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公開番号
2025004640
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104463
出願日
2023-06-26
発明の名称
インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法と、インバートと覆工の打継ぎ構造
出願人
大成建設株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
E21D
11/10 20060101AFI20250107BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約
【課題】省力化を実現可能な水平を含む角度範囲の打継ぎ面を備えたインバートと覆工の打継ぎ構造が、十分な強度を有していることを保証することのできる、インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法と、インバートと覆工の打継ぎ構造を提供する。
【解決手段】インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法は、その軸線直交方向に打継ぎ面を備えている供試体を第1供試体と、軸線直交方向以外の方向に打継ぎ面を備えている供試体を第2供試体を製作する供試体製作工程、各供試体に強度試験を実施する強度試験実施工程と、第1供試体の第1強度と第2供試体の第2強度を比較し、第1強度と同等もしくはそれ以上の第2強度を備える第2供試体の打継ぎ面30の角度を適正な角度として評価し、適正な角度と評価された角度を含む角度範囲内で実施工の打継ぎ面30の角度を設定する評価設定工程を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
トンネルを形成する、インバートと覆工の打継ぎ面の角度の適正を評価し、適正と評価された角度を実施工の打継ぎ面の角度に設定する、インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法であって、
その軸線方向に対して所定の角度の打継ぎ面を備えている複数の供試体を製作し、該複数の供試体のうち、その軸線直交方向に打継ぎ面を備えている供試体を第1供試体とし、該軸線直交方向以外の方向に打継ぎ面を備えている供試体を第2供試体とする、供試体製作工程と、
前記複数の供試体に強度試験を実施する、強度試験実施工程と、
前記強度試験において測定された、前記第1供試体の第1強度と前記第2供試体の第2強度を比較し、該第1強度と同等もしくはそれ以上の第2強度を備える該第2供試体の打継ぎ面の角度を適正な角度として評価し、該適正な角度と評価された角度を含む角度範囲を設定して、該角度範囲にある角度を実施工の打継ぎ面の角度に設定する、評価設定工程とを有することを特徴とする、インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法。
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【請求項2】
前記評価設定工程において設定する、前記インバートと覆工の打継ぎ面の前記角度範囲を、前記軸線直交方向を90度とした際に、45度乃至90度未満の範囲とすることを特徴とする、請求項1に記載のインバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法。
【請求項3】
前記強度試験は、一軸圧縮試験、一面せん断試験、曲げ試験の少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のインバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法。
【請求項4】
他の実施工の際の打継ぎ面における粗度を測定して第1粗度測定値とし、該第1粗度測定値に基づいて、打継ぎ面における粗度の基準値である、粗度基準値を設定する、粗度基準値設定工程をさらに有し、
前記供試体製作工程では、前記供試体の打ち継ぎ面の粗度を測定して第2粗度測定値とし、該第2粗度測定値が前記粗度基準値を充足することを確認することを特徴とする、請求項1に記載のインバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法。
【請求項5】
前記打継ぎ面の粗度が前記粗度基準値を充足するための、基準打継ぎ面処理方法を設定する、基準打継ぎ面処理方法設定工程をさらに有し、
前記供試体の製作時と前記実施工の双方に対する前記基準打継ぎ面処理方法には、打継ぎ面に対する遅延剤の散布と、その後の高圧水による打継ぎ面の斫り処理が含まれることを特徴とする、請求項4に記載のインバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法。
【請求項6】
インバートと覆工の打継ぎ構造であって、
インバートと覆工の打継ぎ面の角度が、該インバートの軸線直交方向である90度より小さく、45度までの角度範囲にあり、該角度範囲には水平方向が含まれており、
前記打継ぎ面における粗度は、他の実施工における複数の打継ぎ面処理方法に基づいて設定されている、打継ぎ面における粗度の基準値である粗度基準値を充足していることを特徴とする、インバートと覆工の打継ぎ構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法と、インバートと覆工の打継ぎ構造に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
山岳トンネルのインバートと覆工の打継ぎ面(もしくは打継ぎ目)について、トンネル標準示方書[山岳工法編]・同解説(2016年制定)では、「塑性圧等の下方からの力に対して覆工と一体となって抵抗できるよう、曲線を挿入して断面力や応力が滑らかに伝達されるよう配慮した構造にするとともに、打継ぎ面は覆工の壁面にできるだけ直交して設けることが望ましい」とあり、インバートの打継ぎ面は原則として、軸線と直交するように設けなければならない。
