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公開番号2025008597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023110879
出願日2023-07-05
発明の名称銅担持触媒、塗料、空気浄化システム、空気浄化方法、および銅担持触媒の製造方法
出願人大成建設株式会社,株式会社アクト・ノンパレル
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類B01J 23/72 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】触媒活性に優れた銅担持触媒、この銅担持触媒を含む塗料、この銅担持触媒を用いた空気浄化システムと空気浄化方法、およびこの銅担持触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に、銅ナノ粒子が担持されている銅担持触媒、この銅担持触媒を含む塗料、この銅担持触媒を用いる空気浄化システムと空気浄化方法、および、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンが分散し、銅イオンが溶解した水系の液体に、電離放射線を照射する銅担持触媒の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に、銅ナノ粒子が担持されていることを特徴とする銅担持触媒。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
銅の担持量が、0.01重量%以上1.0重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の銅担持触媒。
【請求項3】
請求項1または2に記載の銅担持触媒を含むことを特徴とする塗料。
【請求項4】
請求項1または2に記載の銅担持触媒を備え、空気中の化学物質を他の化学物質に変換する浄化装置を有することを特徴とする空気浄化システム。
【請求項5】
請求項1または2に記載の銅担持触媒を用いて、空気中の化学物質を他の化学物質に変換するステップを有することを特徴とする空気浄化方法。
【請求項6】
粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンが分散し、銅イオンが溶解した水系の液体に、電離放射線を照射することを特徴とする銅担持触媒の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、銅担持触媒と、この銅担持触媒を含む塗料、この銅担持触媒を用いる空気浄化システムと空気浄化方法、および銅担持触媒の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、ディスプレイ、マイクロマシン、薄膜塗工フィルムなどは、製造時や検査時に気体中の微粒子数や温度、湿度等が制御されており、クリーンルーム内で製造されている。これらの製品は、ナノレベルオーダーで制御されて加工されており、加工時の悪影響を防ぐために、雰囲気中の化学物質濃度を低くすることが求められる場合がある。
例えば、半導体製造工程においては、ウェハが化学物質に汚染されると、レジストの塗工性に影響を及ぼし、レジストの膜厚やレジストとウェハとの密着性が変化し、所望の加工精度が達成できなくなり、歩留まりが低下する場合がある。
雰囲気中の化学物質濃度を制御することが求められる場合、通常、活性炭をベースとしたケミカルフィルターが用いられている。ケミカルフィルターは、化学物質を吸着するものであるため、破過(吸着量が飽和)する前に交換が必要であり、維持するのに手間とコストがかかり、交換の際に、粉塵等が発生してしまうおそれもある。
【0003】
本発明者らは、二酸化チタンペレットに含浸法でプラチナを担持したハイブリッド触媒により、紫外線を照射することなくイソプロピルアルコールが酸化されて二次生成物としてアセトンが生成することを報告している(非特許文献1、2)。また、多孔質担体の表面に白金ナノ粒子が均一に担持されている白金担持触媒と、多孔質担体として二酸化チタンを利用した効率的な光触媒を提案している(特許文献1)。
これら白金担持触媒は、白金をナノ粒子として担持しているため白金の使用量は少ない。しかし、高価な白金を用いない、より安価な触媒が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-019588号公報
【非特許文献】
【0005】
市原真希、洞田浩文、若山恵英、瀧寛則、斎藤祐二、「ハイブリッド触媒によるVOC分解の可能性検討」、大成建設技術センター報、第52号(2019)
市原真希、洞田浩文、若山恵英、瀧寛則、斎藤祐二、「ハイブリッド触媒による無光環境下でのVOC分解の可能性検討」、日本建築学会大学学術講演梗概集、2019、p919-920
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、触媒活性に優れた銅担持触媒と、この銅担持触媒を含む塗料、銅担持触媒を用いた空気浄化システム、空気浄化方法、銅担持触媒の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1]:粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に、銅ナノ粒子が担持されていることを特徴とする銅担持触媒。
[2]:銅の担持量が、0.01重量%以上1.0重量%以下であることを特徴とする[1]に記載の銅担持触媒。
[3]:[1]または[2]に記載の銅担持触媒を含むことを特徴とする塗料。
[4]:[1]または[2]に記載の銅担持触媒を備え、空気中の化学物質を他の化学物質に変換する浄化装置を有することを特徴とする空気浄化システム。
[5]:[1]または[2]に記載の銅担持触媒を用いて、空気中の化学物質を他の化学物質に変換するステップを有することを特徴とする空気浄化方法。
[6]:粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンが分散し、銅イオンが溶解した水系の液体に、電離放射線を照射することを特徴とする銅担持触媒の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の銅担持触媒は、白金担持触媒と同等以上の分解性能を有している。銅は、白金のおよそ4千分の1の価格であり、本発明の銅担持触媒は、従来の白金担持触媒と比較して、非常に安価である。
本発明の塗料は、触媒能(分解能)を有する塗膜を形成することができるため、シックハウスやシックカー対策用の塗料、セルフクリーニング塗料として用いることができる。本発明の塗料を塗布する被対象物の形状は限定されないため、本発明の塗料を塗布した塗膜を備える排気用の空気浄化システム等を設計する際に、圧力損失と分解性とを最適化するための内部構成の設計にかかる手間を大幅に削減することができる。
放射線法である本発明の銅担持触媒の製造方法は、途中で乾燥状態を経ることなく銅担持触媒を製造することができる。本発明の製造方法は、銅担持触媒の凝集が起こりにくいため、特に得られた触媒を塗料用途に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例におけるイソプロピルアルコール分解試験後の、イソプロピルアルコール(IPA)と、IPAの分解により生じるアセトン(ACT)と二酸化炭素(CO

)との比率を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
・銅担持触媒
本発明の銅担持触媒(以下、触媒ともいう)は、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に、銅ナノ粒子が担持されている。
本発明の触媒は、担体として、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンを使用する。担体の粒径は、4nmがより好ましく、5nm以上がさらに好ましく、また、13nm以下がより好ましく、11nm以下がさらに好ましく、9nm以下がよりさらに好ましい。なお、本明細書において、担体の粒径とは結晶子径(結晶子サイズともいう)であり、粉末X線回折で得られるピークの半価幅より下記のシェラーの式を用いて算出される値である。
Lc=0.9λ/(w・cosθ)
(Lc:結晶子径(nm)、λ:X線の波長(nm)、w:ピークの半価幅(rad)、θ:ピーク位置の角度。)
(【0011】以降は省略されています)

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