y軸Z軸断面の中心との最短距離は、いずれも略同一であることを特徴とする電流センサ。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
所定X軸方向に略並行に延在する導体と、前記導体を流れる被測定電流が発生する磁束を検出する一対の第一及び第二の磁気検出素子を有し、前記第一及び第二の磁気検出素子が検出するそれぞれの磁束密度の差分相当値を出力する電流センサであって、
前記導体の一部に、前記X軸方向に対し90度の角度を成すY軸方向に略並行な延在方向を持つ第一及び第三の検出部と、
前記第一の検出部の延在方向に対し略180度(略逆方向)の角度を成す延在方向を持つ第二及び第四の検出部を有し、
前記第三の検出部は、前記第一の検出部と対面し、前記第四の検出部は、前記第二の検出部と対面し、
前記第一及び第二の磁気検出素子は、前記X軸方向と前記Y軸方向の両方に対し90度の角度を成すZ軸方向に略並行な方向の磁束密度を検出し、
前記第一及び第二の磁気検出素子は、前記第一の検出部と第三の検出部の間近傍、又は第二の検出部と第四の検出部の間近傍のどちらか一方にあり、前記検出部を前記X軸方向から挟む位置に配置することを特徴とする電流センサ。
【請求項3】
前記導体は、前記X軸方向に略並行な第一の折り曲げ線と、前記第一の折り曲げ線に略並行な第二の折り曲げ線を有し、前記第一の折り曲げ線と前記第二の折り曲げ線で折り曲げることで、前記第一の検出部と前記第三の検出部が対面し、
前記第二の検出部と前記第四の検出部が対面することを特徴とする請求項2記載の電流センサ。
【請求項4】
前記導体は前記X軸方向に略並行に二個以上あり、前記導体の前記第四の検出部の前記Y軸方向直線距離は、前記第三の検出部の前記Y軸方向直線距離の0.375倍以上の長さであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電流センサ。
【請求項5】
所定Y軸方向に延在する導体と、前記導体を流れる被測定電流が発生する磁束を検出する一対の第一及び第二の磁気検出素子を有し、前記第一及び第二の磁気検出素子が検出するそれぞれの磁束密度の差分相当値を出力する電流センサであって、
前記第一の磁気検出素子の中心と前記第二の磁気検出素子の中心とを結ぶ線の方向は、前記Y軸方向に対して90度の角度を成すX軸方向に略並行で、
前記第一及び第二の磁気検出素子は、前記X軸方向と前記Y軸方向の両方に対し90度の角度を成すZ軸方向に略並行な方向の磁束密度を検出し、
前記第一の磁気検出素子の中心と前記導体の前記X軸Z軸断面の中心との前記X軸方向距離と、前記第二の磁気検出素子の中心と前記導体の前記X軸Z軸断面の中心との前記X軸方向距離は、両方とも前記導体の前記X軸方向導体幅の0.8倍以上の長さであることを特徴とする電流センサ。
【請求項6】
所定Y軸方向に延在する導体と、前記導体を流れる被測定電流が発生する磁束を検出する一対の第一及び第二の磁気検出素子を有し、前記第一及び第二の磁気検出素子が検出するそれぞれの磁束密度の差分相当値を出力する電流センサであって、
前記第一の磁気検出素子の中心と前記第二の磁気検出素子の中心とを結ぶ線の方向は、前記Y軸方向に対し90度の角度を成すX軸方向に略並行で、
前記第一及び第二の磁気検出素子は、前記X軸方向と前記Y軸方向の両方に対し90度の角度を成すZ軸方向に略並行な方向の磁束密度を検出し、
前記第一の磁気検出素子の中心と前記導体の前記X軸Z軸断面の中心との前記X軸方向距離と、前記第二の磁気検出素子の中心と前記導体の前記X軸Z軸断面の中心との前記X軸方向距離は、両方とも前記導体の前記X軸方向導体幅の0.8倍以下の長さであり、
前記第一の磁気検出素子の中心と前記導体の前記X軸Z軸断面の中心との前記Z軸方向距離と、前記第二の磁気検出素子の中心と前記導体の前記X軸Z軸断面の中心との前記Z軸方向距離は、両方とも前記導体の前記X軸方向導体幅の0.825倍以上の長さであることを特徴とする電流センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、磁気検出素子を用いた電流センサに関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年のハイブリット自動車や電気自動車に搭載される三相モータの制御に必用なインバータ等に使用される電流センサはインバータの高速スイッチングに対応するため、電流測定周波数特性が高周波域まで良好に伸びていること、すなわち測定検出対象の電流の周波数が高い領域でも感度が低下しないことや小型化、軽量化、低コスト化が求められる。その要望に対応するため、測定検出対象電流により生じる磁束を集磁するコアを無くす(以下、コアレスと称す)ことで小型化、軽量化を図り、測定検出対象電流の流れる導体の長方形をなす断面の長手方向の中心からの距離が非対称になるように一対の磁気検出素子を配置することで、電流測定周波数特性を高周波域まで良好に伸ばした電流センサが知られている(たとえば、特許文献1の図4A、図4B参照)。
