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公開番号2024172097
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089618
出願日2023-05-31
発明の名称コンクリート床版およびコンクリート床版の製造方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E01D 19/12 20060101AFI20241205BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】コンクリート床版の製造時の手間を最小限に抑えつつ、所定の位置に樹脂材を埋め込むことを可能としたコンクリート床版およびこのコンクリート床版の製造方法を提案する。
【解決手段】上側鉄筋41および下側鉄筋42により上下から挟まれた樹脂材2と、樹脂材2を支持する格子状支持部材3とが埋め込まれたコンクリート床版1である。格子状支持部材3は、下側鉄筋42上に配置されていて、樹脂材2の下面に形成されたずれ止め用溝22に挿入されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上側鉄筋および下側鉄筋により上下から挟まれた樹脂材と、
前記樹脂材を支持する格子状支持部材と、が埋め込まれたコンクリート床版であって、
前記格子状支持部材が前記樹脂材に形成されたずれ止め用溝に挿入されていることを特徴とする、コンクリート床版。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記格子状支持部材が下側鉄筋上に配置されているとともに、前記ずれ止め用溝が前記樹脂材の下面に形成されており、
前記樹脂材の上面には、前記樹脂材の浮き上がりを抑制する浮き上がり防止材を挿入可能な抑え用溝が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート床版。
【請求項3】
前記格子状支持部材を前記下側鉄筋に固定する固定部材をさらに備えていることを特徴とする、請求項2に記載のコンクリート床版。
【請求項4】
隣り合う前記樹脂材同士の間にスペーサーが配設されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート床版。
【請求項5】
下側鉄筋を配筋する下筋配筋工程と、
前記下側鉄筋上に格子状支持部材を配設する支持部材配設工程と、
前記格子状支持部材上に樹脂材を載置する樹脂材載置工程と、
前記樹脂材上に上側鉄筋を配筋する上筋配筋工程と、
コンクリートを打設する打設工程と、を備えるコンクリート床版の製造方法であって、
前記樹脂材載置工程では、前記樹脂材の下面に形成されたずれ止め用溝に前記格子状支持部材を挿入することを特徴とする、コンクリート床版の製造方法。
【請求項6】
前記樹脂材の上に浮き上がり防止材を配置し、前記樹脂材の上面に形成された抑え用溝に浮き上がり防止材を挿入する浮き上がり防止材配設工程をさらに備えていることを特徴とする、請求項5に記載のコンクリート床版の製造方法。
【請求項7】
前記樹脂材の側面と型枠との間および隣り合う樹脂材同士の間にスペーサーを配設するスペーサー配設工程をさらに備えていることを特徴とする、請求項5に記載のコンクリート床版の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂材載置工程の後に下側緊張材を配設する下側緊張材配設工程をさらに備えているとともに、前記上筋配筋工程において前記上側鉄筋とともに上側緊張材を配設することを特徴とする、請求項5に記載のコンクリート床版の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材が埋め込まれたコンクリート床版およびコンクリート床版の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリート床版を軽量化すれば、支持構造の簡素化(例えば、梁の小断面化)が可能となる。また、コンクリート床版がプレキャスト部材(プレキャスト床版)である場合には、プレキャスト床版を軽量化することにより、プレキャスト床版を敷設する際の手間や輸送コストを低減することができる。
床版の軽量化を図った構造として、発泡合成樹脂製の埋め殺し型枠を床版に埋め込んだ構造が知られている。例えば、特許文献1には、底鋼板の上面に発泡合成樹脂製の埋め殺し型枠を配置した状態で、埋め殺し型枠を埋没させるようにコンクリートを打設して合成床版を形成する床版の製造方法が開示されている。埋め殺し型枠は、接着剤を用いて底鋼板に固定している。なお、特許文献1の床版の施工方法は、底鋼板に埋め殺し型枠を固定するものであるため、底鋼板を有しないコンクリート床版には適用できない。
一方、コンクリート床版については、ボルトなどの治具を介して発泡合成樹脂材を型枠に固定することで、コンクリート床版内に発泡合成樹脂材を設けることができるが、脱型時にボルト(治具)を取り外す必要があり、作業に手間がかかる。
