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公開番号2025009272
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023112156
出願日2023-07-07
発明の名称水分量特定システムと水分量特定方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 23/204 20060101AFI20250110BHJP(測定;試験)
要約【課題】ベルトコンベヤによって材料を搬送する際に、RI水分計を適用した場合でも高精度で連続的な水分量の特定を行うことのできる、水分量特定システムと水分量特定方法を提供する。
【解決手段】ベルトコンベヤ20により搬送される材料Mの水分量を特定する、水分量特定システム10であり、ベルトコンベヤ20と、ベルト22の裏面側に配設されるRI水分計40と、ベルト22の裏面側に配設されてベルト22の裏面までの距離を計測するレーザ距離計50と、演算装置70とを有し、演算装置70は、距離基準値に対する距離計測値の比率、もしくは、距離基準値と距離計測値との差分に応じて、水分量計測値を補正する第2補正を実行して、材料Mの水分量を特定する。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
ベルトコンベヤにより搬送される材料の水分量を特定する、水分量特定システムであって、
前記ベルトコンベヤと、
前記ベルトコンベヤを形成するベルトの裏面側に配設されて、前記材料の水分量を計測する、RI水分計と、
前記ベルトの裏面側に配設されて、前記ベルトの裏面までの距離を計測する、レーザ距離計と、
演算装置とを有し、
前記演算装置は、
前記ベルトの裏面までの距離に関する距離基準値を記憶し、
前記RI水分計による水分量計測値と、前記レーザ距離計による距離計測値を取得し、
前記距離基準値に対する前記距離計測値の比率、もしくは、前記距離基準値と前記距離計測値との差分に応じて、前記水分量計測値を補正する、第2補正を実行することにより、前記材料の水分量を特定することを特徴とする、水分量特定システム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記距離基準値は、前記ベルトに材料が無載荷の際の該ベルトまでの距離であり、
前記演算装置は、
前記距離基準値に対する前記距離計測値の比率を第2補正係数とし、
前記第2補正において、前記水分量計測値と前記第2補正係数の積を演算することを特徴とする、請求項1に記載の水分量特定システム。
【請求項3】
前記ベルトの表面側に配設されて、該ベルトの幅方向に垂直な計測断面位置における、該ベルトの天端ラインと前記材料の天端ラインの双方を計測する、レーザスキャナをさらに有し、
前記演算装置は、
前記材料の天端ラインに関する材料天端ライン計測値と、前記ベルトの天端ラインに関するベルト天端ライン計測値をさらに取得し、
前記材料天端ライン計測値と前記ベルト天端ライン計測値との差分に基づいて、計測断面位置における材料の2次元断面形状の高さ分布に関する高さ分布算定値を算定し、
前記高さ分布算定値に基づいて前記水分量計測値を補正する、第1補正を実行することにより、前記材料の水分量を特定することを特徴とする、請求項1に記載の水分量特定システム。
【請求項4】
前記演算装置は、
前記2次元断面形状が前記ベルトの幅方向に複数に分割された幅方向分割ブロックごとに、該2次元断面形状の全体の水分量に対する各幅方向分割ブロックの寄与率を記憶し、
各幅方向分割ブロックにおける前記高さ分布の近似式と、前記寄与率との積を演算し、全ての幅方向分割ブロックの積の和を演算して第1補正係数とし、
前記第1補正において、前記水分量計測値と前記第1補正係数の積を演算することを特徴とする、請求項3に記載の水分量特定システム。
【請求項5】
前記幅方向分割ブロックの寄与率は、該幅方向分割ブロックをさらに高さ方向に複数に分割した、複数の高さ方向分割ブロックごとの寄与率の和として求められていることを特徴とする、請求項4に記載の水分量特定システム。
【請求項6】
前記ベルトの裏面側に配設されて、該ベルトの裏面に回転自在に当接しながら該ベルトを支持し、前記RI水分計を挟む一対の支承ローラをさらに有し、
前記RI水分計の直上に前記計測断面位置が設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の水分量特定システム。
【請求項7】
前記支承ローラがロードセルを備え、もしくは、前記ベルトの裏面側にベルトスケールが配置され、該ロードセルもしくは該ベルトスケールにて前記材料の重量が計測されるようになっており、
前記演算装置は、
搬送される前記材料の重量基準値を記憶し、
前記ロードセルもしくは前記ベルトスケールによる重量計測値を取得し、
前記重量基準値に対する前記重量計測値の比率に応じて、前記材料の水分量を補正する、第3補正をさらに実行することにより、前記材料の水分量を特定することを特徴とする、請求項6に記載の水分量特定システム。
【請求項8】
ベルトコンベヤにより搬送される材料の水分量を特定する、水分量特定方法であって、
前記ベルトコンベヤにより搬送される前記材料の水分量を計測して水分量計測値とし、
前記ベルトコンベヤを形成するベルトの裏面までの距離を計測して距離計測値とし、
前記距離に関する距離基準値に対する前記距離計測値の比率、もしくは、前記距離基準値と前記距離計測値との差分に応じて、前記水分量計測値を補正する第2補正により、前記材料の水分量を特定することを特徴とする、水分量特定方法。
【請求項9】
前記距離基準値は、前記ベルトに材料が無載荷の際の該ベルトまでの距離であり、
