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公開番号2025012259
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114979
出願日2023-07-13
発明の名称シールド掘進機の回動移動システムと横移動システム
出願人大成建設株式会社,株式会社あけぼの産業
代理人個人,個人
主分類E21D 9/06 20060101AFI20250117BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】立坑の内部において、スムーズかつ安全性の高いシールド掘進機の回動移動と横移動を実現できる、シールド掘進機の回動移動システムと横移動システムを提供する。
【解決手段】立坑10に到達したシールド掘進機Mを回動させる回動移動システム70であり、シールド掘進機が載置される載置架台40、底版11に着底される反力架台30、反力架台30に対して回動可能に支持されるターンテーブル50、回動手段60を有し、回動手段60は、第1回動支承部61と第1係止部62と回動用ジャッキ63を備え、反力架台30に設けられている溝条のガイドレール35には所定の間隔で第1被係止部36が設けられ、第1被係止部36に第1係止部62が係止された状態で回動用ジャッキ63が伸びた際にターンテーブル50が所定角度回動し、回動用ジャッキ63が縮んだ際に第1係止部62が第1被係止部36から係脱して次の第1被係止部36へ移動する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
立坑の内部に設置されて、該立坑に到達したシールド掘進機を回動させる、シールド掘進機の回動移動システムであって、
前記シールド掘進機が載置される、載置架台と、
前記立坑の底版に着底される、反力架台と、
前記載置架台と一体とされ、前記反力架台に対して回動可能に支持され、リング状を呈している、ターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回動させる回動手段とを有し、
前記回動手段は、前記ターンテーブルに対して回動自在に接続されている第1回動支承部と、前記反力架台の一部に係止される第1係止部と、該第1回動支承部と該第1係止部を連結する回動用ジャッキとを備え、
前記反力架台のうち、前記ターンテーブルの外郭ラインよりも外側に溝条のガイドレールが設けられ、該ガイドレールにはその長手方向に所定の間隔で前記第1係止部が係止される第1被係止部が設けられており、
前記第1被係止部に前記第1係止部が係止された状態で前記回動用ジャッキが伸びた際に、前記反力架台に反力を取って前記ターンテーブルが所定角度回動し、
前記ターンテーブルの所定角度の回動の後、前記回動用ジャッキが縮んだ際に前記第1係止部が前記第1被係止部から係脱して、次の前記第1被係止部へ移動することを特徴とする、シールド掘進機の回動移動システム。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記第1被係止部は係止孔であり、前記第1係止部は係止ピンであり、
前記係止孔のうち、前記ターンテーブルの回動方向の前方には、前記ガイドレールの天端に摺り付く第1傾斜面が設けられており、前記第1被係止部から前記第1係止部が係脱される際に、該第1係止部が前記第1傾斜面に沿って係脱が案内されることを特徴とする、請求項1に記載のシールド掘進機の回動移動システム。
【請求項3】
前記係止ピンのうち、前記ターンテーブルの回動方向の前方には、該係止ピンの下端に向かって傾斜した第2傾斜面が設けられており、
前記第1被係止部から前記第1係止部が係脱される際に、前記第2傾斜面が前記第1傾斜面に沿って係脱が案内されることを特徴とする、請求項2に記載のシールド掘進機の回動移動システム。
【請求項4】
前記係止ピンは、前記回動用ジャッキの一端に設けられている上下方向に延びる貫通孔の内部において昇降自在に配設されており、
前記係止ピンには、前記回動用ジャッキの一端の一つの側面に係合して該係止ピンの回動を防止する回動防止片が設けられており、該回動防止片により前記第1傾斜面に対する前記第2傾斜面の位置が保持されるようになっていることを特徴とする、請求項3に記載のシールド掘進機の回動移動システム。
【請求項5】
前記ターンテーブルに対して複数の前記回動手段が取り付けられており、
複数の前記回動手段の備えるそれぞれの前記回動用ジャッキの駆動が同期して実行されることを特徴とする、請求項1に記載のシールド掘進機の回動移動システム。
【請求項6】
前記ターンテーブルは、内側リングと外側リングを備え、
前記内側リングと前記外側リングのいずれか一方が前記載置架台と接合され、いずれか他方が前記反力架台と接合されており、
前記内側リングの外周面には凹条が設けられており、
前記外側リングの内周面には、前記凹条に収容される凸条が設けられており、
前記凸条の上面と側面と下面、及び前記凹条とで形成され、前記回動方向に延びる、3つの溝空間にそれぞれ、複数のローラが収容されて、前記内側リングと前記外側リングの間の回動機構と、前記載置架台から前記反力架台への荷重伝達機構を形成していることを特徴とする、請求項2に記載のシールド掘進機の回動移動システム。
