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公開番号2025005811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106190
出願日2023-06-28
発明の名称防護柵およびその補強方法
出願人有限会社吉田構造デザイン
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E01F 7/04 20060101AFI20250109BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】H形鋼製の支柱のねじれを効果的に抑制できて、防護柵の延命化を実現できる防護柵およびその補強方法を提供すること。
【解決手段】天板31と支柱10の頭部とコンクリート基礎15に設けたアンカーボルト18との間に設置可能な全長を有する複数組のねじり防止杆35とを具備し、天板31を支柱10の頭部に対して回動不能に載置し、アンカーボルト18と天板31との間に縦向きに配置した複数のねじり防止杆35を配設し、天板31および複数のねじり防止杆35を通じて支柱10の頭部のねじりを拘束して、受撃時における支柱10の変位方向を谷側のみに規制する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリート基礎に立設したH形鋼製の支柱を具備する既設の防護柵であって、
支柱頭部に載置する天板と、コンクリート基礎と支柱頭部の間に設置可能な全長を有する複数組のねじり防止杆とを具備し、
前記天板を支柱の頭部に対して回動を拘束可能に載置し、
縦向きに配置した前記複数のねじり防止杆の上下部を前記コンクリート基礎と前記天板に連結し、
前記天板および複数のねじり防止杆を通じて支柱の頭部のねじりを拘束して、受撃時における支柱の変位方向を谷側方向に規制することを特徴とする、
防護柵。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記支柱と複数のねじり防止杆の中間部との間に複数の横向き補強材を追加配置して剛結したことを特徴とする、請求項1に記載の防護柵。
【請求項3】
前記複数の横向き補強材を多段的に設けたことを特徴とする、請求項2に記載の防護柵。
【請求項4】
隣り合う前記ねじり防止杆の間に複数のブレースを多段的に設置して補強すると共に、各ねじり防止杆と支柱の間を横向きに配置した複数の横材で連結したとこを特徴とする、請求項1に記載の防護柵。
【請求項5】
前記コンクリート基礎の天端面に支柱の裾部の周囲を囲繞する型枠を設け、前記型枠内に固結材を充填して層状に形成した保護層で支柱の裾部を保護したことを特徴とする、請求項1に記載の防護柵。
【請求項6】
前記ねじり防止杆は天板とアンカーボルトとの間に配設可能な全長を有する連接材と、該連接材に外装した耐荷材とを具備することを特徴とする、請求項1に記載の防護柵。
【請求項7】
コンクリート基礎に立設したH形鋼製の支柱を具備する既設の防護柵の補強方法であって、
支柱頭部に支柱の回動を拘束可能に載置する天板と、
支柱の頭部とコンクリート基礎に設けたアンカーボルトとの間に設置可能な全長を有する複数組のねじり防止杆とを具備した支柱補強装置を使用し、
縦向きに配置した前記複数のねじり防止杆の上下部を前記コンクリート基礎と前記天板に連結し、
前記天板および複数のねじり防止杆を通じて支柱の頭部のねじりを拘束して、受撃時における支柱の変位方向を谷側方向に規制することを特徴とする、
防護柵の補強方法。
【請求項8】
隣り合う前記支柱と複数のねじり防止杆の中間部に複数の横向き補強材を設けたことを特徴とする、請求項7に記載の防護柵の補強方法。
【請求項9】
隣り合う前記ねじり防止杆の間に複数のブレースを多段的に設置して補強すると共に、各ねじり防止杆と支柱の間を横向きに配置した複数の横材で連結したとこを特徴とする、請求項7に記載の防護柵の補強方法。
【請求項10】
前記コンクリート基礎の天端面に支柱の裾部の周囲を囲繞する型枠を設け、前記型枠内に固結材を充填して層状に形成した保護層で支柱の裾部を保護したことを特徴とする、請求項7に記載の防護柵の補強方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は落石、雪崩、崩落土砂等を対象とした既設防護柵の補強技術に関し、特にH鋼製の自立式支柱を具備した防護柵およびその補強方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているようにH鋼製の自立式支柱を具備した落石防護柵や雪崩防護柵は広く知られている。
この種の防護柵は、間隔を隔てて立設したH形鋼製の支柱と、支柱の間に多段的に横架した複数のロープ材と、複数のロープ材による受撃面に沿って取り付けた金網とを具備していて、金網やロープ材に作用した落石等の衝撃力を、最終的には下部構造であるコンクリート基礎に埋め込んだ支柱の強度で分担する構造になっている。
【0003】
道路や鉄道等の近傍に設置されたH鋼製の自立式支柱を具備した防護柵は、その総延長が数千kmに及ぶといわれているが、その大半は設置から50年以上を経過していることから、老朽化対策の必要性が指摘されている。
【0004】
既設防護柵の老朽化の現況を検証したところ、支柱の根元部に大量の錆びが発生していたり、支柱下部が腐食して欠損していたりするケースが大半である。