前記距離基準値に対する前記距離計測値の比率を第2補正係数とし、前記第2補正において、前記水分量計測値と前記第2補正係数の積を演算することを特徴とする、請求項8に記載の水分量特定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水分量特定システムと水分量特定方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
土質材料の水分量(含水比や表面水量)は、土工全般における施工・品質管理基準として重要な指標である。施工現場における水分量の簡易計測手段として、RI(Radio Isotope、放射性同位体)を用いた水分計が広く普及している。
中でも、散乱型のRI水分計は、設置制約が少なく、連続的に非破壊での計測が可能であることから、地盤の面的な締固め管理をはじめとして、施工・品質管理の高度化と省力化に向けた様々な技術において有用である。
【0003】
ところで、RI水分計の特性として、計測範囲の内部または境界近辺における試料の体積や密度、RI水分計と材料との離隔(検出範囲内の水分子の量や分布)の変動が計測値に影響を与えることが挙げられる。そのため、従来は、これらの変動が少ない箇所に適用範囲が限定されていた。
例えば、台形CSG(Cemented Sand and Gravel、現地発生の砂礫とセメント、水を混合して得られる材料)ダム工事においては、十分な搬送厚を確保できる大型のベルトフィーダの下部や、材料が一定時間静止状態となる計量ホッパの側面等に設置が制限され、搬送厚が一般に小さく、変動要素も多いベルトコンベヤに対しては、計測精度の確保が困難であるとの理由から適用が見送られている。
台形CSGダムの品質は、CSG材の粒度や水分量で決定される。従来のCSG材の水分量の管理方法は人力試験によって行われているが、労力がかかることに加えて、試験の性質上、サンプリングが間欠的であるといった課題がある。
【0004】
以上のことから、ベルトコンベヤによって材料を搬送する際に、計測条件や計測対象の性状が変動する環境下にRI水分計を適用した場合でも、高い精度で、連続的な水分量の特定を行うことのできる、水分量特定システムが望まれる。
【0005】
ここで、特許文献1には、土質の品質調整装置が提案されている。この品質調整装置は、2つのベルトコンベヤ上の搬送土の含水比を測定する含水比測定装置及びベルトスケールと、2つのベルトコンベヤを制御する制御装置とを備える。制御装置は、各ベルトコンベヤに装備されている含水比測定装置とベルトスケールにより、第1グループに属する第1搬送土の含水比及び湿潤重量と、第2グループに属する第2搬送土の含水比及び湿潤重量をそれぞれ計測する。そして、各ベルトスケールにおいて、第1搬送土及び第2搬送土を混合した第3搬送土の含水比が目標値となるように、第1搬送土と第2搬送土の搬送を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-105041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の土質の品質調整装置によれば、発生土である土質の含水比を調整することはできるが、上記する課題、すなわち、ベルトコンベヤによって材料を搬送する際に、RI水分計を適用した場合でも、高精度で連続的な水分量の特定を行う技術を開示するものではない。
【0008】
本発明は、ベルトコンベヤによって材料を搬送する際に、計測条件や計測対象の性状が変動する環境下にRI水分計を適用した場合でも、高精度で連続的な水分量の特定を行うことのできる、水分量特定システムと水分量特定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明による水分量特定システムの一態様は、
ベルトコンベヤにより搬送される材料の水分量を特定する、水分量特定システムであって、
前記ベルトコンベヤと、
前記ベルトコンベヤを形成するベルトの裏面側に配設されて、前記材料の水分量を計測する、RI水分計と、
前記ベルトの裏面側に配設されて、前記ベルトの裏面までの距離を計測する、レーザ距離計と、
演算装置とを有し、
前記演算装置は、
前記ベルトの裏面までの距離に関する距離基準値を記憶し、
前記RI水分計による水分量計測値と、前記レーザ距離計による距離計測値を取得し、
前記距離基準値に対する前記距離計測値の比率、もしくは、前記距離基準値と前記距離計測値との差分に応じて、前記水分量計測値を補正する、第2補正を実行することにより、前記材料の水分量を特定することを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、材料の水分量をRI水分計にて計測し、ベルトの裏面側に配設されているレーザ距離計によりベルトの裏面までの距離を計測し、レーザ距離計からベルトの裏面までの距離に関する距離基準値に対する距離計測値の比率、もしくは、距離基準値と距離計測値との差分に応じて材料の水分量を補正する第2補正を実行することにより、ベルトコンベヤ上を連続搬送されることで材料の性状(重量)が変動し、この材料の性状変動に起因してベルトの形状が変動する環境下にRI水分計が適用されている場合でも、高精度で連続的な水分量の特定を実行することができる。
すなわち、ベルトコンベヤ上を搬送される材料の重量変動に起因するベルト天端ラインの変動により、RI水分計による計測領域内の材料の水分量計測値が変動することを、実際の水分量計測値に対して第2補正を実行することで高精度の水分量の特定に繋げるものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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