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公開番号2025014781
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117606
出願日2023-07-19
発明の名称セグメントの接合構造と接合方法、及びセグメントの長孔隙間閉塞用座金
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 11/04 20060101AFI20250123BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】トンネルの軸方向や周方向の誤差を吸収可能とし、軸方向のリング間せん断力を十分に伝達可能なセグメントの接合構造と接合方法、この接合構造や接合方法に適用されるセグメントの長孔隙間閉塞用座金を提供する。
【解決手段】相互に隣接する第1セグメント20Cと第2セグメント20Bの接合板27,27Aを接合してトンネルを形成する、セグメントの接合構造70であり、接合板27,27Aにはボルト孔27c、27dが設けられ、少なくとも一方のボルト孔27dは長孔であり、接合板27Aとボルトの頭部51との間には第1貫通孔34を備えている第1座金30が介在し、長孔27dにおけるボルト50が存在しない隙間は間詰材40にて閉塞され、第1座金30は、厚み方向に延びて間詰材40が注入される第2貫通孔36と、第2貫通孔36と長孔27dを導通する導通孔37をさらに備えている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
相互に隣接する第1セグメントと第2セグメントの双方の接合板を接合してトンネルを形成する、セグメントの接合構造であって、
双方の前記接合板の対応する位置にはそれぞれボルト孔が設けられ、少なくとも一方の該ボルト孔は長孔であり、
前記長孔を備えている前記接合板と、ボルトの頭部もしくはナットとの間には、その厚み方向に延びて前記ボルトが貫通する第1貫通孔を備えている、第1座金が介在しており、
前記長孔のうち、前記ボルトが存在しない隙間は間詰材にて閉塞されており、
前記第1座金は、前記厚み方向に延びて前記間詰材が注入される第2貫通孔と、該第2貫通孔と前記長孔を導通する導通孔と、をさらに備えていることを特徴とする、セグメントの接合構造。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記第1座金は、前記接合板に当接する当接面における前記第1貫通孔の周囲において、該第1貫通孔よりも大径の座刳り溝をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載のセグメントの接合構造。
【請求項3】
前記第1座金は、前記接合板に当接する当接面において、前記長孔に連通するエア抜き孔をさらに備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセグメントの接合構造。
【請求項4】
前記双方の接合板がいずれも前記長孔を有する場合に、
双方の前記接合板と、前記ボルトの頭部及び/又は前記ナットと、の間の双方に前記第1座金が介在している、もしくは、
双方の前記接合板と、前記ボルトの頭部及び/又は前記ナットと、の間の一方に前記第1座金が介在し、他方には前記第1貫通孔のみを備えて前記長孔をその側方から閉塞する第2座金が介在している、のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のセグメントの接合構造。
【請求項5】
いずれか一方の前記接合板のみが前記長孔を有する場合に、
前記長孔を備えていない前記接合板には、
予め溶接接合されていない前記ボルトの頭部もしくは前記ナットが当接している、もしくは、
溶接接合にて前記ナットが予め固定されている、もしくは、
前記ボルトが螺合する螺子溝であるボルト孔が設けられている、のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のセグメントの接合構造。
【請求項6】
前記第1セグメントと前記第2セグメントは、並設する2本のトンネルを繋ぐ切開きトンネルにおいて、その軸方向にリング継手を介して隣接する2つのKセグメント、もしくは、その周方向にセグメント継手を介して隣接するKセグメントとBセグメントであり、
前記接合板は、前記リング継手もしくは前記セグメント継手を形成する、継手板及び/又は主桁であり、