【0003】
また、電流の向きが導体の延在方向(+X軸方向)に対し90度(-Y軸方向)と270度(+Y軸方向)と互いに逆方向となるU字形状を導体の一部に持ち、そのU字形状のY軸方向電流を検出するように一対の磁気検出素子を配置した導体を、複数隣接させ、隣接する導体のそのU字形状の中心を、自身の一対の磁気検出素子の中心に合わせる導体配置とすることにより、隣接導体の外部磁束の影響をキャンセルする電流センサが知られている(たとえば、特許文献1の図14B参照)。
【0004】
また、コアレス電流センサは測定検出対象の電流によって発生する磁束を集磁するコアが無いので、磁気検出素子(磁気センサ)の受ける磁束密度が小さくなり、測定検出電流に対する感度が低くなってしまう。その測定電流に対する感度の低下に対応するため、測定検出電流が流れる1つの導体から同じ強さの磁束が発生する2つの電流路を形成し、磁気検出素子(磁気センサ)の周囲に配置することで、測定検出電流に対する磁気検出素子(磁気センサ)の出力を高くする(測定検出電流に対する感度を高くする)電流センサが知られている。(たとえば、特許文献2の図1、図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-52554
特許第6696571
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1が解決しようとする課題で述べているように、コアレス電流センサでは、被測定電流の周波数が高くなると、表皮効果の影響で導体の周囲に発生する分布が変化するため、高周波域では感度が低下するという課題があった。
【0007】
また、特許文献1の図14Aの電流センサでは、測定検出対象の電流が流れる導体が等ピッチで配置されているため、測定検出対象の電流が流れる導体が発生する磁束を検出する磁気検出素子と隣接する測定検出対象でない電流が流れる導体との距離が均一とならない。そのため、測定検出対象の電流が流れる導体と磁気検出素子の位置関係が、バスバーや磁気検出素子の寸法誤差や組み立てばらつきなどにより対称関係からずれた場合、隣接する導体との距離が一番近い磁気検出素子が、他の磁気検出素子に比べ隣相導体からの磁束影響を受けやすく、電流センサの測定精度が悪化してしまうという課題があった。(例えば三相モータの制御においては、電流センサの精度は1つの検出相の精度が良好な代わりに、他の検出相の精度が悪いよりも三相の検出精度が均一に良好なことが求められる。)
【0008】
また、コアレス電流センサの感度を高くするために、特許文献2に記載の電流センサでは、測定検出電流の流れる導体(自相導体)に2つの電流(特許文献2の図2の電流Ia、Ic)が同一方向に流れる2つの電流路を形成し、この2つの電流路の中間に、自相用の2つの磁気検出素子(磁気センサ)を所定距離だけ離して配置することで、測定検出電流に対する磁気検出素子の出力を高くしている。2つの磁気検出素子を2つの電流路の中間に配置することで、同一方向に流れる2つの電流から発生する磁束は、2つの磁気検出素子でそれぞれ逆極性(例えば一方が図示上方向極性であれば他方は図示下方向極性)に印加される。この2つの磁気検出素子の逆極性の検出値を減算することで出力を増大する構造としている。
【0009】
このような構造では、自相導体の近隣に併設した隣相導体がある場合は、隣相導体の2つの電流路は、自相用の2つの磁気検出素子の外側に位置することになる。そのため隣相導体の2つの電流路に同一方向に流れる2つの電流により発生するそれぞれの磁束は同一方向に合成増大化し、自相の2つの磁気検出素子に同極性に印可される。この2つの磁気検出素子は所定距離だけ離れているので、それぞれの検出値にはレベル差が生じ減算しても相殺することはできない。電流路が2つに増えた分、電流路が1つの時に比べ、磁気検出素子が受ける隣相導体電流影響は悪化するという課題があった。
【0010】
以上説明したようにこの発明は、周波数が高い領域でも感度が低下せず、隣相導体を流れる電流が発生する磁束の影響を受けにくく、小さい電流でも高精度に測定可能で、小型なコアレス電流センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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