TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025011282
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-23
出願番号
2024182345,2023214776
出願日
2024-10-18,2022-09-28
発明の名称
がんの治療に用いるための細胞傷害誘導治療剤
出願人
中外製薬株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
39/395 20060101AFI20250116BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】標的がん細胞、特に、がん細胞などのCLDN6発現細胞にT細胞を効率的かつ特異的に動員することができ、かつCLDN6発現細胞を含有する標的がん組織に対するT細胞の細胞傷害活性を通じてがんを治療する抗がん剤、併用療法、及び当該併用療法に用いるための医薬組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
CLDN6を標的とする多重特異性抗原結合分子を含む抗がん剤、当該抗がん剤と少なくとも1つの他の抗がん剤との併用療法、及び当該併用療法に用いるための医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
この出願の明細書に記載された発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、クローディン6を標的とする多重特異性抗原結合分子を含む抗がん剤、および少なくとも1つの他の抗がん剤との併用療法等に関する。
続きを表示(約 14,000 文字)
【背景技術】
【0002】
クローディンファミリーは、4つの膜貫通ドメインを有し、タイトジャンクションを構成する、分子量およそ23 kDの細胞膜タンパク質のファミリーである。クローディンファミリーは、ヒトおよびマウスにおいて24種類のメンバーを含み、クローディンファミリーの各メンバーは、各上皮細胞型に応じて非常にユニークな発現パターンを示すことが公知である(非特許文献1~非特許文献4)。上皮細胞のシートにおいては、物質が細胞間隙に漏出(拡散)するのを防ぐようにある機構が働き、タイトジャンクションと呼ばれる細胞間接着システムは、この漏出を防ぐ機構において「バリア」としての中心的役割を実際に果たすことが示されている。
【0003】
タイトジャンクション分子クローディン6(CLDN6)は、クローディンファミリータンパク質のメンバーであり、正常な生体組織では転写的に発現していない(非特許文献5および非特許文献6)が、卵巣がん、NSCLC、および胃がんなどの複数種類のがんでは発現上昇を示す(非特許文献7~非特許文献9)。
抗CLDN6抗体に関して、CLDN6に対する単一特異性抗体は、CLDN6陽性がん細胞株に対してADCC活性または内部移行活性を有することが報告されている(特許文献1~特許文献5)。これまでに、6PHU3と名付けられた、CLDN6を標的とするT細胞リダイレクティング二重特異性抗体が、抗CD3/抗CLDN6特異性を有する二重特異性sc(Fv)
2
形式を用いて作られている(特許文献6~特許文献7)。前臨床評価において、6PHU3は、in vitroおよびin vivoでがん細胞の強力な殺傷を示すことが報告されている(非特許文献10)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2009/087978
WO2011/057788
WO2012/003956
WO2012/156018
WO2015/069794
WO2014/075697
WO2014/075788
【非特許文献】
【0005】
Furuse and Tsukita, TRENDS in Cell Biology 2006, 16: 181
Wilcox, et al., Cell 2001, 104: 165
Rahner, et al., GASTROENTEROLOGY 2001, 120: 411
Morita, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96: 511
Dev Dyn. 2004 Oct;231(2):425-31.
Am J Physiol Renal Physiol. 2006 Dec;291(6):F1132-41.
Int J Cancer. 2014 Nov 1;135(9):2206-14.
Histopathology. 2012 Dec;61(6):1043-56.
J Gastrointest Cancer. 2010 Mar;41(1):52-9.
