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公開番号2025007734
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023109326
出願日2023-07-03
発明の名称横断歩道の道路鋲システム
出願人トヨタ自動車株式会社,積水樹脂株式会社,株式会社光波
代理人個人,個人
主分類E01F 9/559 20160101AFI20250109BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】 横断歩道PCに沿って歩行者等Pの横断歩道の横断中に複数の発光する道路鋲20が配置されてなる道路鋲システムに於いて、複数の道路鋲の発光を集中的に制御する制御装置が不要にする。
【解決手段】 道路鋲システムに於いて、各道路鋲は、その配置位置から所定の範囲21内に於ける歩行者等の進入を検知すると、そのことを表わす進入情報を発信し、他の道路鋲が発信した進入情報を受信すると進入情報を再発信し、歩行者等の進入を検知しているとき及び他の道路鋲が発信した進入情報を受信しているときのいずれかに所定期間に亙って発光器23を発光させる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
横断歩道に沿って複数の発光する道路鋲が配置されてなる道路鋲システムであって、各道路鋲が、
発光器と、
その配置位置から所定の範囲内に於ける歩行者等の進入を検知する検知器と、
前記検知器が前記歩行者等の進入を検知したときにそのことを表わす進入情報を発信すると共に、他の道路鋲が発信した進入情報を受信する信号発受信手段にして、更に、前記他の道路鋲が発信した前記進入情報を受信すると前記進入情報を発信する信号発受信手段と、
前記検知器が前記歩行者等の進入を検知しているとき及び前記他の道路鋲が発信した前記進入情報を受信しているときのいずれかに所定期間に亙って前記発光器を発光させる発光制御手段と
を含み、前記複数の道路鋲のうちのいずれかが前記歩行者等の進入を検知すると、前記複数の道路鋲の全てが前記所定期間に亙ってそれぞれの前記発光器を発光させるシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、道路面上に配置される道路鋲に係り、より詳細には、複数の道路鋲が横断歩道に沿って配置されて、その横断歩道を歩行者や自転車(歩行者等)の横断の際に点灯又は点滅するよう構成された横断歩道の道路鋲システムに係る。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
横断歩道に沿って複数の発光する道路鋲を配置し、歩行者等の横断歩道の横断中に道路鋲を発光させて、横断歩道に向かって走行する車両の運転者に歩行者等が横断中であることを報知できるように構成されたシステムが種々提案されている。例えば、特許文献1に於いては、横断歩道の両端に歩行者等の横断歩道への入りと出を検出する検出器を設置し、横断歩道への歩行者等の進入の検出に応答して、コントローラが横断歩道に沿って配置された複数の道路鋲を発光するよう制御するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-096200
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如く、横断歩道に沿って、歩行者等の横断歩道の横断中に複数の発光する道路鋲が配置されてなるシステム(道路鋲システム)に於いて、道路鋲の発光が一つの制御装置にて集中的に制御されるのではなく、各道路鋲にて自律的に制御されるようになっていれば、集中制御を行うための制御装置を不要となり、より廉価なシステムが構築できる点で有利である。また、各道路鋲が自律的に発光制御を実行できる場合、道路鋲の数を調整するだけで、種々の道路幅の横断歩道に対応できることとなる。
【0005】
かくして、本発明の一つの課題は、横断歩道に沿って歩行者等の横断歩道の横断中に複数の発光する道路鋲が配置されてなる道路鋲システムにして、複数の道路鋲の発光を集中的に制御する制御装置が不要であり、歩行者等の横断歩道の横断中に各道路鋲が自律的に発光するよう構成されたシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の課題は、横断歩道に沿って複数の発光する道路鋲が配置されてなる道路鋲システムであって、各道路鋲が、
発光器と、
その配置位置から所定の範囲内に於ける歩行者等の進入を検知する検知器と、
前記検知器が前記歩行者等の進入を検知したときにそのことを表わす進入情報を発信すると共に、他の道路鋲が発信した進入情報を受信する信号発受信手段にして、更に、前記他の道路鋲が発信した前記進入情報を受信すると前記進入情報を発信する信号発受信手段と、
前記検知器が前記歩行者等の進入を検知しているとき及び前記他の道路鋲が発信した前記進入情報を受信しているときのいずれかに所定期間に亙って前記発光器を発光させる発光制御手段と
