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公開番号
2025000143
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-07
出願番号
2023099819
出願日
2023-06-19
発明の名称
育苗ポット、植物苗、植物苗の製造方法及び緑化方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
A01G
9/02 20180101AFI20241224BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】育苗期間を短縮することのできる育苗ポットと、この育苗ポットで生育した植物苗、この育苗ポットを用いる植物苗の製造方法と緑化方法を提供すること。
【解決手段】ピートモス、ココナッツピート、水苔、バーク、フスマから選択される1以上の植物由来繊維を含み、煮沸処理された育苗ポット、この育苗ポットで生育された植物苗、および、ピートモス、ココナッツピート、水苔、バーク、フスマから選択される1以上の植物由来繊維を含む育苗ポットを煮沸処理する煮沸工程、煮沸処理した育苗ポットに種子を置床する置床工程、育苗ポットで所定期間栽培した幼苗を、育苗ポットごと菌根菌が添加されている育苗用培土に移植して育成する育成工程を有する製造方法と、この製造方法で得られた植物苗を植栽する緑化方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ピートモス、ココナッツピート、水苔、バーク、フスマから選択される1以上の植物由来繊維を含み、
煮沸処理されたことを特徴とする育苗ポット。
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の育苗ポットで生育されたことを特徴とする植物苗。
【請求項3】
菌根菌に感染していることを特徴とする請求項2に記載の植物苗。
【請求項4】
苗木であることを特徴とする請求項2または3に記載の植物苗。
【請求項5】
ピートモス、ココナッツピート、水苔、バーク、フスマから選択される1以上の植物由来繊維を含む育苗ポットを煮沸処理する煮沸工程、
煮沸処理した育苗ポットに種子を置床する置床工程、
前記育苗ポットで所定期間栽培した幼苗を、育苗ポットごと菌根菌が添加されている育苗用培土に移植して育成する育成工程、
を有することを特徴とする植物苗の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法で得られた植物苗を植栽する植栽工程を有することを特徴とする緑化方法。
【請求項7】
前記種子が、施工地周辺の在来植物の種子であることを特徴とする請求項6に記載の緑化方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、育苗ポットとこの育苗ポットで生育した植物苗、この育苗ポットを用いる植物苗の製造方法および緑化方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、生物多様性の保全といった観点から、都市の再開発やトンネル、ダムといった大規模な建設工事・土木工事において、計画地周辺に生息している植物の遺伝的多様性を攪乱しないように、計画地周辺から在来植物の種子や苗木を採取して緑化に利用することが試みられている。例えば、特許文献1には、施工地周辺の表土を採取し、この表土を植栽土として植生基盤材を作製し、この植生基盤材を施工面に巻き出す緑化工法が提案されている。また、特許文献2には、人工的な緑地において、施工現場周辺の周辺現場に生息する植物種を考慮して、地域全体として群落環を構築する緑地方法が提案されている。
しかし、在来植物は、品種改良された園芸植物と比較して、発芽するまでに時間がかかったり、発芽後の成長が遅かったりすることが多く、実際の緑化場面において地域性種苗が使われる事例は限られてきた。
【0003】
樹木の種子から苗木を育成する場合、一般的には秋に採取した種子を5℃程度の低温下で1ヶ月ほど春化処理したのち、温室内に設置した苗床や、屋外に設けられた苗圃に播種する。翌春に発芽してきた実生を間引きながら秋ごろまでに10~20cm程度になるまで育てたのち、2年目の春、萌芽が始まる前に新しい苗圃に株間を空けて移植し、1.5~2m程度の出荷可能な大きさになるまで育てる。したがって、種子を採取してから、出荷できるような大きさになるまで2年ぐらいの育苗期間を要してしまう。