【請求項7】
前記ターンテーブルは、その周方向に、所定の角度間隔を置いて複数の位置合わせピン孔を備えており、
複数の前記回動手段の前記第1回動支承部が位置合わせピンを備え、それぞれの該第1回動支承部の該位置合わせピンが対応する前記位置合わせピン孔に挿入されて前記ターンテーブルに取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のシールド掘進機の回動移動システム。
【請求項8】
前記シールド掘進機を載置する請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシールド掘進機の回動移動システムを横移動させる、シールド掘進機の横移動システムであって、
前記立坑は、前記シールド掘進機が到達する到達部と、該シールド掘進機が発進する発進部を備えており、
前記立坑の底版には、前記到達部と前記発進部とを繋ぐ横移動用レールが敷設され、
前記横移動用レールの上に移動用ソリが搭載され、該移動用ソリの上に前記反力架台が搭載され、
前記回動移動システムを横移動させる横移動手段を備えており、
前記横移動手段は、前記反力架台に対して回動自在に接続されている第2回動支承部と、前記横移動用レールの一部に係止される第2係止部と、該第2回動支承部と該第2係止部を連結する横移動用ジャッキとを備え、
前記横移動用レールには、その長手方向に所定の間隔で前記第2係止部が係止される第2被係止部が設けられており、
前記第2被係止部に前記第2係止部が係止された状態で前記横移動用ジャッキが伸びた際に、前記横移動用レール及び前記底版に反力を取って前記回動移動システムが所定長横移動し、
前記回動移動システムの所定長の横移動の後、前記横移動用ジャッキが縮んだ際に前記第2係止部が前記第2被係止部から係脱して、次の前記第2被係止部へ移動することを特徴とする、シールド掘進機の横移動システム。
【請求項9】
前記第2被係止部は係止孔であり、
前記第2係止部は係止ピンを下方に備えた反力ピースであり、該係止ピンのうち、前記回動移動システムの横移動方向前方には、該係止ピンの下端に向かって傾斜した第3傾斜面が設けられており、
前記第2被係止部から前記第2係止部が係脱される際に、前記第3傾斜面が前記係止孔のエッジに沿って係脱が案内されることを特徴とする、請求項8に記載のシールド掘進機の横移動システム。
【請求項10】
前記係止孔のうち、前記回動移動システムの横移動方向前方には、前記横移動用レールの天端に摺り付く第4傾斜面が設けられており、
前記第2被係止部から前記第2係止部が係脱される際に、前記第3傾斜面が前記第4傾斜面に沿って係脱が案内されることを特徴とする、請求項9に記載のシールド掘進機の横移動システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機の回動移動システムと横移動システムに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
1台のシールド掘進機を利用して相互に併設した2本のシールドトンネルを施工する際に、到達部と発進部を備えた立坑の当該到達部に、1本目のシールドトンネル(所謂往路トンネル)を施工したシールド掘進機を到達させて内部へ受け入れ、立坑の内部でシールド掘進機を所定角度(例えば180度)回動させ、シールド掘進機を横移動(例えば水平移動)させて発進部に移動させ、当該発進部からシールド掘進機を発進させて2本目のシールドトンネル(所謂復路トンネル)を施工する施工方法がある。
ここで、シールド掘進機を所定角度回動させる方法は、シールド掘進機のUターン施工などと称されることがある。
立坑の内部におけるシールド掘進機の回動移動や横移動の形態には、完全に回動移動させた後に横移動させる方法、途中まで横移動させ、完全に回動移動させた後にさらに横移動させる方法、完全に横移動させた後に回動移動させる方法等、様々な移動形態がある。
立坑の底版の上でシールド掘進機を回動移動と横移動させるべく、鉄球の転がりを利用した装置をシールド掘進機と底版の間に配設する方法があるが、この方法では、シールド掘進機の重量によって鉄球が底版に食い込んで底版に不陸が生じ、生じた不陸にて鉄球の転がりに対する抵抗が大きくなって上記する回動移動と横移動が困難になる恐れがある。そして、シールド掘進機が大口径である場合はこの課題が一層顕著になる。
また、鉄球が転がり過ぎることでシールド掘進機と立坑の側面との衝突の恐れもある。
【0003】
さらに、上記するシールド掘進機のUターン施工は、誰でも簡単にできる施工ではない。
具体的には、往路トンネルを施工したシールド掘進機を立坑内へ引き入れ、架台上に載せ、復路トンネルを施工するための発進位置まで横移動させる施工内容となり、シールド掘進機受け台の下方に上記するような鉄球(鋼球)やエアーキャスター等を設置することになるが、この準備作業においては、受け台の移動範囲全面に敷鉄板を平坦に敷設し、念入りな継ぎ目処理を施す必要がある。
また、実際のUターン施工における横移動や位置合わせの際には、方向修正のための段取り替え作業が発生し、多数の技能者を配置する必要がある。これらのことから、シールド掘進機のUターン施工は、特定の専門工事業者にてUターン装置が操作されることにより行われるのが一般的である。
【0004】
