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公開番号
2024179724
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023098781
出願日
2023-06-15
発明の名称
ガードレールの保護方法及び保護装置
出願人
株式会社マイスターズインク
代理人
個人
主分類
E01F
15/04 20060101AFI20241219BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約
【課題】
本発明は、鉄製のガードレールをフィルムラッピングすることで、錆の発生を抑えて耐用年数を伸ばし、道路景観を損ねる原因の排除を可能とするガードレールの保護方法の提案をするとともに、長尺なビームに保護フィルムを連続して貼着可能なガードレールの保護装置の技術提供を課題とするものである。
【解決手段】
本発明は、断面が略波型形状の長尺なガードレールのビームに保護フィルムを貼着させる方法または装置に関し、ロールフィルムから保護フィルムを引き抜くフィルム引抜き手段Aと、ヒーター部により加熱する加熱手段Bと、型押し部により前記ビームに連続密着させる型押し手段Cと、フィルム長手方向の両辺をビームの長手方向の両辺を包み込むように表面から裏面へと折り返して貼着する折り返し貼着手段Dと、を有する構成を採用した。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
断面が略波型形状の長尺なガードレール(G)のビーム(Gb)に保護フィルムを貼着させることを特徴とするガードレールの保護方法(1)。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
断面が略波型形状の長尺なガードレール(G)のビーム(Gb)に保護フィルムを貼着させるガードレールの保護方法であって、
前記保護フィルムが巻装されたロールフィルム(20)から保護フィルムを引き抜くフィルム引抜き手段Aと、
ヒーター部(30)により加熱する加熱手段Bと、
型押し部(40)により前記ビーム(Gb)に連続密着させる型押し手段Cと、
フィルム長手方向の両辺をビーム(Gb)の長手方向の両辺を包み込むように表面から裏面へと折り返して貼着する折り返し貼着手段Dと、
を有する事を特徴とする請求項1に記載のガードレールの保護方法(1)。
【請求項3】
前記保護フィルムの表面に、撥水処理(200)を施したものを利用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガードレールの保護方法(1)。
【請求項4】
前記保護フィルムの素材に、熱可塑性ポリウレタン製の保護フィルム(100)を利用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガードレールの保護方法(1)。
【請求項5】
断面が略波型形状の長尺なガードレール(G)のビーム(Gb)に保護フィルムを貼着させるための貼着装置であって、
前記ガードレール(G)をガイドし、摺動可能に保持するフレーム部(10)と、
ロールフィルム(20)と、
ヒーター部(30)と、
型押し部と(40)と、
フィルム端部押さえ部(50)と、
折り返し爪部(60)と、
脱着機能(70)を備えたレールガイド部(80)とを有し、
前記ロールフィルム(20)を引き出しながら、
前記ヒーター部(30)により加熱し、
前記型押し部(40)により前記ガードレール(G)のビーム(Gb)に連続密着させて加熱貼着(110)させることを特徴とするガードレールの保護装置(2)。
【請求項6】
前記保護フィルムが、その表面に撥水処理(200)を施したものであることを特徴とする請求項5に記載のガードレールの保護装置(2)。
【請求項7】
前記レールガイド部(80)にローラー(90)を備えたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のガードレールの保護装置(2)。
【請求項8】
前記保護フィルムの素材が、ポリウレタン製の保護フィルム(100)であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のガードレールの保護装置(2)。
【請求項9】
施工されたガードレール(G)に長尺な前記ロールフィルム(20)を連続して貼着させるため車両(S)に搭載し、前記ガードレール(G)と前記フレーム部(10)との水平方向のクリアランス(K)と垂直方向の高さ(H)を、センサー(P)とアクチュエータ(Q)を用いて最適に保ちながら移動することで長尺なガードレール(G)へ連続貼着が可能となることを特徴とする請求項4に記載のガードレールの保護装置(2)。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガードレールを構成する波型断面のビームをフィルムで被覆する技術に関し、詳しくは、鉄製のガードレールをフィルムラッピングすることで、錆の発生を抑えて耐用年数を伸ばし、景観を損ねる原因の排除を可能とするガードレールの保護方法及び保護装置に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ガードレールは、主として進行方向を誤った車両が道路外、対向車線または歩道に逸脱することによる交通事故の被害を防ぐ「車両用防護柵」の一種であり、車両用防護柵があることで、事故時の車両や人身への被害を最小限に抑えることができるというものである。車両用防護柵に分類されるものは、ガードレールの他にもガードパイプやガードワイヤなど複数種類がある。ガードレールは、最も代表的な車両用防護柵であり、衝突時にガードレールが変形することで、衝撃を抑えてくれるという目的や、運転者の視線を進行方向に誘導する効果があり、見通しの悪い道路において運転者に安心感を与えるものである。そして、道路に沿って長く連続的に設置されるため、道路景観に大きな影響を与えるといえ、特に錆びだらけのガードレールやかすり傷が見受けられるものは、道路景観を害するのみならず、歩行者等への安全性に欠けるものといえる。このようなガードレールの存在については何らかの措置が必要であるが、現在のところは、再塗装やビームの交換等での対応となっており作業負担が大きく不経済でもある。