しかしながら、この場合、打継ぎ面には小半径の曲線が入ることとなり、仕上がり面が急になることから上型枠を用いて打ち込むことが多く、コンクリート表面に水あばたや空気あばた、砂すじ等ができ易くなるといった課題がある。
また、締固めを行うことにより、斜めに仕上げた打継ぎ面が崩れてしまうことから、人力による成型を行う必要が生じ、特に覆工の巻厚が厚い場合や鉄筋が密に配置されている場合には、手間と時間を要するといった施工上の課題もある。
【0003】
以上のことから、インバートと覆工の打継ぎ面を水平もしくは略水平に仕上げることができれば、コンクリートの品質向上を図るための入念な締固めや、人力による成型等の省力化に繋がることから好ましい。
【0004】
ところで、一般的な山岳トンネルにおいて水平な打継ぎ面を設定した場合に、覆工の軸線に対して打継ぎ面は45度乃至60度程度となる事例が多いことが知られている。ここで、本明細書においては、覆工の軸線直交方向を90度として説明する。従って、打継ぎ面が45度という場合は、軸線直交方向である90度から45度傾斜した角度であり、打継ぎ面が60度という場合は、軸線直交方向である90度から30度傾斜した角度であることを意味する。
既往の研究(柳下丈偉ら:覆工コンクリート打継ぎ目の角度に関する検討、土木学会第76回年次学術講演会、VI-426,2021.)によれば、インバートと覆工の打継ぎ面の角度を変化させて一軸圧縮試験を実施することにより、ピーク強度と弾性係数に関しては打継ぎ面の角度によらないことが報告されている。その一方で、地震等の外力により、インバートと覆工の打継ぎ構造には、せん断力や曲げモーメントが作用するという事実がある。
そこで、水平を含む角度範囲の打継ぎ面を備えたインバートと覆工の打継ぎ構造に関して、十分な強度を有していることを保証できれば、上記する省力化と相俟って、望ましい打継ぎ構造を形成できることから、当該十分な強度を有する打継ぎ面であることを保証できる、インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法が望まれる。
【0005】
ここで、特許文献1には、インバートコンクリートの仕上がりの品質を向上させ、インバートコンクリートの施工の効率化を図るインバートコンクリート施工装置が提案されている。このインバートコンクリート施工装置は、トンネル軸方向に延在して平面視で矩形状をなす上部フレームと、上部フレームをトンネル底面上に支持する脚部とを備える本体部、上部フレームより下方に配置されてトンネル底面上に供給されたコンクリートを均す均し部材、トンネル底面上に載置されて均し部材をトンネル軸方向に移動可能に支持する支持部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-145648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されるインバートコンクリート施工装置により施工されるインバートと覆工の打継ぎ面の角度も、その図3に図示されるようにインバートの軸線直交方向となっており、従って、この施工装置を適用した場合であっても、上記する課題、すなわち、省力化を図ることは難しい。
【0008】
本発明は、省力化を実現可能な水平を含む角度範囲の打継ぎ面を備えたインバートと覆工の打継ぎ構造が、十分な強度を有していることを保証することのできる、インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法と、インバートと覆工の打継ぎ構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明によるインバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法の一態様は、
トンネルを形成する、インバートと覆工の打継ぎ面の角度の適正を評価し、適正と評価された角度を実施工の打継ぎ面の角度に設定する、インバートと覆工の打継ぎ面の角度を評価及び設定する方法であって、
その軸線方向に対して所定の角度の打継ぎ面を備えている複数の供試体を製作し、該複数の供試体のうち、その軸線直交方向に打継ぎ面を備えている供試体を第1供試体とし、該軸線直交方向以外の方向に打継ぎ面を備えている供試体を第2供試体とする、供試体製作工程と、
前記複数の供試体に強度試験を実施する、強度試験実施工程と、
前記強度試験において測定された、前記第1供試体の第1強度と前記第2供試体の第2強度を比較し、該第1強度と同等もしくはそれ以上の第2強度を備える該第2供試体の打継ぎ面の角度を適正な角度として評価し、該適正な角度と評価された角度を含む角度範囲を設定して、該角度範囲にある角度を実施工の打継ぎ面の角度に設定する、評価設定工程とを有することを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、軸線直交方向に打継ぎ面を備えている第1供試体と、軸線直交方向以外の方向に打継ぎ面を備えている第2供試体を製作して各供試体に強度試験を実施し、第1供試体の第1強度と同等もしくはそれ以上の第2強度を備える第2供試体の打継ぎ面の角度を適正な角度として評価し、この適正な角度と評価された角度を含む角度範囲を設定し、この角度範囲にある角度を実施工の打継ぎ面の角度に設定することにより、省力化を実現可能な水平を含む角度範囲の打継ぎ面を備えたインバート(コンクリート)と覆工(コンクリート)の打継ぎ構造が、十分な強度を有していることを保証することができる。
すなわち、打継ぎ面の角度を省力化を実現可能な角度(水平もしくは略水平になる角度)に設定する際に、この設定された角度の打継ぎ面を備える打継ぎ構造が、軸線直交方向の角度の打継ぎ面を備える打継ぎ構造の有する強度と同等もしくはそれ以上の強度を有することを保証することができる。ここで、略水平とは、水平に対して10度程度傾斜した角度範囲を意味する。
(【0011】以降は省略されています)
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