を含み、前記複数の道路鋲のうちのいずれかが前記歩行者等の進入を検知すると、前記複数の道路鋲の全てが前記所定期間に亙ってそれぞれの前記発光器を発光させるシステム
によって達成される。
【0007】
上記の構成に於いて、発光器は、可視光を発するLEDの如き任意の発光手段であってよい。検知器は、物体感知センサ又は人感センサの如く、適宜設定される所定の範囲(検知範囲)内に、歩行者や自転車(歩行者等)が進入したときに、そのことを検知することが可能な任意の形式のセンサ手段であってよい。「進入情報」は、上記の如く検知範囲内に歩行者等の進入が検知されたことを表わす情報である。かかる進入情報は、歩行者等の進入を検知した道路鋲の識別情報(ID)又はそれを含む情報であってよい。信号発受信手段は、任意の形式の無線又は有線にて進入情報である信号を発受信する通信手段であってよい。発光制御手段は、上記の如く、検知器が歩行者等を検知しているとき及び他の道路鋲が発信した進入情報を受信しているときのいずれかに於いて、即ち、システム内の少なくとも一つが歩行者等を検知したときに、所定期間に亙って発光器を発光(点灯又は点滅)させる任意の形式の手段であってよい。なお、「所定期間」は、車両の運転者が発光を認識可能となる任意の期間に設定されてよい。
【0008】
上記の本発明のシステムの構成に於いては、横断歩道に沿って配置される複数の、発光する道路鋲のうちのいずれかの検知器の検知範囲に歩行者等が進入すると、その道路鋲が、発光すると共に、その歩行者等の進入の情報(進入情報)を発信して、かかる進入情報を少なくとも隣りの道路鋲へ伝達し、その進入情報を受信した道路鋲も発光すると共に、進入情報を発信することとなる。これにより、本発明のシステムによれば、各道路鋲の発光制御がそれぞれ自律的に実行されながら、歩行者等が横断歩道に接近又は進入すると、各道路鋲がほぼ一斉に発光を開始することとなる。そして、かかる構成においては、複数の道路鋲の発光を集中的に制御する制御装置が不要となり、その分、コストの低減が図られる。また、各道路鋲が、自律的に、歩行者等の進入を検知し或いは他の道路鋲による歩行者等の進入の検知を知ることができるように構成されているので、種々の長さの横断歩道に発光道路鋲を設置する際に、上記の構成の道路鋲を適当な間隔にて配置するだけでよく、配置数が変更されても、システム全体の調整も不要となる点でも有利である。
【0009】
また、上記の本発明のシステムの構成に於いては、最初に歩行者等の進入を検知した道路鋲の発信した進入情報は、他の道路鋲の受信の後、その他の道路鋲から再度発信されるので、最初に歩行者等の進入を検知した道路鋲もその情報を受信することとなる。これにより、最初に歩行者等の進入を検知した道路鋲は、自身の発信した進入情報が他の道路鋲に到達していること、即ち、進入情報の正常な通信ができたことを確認できることとなる。そして、最初に歩行者等の進入を検知しその情報を発信した道路鋲は、その進入情報が他の道路鋲から返信されない場合に、歩行者等の進入を検知している間、その進入情報を再度送信できるようになっていてよい。なお、検知器は、適宜設定される周期(検知周知)毎に歩行者等の有無を検知するよう構成されてよく、各道路鋲にて受信され保持される進入情報は、順次に消去されてよい(これにより、歩行者等が横断歩道からいなくなった後に発光器の点灯又は点滅が継続することが回避される。)。
【0010】
上記の構成に於いて、一つの態様に於いて、複数の道路鋲がそれぞれの検知範囲内の歩行者等の進入を検知しているとき、各道路鋲は、いずれかの道路鋲の進入情報を既に受信しているときには(複数の道路鋲のそれぞれから進入情報を受信するようになっていてよい。)、最初に受信した進入情報を発信し、その最初に受信した進入情報の受信をトリガとして発光器を発光するよう構成されていてよい。この場合、全ての道路鋲は、最初に受信した道路鋲からの進入情報の受信をトリガとして発光器の発光を制御することとなる。また、別の態様に於いては、複数の道路鋲がそれぞれの検知範囲内の歩行者等の進入を検知しているとき、各道路鋲は、いずれかの道路鋲の進入情報を既に受信しているときに、受信した進入情報に自身の発信した進入情報があるときには、自身の進入情報を発信し、受信した進入情報に自身の発信した進入情報がないときには、最初に受信した進入情報を発信するよう構成されていてよい。この場合、各道路鋲は、他の道路鋲からの進入情報の受信前に歩行者等の進入を検知したときには、(次の検知周期までは)自身の歩行者等の進入の検知に応答して発光制御を実行することとなり、或る歩行者等の進入について、各道路鋲に於いて発光制御のトリガとなる道路鋲の変更がなくなり、トリガの交替がなくなり、発光のタイミング制御の混乱が回避できることとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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