特許ウォッチ

公開番号2025012117
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114707
出願日2023-07-12
発明の名称コイル部品
出願人NJコンポーネント株式会社
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類H01F 27/02 20060101AFI20250117BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】沿面絶縁距離が確保されつつ、実装面積を拡大させることなく低背化を達成したコイル部品を提供する。
【解決手段】端子5を備えて前後及び左右の方向を含む面に実装されるコイル部品1であって、前後方向を巻軸100としたコイル2、二つのE型のコア部材(3a、3b)からなるEE型コア3、ボビン4、及びカバー7を備え、ボビンは、前後に開口を有して巻線が巻回される中空筒状の巻軸部4aの下方に端子台4bが一体的に形成され、端子は端子台の前後両端側に取り付けられ、カバーは上方に開放してコアの背部31の左右側面の下側と下面とを覆う基部71と、中脚33の左右側面の下側と下面とを覆って当該中脚とともに巻軸部の中空部4cに挿入される突起部72とを有し、基部の外方側面には上下方向から見て端部が開放するコの字型の溝73が形成されている。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項１】
前後、左右、上下の各方向を互いに直交する三方向として、
端子を備えて、前後と左右の方向を含む面に実装されるコイル部品であって、
前後方向を巻軸として巻線が巻回されてなるコイルと、二つのコア部材からなるコアと、前記巻線が巻回されるボビンと、一体成形された絶縁性材料からなるカバーとを備え、
前記コアは、平板状の背部の左右両端に前後一方向に突出する外脚と、前記背部の左右中央から前後一方向に突出する中脚とを有するＥ型のコア部材からなるＥＥ型であり、
前記ボビンは、前後に開口を有して前記巻線が巻回される中空筒状の巻軸部の下方に端子台が一体的に形成されてなり、
前記端子は、前記端子台の前後両端側に取り付けられ、
前記カバーは、一体成形品で、上方に開放して前記背部の左右側面の下側と下面とを覆う基部と、前記中脚の左右側面の下側と下面とを覆って当該中脚とともに前記巻軸部の中空部に挿入される突起部とを有し、
前記基部の外方側面には、上下方向から見て端部が開放するコの字型の溝が形成されている、
コイル部品。
続きを表示（約 260 文字）【請求項２】
前記コア部材は、前後方向から見て、前記外脚に対して前記中脚が下方に配置されている請求項１に記載のコイル部品。
【請求項３】
前記背部は矩形平板状で、
前記カバーは、上方から見てＥ字状で、
前記基部は、上方から見てコの字状で、前記背部の下側に連続して前記外脚の下面と左右側面とを覆う、
請求項１に記載のコイル部品。
【請求項４】
上面に平坦面を有して前記ボビンの上方にとりつけられてなるキャップを備えた請求項１～３のいずれかに記載のコイル部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明はコイル部品に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
コイル部品には、端子台を兼ねるボビンを備えて、基板上に実装可能な面実装型と呼ばれるものがある。面実装型のコイル部品のボビンは、コイルの巻線が巻回される巻軸部と、端子台とが一体的に形成されており、端子台から端子が突出している。端子の基端側は端子台に埋め込まれ、コイルの巻線の巻きはじめと巻き終わりの端部が、その端子の基端側に接続されている。
【０００３】
ところで、コイル部品に限らず電子部品には、実装面積を減少させる小型化と、実装した際の上下高を抑制するための低背化とが求められている。コイル部品の低背化については、実装面と平行な一方向をコイルの巻軸方向とする「横型」にすることでコイル部品の高さを抑制することができる。なお、以下の非特許文献１には、市販の横型のコイル部品の仕様などが記載されている。この横型のコイル部品は、互いに直交する、左右、前後、及び上下の三方向を規定し、巻軸方向を前後方向とすると、前後方向と左右方向とを含む面の上面に実装される。そして、巻軸部の下方に端子台が配置され、端子台の前面及び後面のそれぞれに、端子が前方及び後方に突出している。また、以下の特許文献１には本発明の実施例に関連して、外脚に対して中脚が下方に配置されたＥＥ型のコアを備えた「巻線部品」について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１５－１６２６１９号公報
【非特許文献】
【０００５】
ＴＤＫ株式会社、” IGBT/FET用トランス VGTシリーズ”、[online]、[令和５年６月２２日検索]、インターネット＜ＵＲＬ：https://product.tdk.com/info/ja/catalog/datasheets/trans_gate-drive_vgt_ja.pdf＞
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
横型のコイル部品が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ（ＩＧＢＴ）のゲート駆動用トランスなど、高電圧を扱うものである場合にはコイルの巻線やコアと端子との間に電子回路側からの要求やコイル部品が扱う電圧の値などの仕様に応じ、所定の絶縁距離を設ける必要がある。
【０００７】
コイルの巻線には、普通、表面に絶縁体からなる被膜層が設けられていることから、確保すべき絶縁距離は、コアと端子との間の距離となる。そして、絶縁距離には、空間を通ってコアと端子とを最短で結ぶ空間絶縁距離と、コアと端子とを最短で結ぶ経路上に絶縁物がある場合に絶縁物の表面に沿って迂回しつつコアと端子とを最短で結ぶ沿面絶縁距離とがある。
【０００８】
図１、図２に横型のコイル部品１０１の一例を示した。図１は、横型のコイル部品１０１の外観を示す図であり、図２は、図１に示したコイル部品１０１の分解斜視図である。横型のコイル部品１０１は、コイル２、コイル２の巻線が巻回される巻軸部１０４ａと端子５が取り付けられた端子台１０４ｂとが一体的に形成されたボビン１０４、及びコイル２を囲繞して閉磁路を形成するコア１３を基本的な構成としている。
【０００９】
ここで、コイル２の巻軸１００方向を前後方向とするとともに、前後左右の方向を含む面に実装されることとして、前後方向、左右方向、及び上下方向を規定するとともに、基板の上面にコイル部品１０１が実装されることとして上下の各方向を規定すると、ボビン１０４の巻軸部１０４ａは前後方向を筒軸とする中空筒状で、前後両端にはフランジが形成されている。コイル２の巻線は、この前後のフランジの間に巻回される。巻軸部１０４ａの下方には端子台１０４ｂが一体的に形成されている。端子台１０４ｂの前後両端のそれぞれには複数の端子５が前後方向に突出しつつ、左右方向に並んで取り付けられている。
【００１０】
コア１３は、互いに前後方向に対面する二つのコア部材（１３ａ、１３ｂ）によって構成されており、図１に示したように、二つのコア部材（１３ａ、１３ｂ）が互いに分離しないようにコア１３の周囲にテープ６が巻回されている。また、図２に示したように、コア部材（１３ａ、１３ｂ）は、前後方向を厚さ方向とした矩形平板状の背部１３１と、背部１３１の左右両端に前後一方向に突出する外脚１３２と、左右中央にて前後一方向に突出する中脚１３３とを備え、上下方向から見るとＥ字型の形状となっている。コア１３は、二つのＥ字型のコア部材（１３ａ、１３ｂ）を、各脚（１３１、１３２）の先端同士が対面するように前後に対向配置させてなるＥＥ型である。そして、各コア部材（１３ａ、１３ｂ）の中脚１３３が、中空筒状の巻軸部１０４ａの中空部４ｃに挿入されている。なお、図２では、ボビン１０４の形状やコア１３の形状が理解し易いように、図１に示されている、コイル２やコア１３を固定するためテープ６を省略している。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許