Oncoimmunology. 2015 Oct 29;5(3):e1091555.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、標的がん細胞、特に、がん細胞などのCLDN6発現細胞にT細胞を効率的かつ特異的に動員することができ、かつCLDN6発現細胞を含有する標的がん組織に対するT細胞の細胞傷害活性を通じてがんを治療することができる、多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む抗がん剤を提供することである。また本発明は、前記多重特異性抗原結合分子と他の薬剤とを用いた併用療法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、CD3およびCD137(4-1BB)に結合することができ、CD3とCD137のいずれかに結合する(すなわち、CD3およびCD137にデュアル(dual)結合性であるが、同時には結合しない)第1の抗原結合部分と、がん組織に特異的に発現している分子、特にクローディン6(CLDN6)に結合することができる第2の抗原結合部分と、を含む、多重特異性抗原結合分子を見出した。本発明者らは、本発明に係る多重特異性抗原結合分子が、CLDN6発現がん細胞を含むがん細胞を傷害することを明らかにした。本発明は、該多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む抗がん剤、該多重特異性抗原結合分子と少なくとも1つの他の抗がん剤とを用いた併用療法、および多重特異性抗原結合分子と抗がん剤とを組み合わせてなる医薬組成物を提供する。
【0008】
より具体的には、本開示は以下を提供する:
(A-1) 以下の多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む、抗がん剤:
(i)CD3およびCD137に結合することができ、CD3またはCD137のいずれかに結合する第1の抗原結合部分、ならびに(ii)クローディン6(CLDN6)に結合することができる第2の抗原結合部分を含む、多重特異性抗原結合分子。
(A-2) 以下の(1)~(6)のいずれかに記載の多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む、抗がん剤:
(1) 配列番号:11の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:17のCDR 2、および配列番号:23のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域;配列番号:32のCDR 1、配列番号:36のCDR 2、および配列番号:40のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;配列番号:7の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域;ならびに配列番号:29のCDR 1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(2) 配列番号:9の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:15のCDR 2、および配列番号:21のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域;配列番号:31のCDR 1、配列番号:35のCDR 2、および配列番号:39のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;配列番号:8の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:14のCDR 2、および配列番号:20のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域;ならびに配列番号:30のCDR 1、配列番号:34のCDR 2、および配列番号:38のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(3) 配列番号:10の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:16のCDR 2、および配列番号:22のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域;配列番号:31のCDR 1、配列番号:35のCDR 2、および配列番号:39のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域; 配列番号:8の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:14のCDR 2、および配列番号:20のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域;ならびに配列番号:30のCDR 1、配列番号:34のCDR 2、および配列番号:38のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(4) 配列番号:12の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:18のCDR 2、および配列番号:24のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域;配列番号:32のCDR 1、配列番号:36のCDR 2、および配列番号:40のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;配列番号:7の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域;ならびに配列番号:29のCDR 1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(5) 配列番号:11の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:17のCDR 2、および配列番号:23のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域;配列番号:32のCDR 1、配列番号:36のCDR 2、および配列番号:40のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;配列番号:29の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域;ならびに配列番号:7のCDR 1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(6) 配列番号:12の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:18のCDR 2、および配列番号:24のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域;配列番号:32のCDR 1、配列番号:36のCDR 2、および配列番号:40のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;配列番号:29の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域;ならびに配列番号:7のCDR 1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子。
