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公開番号
2025158288
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-17
出願番号
2024060682
出願日
2024-04-04
発明の名称
単杭の極限先端支持力度の評価方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
E02D
5/34 20060101AFI20251009BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】杭の先端部を支持する薄い砂質土層の下に粘性土層が存在する地盤条件において、場所打ち杭や埋込杭の先端支持力を高精度に評価するための単杭の極限先端支持力度の評価方法を提案する。
【解決手段】場所打ち杭または埋込杭からなる杭1に適用される単杭の極限先端支持力度の評価方法である。杭の極限先端支持力度q
p0.1
は、式1で評価される。杭1の下方の支持層での荷重分散角θは、杭1の下方の支持層厚Hと杭の先端径Dとの比の一次関数である式2から算出される。
q
p0.1
={1+2(H/D)tanθ}
2
・q
c
・・・式1
tanθ=f(H/D) ・・・式2
ここで、H/D:有効支持層厚比
q
c
:下部層の終局支持力(=6c
u
)
c
u
:下部層の非排水せん断強度または粘着力
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
場所打ち杭または埋込杭からなる杭に適用される単杭の極限先端支持力度の評価方法であって、
粘性土を主体とする下部層上に積層された砂質土を主体とする支持層に支持されており、
前記杭の極限先端支持力度q
p0.1
は、式1で評価され、
前記杭の下方の支持層での荷重分散角は、前記杭の下方の支持層厚Hと前記杭の先端径Dとの比の一次関数である式2から算出されることを特徴とする、単杭の極限先端支持力度の評価方法。
q
p0.1
={1+2(H/D)tanθ}
2
・q
c
・・・式1
ここで、q
p0.1
:終局先端支持力(=先端沈下比Sp/Dが0.1に達したときの支持力)
Sp:先端沈下
H/D:有効支持層厚比
θ:支持層での荷重分散角
tanθ=f(H/D) ・・・式2
q
c
:下部層の終局支持力
c
u
:下部層の非排水せん断強度または粘着力
q
c
=6c
u
続きを表示(約 160 文字)
【請求項2】
前記tanθが0.2から0.4の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の単杭の極限先端支持力度の評価方法。
【請求項3】
前記式2が式3であらわされることを特徴とする、請求項1に記載の単杭の極限先端支持力度の評価方法。
tanθ=a(H/D)+b ・・・式3
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、単杭の極限先端支持力度の評価方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
地盤に形成された掘削孔に既製杭を挿入して建て込む埋込杭では、掘削孔先端部に根固め液を注入して、杭先端部に根固め部を形成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。この場合、掘削孔の先端は支持層に到達させておき、根固め部は支持層に挿入させた状態で形成する。
【0003】
このような埋込杭は、杭に作用する荷重によって過大な沈下が生じることが無いように、十分な先端支持力を確保する必要がある。そのため、埋込杭の先端支持力を予め評価する必要がある。場所打ち杭や埋込杭の先端支持力の評価方法として、杭先端面積Apに先端平均N値Npおよび先端支持力係数αを乗じることで、先端支持力Rpを算出する方法がある(式1参照)。
Rp=α・Np・Ap ・・・式1
【0004】
杭の先端部を支持する支持層が薄い砂質土層で、下に粘性土層が存在する地盤条件では、杭下方の砂質土層厚Hの杭先端径Dに対する比(有効支持層厚比)H/Dが減少するにつれて杭の下方に形成される円錐台状の砂質土層の土塊が粘性土層に貫入する破壊を伴う可能性が高まる。このような破壊が生じると、杭の支持力が低下してしまう。そのため、支持層が薄い場合には、先端支持力を適切に評価したうえで、現地に応じた設計をする必要がある。
【0005】
薄層支持杭の先端支持力の評価方法として、非特許文献1には、式2が示されている。
q
p0.1
={1+2(H/D)tanθ}
2
・q
c
・・・式2
ここで、q
p0.1
:終局先端支持力(先端沈下比Sp/Dが0.1に達したとき)
H/D:有効支持層厚比
θ:支持層(砂質土)での荷重分散角(縦1:横0.3)
tanθ=0.3
q
c
:下部層(粘性土)の終局支持力
q
c
=6c
u
c
u
:下部層の非排水せん断強度または粘着力
Sp:先端沈下
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-16867号公報
【非特許文献】
【0007】
一般社団法人日本建築学会、“建築基礎構造設計指針”、2021年9月15日、p.217-219
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
荷重分散角θ(tanθ)は、有効支持層厚比H/Dによらず、一定とするため、有効支持層厚比H/Dが大きくなるにつれて、終局先端支持力q
p0.1
を過大評価してしまう。そのため、式2を用いる場合は、支持層が厚い場合(支持層で決まる場合)の支持力に相当する上限値を設けるのが一般的である。
【0009】
本発明は、杭の先端部を支持する薄い砂質土層の下に粘性土層が存在する地盤条件において、場所打ち杭や埋込杭の先端支持力を高精度に評価するための単杭の極限先端支持力度の評価方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決する本発明は、場所打ち杭または埋込杭からなる杭に適用される単杭の極限先端支持力度の評価方法である。前記杭は、粘性土を主体とする下部層上に積層された砂質土を主体とする支持層(上部層)に支持されている。また、前記杭の極限先端支持力度q
p0.1
は式3で評価され、前記杭の下方の上部層での荷重分散角θは前記杭の下方の上部層厚Hと前記杭の先端径Dとの比の一次関数である式4から算出される。
q
p0.1
={1+2(H/D)tanθ}
2
・q
c
・・・式3
ここで、q
p0.1
:終局先端支持力(=先端沈下比Sp/Dが0.1に達したときの支持力)
Sp:先端沈下
H/D:有効支持層厚比
θ:支持層での荷重分散角
tanθ=f(H/D) ・・・式4
q
c
:下部層の終局支持力
c
u
:下部層の非排水せん断強度または粘着力
q
c
=6c
u
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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