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公開番号2025011726
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114004
出願日2023-07-11
発明の名称未固結土壌試料採取装置
出願人ケミカルグラウト株式会社,根本企画工業株式会社,株式会社竹中工務店
代理人個人,個人
主分類E02D 1/04 20060101AFI20250117BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】ガイド管の全体としての外径を小さくして、小径のボーリング孔であっても試料採取を可能にする。
【解決手段】ボーリング孔に挿入するガイド管3の先端部に、ガイド管3の中心軸線に対して22.5度程度の角度で斜めに交差する平面内で回転する継手部6aによって第1短管4aが連結され、また、第1短管4aの先端部に、その継手部6aとは反対向きに傾斜した平面内で移転する継手部6bを介して第2短管4bが連結されている。ガイド管3の直径方向で対向する位置に屈曲用連結部8aと復帰用連結部8bとが設けられ、第1短管4aの外周部に連結部9a,9bが設けられ、第2短管4bの直径方向で対向する位置に屈曲用連結部10aと復帰用連結部10bとが設けられている。これらの連結部に通したワイヤ7a,7bを引っ張ることにより、各短管4a,4bを回転させて、ガイド管3に対して湾曲させ、また復帰させるように構成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
地盤改良のために掘削したボーリング孔に挿入されるガイド管と、前記ガイド管にその上部から挿入されるとともに前記ガイド管の下端部から、薬液が注入されて柔軟になっている土壌中に押し込まれる可撓性の採取管とを有し、前記採取管を介して未固結の前記土壌の試料を採取する未固結土壌試料採取装置であって、
前記ガイド管の先端部に前記ガイド管の長手方向に順に並んで複数の短管が回転継手部を介して連結され、
前記回転継手部は、前記ガイド管もしくは前記短管の中心軸線に対して垂直にならない所定の傾斜角度で傾斜する平面内で回転するように構成され、
前記ガイド管の外周部で周方向に異なる位置に屈曲用連結部と復帰用連結部とが設けられ、
複数の前記短管の外周部に前記屈曲用連結部と前記復帰用連結部との少なくともいずれかと連結される従動連結部が設けられ、
前記屈曲用連結部と前記短管におけるいずれかの従動連結部とを連結している屈曲用線条体と、前記復帰用連結部と前記短管における他の前記従動連結部を含むいずれかの従動連結部とを連結している復帰用線条体とが設けられ、
前記屈曲用線条体によって連結されている前記従動連結部を、前記屈曲用線条体によって前記ガイド管における前記屈曲用連結部に近づけるように引っ張って前記回転継手部を回転させて前記各短管を前記ガイド管に対して屈曲させ、かつ前記復帰用線条体によって連結されている前記従動連結部を、前記復帰用線条体によって前記ガイド管における前記復帰用連結部に近づけるように引っ張って前記回転継手部を回転させて前記各短管を前記ガイド管に対する屈曲状態から直線状態に復帰させるように構成されている
ことを特徴とする未固結土壌試料採取装置。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
請求項1に記載の未固結土壌試料採取装置であって、
前記短管は、前記ガイド管に第1の回転継手部によって連結された第1短管と、前記第1短管に第2の回転継手部によって連結された第2短管とを含み、
前記第1の回転継手部は、前記ガイド管の中心軸線に対して45度より小さい第1所定角度傾斜した平面内で前記ガイド管と前記第1短管とを相対回転させるように構成され、
前記第2回転継手部は、前記第1短管の中心軸線に対して前記第1所定角度を45度から減じた角度で傾斜した平面内で前記第1短管と前記第2短管とを相対回転させるように構成され、
前記屈曲用連結部と前記復帰用連結部とは、前記ガイド管の円周方向に180度相対的に回転した位置に設けられ、
前記第1短管の外周部には、前記屈曲用線条体と前記復帰用線条体とを貫通させてある前記従動連結部が設けられ、
前記第1短管の外周部には、前記従動連結部として、前記屈曲用線条体が固定された屈曲用従動連結部と、前記復帰用線条体が固定された復帰用従動連結部とが、前記第1短管の円周方向に互いに180度離れて設けられている
ことを特徴とする未固結土壌試料採取装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の未固結土壌試料採取装置であって、
前記ガイド管の外周部に、ロッドを伸縮するシリンダが、前記ガイド管と平行に取り付けられ、