(A-3)前記第1の抗体可変領域、前記第2の抗体可変領域、前記第3の抗体可変領域、および前記第4の抗体可変領域からなる群より選ばれる少なくとも1つが、ヒト抗体フレームワークまたはヒト化抗体フレームワークを含む、(A-2)の抗がん剤。
(A-4) 以下の(I)~(VI)のいずれかに記載の多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む、抗がん剤:
(I) 配列番号:5のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域;配列番号:28のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;配列番号:1のアミノ酸配列を含む第3の抗体可変領域;および配列番号:25のアミノ酸配列を含む第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(II) 配列番号:3のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域;配列番号:27のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;配列番号:2のアミノ酸配列を含む第3の抗体可変領域;および配列番号:26のアミノ酸配列を含む第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(III) 配列番号:4のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域;配列番号:27のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;配列番号:2のアミノ酸配列を含む第3の抗体可変領域;および配列番号:26のアミノ酸配列を含む第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(IV) 配列番号:6のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域;配列番号:28のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;配列番号:1のアミノ酸配列を含む第3の抗体可変領域;および配列番号:25のアミノ酸配列を含む第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(V) 配列番号:5のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域;配列番号:28のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;配列番号:25のアミノ酸配列を含む第3の抗体可変領域;および配列番号:1のアミノ酸配列を含む第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子;
(VI) 配列番号:6のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域;配列番号:28のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;配列番号:25のアミノ酸配列を含む第3の抗体可変領域;および配列番号:1のアミノ酸配列を含む第4の抗体可変領域を含む、多重特異性抗原結合分子。
(A-5) 前記第1の抗体可変領域と前記第2の抗体可変領域とが、CD3およびCD137に結合することができ、CD3またはCD137のいずれかに結合する第1の抗原結合部分を構成し、前記第3の抗体可変領域と前記第4の抗体可変領域とが、CLDN6に結合することができる第2の抗原結合部分を構成する、(A-2)~(A-4)のいずれか1つの抗がん剤。
(A-6) 前記第1の抗体可変領域と前記第2の抗体可変領域とが、CD3に結合する第1の抗原結合部分を構成し、前記第3の抗体可変領域と前記第4の抗体可変領域とが、CLDN6に結合することができる第2の抗原結合部分を構成する、(A-2)~(A-4)のいずれか1つの抗がん剤。
(A-7) 前記第1の抗体可変領域と前記第2の抗体可変領域とが、CD137に結合する第1の抗原結合部分を構成し、前記第3の抗体可変領域と前記第4の抗体可変領域とが、CLDN6に結合することができる第2の抗原結合部分を構成する、(A-2)~(A-4)のいずれか1つの抗がん剤。
(A-8)(i)CD3に結合する第1の抗原結合部分;および
(ii)クローディン6(CLDN6)に結合する第2の抗原結合部分
を含む、多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む抗がん剤であって、
第1の抗原結合部分が、以下の(a1)~(a4):
(a1)配列番号:9の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:15のCDR 2、および配列番号:21のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域、ならびに配列番号:31のCDR 1、配列番号:35のCDR 2、および配列番号:39のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;
(a2)配列番号:10の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:16のCDR 2、および配列番号:22のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域、ならびに配列番号:31のCDR 1、配列番号:35のCDR 2、および配列番号:39のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;
(a3)配列番号:11の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:17のCDR 2、および配列番号:23のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域、ならびに配列番号:32のCDR 1、配列番号:36のCDR 2、および配列番号:40のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;
