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公開番号2025010300
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024190273,2022135553
出願日2024-10-30,2012-02-24
発明の名称FcγRIIb特異的Fc抗体
出願人中外製薬株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20250109BHJP(有機化学)
要約【課題】親ポリペプチドと比較して、FcγRIIaの遺伝子多型であるH型、又はR型に対して結合活性が維持又は減少し、且つFcγRIIbに対する結合活性が増強したFc領域を含むポリペプチド、ポリペプチドを含む医薬組成物、医薬組成物を含む免疫炎症性疾患の治療剤又は予防剤、及びこれらの製造方法、さらに、いずれの遺伝子多型のFcγRIIaに対する結合活性を維持又は減少させ、且つFcγRIIbに対する結合活性を増強させる方法の提供。
【解決手段】EUナンバリング238番目のProをAspに、328番目のLeuをGluに置換する改変を含む抗体Fc領域を含むポリペプチド。もしくは238番目のProをAspに置換する改変及びその他の改変を含む抗体Fc領域を含むポリペプチド。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
本明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、親ポリペプチドと比較して、IgGのFc領域にアミノ酸置換を導入することで、FcγRIIaのうちEUナンバリング131番目のアミノ酸がHisであるH type(H型)とArgであるR type(R型)のいずれの遺伝子多型のFcγRIIaに対しても結合活性が維持あるいは減少し、かつFcγRIIbに対する結合活性が増強した該Fc領域を含むポリペプチド、該ポリペプチドを含有する医薬組成物、該ポリペプチドを含有する免疫炎症性疾患の治療剤又は予防剤、及びこれらの製造方法に関する。また、本発明は親ポリペプチドと比較して、FcγRIIaのうちEUナンバリング131番目のアミノ酸がHisであるH type(H型)とArgであるR type(R型)のいずれの遺伝子多型のFcγRIIaに対しても結合活性を維持あるいは減少させ、かつFcγRIIbに対する結合活性を増強させる方法、及び生体に投与された場合に、親ポリペプチドと比較して、抗体の産生を抑制する方法に関する。さらに、本発明は親ポリペプチドと比較して、FcγRIIaのうち131番目のアミノ酸がHisであるH type(H型)とArgであるR type(R型)のいずれの遺伝子多型のFcγRIIaに対しても結合活性が維持あるいは減少され、かつFcγRIIbに対する結合活性が増強されたポリペプチドを製造する方法、及び生体に投与された場合に、親ポリペプチドと比較して、抗体の産生が抑制されたポリペプチドを製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
抗体は血中での安定性が高く、副作用も少ないことから医薬品として注目されている(非特許文献1、非特許文献2)。現在上市されている抗体医薬のほとんどがヒトIgG1サブクラスの抗体である。IgGクラスの抗体の機能の1つとして、抗体依存性細胞障害活性(以下、ADCC活性と表記する)が知られている(非特許文献3)。抗体がADCC活性を発揮するためには、抗体のFc領域とキラー細胞、ナチュラルキラー細胞、活性化されたマクロファージ等のエフェクター細胞表面上に存在する抗体結合レセプターであるFcγレセプター(以下、FcγRと表記する)との結合が必要である。
【0003】
ヒトでは、FcγRのタンパク質ファミリーには、FcγRIa (CD64A)、FcγRIIa (CD32A)、FcγRIIb (CD32B)、FcγRIIIa (CD16A)、FcγRIIIb (CD16B)のアイソフォームが報告されており、それぞれのアロタイプも報告されている(非特許文献7)。FcγRIa、FcγRIIa、FcγRIIIaは免疫活性的な機能を有するため活性型FcγRと呼ばれ、FcγRIIbは免疫抑制的な機能を有し、抑制型FcγRと呼ばれる(非特許文献8)。
【0004】
Fc領域とFcγRとの結合については、抗体のヒンジ領域及びCH2ドメイン内のいくつかのアミノ酸残基およびCH2ドメインに結合しているEUナンバリング297番目のAsnに付加される糖鎖が重要であることが示されている(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。これらの箇所へ変異を導入した抗体を中心に、これまでに様々なFcγR結合特性を持つ変異体が研究され、活性型FcγRに対するより高い結合活性を有するFc領域変異体が得られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【0005】
活性型FcγRは免疫複合体で架橋されると、細胞内ドメインもしくは相互作用相手であるFcR common γ-chainに含まれるimmunoreceptor tyrosine-based activating motifs (ITAMs) のリン酸化を引き起こし、シグナル伝達物質であるSYKを活性化し、活性化シグナルカスケードを開始することで炎症性免疫反応を引き起こす(非特許文献9)。
【0006】
FcγRIIbはB細胞に発現している唯一のFcγRである(非特許文献10)。FcγRIIbに対して抗体のFc領域が相互作用することで、B細胞の初回免疫が抑制されることが報告されている(非特許文献11)。また、B細胞上のFcγRIIbとB細胞受容体(B cell receptor:BCR)とが血中の免疫複合体を介して架橋されると、B細胞の活性化が抑制され、B細胞の抗体産生が抑制されることが報告されている(非特許文献12)。このBCRとFcγRIIbを介した免疫抑制的なシグナルの伝達にはFcγRIIbの細胞内ドメインに含まれるimmunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif(ITIM)が必要である(非特許文献13、非特許文献14)。シグナルが入り、ITIMがリン酸化されると、SH2-containing inositol polyphosphate 5-phosphatase(SHIP)がリクルートされ、他の活性型FcγRのシグナルカスケードの伝達を阻害し、炎症性免疫反応を抑制する(非特許文献15)。また、FcγRIIbのみを会合化することによっても、BCR非依存的にIgM産生B細胞をアポトーシスすることなく、B細胞の増殖とBCRの架橋によるカルシウム流入を一過的に抑制することが報告されている (非特許文献16)。
【0007】
また、FcγRIIbは樹状細胞、マクロファージ、活性化された好中球、マスト細胞、好塩基球でも発現している。これらの細胞においても、FcγRIIbはphagocytosisや炎症性サイトカインの放出等の活性型FcγRの機能を阻害し、炎症性免疫反応を抑制する(非特許文献8)。
【0008】
FcγRIIbの免疫抑制的な機能の重要性については、これまでにFcγRIIbノックアウトマウスを用いた研究により明らかにされてきた。FcγRIIbノックアウトマウスでは、液性免疫が適切に制御されず(非特許文献17)、コラーゲン誘導関節炎(CIA)に対する感受性が増加したり(非特許文献18)、ループス(lupus)様の症状を呈したり、グッドパスチャー(Goodpasture)シンドローム様の症状を呈したりする(非特許文献19)ことが報告されている。
【0009】
また、FcγRIIbの調節不全はヒトの自己免疫疾患との関連も報告されている。例えば、FcγRIIbのプロモーター領域や細胞膜貫通領域における遺伝子多型と、全身性エリテマトーデス(SLE)の発症頻度との関連(非特許文献20、非特許文献21、非特許文献22、非特許文献23、非特許文献24)や、SLE患者のB細胞表面におけるFcγRIIbの発現低下が報告されている(非特許文献25、非特許文献26)。
【0010】
このようにマウスモデルおよび臨床上の知見から、FcγRIIbはB細胞との関与を中心に、自己免疫疾患、炎症性疾患を制御する役割を果たしていると考えられ、自己免疫疾患、炎症性疾患を制御するための有望な標的分子である。
(【0011】以降は省略されています)

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