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公開番号
2025011448
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023113570
出願日
2023-07-11
発明の名称
発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系樹脂発泡成形体、及び発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
個人
主分類
C08J
9/16 20060101AFI20250117BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】特殊な技術を必要とせず、断熱性と耐熱性に優れるスチレン系樹脂発泡成形体を簡便に提供でき、発泡成形体の成形性に優れる発泡性スチレン系樹脂粒子と、その関連技術を提供する。
【解決手段】スチレン系の基材樹脂と、輻射伝熱抑制剤と、臭素系難燃剤と、発泡剤とを含む発泡性スチレン系樹脂粒子であって、前記基材樹脂は、少なくとも、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を3~20%有する第一スチレン系樹脂を含み、前記基材樹脂全体に対する前記第一スチレン系樹脂の含有割合が、70重量%以上90重量%以下であり、前記発泡性スチレン系樹脂粒子中における輻射伝熱抑制剤単位溶液濃度あたりのレーザー散乱強度が、5.0{%/(mg/ml)}/重量%以上である、発泡性スチレン系樹脂粒子が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
スチレン系の基材樹脂と、輻射伝熱抑制剤と、臭素系難燃剤と、発泡剤とを含む発泡性スチレン系樹脂粒子であって、
前記基材樹脂は、少なくとも、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を3~20%有する第一スチレン系樹脂を含み、
前記基材樹脂全体に対する前記第一スチレン系樹脂の含有割合が、70重量%以上90重量%以下であり、
前記発泡性スチレン系樹脂粒子中における輻射伝熱抑制剤単位溶液濃度あたりのレーザー散乱強度が、5.0{%/(mg/ml)}/重量%以上である、発泡性スチレン系樹脂粒子。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記輻射伝熱抑制剤は、炭素系輻射伝熱抑制剤を含む、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
【請求項3】
前記基材樹脂100重量部に対して、前記輻射伝熱抑制剤が2重量部以上20重量部以下含まれる、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
【請求項4】
前記臭素系難燃剤は、熱重量分析における1%重量減少温度が210℃以上280℃以下で、かつ臭素含有率が60重量%以上70重量%未満のものである、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
【請求項5】
前記基材樹脂は、前記第一スチレン系樹脂とは異なる第二スチレン系樹脂をさらに含み、前記第二スチレン系樹脂のガラス転移温度が95℃以上110℃以下である、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
【請求項6】
前記発泡剤が、炭素数4の脂肪族炭化水素、及び/又は、炭素数5の脂肪族炭化水素を含む、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
【請求項7】
前記発泡剤は、炭素数5の脂肪族炭化水素を少なくとも含み、
前記発泡剤全体に対する前記炭素数5の脂肪族炭化水素の含有割合が70重量%以上である、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
【請求項8】
前記発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩密度20kg/m
3
に発泡し、成形して得られるスチレン系樹脂発泡成形体の60℃で48時間養生後の熱伝導率が、31mW/mK未満である、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
【請求項9】
前記発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩密度20kg/m
3
に発泡し、成形して得られるスチレン系樹脂発泡成形体の90℃で168時間加熱後の寸法変化率が、±1%以内である、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡した予備発泡粒子を発泡成形して得られるスチレン系樹脂発泡成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系樹脂発泡成形体、及び発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリスチレンを基材樹脂とした発泡成形体は、軽量性と断熱性に優れることから、住宅用等の断熱材として広く用いられている。当該発泡成形体に断熱性を付与する一方策として、発泡成形体にグラファイト等の輻射伝熱抑制剤を含有させることが行われている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
一方、耐熱性の観点では、ポリスチレン発泡成形体は加熱時における寸法変化率が大きいため、高温部分(例えば、給湯タンク等の表面)に接する状態での使用が難しい場合がある。この問題に対処する一方策として、基材樹脂としてスチレンと他モノマーの共重合体を用いることで、発泡成形体の寸法変化率をより小さくし、耐熱性を付与することが行われている。
【0004】
さらに、発泡性スチレン系樹脂粒子は、使用する金型に応じて不特定形状の発泡体を成形できるため、適用範囲が広いことが知られている。この利点を活かすためには、発泡性スチレン系樹脂粒子が成形性に優れるものであることが好ましい。例えば、予備発泡や成形時の条件に大きな影響を受けることなく、常に高品質の発泡成形体が得られる発泡性スチレン系樹脂粒子であることが望まれる。
【0005】
特許文献3には、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン、黒鉛(グラファイト)、及び発泡剤を含む発泡性スチレン系樹脂粒子に関する事項が記載されている。この発泡性スチレン系樹脂粒子は、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体と黒鉛を含むスチレン系重合体種粒子にスチレンを含浸・重合させたものであり、樹脂粒子表面にスチレンが偏在している。これにより、粒子間に間隙が少なく、良好な形状のスチレン系樹脂発泡粒子成形体が得られるとされている。一方で、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体と黒鉛を含むスチレン系重合体種粒子にスチレンを含浸・重合させない場合には、発泡成形体を成形できないか、発泡粒子間に大きな間隙が存在する発泡成形体しか得られておらず、成形性が大きく劣っている(比較例1-3)。
【0006】
特許文献4には、耐熱性樹脂とポリスチレン系樹脂との混合樹脂を基材とする発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する事項が記載されている。ただし、この発泡性熱可塑性樹脂粒子は、グラファイト等の輻射伝熱抑制剤を含んでおらず、高い断熱性を得ることを目的としたものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2019/198790号
特開2020-033481号公報
特開2014-148558号公報
特開2010-229205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本開示は、樹脂粒子表面にスチレンを偏在させるような特殊な技術を必要とせず、断熱性と耐熱性に優れるスチレン系樹脂発泡成形体を簡便に提供でき、発泡成形体の成形性に優れる発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法、並びに、スチレン系樹脂発泡成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、スチレン系の基材樹脂と、輻射伝熱抑制剤と、臭素系難燃剤と、発泡剤とを含む発泡性スチレン系樹脂粒子であって、前記基材樹脂は、少なくとも、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を3~20%有する第一スチレン系樹脂を含み、前記基材樹脂全体に対する前記第一スチレン系樹脂の含有割合が、70重量%以上90重量%以下であり、前記発泡性スチレン系樹脂粒子中における輻射伝熱抑制剤単位溶液濃度あたりのレーザー散乱強度が、5.0{%/(mg/ml)}/重量%以上である、発泡性スチレン系樹脂粒子である。
【0010】
好ましくは、前記輻射伝熱抑制剤は、炭素系輻射伝熱抑制剤を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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