(a4)配列番号:12の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:18のCDR 2、および配列番号:24のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域、ならびに配列番号:32のCDR 1、配列番号:36のCDR 2、および配列番号:40のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域
のいずれか1つを含む、抗がん剤。
(A-9) 第2の抗原結合部分が、以下の(b1)~(b3):
(b1)配列番号:8の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:14のCDR 2、および配列番号:20のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域、ならびに配列番号:30のCDR 1、配列番号:34のCDR 2、および配列番号:38のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域;
(b2)配列番号:7の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域、ならびに配列番号:29のCDR 1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域;
(b3)配列番号:29の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域、ならびに配列番号:7のCDR 1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域
のいずれか1つを含む、(A-8)の抗がん剤。
(A-10)(i)CD3に結合する第1の抗原結合部分;および
(ii)クローディン6(CLDN6)に結合する第2の抗原結合部分
を含む、多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む抗がん剤であって、
第2の抗原結合部分が、以下の(b1)~(b3):
(b1)配列番号:8の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:14のCDR 2、および配列番号:20のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域、ならびに配列番号:30のCDR 1、配列番号:34のCDR 2、および配列番号:38のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域;
(b2)配列番号:7の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域、ならびに配列番号:29のCDR 1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域;
(b3)配列番号:29の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域、ならびに配列番号:7のCDR 1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域
のいずれか1つを含む、抗がん剤。
(A-11) 前記第1の抗体可変領域、前記第2の抗体可変領域、前記第3の抗体可変領域、および前記第4の抗体可変領域からなる群より選ばれる少なくとも1つが、ヒト抗体フレームワークまたはヒト化抗体フレームワークを含む、(A-8)~(A-10)のいずれか1つの抗がん剤。
(A-12) (i)CD3に結合する第1の抗原結合部分;および
(ii)クローディン6(CLDN6)に結合する第2の抗原結合部分
を含む、多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む抗がん剤であって、
第1の抗原結合部分が、以下の(c1)~(c4):
(c1)配列番号:3のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域、および配列番号:27のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;
(c2)配列番号:4のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域、および配列番号:27のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;
【0009】
さらに、本開示は以下を提供する:
(B-1) 以下の多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む、少なくとも1つの他の抗がん剤と併用するための医薬組成物:
(i)CD3およびCD137に結合することができ、CD3またはCD137のいずれかに結合する第1の抗原結合部分;ならびに(ii)クローディン6(CLDN6)に結合することができる第2の抗原結合部分を含む、多重特異性抗原結合分子。
(B-2) (A-2)~(A-39)のいずれかに記載の多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む、少なくとも1つの他の抗がん剤と併用するための医薬組成物。
(B-3) 対象とするがんが、CLDN6陽性のがんである、(B-1)または(B-2)の医薬組成物。
(B-4) 対象とするがんが、卵巣がん、非小細胞肺がん、胃がん、肝がん、子宮内膜がん、胚細胞性腫瘍、大腸がん、膀胱がん、または非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍からなる群より選ばれるいずれかのがんである、(B-1)~(B-3)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-5) 対象とするがんが、腹膜に転移したがんである、(B-1)~(B-4)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-6)対象とするがんが、腹膜播種したがんである(B-1)~(B-5)のいずれか1つの医薬組成物
