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公開番号
2024178552
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-25
出願番号
2023096765
出願日
2023-06-13
発明の名称
杭基礎構造、及び杭基礎構造の構築方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
E02D
27/12 20060101AFI20241218BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】基礎杭の上にプレキャストコンクリート造の基礎部材を設ける際に、基礎部材の高さを容易に調整できる、杭基礎構造、及び杭基礎構造の構築方法を提供する。
【解決手段】杭基礎構造1は、基礎杭2と、基礎杭2の上に設けられるプレキャストコンクリート造の基礎部材3と、を備える杭基礎構造1であって、基礎杭2の杭頭部2hの周辺の地盤Gまたは地盤G上の捨てコンクリート層71に設置される基部51と、基部51から上方へと延び、基礎部材3の高さ位置を調整して基礎部材3を固定するためのレベル調整機構55が設けられた立ち上がり部52と、を備えているレベル調整用鋼材5を備え、基礎部材3は、基礎杭2の杭頭部2hから上方に離間して、かつ外周側面33がレベル調整用鋼材5の立ち上がり部52に沿うように位置づけられ、基礎部材3の外周側面33が、立ち上がり部52に対し、レベル調整機構によって固定されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基礎杭と、前記基礎杭の上に設けられるプレキャストコンクリート造の基礎部材と、を備える杭基礎構造であって、
前記基礎杭の杭頭部の周辺の地盤または当該地盤上の捨てコンクリート層に設置される基部と、前記基部から上方へと延び、前記基礎部材の高さ位置を調整して前記基礎部材を固定するためのレベル調整機構が設けられた立ち上がり部と、を備えているレベル調整用鋼材を備え、
前記基礎部材は、前記基礎杭の前記杭頭部から上方に離間して、かつ外周側面が前記レベル調整用鋼材の前記立ち上がり部に沿うように位置づけられ、前記基礎部材の前記外周側面が、前記立ち上がり部に対し、前記レベル調整機構を介して固定され、
前記杭頭部と、前記基礎部材との間には、セメント系材料が充填されて底部コンクリート部が形成されていることを特徴とする杭基礎構造。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記レベル調整機構は、前記立ち上がり部に形成された、上下方向に延在する長孔であり、前記基礎部材の前記外周側面には、前記レベル調整用鋼材の前記長孔を介してボルトが緊締されていることを特徴とする請求項1に記載の杭基礎構造。
【請求項3】
前記基礎杭の前記杭頭部には、当該杭頭部の側面に隙間を形成するための杭頭キャップが被せられ、
前記杭頭キャップと、前記基礎部材との間に、前記底部コンクリート部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の杭基礎構造。
【請求項4】
基礎杭と、前記基礎杭の上に設けられるプレキャストコンクリート造の基礎部材と、を備える杭基礎構造の構築方法であって、
地盤に前記基礎杭を打ち込み、前記基礎杭の杭頭部を地盤から上方に突出させる工程と、
基部と、前記基礎部材の高さ位置を調整して前記基礎部材を固定するためのレベル調整機構が設けられた立ち上がり部と、を備えているレベル調整用鋼材を、前記基部が前記地盤または当該地盤上の捨てコンクリート層の上に位置し、前記立ち上がり部が前記基部から上方へと延びるように設置する工程と、
前記基礎部材を、前記基礎杭の前記杭頭部から上方に離間して位置づけ、当該基礎部材の外周側面において、前記レベル調整機構を介して高さ位置を調整しつつ、前記レベル調整用鋼材の前記立ち上がり部に沿わせて支持させる工程と、
前記基礎杭の前記杭頭部と、前記基礎部材の下面との間に、セメント系材料を充填して底部コンクリート部を形成する工程と、を含むことを特徴とする杭基礎構造の構築方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎杭と前記基礎杭の上に設けられるプレキャストコンクリート造の基礎部材とを備える杭基礎構造、及び杭基礎構造の構築方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
基礎杭の上に、プレキャストコンクリート造の基礎部材を設置することで、基礎構造を構築することがある。この場合、基礎部材をプレキャストコンクリート造とすることで、工期を短縮し、施工を容易にすることができる。
