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公開番号
2025012771
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023115863
出願日
2023-07-14
発明の名称
ショットキー電子源を備える電子線装置及びショットキー電子源の運用方法
出願人
株式会社日立ハイテク
代理人
ポレール弁理士法人
主分類
H01J
37/073 20060101AFI20250117BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】ハードウェアを追加することなく、ファセットの形状の崩れを短時間で再生可能な、ショットキー電子源を備える電子線装置及びショットキー電子源の運用方法を提供する。
【解決手段】ショットキー電子源の運用方法であって、前記ショットキー電子源を第一温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第一電界を印加する第一段階と、前記ショットキー電子源を第二温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第二電界を印加する第二段階とを実行し、前記第一温度は前記ショットキー電子源の運用温度及び前記第二温度よりも高く、前記第一電界は前記ショットキー電子源の運用電界以上であって前記第二電界よりも低く、前記第二温度は前記運用温度以上であって前記第一温度よりも低く、前記第二電界は前記運用電界及び前記第一電界よりも高いことを特徴とする。
【選択図】図7
特許請求の範囲
【請求項1】
ショットキー電子源を備える電子線装置であって、
前記ショットキー電子源を加熱する加熱源と、
前記ショットキー電子源に電界を印加する電源と、
前記加熱源と前記電源を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記ショットキー電子源を第一温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第一電界を印加する第一段階と、前記ショットキー電子源を第二温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第二電界を印加する第二段階とを実行し、
前記第一温度は前記ショットキー電子源の運用温度及び前記第二温度よりも高く、
前記第一電界は前記ショットキー電子源の運用電界以上であって前記第二電界よりも低く、
前記第二温度は前記運用温度以上であって前記第一温度よりも低く、
前記第二電界は前記運用電界及び前記第一電界よりも高いことを特徴とする電子線装置。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の電子線装置であって、
前記ショットキー電子源が、タングステン単結晶のティップと酸化ジルコニウムのレゼボアを有するZr/O/W電子源であるとき、
前記運用温度が1550K以上1700K未満であれば、前記第一温度は1700K以上2000K未満であり、前記運用温度が1700K以上1850K未満であれば、前記第一温度は1700K以上2000K未満であって、
前記第一温度が1700K以上1850K未満であれば、前記第二温度は1550K以上1700K未満であり、前記第一温度が1850K以上2000K未満であれば、前記第二温度は1550K以上1850K未満であることを特徴とする電子線装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電子線装置であって、
前記ショットキー電子源が、タングステン単結晶のティップと酸化ジルコニウムのレゼボアを有するZr/O/W電子源であるとき、
前記第一電界は0.5GV/m以上1.5GV/m未満であり、
前記運用電界が0.5GV/m以上1.0GV/m未満であれば、前記第二電界は、1.0GV/m以上2.0GV/m未満であり、前記運用電界が1.0GV/m以上1.5GV/m未満であれば、前記第二電界は、1.5GV/m以上2.0GV/m未満であることを特徴とする電子線装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電子線装置であって、
前記ショットキー電子源が、タングステン単結晶のティップと酸化ジルコニウムのレゼボアを有するZr/O/W電子源であって、前記加熱源が前記Zr/O/W電子源にフィラメント電流を供給するとき、
前記制御部は、前記運用温度のときのフィラメント電流を100%とした場合、前記第一温度のときのフィラメント電流を101%~121%とし、前記第一温度のときのフィラメント電流を100%とした場合、前記第二温度のときのフィラメント電流を89%~99%とすることを特徴とする電子線装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電子線装置であって、
前記ショットキー電子源が、タングステン単結晶のティップと酸化ジルコニウムのレゼボアを有するZr/O/W電子源であって、前記電源が前記Zr/O/W電子源に実効電圧を印加するとき、
前記制御部は、前記第二電界のときの実効電圧を100%とした場合、前記第一電界のときの実効電圧を30%~99%とし、前記運用電界のときの実効電圧を100%とした場合、前記第二電界のときの実効電圧を101%~324%とすることを特徴とする電子線装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電子線装置であって、
前記制御部は、前記第一温度、前記第一電界、前記第二温度、前記第二電界を所定の値に固定することを特徴とする電子線装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電子線装置であって、
前記制御部は、前記第一温度、前記第一電界、前記第二温度、前記第二電界を段階的に変化させることを特徴とする電子線装置。
【請求項8】
請求項1に記載の電子線装置であって、