【0003】
また、ガードレールといえば白色というイメージが強いが、日本の道路景観の向上を目指し、国土交通省では「景観に配慮した道路附属物等ガイドライン」を策定、白色が標準色ではなくなっており、大きな事故防止という安全面の機能は担保したうえで、今後は地域の特性や街並みとの調和を重視したガードレールを目にする機会が増えるといえる。
【0004】
ここで、車両のほうに目を向けると、近年、保護フィルムコーティング技術が進み、ボディへの傷対策が施されるようになってきた。これは利己的に作用するコ-ティング技術といえるが、本来的には利他的に作用する鉄製のガードレールにも係る保護フィルムコーティングを施すことで、錆を防ぎ耐用年数を引き延ばすと共に、道路景観を良くできるのではないかとの着想の下、本発明に至ったものである。そして、波型断面で構成されるビームの形状は単純なものであり、長尺ではあるものの形状変化が基本的にはないためロールフィルムに巻装された保護フィルムを引き出しなら貼着させることは比較的容易であり、貼着物としてのロールフィルムと、被貼着物となるビームは、相性が良いといえる。ただし、ビームは長尺なため貼着には作業負担も強いられるという問題がある。そこで係る問題を解決可能な装置の技術も併せて求められるといえる。
【0005】
このような現状に鑑み、従来からも種々の技術提案がなされている。発明の名称を「ガードレール及びガードレールカバー」とし、解決しようとする課題を「鉄製のガードレールは剛性が高く、歩行者の安全を図るようになっているが、反面、事故の際の自動車に対する衝撃が大きく、搭乗者の安全の確保が難しかった。また、鉄製のためサビを生じやすいばかりではなく、事故などにより一旦変形を起こすと復元できず、交換を必要とするので、補修のために多大な費用がかかっていた。更に、ガードレールに着色される色が白色などの単色であるため、自動車で走行中に運転者の視線動きが単調になりやすく、注意力が散漫になってカーブなどで事故を起こしやすかった。」とするもので、具体的な解決手段を「ガードレールは、支柱で支持された鉄製のレール体とガードレールカバーを備えている。ガードレールカバーは基板を有し、基板の表側には透明な遮断層、画模様を施した描画シート、透明な保護層がこの順番で層状に設けられている。また、裏側の六箇所にはステンレススチール製の固着片が焼き付けにより固着してある。そして、ガードレールカバーは、これら固着片を内側へ曲げてレール体の縁部に掛止し、固着される。」としたものである。しかしながら、係る技術は、錆や汚れの付着防止には一定の効果が期待されるが、ガードレールカバーの構造からして設置方法が複雑になってしまうという問題と、何よりコスト面の問題が残ると考えられる。
【0006】
また、発明の名称を「カバー一体型ガードレール」とし、解決しようとする課題を「突起物及び段差部を含めてレール本体を全て合成樹脂製のカバーで覆い、接着剤を用いて一体化接着構造とした安全確実なカバー一体型ガードレールを提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「ガードレールのレール本体の幅方向両端部より突出し前記レール本体の幅よりも幅広の寸法を有するカバーにて前記レール本体の表面を覆い、接着剤を用いて前記レール本体と前記カバーとを一体化接着構造とし、該レール本体表面の突起物及び段差部を含んで全て覆って該表面を滑らかな表面として構成する。」としたものである。しかしながら、係る技術も特許文献1に記載の発明と同様、錆や汚れの付着防止には一定の効果が期待されるが、主たる目的が自動車等の搭乗者の安全確保であり、ガードレールカバーの構造や設置方法が複雑になってしまうという問題と、何よりコスト面の問題が残ると考えられる。
【0007】
また、発明の名称を「防汚性ガードレール」とし、解決しようとする目的を「ガードレールのビームの凸部平坦部および凹部ともに汚れ付着しにくいガードレールを提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「ガードレールのビームの凸部平坦部表面が親水性を示し、且つ、凹部表面が撥水性とする防汚性ガードレールとした。親水性樹脂を被覆したビームの凹部表面に撥水性処理剤を塗布することが好ましい。」というものである。しかしながら、係る技術は、既存のガードレールを交換、または種類の違う表面処理剤の塗布、乾燥という工程が必要であり、長時間の工事期間が必要となる問題が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平9-100517号
実用新案登録第3154294号
特開2007-85052号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、鉄製のガードレールビームをフィルムラッピングすることで、錆の発生を抑えて耐用年数を伸ばし、景観を損ねる原因の排除を可能とするとともに、長尺なビームに保護フィルムを連続して貼着するガードレールの保護方法及び保護装置の技術提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
断面が略波型形状の長尺なガードレールのビームに保護フィルムを貼着させることでガードレールを保護する構成を採用した。
(【0011】以降は省略されています)
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