特許文献3には、温度、湿度、気流、二酸化炭素濃度、苗木に供給する液体の温度、液体の供給量、人工光の光強度、人工光のスペクトル、日長時間の少なくとも一つを調整可能な苗木生育施設を用いる苗木の生育方法が提案されている。特許文献3に記載された方法により、苗木の生育期間を短縮することはできるが、人工的な環境下で生育するため、高コストである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-115166号公報
特開2018-042527号公報
特開2021-78394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
育苗期間を短縮することのできる育苗ポットと、この育苗ポットで生育した植物苗、この育苗ポットを用いる植物苗の製造方法と緑化方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は以下のとおりである。
[1]:ピートモス、ココナッツピート、水苔、バーク、フスマから選択される1以上の植物由来繊維を含み、煮沸処理されたことを特徴とする育苗ポット。
[2]:[1]に記載の育苗ポットで生育されたことを特徴とする植物苗。
[3]:菌根菌に感染していることを特徴とする[2]に記載の植物苗。
[4]:苗木であることを特徴とする[2]または[3]に記載の植物苗。
[5]:ピートモス、ココナッツピート、水苔、バーク、フスマから選択される1以上の植物由来繊維を含む育苗ポットを煮沸処理する煮沸工程、
煮沸処理した育苗ポットに種子を置床する置床工程、
前記育苗ポットで所定期間栽培した幼苗を、育苗ポットごと菌根菌が添加されている育苗用培土に移植して育成する育成工程、
を有することを特徴とする植物苗の製造方法。
[6]:[5]に記載の方法で得られた植物苗を植栽する植栽工程を有することを特徴とする緑化方法。
[7]:前記種子が、施工地周辺の在来植物の種子であることを特徴とする[6]に記載の緑化方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の育苗ポットは、煮沸処理により栄養分が取り除かれているため、この育苗ポットで育成された植物苗は、栄養を求めて根の伸長が促進される。また、この育苗ポットは、煮沸処理により滅菌されているため、この育苗ポットで育成された植物苗は、病気にかかりにくい。さらに、この育苗ポットは、煮沸処理により親水性が向上しており水分を保ちやすいため、植物が枯れにくい。
本発明の植物苗の製造方法は、菌根菌を効率的に感染させることができるため、植物苗の生長を促進することができる。特に、苗木の場合、2年程度は必要な育苗期間を、2/3程度に短縮することができる。また、この植物苗を用いる本発明の緑化方法は、植栽後の活着率が高い。本発明の植物苗の製造方法により在来植物の植物苗を短期間で生育させることができ、さらに、この植物苗は植栽後の活着率も高いため、地域生態系を撹乱しない緑化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実験2におけるニシキウツギ個体の樹高を示すグラフであって、本発明により、樹高の高い個体が得られたことを示すグラフ。
実験2におけるニシキウツギ個体の葉色を示すグラフであって、本発明により、葉色の濃い個体が得られたことを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
・育苗ポット
本発明の育苗ポットは、ピートモス、ココナッツピート、水苔、バーク(樹皮)、フスマ(小麦の外皮)から選択される1以上の植物由来繊維を含み、煮沸処理されたものである。
本発明の育苗ポットは、上記した植物由来繊維を含めばよく、赤玉土、鹿沼土、バーミキュライト、パーライト等の他の培土等を含むことができる。ただし、本発明の育苗ポットは、後述するように煮沸処理により栄養分を除去するものであり、煮沸処理後に窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)を主成分とするNPK肥料は添加しない。
【0010】
本発明の育苗ポットは、その全体に対する植物由来繊維の占める割合が50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
本発明の育苗ポットは、植物由来繊維を含む培土を、生分解性不織布、紙等で巻き回す、固化材で硬化する等により、製造することができる。ただし、本発明の育苗ポットは、後述するように煮沸処理されるため、固化材を用いる場合は非水溶性の固化材を使用することが好ましい。このような育苗ポットとしては市販品を用いることもでき、例えば、ジフィーセブン(株式会社サカタのタネ製)等を用いることもできる。
(【0011】以降は省略されています)
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