(B-7) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤、あるいは、前記少なくとも1つの他の抗がん剤とは異なる抗がん剤による処置に対して不応性のがんを有する患者を治療するための、(B-1)~(B-6)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-8) 対象とするがんが、前記少なくとも1つの他の抗がん剤、あるいは、前記少なくとも1つの他の抗がん剤とは異なる抗がん剤による治療経験があるがんである、(B-1)~(B-7)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-9) 対象とするがんが、前記少なくとも1つの他の抗がん剤単独投与による治療に対して所望の効果が得られなかったがんである、(B-1)~(B-8)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-10) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記少なくとも1つの他の抗がん剤と別々に、または連続して投与されることを特徴とする、(B-1)~(B-9)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-11) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記少なくとも1つの他の抗がん剤の投与前、投与と同時、および/または投与後に投与されることを特徴とする、(B-1)~(B-10)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-12) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記少なくとも1つの他の抗がん剤の投与によりCLDN6の発現が増加したがんを有する患者に投与されることを特徴とする、(B-1)~(B-11)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-13) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記少なくとも1つの他の抗がん剤の投与によりTGFβの発現が増加したがんを有する患者に投与されることを特徴とする、(B-1)~(B-12)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-14) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記少なくとも1つの他の抗がん剤の投与によりTGFβ1の発現が増加したがんを有する患者に投与されることを特徴とする、(B-1)~(B-13)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-15) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤の投与により前記多重特異性抗原結合分子の抗腫瘍効果を増強する、(B-1)~(B-14)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-16) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、化学療法剤、免疫チェックポイント阻害剤、およびPARP阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも1つである、(B-1)~(B-15)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-17) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、細胞のCLDN6の発現を増強する剤である、(B-1)~(B-16)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-18) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、TGFβ誘導効果を有する薬剤である、(B-1)~(B-17)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-19) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、プラチナ製剤、アルカロイド、または代謝拮抗薬である、(B-16)から(B-18)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-20) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、プラチナ製剤である、(B-16)~(B-19)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-21) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、アルカロイドである、(B-16)~(B-20)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-22) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、トポイソメラーゼ阻害剤である、(B-16)~(B-19)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-23) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、代謝拮抗薬である、(B-16)~(B-19)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-24) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、カルボプラチンまたはシスプラチンである、(B-16)~(B-19)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-25) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、イリノテカンである、(B-16)~(B-19)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-26) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、ゲムシタビンである、(B-16)~(B-19)のいずれか1つの医薬組成物。
(B-27) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、抗PD-L1抗体である、(B-16)の医薬組成物。
(B-28) 前記少なくとも1つの他の抗がん剤が、オラパリブである、(B-16)の医薬組成物。
(B-29) (B-1)~(B-28)のいずれか1つの医薬組成物を含む、細胞傷害誘導剤、細胞増殖抑制剤、細胞増殖阻害剤、免疫応答活性化剤、がん治療剤、またはがん予防剤。