前記ロッドに前記屈曲用線条体と前記復帰用線条体とが連結され、
前記ロッドが伸縮することにより、前記屈曲用線条体と前記復帰用線条体との一方を引っ張りかつ他方を弛緩させて前記短管を前記ガイド管に対して屈曲させ、もしくは前記ガイド管に対して屈曲している前記短管を前記ガイド管に対して直線上に位置する向きに復帰させるように構成されている
ことを特徴とする未固結土壌試料採取装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良のための薬液を注入した土壌の一部を、薬液の注入直後などの未固結の状態で試料として採取するための装置に関するものである。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
薬液を土壌に注入して固結させることにより地盤を改良することが広く行われている。その薬液の注入は、目的とする箇所の比較的深い箇所に対して直接行うから、先ず、ボーリングを行い、そのボーリング孔にホースなどの管路を挿入し(建て込みと称することもある)、その管路から土壌中に薬液を注入する。その場合、薬液の注入箇所を水平方向(ボーリング孔に対して直交する方向)に拡げる必要があるから、垂直方向の基幹ボーリング孔から水平方向に延びる横向きボーリング孔を削孔している。そのボーリングや薬液の注入方法の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された方法では、上面から側面に円弧状に貫通した曲がり孔を有するガイド箱を基幹ボーリング孔の所定の深さの位置に挿入し、そのガイド箱の上側から、可撓性のボーリング部材を挿入して、ガイド箱の曲がり孔に沿ってボーリング部材を横方向に曲げ、このようにして横方向にボーリング部材を進行させることにより、横向きボーリング孔を形成する。このような作業を、深さの異なる複数箇所で行うことにより複数の横向きボーリング孔を削孔する。また、ガイド箱ならびにボーリング孔からボーリング部材を引き抜いた後、薬液注入用ホースをガイド箱を介して横向きボーリング孔に挿入し、そのホースから薬液を土壌中に流出させて土壌に薬液を注入する。
【0003】
薬液を注入した土壌は、目標どおりに地盤改良できているか否かを検証する。その場合を薬液を注入した土壌が固結するのを待っているのでは長時間が掛かってしまうので、未固結状態の土壌から試料を採取し、その試料を固結させて検証を行っている。その試料を採取する技術を本出願人は特許文献2によって既に提案した。この特許文献2に記載した装置あるいは方法では、上記の特許文献1に記載されているガイド箱と同様に約90度に湾曲しているガイド部を内部に設けたガイドブロックを、ガイド管の先端部に取り付けてボーリング孔の内部に挿入する。インナーとアウターとの管からなる可撓性の採取管をそのガイド管に挿入すると、採取管はガイドブロックによって横向きに向きを変え、薬液が注入された泥濘状態もしくは流動状態になっている土壌中に押し込まれる。その状態でインナー管とアウター管とをその長手方向に相対的にずらして採取口を開いて、インナー管に設けてある試料収容部に支流を取り込む。その後、採取管を引き上げて試料を採取する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-59342号公報
特開2020-186598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1や特許文献2に記載された装置では、ボーリング部材や採取管を横向き(もしくは水平方向)に進行させるためにガイド箱やガイドブロックを用いている。これらの方向転換のためのガイド部材は、上下方向を向く開口部および管路と、その管路から滑らかに曲がって横方向を向く管路および開口部とを、いわゆるハウジングの内部に設けた構成になっている。したがって、ガイド部材は、横向きに曲がっている先端側の部分が水平方向に突き出た形状になるので、ガイド部材の全体としての外径もしくは幅が大きくなる。これに対して、基幹ボーリング孔は、ボーリング部材や採取管を地盤中の深い位置に送り込むためのものであって、深さが必要であっても太い必要はなく、削孔の容易性などの点では、寧ろ細いことが好ましい。すなわち、従来のガイド部材は、基幹ボーリング孔に対する要請に反するものであり、工期やコストの低減などの点では、改良すべき点があった。
【0006】