また、プレストレストコンクリート床版の場合、橋軸直角方向のプレストレスを導入するために用いる緊張材(PC鋼棒あるいは高強度鉄筋)に接触しないように、発泡合成樹脂材を所定の位置に配置する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-154124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コンクリート床版の製造時の手間を最小限に抑えつつ、所定の位置に樹脂材を埋め込むことを可能としたコンクリート床版およびこのコンクリート床版の製造方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明のコンクリート床版は、上側鉄筋および下側鉄筋により上下から挟まれた樹脂材と、前記樹脂材を支持する格子状支持部材とが埋め込まれたものである。前記格子状支持部材は、前記樹脂材に形成されたずれ止め用溝に挿入されている。
かかるコンクリート床版によれば、前記樹脂材を格子状支持部材に係止させることで、樹脂材を容易に正確な位置に配置・固定できる。また、特殊な治具等を必要としないため、経済的である。さらに、樹脂材は、型枠に固定されていないため、脱型時に型枠から治具を取り外すなどの手間を要しない。樹脂材には、例えば、発泡合成樹脂製のブロック体を使用すればよい。
【0006】
なお、前記格子状支持部材が下側鉄筋上に配置されている場合には、前記ずれ止め用溝は前記樹脂材の下面に形成し、さらに、前記樹脂材の浮き上がりを抑制する浮き上がり防止材を挿入可能な抑え用溝を前記樹脂材の上面に形成しておくのが望ましい。
こうすることで、コンクリート打設時に樹脂材の浮き上がり防止できるので、樹脂材と格子状支持部材との係合状態が好適に維持されて、樹脂材の位置がずれることを抑制できる。
また、前記格子状支持部材を前記下側鉄筋に固定する固定部材をさらに備えていれば、より確実に樹脂材のズレを抑制できる。
また、隣り合う前記樹脂材同士の間にスペーサーが配設されていれば、複数の樹脂材を配設する場合に、複数の樹脂材を正確に配置することができる。
【0007】
また、本発明のコンクリート床版の製造方法は、下側鉄筋を配筋する下筋配筋工程と、前記下側鉄筋上に格子状支持部材を配設する支持部材配設工程と、前記格子状支持部材上に樹脂材を載置する樹脂材載置工程と、前記樹脂材上に上側鉄筋を配筋する上筋配筋工程と、コンクリートを打設する打設工程とを備えている。前記樹脂材載置工程では、前記樹脂材の下面に形成されたずれ止め用溝に前記格子状支持部材を挿入する。
かかるコンクリート床版の製造方法によれば、樹脂材を格子状支持部材に係止させるため、フレッシュコンクリートの圧力や締固め時の振動によって、樹脂材の位置がずれることを抑制できる。そのため、樹脂材を容易に正確な位置に配置・固定できる。また、特殊な治具等を必要としないため、経済的である。さらに、樹脂材等は、型枠に固定しないため、脱型時に治具を取り外すなどの手間を要しない。
【0008】
なお、前記樹脂材の上に浮き上がり防止材を配置し、前記樹脂材の上面に形成された抑え用溝に前記浮き上がり防止材を挿入する浮き上がり防止材配設工程を行うことが好ましい。このようにすると、コンクリート打設時に樹脂材が浮き上がることを防止できる。
また、前記樹脂材の側面と型枠との間および隣り合う樹脂材同士の間にスペーサーを配設するスペーサー配設工程をさらに備えていれば、複数の樹脂材を配置する場合であっても、容易に樹脂材を正確な位置に配置できる。
さらに、コンクリート床版がプレストレストコンクリート床版の場合には、前記樹脂材載置工程の後に下側緊張材を配設する下側緊張材配設工程を行い、前記上筋配筋工程において前記上側鉄筋とともに上側緊張材を配設することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコンクリート床版およびコンクリート床版の製造方法によれば、プレキャスト床版の製造時の手間を最小限に抑えつつ、樹脂材を所定の位置に埋め込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態に係るプレキャスト床版を示す図であって、(a)は底面図、(b)は橋軸直角方向断面図、(c)は橋軸方向断面図である。
発泡合成樹脂材を示す図であって、(a)は平面図、(b)は橋軸直角方向から望む側面図、(c)は橋軸方向から望む側面図、(d)は底面図である。
格子状支持部材を示す平面図である。
コンクリート床版の製造方法の手順を示すフローチャートである。
(a)は下筋配筋工程を示す平面図、(b)は支持部材配設工程を示す平面図である。
(a)に樹脂材載置工程を示す平面図、(b)はスペーサー配設工程を示す平面図である。
(a)は下側緊張材配設工程を示す平面図、(b)は上筋配筋工程を示す平面図である。
浮き上がり防止材配設工程を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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