(B2-1) 以下の多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む、少なくとも1つのTGFβを誘導する治療法と併用するための医薬組成物:
(i)CD3およびCD137に結合することができ、CD3またはCD137のいずれかに結合する第1の抗原結合部分;ならびに(ii)クローディン6(CLDN6)に結合することができる第2の抗原結合部分を含む、多重特異性抗原結合分子。
(B2-2) 前記TGFβを誘導する治療法は、TGFβを誘導する剤の投与である、(B2-1)の医薬組成物。
(B2-3) 前記TGFβを誘導する治療法は、TGFβ1を誘導する剤の投与である、(B2-1)または(B2-2)の医薬組成物。
(B2-4) 対象とするがんが、CLDN6陽性のがんである、(B2-1)~(B2-3)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-5) 対象とするがんが、卵巣がん、非小細胞肺がん、胃がん、肝がん、子宮内膜がん、胚細胞性腫瘍、大腸がん、膀胱がん、または非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍からなる群より選ばれるいずれかのがんである、(B2-1)~(B2-4)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-6) 対象とするがんが、腹膜に転移したがんである、(B2-1)~(B2-5)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-7)対象とするがんが、腹膜播種したがんである(B2-1)~(B2-6)のいずれか1つの医薬組成物
(B2-8)前記TGFβを誘導する治療法による処置に対して不応性のがんを有する患者を治療するための、(B2-1)~(B2-7)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-9)対象とするがんが、前記TGFβを誘導する治療法による治療経験があるがん、または、前記TGFβを誘導する治療法による治療に対して所望の効果が得られなかったがんである、(B2-1)~(B2-8)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-10)前記多重特異性抗原結合分子を含む医薬組成物が、前記TGFβを誘導する治療と別々に、または連続して投与されることを特徴とする、(B2-1)~(B2-9)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-11) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記TGFβを誘導する治療前、治療と同時、および/または治療後に投与されることを特徴とする、(B2-2)~(B2-10)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-12) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記TGFβを誘導する治療によりCLDN6の発現が増加したがんを有する患者に投与されることを特徴とする、(B2-1)~(B2-11)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-13) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記TGFβを誘導する治療によりTGFβの発現が増加したがんを有する患者に投与されることを特徴とする、(B2-1)~(B2-12)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-14) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記TGFβを誘導する治療によりTGFβ1の発現が増加したがんを有する患者に投与されることを特徴とする、(B2-1)~(B2-13)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-15) 前記TGFβを誘導する治療により前記多重特異性抗原結合分子の抗腫瘍効果を増強する、(B2-1)~(B2-14)のいずれか1つの医薬組成物。
(B2-16) (B2-1)~(B2-15)のいずれか1つの医薬組成物を含む、細胞傷害誘導剤、細胞増殖抑制剤、細胞増殖阻害剤、免疫応答活性化剤、がん治療剤、またはがん予防剤。
(B3-1) 以下の多重特異性抗原結合分子を有効成分として含む、少なくとも1つのCLDN6発現誘導剤と併用するための医薬組成物:
(i)CD3およびCD137に結合することができ、CD3またはCD137のいずれかに結合する第1の抗原結合部分;ならびに(ii)クローディン6(CLDN6)に結合することができる第2の抗原結合部分を含む、多重特異性抗原結合分子。
【0010】
さらに、本開示は以下を提供する:
(C-1) (i)CD3およびCD137に結合することができ、CD3またはCD137のいずれかに結合する第1の抗原結合部分、ならびに(ii)クローディン6(CLDN6)に結合することができる第2の抗原結合部分を含み、かつ前記第1の抗原結合部分がCD3にのみ結合することができる抗原結合部分である場合と比較して細胞傷害活性が高い、多重特異性抗原結合分子
を有効成分として含む、抗がん剤。
(C-2) (i)CD3およびCD137に結合することができ、CD3またはCD137のいずれかに結合する第1の抗原結合部分、ならびに(ii)クローディン6(CLDN6)に結合することができる第2の抗原結合部分を含み、かつ前記第1の抗原結合部分がCD3にのみ結合することができる抗原結合部分である場合と比較して毒性が低い、多重特異性抗原結合分子
を有効成分として含む、抗がん剤。
(C-3) (1)T細胞受容体複合体に結合することができる第1の抗原結合部分、および(2)CLDN6に結合することができる第2の抗原結合部分、を含む多重特異性抗原結合分子であって、配列番号:194のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号:192のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むT細胞受容体複合体に結合することができる抗原結合部分ならびに配列番号:193のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号:195のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むCLDN6に結合することができる抗原結合部分を含む多重特異性抗体(CS3348)と比較して、T細胞傷害活性が同等またはそれ以上である、多重特異性抗原結合分子
を有効成分として含む、抗がん剤。
