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公開番号2024173219
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091478
出願日2023-06-02
発明の名称濁り評価方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G01N 21/27 20060101AFI20241205BHJP(測定;試験)
要約【課題】面的に拡がる濁りの影響範囲を定量的に把握することができる濁り評価方法を提供する。
【解決手段】監視対象となる水域の濁りを評価する濁り評価方法であって、前記水域の水面を撮影する水面画像の撮影工程S21と、前記水面画像の撮影工程で撮影された水面画像から濁り分布を作成する濁り分布の作成工程S22と、を有する。濁り分布の作成工程S22では、濁りの影響がない部分の画素値を基準とした場合の色または明るさに関する差と、濁りの度合いとの関係を示した換算式に基づいて、前記濁り分布を作成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
監視対象となる水域の濁りを評価する濁り評価方法であって、
前記水域の水面を撮影する水面撮影工程と、
前記水面撮影工程で撮影された水面画像から濁り分布を作成する濁り分布作成工程と、を有し、
濁り分布作成工程では、濁りの影響がない部分の画素値を基準とした場合の色または明るさに関する差と、濁りの度合いとの関係を示した換算式に基づいて、前記濁り分布を作成する、
ことを特徴とする濁り評価方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
不濁水試料、および、前記水域または当該水域と底質の特性が同様である水域から採取した底質材料を用いて濁りの度合いが異なる濁水試料を作成する試料作成工程と、
前記不濁水試料および前記濁水試料を撮影した試料画像から、当該不濁水試料および当該濁水試料の画素値を読み取る画素値読取工程と、
前記試料画像から読み取った試料の画素値と、前記試料を計測して得た濁りの度合いとを用いて、前記換算式を作成する換算式作成工程と、を有し、
前記換算式作成工程では、前記不濁水試料の画素値を基準とした場合における濁水試料の色または明るさに関する差と、各々の試料の濁りの度合いとの関係に基づいて、前記換算式を求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の濁り評価方法。
【請求項3】
前記換算式作成工程では、前記試料画像から読み取った前記不濁水試料のRGB値と前記濁水試料のRGB値とに基づいて色差を算出し、近似式を用いて色差と濁りの度合いとの関係を示す換算式を求める、
ことを特徴とする請求項2に記載の濁り評価方法。
【請求項4】
前記水面撮影工程では、水域の上空を飛行する飛行体から前記水面を撮影する、ことを特徴とする請求項1に記載の濁り評価方法。
【請求項5】
前記不濁水試料および前記濁水試料は、透明の素材であって外側または内側に単色の部材を貼付した容器に入れられており、
前記画素値読取工程では、前記単色の部材を背面として前記不濁水試料および前記濁水試料の画素値を読み取る、
ことを特徴とする請求項2に記載の濁り評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水域の濁り評価方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
埋立てや浚渫等により濁りが発生する海洋工事においては、生態系や海洋環境の保全を目的として、濁りに関する項目(例えば、濁度、SS(浮遊物質量)など)が決められた基準値を超えないように、日々の濁りを監視する必要がある。一般的に、濁りの監視は、監視点における濁度やSSを1日数回程度計測することにより行われる。
濁りの監視に関する技術として、例えば特許文献1,2に記載された技術が存在する。特許文献1,2に記載された技術は、ドップラー流速計を使用して海中の濁りを求めるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭61-068558号公報
特開2007-071881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2のように計測器を用いて濁りの計測を行う方法は、広範囲な領域の濁りを知りたい場合に不向きであった。つまり、海洋工事で発生する実際の濁りは、複数の点源からの重なりや過去の残留分によって面的に広がっているため、計測器による計測は点での計測となり、点計測では海洋工事により発生する濁りを十分に把握できないという問題がある。なお、計測点を増やすことで平面的な情報が得られるが、労力が多大となる。
このような観点から、本発明は、面的に拡がる濁りの影響範囲を定量的に把握することができる濁り評価方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る濁り評価方法は、監視対象となる水域の濁りを評価する方法である。この濁り評価方法は、前記水域の水面を撮影する水面撮影工程と、前記水面撮影工程で撮影された水面画像から濁り分布を作成する濁り分布作成工程とを有する。
濁り分布作成工程では、濁りの影響がない部分の画素値を基準とした場合の色または明るさに関する差と、濁りの度合いとの関係を示した換算式に基づいて、前記濁り分布を作成する。
本発明に係る濁り評価方法では、監視対象となる水域を撮影し、水面画像から濁りの度合いを評価する。そのため、水域での計測器を用いた複数地点での計測を行うことなく、面的に拡がる濁りの影響範囲を定量的に把握することができる。また、濁りが発生している部分の画素値(一例は、RGB値)から濁りの度合いを直接判定するのではなく、同じ画像内において濁りの影響がない部分の画素値を基準とした場合の色または明るさに関する差(一例は、色差)に基づいて濁りの度合いを判定する。そのため、色の見え方が日時や天候などによって異なる場合であっても、その影響を受けずに濁りの度合いの判定を行うことができる。
【0006】
濁り評価方法は、試料作成工程と、画素値読取工程と、換算式作成工程と、を有していてもよい。
前記試料作成工程では、不濁水試料(一例は、純水)、および、前記水域または当該水域と底質の特性が同様である水域から採取した底質材料を用いて濁りの度合いが異なる濁水試料を作成する。
前記画素値読取工程では、前記不濁水試料および前記濁水試料を撮影した試料画像から、当該不濁水試料および当該濁水試料の画素値を読み取る。
前記換算式作成工程では、前記試料画像から読み取った試料の画素値と、前記試料を計測して得た濁りの度合いとを用いて、前記換算式を作成する。例えば、前記不濁水試料の画素値を基準とした場合における濁水試料の色または明るさに関する差と、各々の試料の濁りの度合いとの関係に基づいて、前記換算式を求める。
前記換算式作成工程では、前記試料画像から読み取った前記不濁水試料のRGB値と前記濁水試料のRGB値とに基づいて色差を算出し、近似式を用いて色差と濁りの度合いとの関係を示す換算式を求めてもよい。
【0007】
前記水面撮影工程では、例えば、水域の上空を飛行する飛行体から前記水面を撮影する。このようにすると、水面画像の撮影が容易である。
前記不濁水試料および前記濁水試料は、透明の素材であって外側または内側に単色の部材を貼付した容器に入れられており、前記画素値読取工程では、前記単色の部材を背面として前記不濁水試料および前記濁水試料の画素値を読み取ってもよい。このようにすると、試料の読取り結果が正確になるので、精度のよい濁り評価を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、面的に拡がる濁りの影響範囲を定量的に把握することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態に係る濁り評価方法の工程を示したフローチャートの例示である。
試料を撮影した試料画像の一例である。
試料画像から読み取った試料のRGB値である。
色差から濁度を求める換算式の一例である。
濁り分布の作成工程を説明するための図であり、(a)は水面を撮影した水面画像の一例であり、(b)は水面画像を濁度に変換した場合の濁り分布の一例である。
本発明の実施形態に係る濁り評価方法の効果に関する検証結果である。
白色のテープと黄色のテープを容器に貼り付けて読み取った場合の結果の比較結果である。
濁度と、色差および輝度の差との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施をするための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
(【0011】以降は省略されています)

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