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公開番号2025009297
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023112206
出願日2023-07-07
発明の名称切削装置および切削工法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E02D 7/18 20060101AFI20250110BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】高圧水の噴射と打設機による加振または打撃を併用する施工であっても、ノズルが孔壁に接触することがなく、硬質岩盤に対して効率的に施工を行うことが可能な切削装置および切削工法を提案する。
【解決手段】鋼矢板からなる本体部2と、本体部2の下端に接続された先端補強部3と、本体部2の長手方向に沿って本体部2に添設された複数の配管4,4,…とを備える切削装置と、この切削装置を利用した切削工法。先端補強3部内には、配管4の下端と連通する流路31が形成されている。また、流路31の下端部には、配管4および流路31を介して送液された流体を噴射するノズル5が設けられている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
鋼矢板からなる本体部と、
前記本体部の下端に接続された先端補強部と、
前記本体部の長手方向に沿って前記本体部に添設された複数の配管と、を備え、
前記先端補強部内には、前記配管の下端と連通する流路が形成されており、
前記流路の下端部には、前記配管および前記流路を介して送液された流体を噴射するノズルが設けられていることを特徴とする、切削装置。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記先端補強部の下部において、前記流路が屈曲しており、
隣り合う2本の前記流路に形成された前記ノズルは、互いに異なる方向に前記流体を噴射することを特徴とする、請求項1に記載の切削装置。
【請求項3】
前記ノズルの噴射方向が、前記長手方向に対して20°~40°の範囲内で傾斜していることを特徴とする、請求項2に記載の切削装置。
【請求項4】
前記先端補強部の下端面に凹部が形成されており、
隣り合う2本の前記流路が一つの前記凹部に向かって延在しており、
二つの前記ノズルが一つの前記凹部に収容されていることを特徴とする、請求項3に記載の切削装置。
【請求項5】
前記先端補強部の下端面に、山形超硬チップが固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の切削装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の切削装置を利用した切削工法であって、
地盤に向けて前記ノズルから流体を噴射する第一切削工程と、
前記ノズルから流体を噴射するとともに、前記切削装置を加振または打撃する第二切削工程と、を備えていることを特徴とする、切削工法。
【請求項7】
前記第一切削工程において、前記切削装置を上下動させることを特徴とする、請求項6に記載の切削工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、切削装置および切削工法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
硬岩に杭や鋼矢板を打設する方法として、ケーシングを利用して掘削孔を形成した後、掘削孔からケーシングを引き抜くとともに砕石や砂などに置き換えて、鋼材を打設する方法がある。ところが、この方法は、施工に手間がかかり、コストも高くなる。
そのため、高圧水により地盤を切削しながら、バイブロハンマ等の打設機により加振または打撃することで、杭や矢板を打設する場合がある。例えば、特許文献1には、鋼管の側面に配管されたジェット管の先端から高圧水を噴射させて地盤を切削しながら鋼管を打ち込む工法が開示されている。また、特許文献2には、鋼矢板等の鋼材の側面に配管されたジェット管の先端から高圧水を噴射させて地盤を切削しながら鋼材を打ち込む工法が開示されている。
前記従来の工法では、鋼材の側面に添設された配管やノズルを、固定プレート等により固定しているため、打設機で加振または打撃する際に、ノズルが孔壁に接触するなどして作業を妨げるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6529226号公報
特許第3472562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高圧水等の流体の噴射と打設機による加振または打撃とを併用する施工であっても、流体を噴射するためのノズルが孔壁に接触することがなく、硬質岩盤に対して効率的に施工を行うことが可能な切削装置および切削工法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の切削装置は、鋼矢板からなる本体部と、前記本体部の下端に接続された先端補強部と、前記本体部の長手方向に沿って前記本体部に添設された複数の配管とを備えるものである。前記先端補強部内には、前記配管の下端と連通する流路が形成されており、前記流路の下端部には、前記配管および前記流路を介して送液された流体を噴射するノズルが設けられている。
かかる切削装置によれば、ノズルが先端補強部内に設けられていて、側面に露出していないため、切削装置を加振または打撃した際に、孔壁にノズルが接触しない。そのため、ノズルが岩盤切削の妨げになることがなく、効率的に硬質岩盤を切削できる。また、ノズルが岩盤に接触して破損することもなく、破損したノズルの交換に要する手間や費用を削減できる。
【0006】
前記切削装置は、前記先端補強部の下部において前記流路が屈曲しており、さらに、隣り合う2本の前記流路に形成された前記ノズルが互いに異なる方向に前記流体を噴射するように構成されているのが望ましい。
かかる切削装置によれば、鋼矢板の形状(板厚や断面形状)に応じて高圧水を噴射することが可能となる。
前記先端補強部の下端面に凹部を形成し、隣り合う2本の前記流路を一つの前記凹部に向かって延在させてもよい。この場合には、二つの前記ノズルを一つの前記凹部に収容する。
かかる切削装置によれば、先端補強部を岩盤に打設する際、ノズルを防護することができる。また、凹部の数が流路の数よりも少なくなるので、流路毎に凹部を形成する場合に比べて加工手間を省くことができる。
【0007】
また、前記ノズルの噴射方向が、前記長手方向に対して20°~40°の範囲内で傾斜していれば、地盤に対して垂直に高圧水を噴射する場合に比べて、削孔長を大きくできるため、効率的に岩盤を切削・割岩できる。
さらに、前記先端補強部の下端面に山形超硬チップが固定されていれば、岩盤に打設する際により効率的に岩盤を切削(割岩)できる。
【0008】
前記切削装置を利用した本発明の切削工法は、地盤に向けて前記ノズルから流体を噴射する第一切削工程と、前記ノズルから流体を噴射するとともに前記切削装置を加振または打撃する第二切削工程とを備えている。
かかる切削工法によれば、流体(高圧水)の噴射により切削した場所にバイブロハンマ等の打設機により加振または打撃を加えるため、任意の形状に硬岩を割裂させることができる。
なお、前記第一切削工程において、前記切削装置を上下動させれば、流体の噴射による切削範囲が変化するため、切削装置を固定して第一切削工程を実施する場合に比べて、より効率的に岩盤を切削できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の切削装置および切削工法によれば、流体の噴射による地盤の切削と打設機による加振または打撃とを併用する岩盤切削時に、流体を噴射するためのノズルが孔壁に接触することがなく、硬質岩盤に対して効率的に施工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態の切削工法を示す正面図である。
本実施形態の切削装置を示す正面図である。
本体部を示す断面図である。
先端補強部を示す図であって、(a)は上面図、(b)は底面図である。
先端補強部の一部を示す図であって、(a)は断面図、(b)は底面図である。
実験で使用した切削装置の底面図である。
切削工法の実証実験結果を示す写真である。
噴射角度と噴射高さの説明図である。
ノズルを傾斜させることによる効果を確認した実験結果を示すグラフである。
高圧水噴射時にノズルを上下動させることによる効果を確認した実験結果を示すグラフである。
噴射角度を変化させた場合の削孔深さを測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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