前記長孔は、前記Kセグメントもしくは前記Bセグメントの径方向もしくは略径方向に長いことを特徴とする、請求項1に記載のセグメントの接合構造。
【請求項7】
相互に隣接する第1セグメントと第2セグメントの双方の接合板を接合してトンネルを形成する、セグメントの接合方法であって、
双方の前記接合板の対応する位置にはそれぞれボルト孔が設けられ、少なくとも一方の該ボルト孔は長孔であり、
相互に連通する前記ボルト孔の一方側からボルトを挿通し、他方側において、ナットにより締め付ける、もしくは、他方側の螺子溝に螺合し、この際に、前記ボルトの頭部もしくは前記ナットと前記長孔を備えている前記接合板との間には、その厚み方向に延びて前記ボルトが貫通する第1貫通孔を備えている、第1座金を介在させ、該長孔のうち、該ボルトが存在しない隙間を形成する、A工程と、
前記第1座金は、前記厚み方向に延びて間詰材が注入される第2貫通孔と、該第2貫通孔と前記長孔を導通する導通孔と、をさらに備え、該第2貫通孔を介して間詰材を注入し、該間詰材を該導通孔を介して前記隙間に充填して該隙間を閉塞する、B工程とを有することを特徴とする、セグメントの接合方法。
【請求項8】
前記双方の接合板がいずれも前記長孔を有する場合に、
前記A工程では、
双方の前記接合板と、前記ボルトの頭部及び/又は前記ナットと、の間の双方に前記第1座金を介在させる、もしくは、
双方の前記接合板と、前記ボルトの頭部及び/又は前記ナットと、の間の一方に前記第1座金を介在させ、他方には前記第1貫通孔のみを備えて前記長孔をその側方から閉塞する第2座金を介在させる、のいずれかを行うことを特徴とする、請求項7に記載のセグメントの接合方法。
【請求項9】
いずれか一方の前記接合板のみが前記長孔を有する場合に、
前記A工程では、
前記長孔を有する前記接合板に対して前記第1座金を当接させ、該第1座金の前記第1貫通孔に前記ボルトを挿通し、
他方の前記接合板にナットを当接させてボルト接合する、もしくは、
溶接接合にて前記ナットが予め固定されている他方の前記接合板の該ナットにボルト接合する、もしくは、
他方の前記接合板が備えている螺子溝であるボルト孔に対してボルトを螺合する、のいずれかを行うことを特徴とする、請求項7に記載のセグメントの接合方法。
【請求項10】
相互に隣接する第1セグメントと第2セグメントの双方の接合板を接合してトンネルを形成し、双方の該接合板の対応する位置に設けられているボルト孔のうち、少なくとも一方の該ボルト孔は長孔であり、一方側からボルトが挿通され、他方側において、ナットにより締め付けられる、もしくは、他方側の螺子溝に螺合されることにより形成される、セグメントの接合構造において、前記ボルトの頭部もしくは前記ナットと前記長孔を備えている前記接合板との間に適用されて、前記長孔のうち、前記ボルトが存在しない隙間を間詰材により閉塞する、セグメントの長孔隙間閉塞用座金であって、
その厚み方向に延びて前記ボルトが貫通する第1貫通孔と、
前記厚み方向に延びて前記間詰材が注入される第2貫通孔と、
前記第2貫通孔と前記長孔を導通する導通孔と、を備えていることを特徴とする、セグメントの長孔隙間閉塞用座金。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメントの接合構造と接合方法、及びセグメントの長孔隙間閉塞用座金に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、軟弱な地盤が分布する都市部において道路トンネルを施工する場合、開削工法の適用が一般的であるものの、開削工法は、工事中の騒音や振動、交通規制等の課題を内在している。また、都市部の道路下空間は、複数の地下鉄や共同溝等の埋設物が輻輳していることから、新たに施工しようとするトンネルの設置深度は往々にして深くなる傾向にあり、設置深度の深層化は建設費の増大に直結する。このような背景の下、道路トンネルの施工に際してシールド工法を適用するケースが増加している。
ところで、道路トンネルの施工に当たり、一般の道路トンネルの施工では、例えば1台のシールド掘進機の掘進によって断面円形の本線トンネルが施工されることで足りる。一方、道路トンネルの分合流部の施工では、本線トンネルとランプトンネルの各断面を包括する、極めて大規模な地中拡幅が必要になり、その施工方法には様々な工夫を講じる必要がある。
施工方法の一例として、本線トンネルとランプトンネルの2つのトンネル間に円弧状もしくは直線状のパイプルーフを架け渡して先受け支保工を施工する方法が挙げられる。この先受け支保工を施工した後、トンネル内を支保工にて支持し、上方のパイプルーフ直下を掘削しながらトンネルの一部を撤去することにより、例えば多連円弧状の大断面空間が形成される。そして、このように形成された大断面空間において、上記する道路トンネルの分合流部等の構造物を構築することができる。