支柱の錆びは、冬季に使用する融雪剤の塩分が直接的または間接的に付着することで生じる。
【0005】
老朽化したH形鋼製の支柱の変形メカニズムについて検証すると、防護柵が受撃して支柱に谷側へ向けて曲げ変形力が加わる。
支柱は谷側へ向けて曲げ変形のみをするのではなく、支柱が谷側へ向けて曲げ変形を開始した直後に支柱にねじりが生じ、このねじり変形がきっかけとなって支柱の谷側へ向けた曲げ変形が促進される。
支柱を構成するH形鋼はねじり強度が比較的小さいため、H形鋼にねじり変形が生じると、支柱本来の曲げ耐力を発揮できずに小さな曲げ力で支柱が変形する。
【0006】
老朽化した防護柵に対する補修方法または補強方法が種々提案されている。
防護柵の老朽化対策として、例えば、既設防護柵の斜面上流側に大型の防護柵を増設することが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平11-336025号公報
特開2006-183326号公報(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の老朽化した防護柵の対策技術はつぎの問題点を有している。
<1>降雪地域での降雪時の交通を確保するために、機械的な除雪が行われるが、路側や路肩の降雪の消滅を促進するために、各種の塩化物を吹き付ける場合がある。
これが原因で路側のコンクリート擁壁に設置した鋼製の防護柵の下部の腐食が著しい。
しかしながら、腐食した防護柵を補修または補強する好適な技術が提案されていないのが現状である。
<2>特許文献2に記載の防護柵の老朽化対策は、大型防護柵の増設に多くの時間とコストを要するだけでなく、既設防護柵そのものを補強できない、という問題点を有している。
<3>既設防護柵の強度に最も重要な支柱の裾部の錆を放置すると、錆が進行して鋼材の肉厚を著しく薄くしたり穴空きができたりする。
支柱の上部は健全であるにもかかわらず、最も強度が要求される支柱の裾部が腐食すると断面欠損を生じ、既設防護柵の弱体化が増々進んでいく。
<4>このような現状において、老朽化した支柱を交換せずに低コストで補強できて、防護柵の延命化を実現できる改修技術の提案が望まれている。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、既設の防護柵のH形鋼製の支柱を低コストで補強できて、防護柵の延命化を実現できる防護柵およびその補強方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、ねじり強度が比較的弱いH形鋼製の支柱のねじりを効果的に抑制できる防護柵およびその補強方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、コンクリート基礎に立設したH形鋼製の支柱を具備する既設の防護柵であって、支柱頭部に載置する天板と、コンクリート基礎と支柱頭部の間に設置可能な全長を有する複数組のねじり防止杆とを具備し、前記天板を支柱の頭部に対して回動を拘束可能に載置し、縦向きに配置した前記複数のねじり防止杆の上下部を前記コンクリート基礎と前記天板に連結し、前記天板および複数のねじり防止杆を通じて支柱の頭部のねじりを拘束して、受撃時における支柱の変位方向を谷側方向に規制するように構成した。
本発明の他の形態において、前記支柱と複数のねじり防止杆の中間部との間に複数の横向き補強材を追加配置して剛結してもよい。
本発明の他の形態において、前記複数の横向き補強材を多段的に設けてもよい。
本発明の他の形態において、隣り合う前記ねじり防止杆の間に複数のブレースを多段的に設置して補強すると共に、各ねじり防止杆と支柱の間を横向きに配置した複数の横材で連結してもよい。
本発明の他の形態において、前記コンクリート基礎の天端面に支柱の裾部の周囲を囲繞する型枠を設け、前記アンカーボルトに長ナットを螺着し、前記型枠内に固結材を充填して層状に形成した保護層で支柱の裾部を保護してもよい。
本発明の他の形態において、前記ねじり防止杆は天板とアンカーボルトとの間に配設可能な全長を有する連接材と、該連接材に外装した耐荷材とを具備する。
本発明は、コンクリート基礎に立設したH形鋼製の支柱を具備する既設の防護柵の補強方法であって、支柱頭部に支柱の回動を拘束可能に載置する天板と、支柱の頭部とコンクリート基礎に設けたアンカーボルトとの間に設置可能な全長を有する複数組のねじり防止杆とを具備した支柱補強装置を使用し、縦向きに配置した前記複数のねじり防止杆の上下部を前記コンクリート基礎と前記天板に連結し、前記天板および複数のねじり防止杆を通じて支柱の頭部のねじりを拘束して、受撃時における支柱の変位方向を谷側方向に規制するようにした。
本発明の他の形態において、隣り合う前記支柱と複数のねじり防止杆の中間部に複数の横向き補強材を設けてもよい。
本発明の他の形態において、隣り合う前記ねじり防止杆の間に複数のブレースを多段的に設置して補強すると共に、各ねじり防止杆と支柱の間を横向きに配置した複数の横材で連結してもよい。
本発明の他の形態において、前記コンクリート基礎の天端面に支柱の裾部の周囲を囲繞する型枠を設け、前記型枠内に固結材を充填して層状に形成した保護層で支柱の裾部を保護してもよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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