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公開番号2024176248
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023094666
出願日2023-06-08
発明の名称アンカーボルト施工方法
出願人大成建設株式会社,光建設工業株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E04B 1/41 20060101AFI20241212BHJP(建築物)
要約【課題】既設コンクリート躯体に対して、アンカーボルトを簡易かつ高品質に施工することが可能なアンカーボルト施工方法を提案する。
【解決手段】既設コンクリート躯体に貫通孔を形成する削孔工程と、貫通孔の先端側孔口を蓋材4により遮蔽する遮蔽工程と、貫通孔の基端側孔口から充填材を注入する注入工程と、貫通孔の基端側孔口からアンカーボルトを挿入する挿入工程とを備えるアンカーボルト施工方法である。蓋材4には、アンカーボルトを挿通可能な挿通孔41が形成されているとともに既設コンクリート躯体側の面に挿通孔を遮蔽するシート材5が設置されており、挿入工程では、アンカーボルトの先端でシート材5を突き破りつつ、アンカーボルトの先端を挿通孔41に挿通する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
既設コンクリート躯体に貫通孔を形成する削孔工程と、
前記貫通孔の先端側孔口を蓋材により遮蔽する遮蔽工程と、
前記貫通孔の基端側孔口から充填材を注入する注入工程と、
前記貫通孔の基端側孔口からアンカーボルトを挿入する挿入工程と、を備えるアンカーボルト施工方法であって、
前記蓋材には、前記アンカーボルトを挿通可能な挿通孔が形成されているとともに前記既設コンクリート躯体側の面に前記挿通孔を遮蔽するシート材が設置されており、
前記挿入工程では、前記アンカーボルトの先端で前記シート材を突き破りつつ、前記アンカーボルトの先端を挿通孔に挿通することを特徴とする、アンカーボルト施工方法。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記シート材が布テープであることを特徴とする、請求項1に記載のアンカーボルト施工方法。
【請求項3】
前記挿入工程において、前記アンカーボルトの先端部に保護材を被覆した状態で前記アンカーボルトを挿入することを特徴とする、請求項1に記載のアンカーボルト施工方法。
【請求項4】
前記挿入工程後に、前記基端側孔口から充填材を補充する補充工程をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載のアンカーボルト施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーボルト施工方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
既設コンクリート構造物の補強方法として、既設コンクリート躯体の表面に補強部材(落橋防止材、鋼板や増打コンクリート等)を増設する場合がある。このような補強部材の固定方法として、既設コンクリート躯体にアンカーボルトをあと施工により固定して、このアンカーボルトに補強部材を固定する場合がある。
例えば、特許文献1には、既設コンクリート躯体を貫通するボルト部材(アンカーボルト)の端部に補強板が固定された補強構造が開示されている。特許文献1に補強構造のボルト部材は、あと施工により既設コンクリート躯体に形成されたアンカー孔に挿入されるものであり、両端が既設コンクリート躯体の側面から突出するとともに、アンカー孔に充填された充填材により固定されている。
アンカーボルトの施工は、既設コンクリート躯体に形成されたアンカー孔に、アンカーボルトを挿入した状態で、充填材注入用の注入管を配管するとともにボルト孔の孔口を遮蔽し、アンカー孔内の空気を抜きつつ注入管から充填材を充填するのが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
前記従来のアンカーボルトの施工方法では、注入管を配管する手間がかかる。また、注入管は、充填材硬化後に切断するが、既設コンクリート躯体の表面から突出することが無いように、平滑に処理する作業を要する。また、アンカー孔とアンカーボルトとの小さい隙間に充填材を充填するため、充填材にはセメントミルクなどの粘性の低い材料を使う必要があるが、粘性が低い充填材は、アンカー孔の上部に付着し難いため、アンカー孔の上部に空気だまり(未充填箇所)が形成されやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-092005号公報
特開2000-248750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、既設コンクリート躯体に対して、アンカーボルトを簡易かつ高品質に施工することが可能なアンカーボルト施工方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明のアンカーボルト施工方法は、既設コンクリート躯体に貫通孔を形成する削孔工程と、前記貫通孔の先端側孔口を蓋材により遮蔽する遮蔽工程と、前記貫通孔の基端側孔口から充填材を注入する注入工程と、前記貫通孔の基端側孔口からアンカーボルトを挿入する挿入工程とを備えている。前記蓋材には、前記アンカーボルトを挿通可能な挿通孔が形成されているとともに前記既設コンクリート躯体側の面に前記挿通孔を遮蔽するシート材が設置されている。そして、前記挿入工程では、前記アンカーボルトの先端で前記シート材を突き破りつつ、前記アンカーボルトの先端を前記挿通孔に挿通する。
【0006】
かかるアンカーボルト施工方法によれば、施工後に既設コンクリート躯体の表面を平滑にする作業などを要しないため、施工性に優れている。また、アンカーボルトの挿入前に充填材を貫通孔に注入するため、粘性の高い材料を充填材に使用できる。粘性が高い充填材を使用すれば、貫通孔内の上部に未充填箇所(空気だまり)が形成され難く、高品質に施工できる。アンカーボルトを蓋材の挿入孔に挿通する際には、アンカーボルトによりシート材を突き破るため、充填材が貫通孔の先端側から漏れ出し難い。
【0007】
なお、前記シート材が布テープであれば、アンカーボルトを蓋材の挿入孔に挿通した際に、シート材の繊維がアンカーボルトに絡まるため、充填材の漏れ出しがより抑制される。
また、前記アンカーボルトの先端部に保護材を被覆した状態で前記アンカーボルトを挿入すればアンカーボルトの先端部にネジ加工が施されている場合であっても、充填材がネジ部分に付着することを抑制できる。
さらに、前記挿入工程後に、前記基端側孔口から充填材を補充する補充工程をさらに備えているのが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のアンカーボルト施工方法によれば、既設コンクリート躯体に対して、アンカーボルトを簡易かつ高品質に施工することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態に係るアンカーボルトの設置状況を示す断面図である。
アンカーボルト施工方法の手順を示すフローチャートである。
アンカーボルト施工方法の各工程を示す断面図であって、(a)は削孔工程、(b)は遮蔽工程である。
蓋材を示す斜視図である。
アンカーボルト施工方法の各工程を示す断面図であって、(a)は注入工程、(b)は挿入工程である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、既設コンクリート躯体にアンカーボルトを設置するアンカーボルト施工方法について説明する。
図1にアンカーボルト1を示す。アンカーボルト1は、図1に示すように、両端部が既設コンクリート躯体2の側面から突出するように、既設コンクリート躯体2に形成された貫通孔21を貫通した状態で設置する。アンカーボルト1と貫通孔21との隙間には、充填材3が充填されている。本実施形態のアンカーボルト1の両端部には、ネジ加工が施されていて、雄ネジ11,11が形成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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