前記制御部は、前記第一温度、前記第一電界、前記第二温度、前記第二電界を連続的に変化させることを特徴とする電子線装置。
【請求項9】
ショットキー電子源の運用方法であって、
前記ショットキー電子源を第一温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第一電界を印加する第一段階と、前記ショットキー電子源を第二温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第二電界を印加する第二段階とを実行し、
前記第一温度は前記ショットキー電子源の運用温度及び前記第二温度よりも高く、
前記第一電界は前記ショットキー電子源の運用電界以上であって前記第二電界よりも低く、
前記第二温度は前記運用温度以上であって前記第一温度よりも低く、
前記第二電界は前記運用電界及び前記第一電界よりも高いことを特徴とする運用方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショットキー電子源を備える電子線装置及び電子線装置に備えられるショットキー電子源の運用方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
ショットキー電子源(Schottky Emitter: SE)は、高空間分解化と高安定動作を両立できる電子源として電子顕微鏡などの電子線装置に広く用いられ、高温・高電界下で動作することから熱電界放出電子源(Thermal Field Emitter: TFE)とも呼ばれる。
【0003】
ショットキー電子源の一例は、(100)結晶面を先端に有する針状のタングステン(W)単結晶の胴体部に、ジルコニウム(Zr)原子と酸素(O)原子の供給源となる酸化ジルコニウム(ZrO
2
)が設けられたZr/O/W電子源である。(100)結晶面はファセット、針状のタングステン単結晶はティップ、酸化ジルコニウムはレゼボアと呼ばれる。ティップの加熱と電界の印加によりレゼボアからファセットへZr原子とO原子が供給されてファセットの仕事関数が下がり、さらに加熱されたティップの先端に電界が集中することにより、ファセットから電子が放出される。Zr/O/W電子源は、立ち上げ初期や比較的低い電流密度で長期間使用された後において、ファセットの形状が崩れ、放出電流が不安定になることがある。
【0004】
特許文献1には、ファセットの形状が崩れたZr/O/W電子源に対して、下記の第1工程と第2工程を順に実施することにより、放出電流を安定化させる方法が開示される。すなわち第1工程では、ティップの温度を1750K以上1900K未満とし、1.5GV/m以上3.0GV/m未満の電界をティップに印加することにより、ファセットの形状が再生される。また第2工程では、ティップの温度を1600K以上1750K未満とし、0.5GV/m以上1.5GV/m未満の電界をティップに印加することにより、安定した放出電流が維持される。
【0005】
特許文献2には、熱電界放出電子源に対向して設けられた引出電極に、通常運転用順電圧とは逆極性の電圧を印加することにより、ファセットの形状の崩れを再生することが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特公平6-28142号公報
特開2013-191353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1では、ファセットの形状が再生される第1工程に約20時間を要する。また特許文献2では、約30分という比較的短時間でファセットを再生できるものの、逆極性の電圧を引出電極に印加するためのハードウェア、例えば逆極性の電源や高電圧の切り替えスイッチを追加する必要があり、電子線装置の製造コストが上昇する。
【0008】
そこで本発明は、ハードウェアを追加することなく、ファセットの形状の崩れを短時間で再生可能な、ショットキー電子源を備える電子線装置及びショットキー電子源の運用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、ショットキー電子源を備える電子線装置であって、前記ショットキー電子源を加熱する加熱源と、前記ショットキー電子源に電界を印加する電源と、前記加熱源と前記電源を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記ショットキー電子源を第一温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第一電界を印加する第一段階と、前記ショットキー電子源を第二温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第二電界を印加する第二段階とを実行し、前記第一温度は前記ショットキー電子源の運用温度及び前記第二温度よりも高く、前記第一電界は前記ショットキー電子源の運用電界以上であって前記第二電界よりも低く、前記第二温度は前記運用温度以上であって前記第一温度よりも低く、前記第二電界は前記運用電界及び前記第一電界よりも高いことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、ショットキー電子源の運用方法であって、前記ショットキー電子源を第一温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第一電界を印加する第一段階と、前記ショットキー電子源を第二温度で加熱しながら前記ショットキー電子源に第二電界を印加する第二段階とを実行し、前記第一温度は前記ショットキー電子源の運用温度及び前記第二温度よりも高く、前記第一電界は前記ショットキー電子源の運用電界以上であって前記第二電界よりも低く、前記第二温度は前記運用温度以上であって前記第一温度よりも低く、前記第二電界は前記運用電界及び前記第一電界よりも高いことを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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