このように、相互に併設する本線トンネルとランプトンネルといった2本のトンネルを繋ぐトンネルは、切開きトンネルや切拡げトンネルと称することができ、この切開きトンネルにて使用されるセグメントは切開きセグメントや切拡げセグメントと称することができる。以下、「切開き」と「切拡げ」は同義として扱う。
【0003】
切開きトンネルの施工は、併設する2本のシールドトンネルを施工し、現地測量を実施した後に行われることから、切開きトンネルの軸方向(トンネル軸方向)や周方向において相互に接合される切開きセグメント同士の接合構造(セグメント継手構造やリング継手構造)は、この測量により生じ得る測量誤差と製作の際の製作誤差の双方を吸収する必要がある。
さらに、切開きトンネルのトンネル軸方向の切開きセグメント同士の接合構造(リング継手構造)には、リング間せん断力が十分に伝達される構造が必要とされる。
【0004】
以上のことから、切開きトンネルにおいて、そのトンネル軸方向及び/又は周方向の誤差を吸収可能とし、かつ、そのトンネル軸方向のリング間せん断力を十分に伝達可能なセグメントの接合構造と接合方法が望まれる。
【0005】
ここで、特許文献1には、KセグメントとBセグメント、切開きトンネル、及びその施工方法が提案されている。この切開きトンネルにおいて、各セグメントリングを形成するKセグメントのリング継手には長孔であるリング継ぎボルト孔が設けられており、隣接するKセグメントの双方の対応する長孔にボルトが挿通されてボルト接合されることにより、施工誤差を吸収しつつセグメントリング同士が接合されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-80676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のKセグメントとBセグメント、切開きトンネル、及びその施工方法によれば、切開きトンネルにおいて、そのトンネル軸方向や周方向の誤差を吸収することができる。しかしながら、例えばトンネル軸方向に隣接するKセグメント同士の双方の対応する長孔にボルトが挿通されてボルト接合される構造において、長孔の一部に隙間が残ることにより、リング間せん断力の伝達性能に関して改善の余地が生じ得る。
【0008】
本発明は、トンネル軸方向及び/又は周方向の誤差を吸収可能とし、かつ、そのトンネル軸方向のリング間せん断力を十分に伝達可能なセグメントの接合構造と接合方法、さらには、この接合構造や接合方法に適用されるセグメントの長孔隙間閉塞用座金を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明によるセグメントの接合構造の一態様は、
相互に隣接する第1セグメントと第2セグメントの双方の接合板を接合してトンネルを形成する、セグメントの接合構造であって、
双方の前記接合板の対応する位置にはそれぞれボルト孔が設けられ、少なくとも一方の該ボルト孔は長孔であり、
前記長孔を備えている前記接合板と、ボルトの頭部もしくはナットとの間には、その厚み方向に延びて前記ボルトが貫通する第1貫通孔を備えている、第1座金が介在しており、
前記長孔のうち、前記ボルトが存在しない隙間は間詰材にて閉塞されており、
前記第1座金は、前記厚み方向に延びて前記間詰材が注入される第2貫通孔と、該第2貫通孔と前記長孔を導通する導通孔と、をさらに備えていることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、相互に隣接する第1セグメントと第2セグメントの双方の接合板の対応する位置にあるボルト孔の少なくとも一方が長孔であり、双方のボルト孔にボルトが挿通されてボルト接合されることにより、測量誤差や施工誤差、セグメントの製作誤差を含む誤差を吸収可能なセグメントの接合構造となる。
さらに、長孔を備えている接合板と、ボルトの頭部もしくはナットとの間に第1座金が介在し、この第1座金が、間詰材が注入される第2貫通孔と、第2貫通孔と長孔を導通する導通孔とを備え、これらの貫通孔と導通孔を介して注入された間詰材が長孔の隙間を閉塞していることにより、トンネル軸方向のリング間せん断力を十分に伝達可能なセグメントの接合構造となる。
(【0011】以降は省略されています)

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