例えば、特許文献1には、建築物の上部構造と杭とを接合する接合構造において、杭頭を収容する収容部を含み、上部構造と接合するとともに杭頭を覆うように設置されるプレキャストコンクリート造のキャップ部材と、杭頭の外周面と基礎部材の収容部の内側面との間に配置される緩衝材と、を備える構成が記載されている。
【0003】
上記のような、プレキャストコンクリート造の基礎部材を設置する際には、基礎部材の高さを、正確に調整する必要がある。
これに関し、特許文献2には、杭の杭頭部を覆う凹部が下面に形成されたプレキャストコンクリート製のフーチング部材と、凹部と杭頭部の間に充填されて、杭頭部にフーチング部材を接合する充填材と、を備え、フーチング部材は、杭頭部の周辺地盤に設置された設置プレート上に置かれる構成が記載されている。特許文献2において、設置プレートは、コンクリート製の平板、または鋼板であり、この設置プレートの上にフーチング部材を置いたときに、フーチング部材が設計で決められた高さに水平に配置されるように設置されている。
また、特許文献3には、基礎杭と、基礎杭の上に設けられたプレキャストコンクリート造の基礎部材と、を備える杭基礎構造において、基礎部材の下面に、基礎杭の杭頭が収容される凹部が形成され、基礎杭の周囲の地盤面または地盤面上の捨てコンクリート層の上に設けられて基礎部材を支持するレベル調整材と、基礎杭の杭頭を覆う蓋部材と、蓋部材と基礎部材の凹部との間に充填された充填材と、を備える構成が記載されている。特許文献3において、レベル調整材は、金属製の薄板を積層したものであって、積層する薄板の枚数を変更することで、上面の高さ位置を調整可能とされており、基礎部材は、このようなレベル調整材の上に載置されている。
【0004】
特許文献2、3においては、フーチング部材等の基礎部材は、厚さが調整された板状の設置プレートやレベル調整材の上に設けられることによって、その高さ位置が調整されている。このような構成において、基礎部材の高さを調整するためには、計画した高さ位置に基礎部材が設置された場合における、基礎部材の下面と、基礎部材を設置する対象となる地盤等の表面との間の距離を計算し、設置プレートやレベル調整材を、厚さが当該距離と正確に一致するように、金属の薄板を積層したり、コンクリート製の板材を切削したりして、加工しなければならない。また、仮に、いったん厚さを調整した設置プレートやレベル調整材を、地盤等の表面上に設け、その上に基礎部材を設置した後に、基礎部材が計画した高さ位置に設けられていない場合においては、設置した基礎部材を揚重し、レベル調整材の厚さを再度調整するように加工して、基礎部材を設置しなおす、という手順を、基礎部材が計画した高さ位置に設けられるまで、繰り返す必要がある。したがって、基礎部材の高さを調整することが、容易ではない。
基礎杭の上にプレキャストコンクリート造の基礎部材を設ける際に、基礎部材の高さをより容易に調整することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-190097号公報
特開2015-200094号公報
特開2022-124976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、基礎杭の上にプレキャストコンクリート造の基礎部材を設ける際に、基礎部材の高さを容易に調整できる、杭基礎構造、及び杭基礎構造の構築方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の杭基礎構造は、基礎杭と、前記基礎杭の上に設けられるプレキャストコンクリート造の基礎部材と、を備える杭基礎構造であって、前記基礎杭の杭頭部の周辺の地盤または当該地盤上の捨てコンクリート層に設置される基部と、前記基部から上方へと延び、前記基礎部材の高さ位置を調整して前記基礎部材を固定するためのレベル調整機構が設けられた立ち上がり部と、を備えているレベル調整用鋼材を備え、前記基礎部材は、前記基礎杭の前記杭頭部から上方に離間して、かつ外周側面が前記レベル調整用鋼材の前記立ち上がり部に沿うように位置づけられ、前記基礎部材の前記外周側面が、前記立ち上がり部に対し、前記レベル調整機構を介して固定され、前記杭頭部と、前記基礎部材との間には、セメント系材料が充填されて底部コンクリート部が形成されていることを特徴とする。
上記のような構成によれば、基礎部材は、基礎杭の杭頭部から上方に離間して設けられている。また、基礎部材は、レベル調整用鋼材の、杭頭部の周辺の地盤または地盤上の捨てコンクリート層に設置された基部から上方へと延びるように設けられた立ち上がり部に、基礎部材の外周側面が沿うように設けられて、レベル調整用鋼材のレベル調整機構を介して固定されている。このように、レベル調整用鋼材は、基礎部材の下方ではなく、外周側面に沿うように、基礎部材の側方に設けられる。このため、基礎部材を設置するに際しては、揚重機などで基礎部材を適切な高さに静止させるように位置づけた後、基礎部材の側方の位置で、レベル調整機構により基礎部材の高さ位置を調整しつつ、基礎部材とレベル調整用鋼材を固定することで、レベル調整用鋼材により基礎部材を支持させればよい。このような作業においては、基礎部材の下面と地盤または地盤上の捨てコンクリート層との間の距離を予め計算したり、計算された距離にあわせてレベル調整に用いる部材の厚さを加工したりといった工程が不要である。