(C-4) 前記多重特異性抗原結合分子が、(3)天然型ヒトIgG1 Fcドメインと比較して、ヒトFcγ受容体に対する低下した結合親和性を示すFcドメインをさらに含む、(C-1)~(C-3)のいずれか1つの抗がん剤。
(C-5) 前記多重特異性抗原結合分子が、前記多重特異性抗体(CS3348)と比較して毒性が低いことをさらに特徴とする、(C-1)、(C-3)、または(C-4)の抗がん剤。
(C-6) 第1の抗原結合部分が、以下の(a1)または(a2)から選ばれる抗体可変領域の組み合わせ、または、これと機能的に同等の抗体可変領域の組み合わせを含む、(C-1)~(C-5)のいずれか1つの抗がん剤:
(a1) 配列番号:11の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:17のCDR 2、および配列番号:23のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域;ならびに配列番号:32のCDR 1、配列番号:36のCDR 2、および配列番号:40のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域;
(a2) 配列番号:10の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:16のCDR 2、および配列番号:22のCDR 3を含む、第1の抗体可変領域;ならびに配列番号:31のCDR 1、配列番号:35のCDR 2、および配列番号:39のCDR 3を含む、第2の抗体可変領域。
(C-7) 第2の抗原結合部分が以下の(b1)または(b2)から選ばれる抗体可変領域の組み合わせ、または、これと機能的に同等の抗体可変領域の組み合わせを含む、(C-1)~(C-6)のいずれか1つの抗がん剤:
(b1) 配列番号:7の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:13のCDR 2、および配列番号:19のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域;ならびに配列番号:29のCDR 1、配列番号:33のCDR 2、および配列番号:37のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域;
(b2) 配列番号:8の相補性決定領域(CDR)1、配列番号:14のCDR 2、および配列番号:20のCDR 3を含む、第3の抗体可変領域;ならびに配列番号:30のCDR 1、配列番号:34のCDR 2、および配列番号:38のCDR 3を含む、第4の抗体可変領域。
(C-8) 第1の抗原結合部分が、以下の(c1)または(c2)から選ばれる抗体可変領域の組み合わせ、または、これと機能的に同等の抗体可変領域の組み合わせを含む、(C-1)~(C-7)のいずれか1つの抗がん剤:
(c1)配列番号:5のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域、および配列番号:28のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域;
(c2)配列番号:4のアミノ酸配列を含む第1の抗体可変領域、および配列番号:27のアミノ酸配列を含む第2の抗体可変領域。
(C-9) 第2の抗原結合部分が、以下の(d1)または(d2)から選ばれる抗体可変領域の組み合わせ、または、これと機能的に同等の抗体可変領域の組み合わせを含む、(C-1)~(C-8)のいずれか1つの抗がん剤:
(d1)配列番号:1のアミノ酸配列を含む第3の抗体可変領域、および配列番号:25のアミノ酸配列を含む第4の抗体可変領域;
(d2)配列番号:2のアミノ酸配列を含む第3の抗体可変領域、および配列番号:26のアミノ酸配列を含む第4の抗体可変領域。
(C-10) 前記Fcドメインが、第1のFc領域サブユニットおよび第2のFc領域サブユニットで構成される、(C-4)~(C-9)のいずれか1つの抗がん剤。
(C-11) 前記Fcドメインが、以下の(e1)または(e2):
(e1)349位にCys、366位にSer、368位にAla、および407位にValを含む、第1のFc領域サブユニット、ならびに354位にCysおよび366位にTrpを含む第2のFc領域サブユニット;
(e2)439位にGluを含む第1のFc領域サブユニット、および356位にLysを含む第2のFc領域サブユニット
を含み、該アミノ酸位置が、EUインデックスによりナンバリングされる、(C-4)~(C-10)のいずれか1つの抗がん剤。
(C-12) 第1および/または第2のFc領域サブユニットが、以下の(f1)または(f2):
(f1)234位にAlaおよび235位にAla;
(f2)234位にAla、235位にAla、および297位にAla
を含み、該アミノ酸位置が、EUインデックスによりナンバリングされる、(C-9)または(C-11)の抗がん剤。
(C-13) 前記Fcドメインが、天然型ヒトIgG1 Fcドメインと比較して、ヒトFcRnに対するより強力なFcRn結合親和性をさらに示す、(C-4)~(C-12)のいずれか1つの抗がん剤。
(C-14) 薬学的に許容される担体をさらに含む、(C-1)~(C-13)のいずれか1つの抗がん剤。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
オムロン株式会社
細胞培養計画作成装置及び細胞培養システム
1か月前
中外製薬株式会社
FcγRIIb特異的Fc抗体
15日前
中外製薬株式会社
がんの治療に用いるための細胞傷害誘導治療剤
12日前
中外製薬株式会社
複数の生理活性を有する抗原の消失を促進する抗原結合分子
7日前
中外製薬株式会社
C5関連疾患の治療または予防用の医薬組成物およびC5関連疾患を治療または予防するための方法
今日
中外製薬株式会社
ペプチド化合物、またはアミド化合物の脱保護法および固相反応における脱樹脂方法、並びにペプチド化合物の製造方法
21日前
個人
錠剤撒き器
5か月前
個人
穿刺補助具
7か月前
個人
歯の掃除具
2か月前
個人
歯茎みが品
11日前
個人
男性用下着
6か月前
個人
身体牽引装置
3か月前
個人
塗り薬塗り具
1か月前
個人
乗馬テラピー
3か月前
個人
導電香
4日前
個人
収納容器
1か月前
個人
発熱器具
2か月前
個人
健康器具
1か月前
個人
クリップ
18日前
個人
片足歩行支援具
19日前
個人
染毛方法
2か月前
個人
磁器治療器
3か月前
個人
鼻腔拡張具
5か月前
個人
排便漏れ予防装具
7か月前
個人
動体視力強化装置
3か月前
株式会社コロナ
脱臭機
5か月前
個人
眼科診療車
26日前
個人
挟圧手工爪矯正具
5か月前
株式会社コーセー
化粧料
19日前
個人
血管硬化度算出方法
3か月前
東レ株式会社
下肢着用具
3か月前
個人
避難困難者救出台車
26日前
株式会社 MTG
浴用剤
5日前
個人
除菌システム
19日前
株式会社コーセー
美爪料
19日前
東レ株式会社
吸収制御剤
2か月前
続きを見る
他の特許を見る