本発明は、薬液を注入した土壌の試料を効率よく、また迅速に採取でき、かつ細いボーリング孔であっても試料の採取を行うことのできる装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、地盤改良のために掘削したボーリング孔に挿入されるガイド管と、前記ガイド管にその上部から挿入されるとともに前記ガイド管の下端部から、薬液が注入されて柔軟になっている土壌中に押し込まれる可撓性の採取管とを有し、前記採取管を介して未固結の前記土壌の試料を採取する未固結土壌試料採取装置であって、前記ガイド管の先端部に前記ガイド管の長手方向に順に並んで複数の短管が回転継手部を介して連結され、前記回転継手部は、前記ガイド管もしくは前記短管の中心軸線に対して垂直にならない所定の傾斜角度で傾斜する平面内で回転するように構成され、前記ガイド管の外周部で周方向に異なる位置に屈曲用連結部と復帰用連結部とが設けられ、複数の前記短管の外周部に前記屈曲用連結部と前記復帰用連結部との少なくともいずれかと連結される従動連結部が設けられ、前記屈曲用連結部と前記短管におけるいずれかの従動連結部とを連結している屈曲用線条体と、前記復帰用連結部と前記短管における他の前記従動連結部を含むいずれかの従動連結部とを連結している復帰用線条体とが設けられ、前記屈曲用線条体によって連結されている前記従動連結部を、前記屈曲用線条体によって前記ガイド管における前記屈曲用連結部に近づけるように引っ張って前記回転継手部を回転させて前記各短管を前記ガイド管に対して屈曲させ、かつ前記復帰用線条体によって連結されている前記従動連結部を、前記復帰用線条体によって前記ガイド管における前記復帰用連結部に近づけるように引っ張って前記回転継手部を回転させて前記各短管を前記ガイド管に対する屈曲状態から直線状態に復帰させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、前記短管は、前記ガイド管に第1の回転継手部によって連結された第1短管と、前記第1短管に第2の回転継手部によって連結された第2短管とを含み、前記第1の回転継手部は、前記ガイド管の中心軸線に対して45度より小さい第1所定角度傾斜した平面内で前記ガイド管と前記第1短管とを相対回転させるように構成され、前記第2回転継手部は、前記第1短管の中心軸線に対して前記第1所定角度を45度から減じた角度で傾斜した平面内で前記第1短管と前記第2短管とを相対回転させるように構成され、前記屈曲用連結部と前記復帰用連結部とは、前記ガイド管の円周方向に180度相対的に回転した位置に設けられ、前記第1短管の外周部には、前記屈曲用線条体と前記復帰用線条体とを貫通させてある前記従動連結部が設けられ、前記第1短管の外周部には、前記従動連結部として、前記屈曲用線条体が固定された屈曲用従動連結部と、前記復帰用線条体が固定された復帰用従動連結部とが、前記第1短管の円周方向に互いに180度離れて設けられていてよい。
【0009】
本発明では、前記ガイド管の外周部に、ロッドを伸縮するシリンダが、前記ガイド管と平行に取り付けられ、前記ロッドに前記屈曲用線条体と前記復帰用線条体とが連結され、前記ロッドが伸縮することにより、前記屈曲用線条体と前記復帰用線条体との一方を引っ張りかつ他方を弛緩させて前記短管を前記ガイド管に対して屈曲させ、もしくは前記ガイド管に対して屈曲している前記短管を前記ガイド管に対して直線上に位置する向きに復帰させるように構成されていてよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、屈曲用線条体を引っ張ることにより、この屈曲用線条体を連結してある屈曲用連結部と従動連結部とを近づける方向の力が短管に作用する。短管は、所定の角度傾斜した平面内で回転する回転継手部によって連結されているので、屈曲用線条体による引張り力がトルクとして作用し、ガイド管に対して回転する。その回転は回転継手部で生じるから、短管はガイド管に対していわゆる首を振り、その結果、短管がガイド管に対して屈曲する。また、反対に、復帰用線条体を引っ張れば、短管がガイド管に対して直線上に並んだ向きに戻り、全体がいわゆる直管状になる。したがって、ガイド管の半径方向で外側に突き出る部分が、各連結部程度の僅かな部分であってガイド管から短管に到る全体を小径に構成できる。そのため、試料採取のために挿入するボーリング孔の内径を小さくできるうえに、ボーリング孔に溜まっている柔軟な土壌に向けてガイド管を挿入する場合の抵抗が小さくなるので、ボーリング孔に対するガイド管の挿入作業が容易になる。また、短管の長さが特には制約されないので、ボーリング孔の内径を大きくすることなく、ガイド管から水平方向に延びる部分を長くすることができる。そのため、採取管を水平方向に案内する部分の長さを充分採ることができて、採取管を確実に水平方向に湾曲させ、かつ案内することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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