また、いったん固定した基礎部材の高さを再調整するような場合においても、揚重機などにより基礎部材を支持しつつ、固定を解除し、レベル調整機構により基礎部材の高さを調整しなおしたうえで、再度、基礎部材とレベル調整用鋼材とを固定すればよい。このような作業においても、レベル調整に用いる部材の厚さを加工したりする必要がない。
上記のような効果が相乗し、基礎杭の上にプレキャストコンクリート造の基礎部材を設ける際に、基礎部材の高さを容易に調整できる、杭基礎構造を提供することができる。
【0008】
本発明の一態様においては、前記レベル調整機構は、前記立ち上がり部に形成された、上下方向に延在する長孔であり、前記基礎部材の前記外周側面には、前記レベル調整用鋼材の前記長孔を介してボルトが緊締されている。
上記のような構成によれば、上下方向に延在するように形成された長孔をボルトが挿通される構成となっているため、レベル調整用鋼材の基部が地盤または当該地盤上の捨てコンクリート層に設置された状態で、基礎部材の高さを上下に調整することで、基礎部材とレベル調整用鋼材との相対的な高さ位置が変化したとしても、これに対応した任意の高さ位置で、ボルトを長孔に挿通させることができる。したがって、レベル調整用鋼材の、基礎部材の高さに応じた位置に、ボルトを挿通させるための孔を開設する作業を行う必要がない。
【0009】
本発明の別の態様においては、前記基礎杭の前記杭頭部には、当該杭頭部の側面に隙間を形成するための杭頭キャップが被せられ、前記杭頭キャップと、前記基礎部材との間に、前記底部コンクリート部が形成されている。
このような構成によれば、基礎杭の杭頭部に杭頭キャップを設けることで、基礎杭とプレキャストコンクリート造の基礎部材が、剛接合されておらず、半剛接合されている杭基礎構造を形成できる。基礎杭とプレキャストコンクリート造の基礎部材を半剛接合することで、基礎杭と基礎部材との接合部において杭頭部の回転拘束が緩和されるため、基礎杭に作用する地震荷重が低減され、杭基礎構造の構造安全性を高めることができる。
【0010】
また、本発明の杭基礎構造の構築方法は、基礎杭と、前記基礎杭の上に設けられるプレキャストコンクリート造の基礎部材と、を備える杭基礎構造の構築方法であって、地盤に前記基礎杭を打ち込み、前記基礎杭の杭頭部を地盤から上方に突出させる工程と、基部と、前記基礎部材の高さ位置を調整して前記基礎部材を固定するためのレベル調整機構が設けられた立ち上がり部と、を備えているレベル調整用鋼材を、前記基部が前記地盤または当該地盤上の捨てコンクリート層の上に位置し、前記立ち上がり部が前記基部から上方へと延びるように設置する工程と、前記基礎部材を、前記基礎杭の前記杭頭部から上方に離間して位置づけ、当該基礎部材の外周側面において、前記レベル調整機構を介して高さ位置を調整しつつ、前記レベル調整用鋼材の前記立ち上がり部に沿わせて支持させる工程と、前記基礎杭の前記杭頭部と、前記基礎部材の下面との間に、セメント系材料を充填して底部コンクリート部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、地盤または地盤上の捨てコンクリート層の上にレベル調整用鋼材を設置した後、基礎部材を、基礎杭の杭頭部から上方に離間して位置づけ、当該基礎部材の外周側面において、レベル調整機構を介して高さ位置を調整しつつ、レベル調整用鋼材に沿わせて支持させる。このように、レベル調整用鋼材は、基礎部材の下方ではなく、外周側面において基礎部材を支持するように、基礎部材の側方に設けられので、基礎部材を設置するに際しては、揚重機などで基礎部材を適切な高さに静止させるように位置づけた後、基礎部材の側方の位置で、レベル調整機構により基礎部材の高さ位置を調整しつつ、基礎部材とレベル調整用鋼材を固定することで、レベル調整用鋼材により基礎部材を支持させればよい。このような作業においては、基礎部材の下面と地盤または地盤上の捨てコンクリート層との間の距離を予め計算したり、計算された距離にあわせてレベル調整に用いる部材の厚さを加工したりといった工程が不要である。
したがって、基礎杭の上にプレキャストコンクリート造の基礎部材を設ける際に、基礎部材の高さを容易に調整できる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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