以上のことから、立坑の内部においてシールド掘進機を回動移動と横移動させる施工において、特定の専門工事業者によるUターン装置の操作を不要にして、誰でも操作可能であって、スムーズかつ安全性の高いシールド掘進機の回動移動と横移動を実現できる、シールド掘進機の回動移動システムと横移動システムが望まれる。
【0005】
ここで、特許文献1には、シールド掘削機の移動装置が提案されている。このシールド掘削機の移動装置は、シールド掘削機の下方に固定する架台と、シールド掘削機に固定して、伸縮作用により架台とシールド掘削機を上下移動させるジャッキアップ装置と、架台の下に設置して、スライド機構により架台とシールド掘削機を水平方向に移動させる水平移動装置とを備え、ジャッキアップ装置を伸長することにより水平移動装置を所定の位置に移動させ、水平移動装置のスライド機構によりシールド掘削機の水平移動を行うものである。
より詳細には、水平移動装置を、架台を載置するスライディングシップと、スライディングシップの走行路であるレールと、スライディングシップの移動手段であるジャッキとにより構成し、スライディングシップとレールとの摩擦抵抗をレールとレールの支持面との摩擦抵抗より小さく設定している。
さらに詳細には、スライディングシップの上部に回転式のターンテーブルを設置して、ターンテーブルの上に架台が載置されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-240401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のシールド掘削機の移動装置によれば、床が滑るなどの危険が伴わず、支持面の上に異物や凹凸があっても移動の障害となることは少なく、シールド掘削機の移動に際して、水平移動装置によって距離と方向を任意に決定できることから、僅かな距離でも確実に移動させることができる等、様々な効果が奏される。しかしながら、水平移動装置内のジャッキをストロークさせるたびにレールの盛替えが必要になることから、操作手間の観点で改善の余地がある。
【0008】
本発明は、立坑の内部においてシールド掘進機を回動移動と横移動させる施工において、特定の専門工事業者によるUターン装置の操作を不要にして、誰でも操作可能であって、スムーズかつ安全性の高いシールド掘進機の回動移動と横移動を実現できる、シールド掘進機の回動移動システムと横移動システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明によるシールド掘進機の回動移動システムの一態様は、
立坑の内部に設置されて、該立坑に到達したシールド掘進機を回動させる、シールド掘進機の回動移動システムであって、
前記シールド掘進機が載置される、載置架台と、
前記立坑の底版に着底される、反力架台と、
前記載置架台と一体とされ、前記反力架台に対して回動可能に支持され、リング状を呈している、ターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回動させる回動手段とを有し、
前記回動手段は、前記ターンテーブルに対して回動自在に接続されている第1回動支承部と、前記反力架台の一部に係止される第1係止部と、該第1回動支承部と該第1係止部を連結する回動用ジャッキとを備え、
前記反力架台のうち、前記ターンテーブルの外郭ラインよりも外側に溝条のガイドレールが設けられ、該ガイドレールにはその長手方向に所定の間隔で前記第1係止部が係止される第1被係止部が設けられており、
前記第1被係止部に前記第1係止部が係止された状態で前記回動用ジャッキが伸びた際に、前記反力架台に反力を取って前記ターンテーブルが所定角度回動し、
前記ターンテーブルの所定角度の回動の後、前記回動用ジャッキが縮んだ際に前記第1係止部が前記第1被係止部から係脱して、次の前記第1被係止部へ移動することを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、シールド掘進機が載置される載置架台と一体とされるターンテーブルが、立坑の底版に着底される反力架台に対して回動可能に支持され、ターンテーブルが回動手段により回動されることにより、誰でも操作可能であって、スムーズかつ安全性の高いシールド掘進機の回動移動を実現できる。
また、回動手段が、ターンテーブルに接続されている第1回動支承部と、反力架台の一部に係止される第1係止部と、これらを連結する回動用ジャッキとを備え、反力架台のガイドレールに所定の間隔で設けられている第1被係止部に第1係止部が係止された状態で、回動用ジャッキが伸びることでターンテーブルが所定角度回動し、ターンテーブルの所定角度の回動の後、回動用ジャッキが縮んだ際に第1係止部が第1被係止部から係脱して、次の第1被係止部へ移動して係止されることにより、ターンテーブルの安定的かつ高精度な所望角度の回動移動を実現できる。
さらに、溝条のガイドレールの例えば底面に複数の第1被係止部が設けられ、この第1被係止部に対して第1係止部が係止されることから、第1係止部がガイドレールから逸脱することを抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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