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公開番号2025001061
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-08
出願番号2023100411
出願日2023-06-20
発明の名称木質トラス梁
出願人大成建設株式会社,株式会社ホルツストラ一級建築士事務所
代理人園田・小林弁理士法人
主分類E04B 1/58 20060101AFI20241225BHJP(建築物)
要約【課題】コストを低減しつつ、長さ方向に強固な構造を実現し、かつ他の構造を、強度の低減を抑制しつつ交差させることができる、木質トラス梁を提供する。
【解決手段】木質トラス梁100は、上弦材110と下弦材120、束材130と斜材140を備え、上弦材110と下弦材120は、長さ方向に軸材113、114、123、124を並べて形成された第1軸部111、121と第2軸部112、122を備え、第1軸部111、121が第2軸部112、122よりも束材130側に位置するように上下に並んで設けられ、第1軸部111、121と第2軸部112、122は、軸材113、123の端部113s、123sと、軸材114、124の端部114s、124sが長さ方向に異なる位置となるように、軸材113、123と、軸材114、124が長さ方向にずらして配置されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
構造物の屋根または床を形成する木質トラス梁であって、
木質の上弦材と下弦材、及び、前記上弦材と前記下弦材とを上下方向と斜め方向にそれぞれ連結させる、束材と斜材と、を備え、
前記上弦材と前記下弦材のいずれか一方または双方は、各々が長さ方向に軸材を並べて形成された第1軸部と第2軸部を備え、前記第1軸部と前記第2軸部は、前記第1軸部が前記第2軸部よりも前記束材側に位置するように、上下に並んで設けられ、
前記第1軸部と前記第2軸部は、前記軸材の端部が前記長さ方向に異なる位置となるように、前記軸材が前記長さ方向にずらして配置されて、前記軸材相互が上下に接合されていることを特徴とする木質トラス梁。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記第1軸部の前記軸材の中間部には、前記束材と前記斜材の端部が接合され、
平板状の接合金物を更に備え、前記接合金物は、前記長さ方向に延在して前記第1軸部の内部に設けられる基部と、前記基部から前記束材と前記斜材の各々に向けて張り出すように設けられて、前記束材と前記斜材の各々の内部に設けられる張出部と、を備え、
前記接合金物により、前記第1軸部と前記束材、及び前記斜材の各々が剛接合されていることを特徴とする請求項1に記載の木質トラス梁。
【請求項3】
前記斜材は、第1斜材と第2斜材を、前記長さ方向に直交する幅方向に重ね合わせて接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の木質トラス梁。
【請求項4】
前記長さ方向に並べられた前記軸材相互は、前記端部が互いに離間して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の木質トラス梁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、木質トラス梁に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
建物の屋根や床を、トラス構造で実現することがある。特に、このようなトラス構造を木材により形成することで、体育館や倉庫等の、広い空間の屋根や床を構成することがある。
例えば、特許文献1には、上弦材、下弦材、束材、及び斜材からなるトラス腹材を含んで構成されるトラス梁が梁幅方向に並置され、並置されたトラス梁相互が起立状態の継ぎ板材を介して連結された構成が記載されている。特許文献1には、上弦材及び下弦材に一枚物の板材でなく、複数の板材を連結したものを使用することもできると記載されている。
また、特許文献2には、上弦材、下弦材、及び中間材からなる木製トラス梁構造体が記載されている。特許文献2には、木製トラス梁構造体が長くなった場合には、上弦材と下弦材に、いずれも繋いだものを使用することが記載されている。
【0003】
このように、特許文献1、2には、上弦材や下弦材として、一枚物の板材を使用することや、繋いだものを使用することが記載されている。
ここで、上弦材や下弦材として、一枚物の、長尺の板材を使用しようとすると、コストが嵩む。また、一枚の板材の長さには限りがあるため、長スパン化を実現することが容易ではない。
これに対し、複数の板材を連結して上弦材や下弦材を実現する場合、長スパン化を実現する強固な構造を実現しようとすると、これらの板材の接合部においては、上弦材や下弦材に作用する応力に抗するだけの接合強度を得るために、接合構造を工夫する必要がある。しかし、これには板材の特殊な加工や、特別な接合金物等を必要とする場合が多いため、コストが嵩む。
【0004】
これに対し、特許文献3には、複数のトラス架構が、幅方向に間隔をあけて配置され、繋ぎ機構によって繋がれている構成が記載されている。また、特許文献3には、トラス架構の上部材、下部材が、軸方向にずらして幅方向に重ね合わせて接合されていることが記載されている。
特許文献3においては、上部材、下部材が、軸方向にずれて幅方向に重ねられ接合されて、上弦材や下弦材が形成される構造となっている。このような構造においては、上弦材や下弦材として一枚物の板材を使用せずに済み、なおかつ長さ方向のどの部分においても、上部材や下部材が長さ方向に延在して、通し材となっている状態であるため、コストを低減しつつ、強固な構造を実現できる可能性がある。
【0005】
ここで、このトラス架構に他の梁等の構造を交差させる場合においては、特許文献3の繋ぎ機構のように、上弦材や下弦材の側面に、他の構造の部材を接合することになる。このため、この交差する方向における他の構造は、トラス架構の側面に接合されることで、トラス架構によって分断される構成となる。したがって、この分断された部分において、交差する方向に作用する応力に抗するだけの強度が得られず、交差する方向における他の構造を強固なものとすることが容易ではない可能性がある。強度を補うために、トラス架構と他の構造との接合構造を工夫することも考えられるが、これには部材の特殊な加工や、特別な接合金物等を必要とする場合が多いため、コストが嵩む。
コストを低減しつつ、長さ方向に強固な構造を実現し、かつ他の構造を、強度の低減を抑制しつつ交差させることができる、木質トラス梁が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-209725号公報
特許第4614151号公報
特開2019-124097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、コストを低減しつつ、長さ方向に強固な構造を実現し、かつ他の構造を、強度の低減を抑制しつつ交差させることができる、木質トラス梁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の木質トラス梁は、構造物の屋根または床を形成する木質トラス梁であって、木質の上弦材と下弦材、及び、前記上弦材と前記下弦材とを上下方向と斜め方向にそれぞれ連結させる、束材と斜材と、を備え、前記上弦材と前記下弦材のいずれか一方または双方は、各々が長さ方向に軸材を並べて形成された第1軸部と第2軸部を備え、前記第1軸部と前記第2軸部は、前記第1軸部が前記第2軸部よりも前記束材側に位置するように、上下に並んで設けられ、前記第1軸部と前記第2軸部は、前記軸材の端部が前記長さ方向に異なる位置となるように、前記軸材が前記長さ方向にずらして配置されて、前記軸材相互が上下に接合されていることを特徴とする。
上記のような構成によれば、木質トラス梁の上弦材と下弦材のいずれか一方または双方は、長さ方向に軸材を並べて第1軸部と第2軸部を形成し、これらを上下に並べて、軸材相互を上下に接合することで、構築されている。ここで、第1軸部と第2軸部は、軸材の端部が長さ方向に異なる位置となるように、軸材が長さ方向にずらして配置されている。このため、第1軸部と第2軸部が形成された上弦材と下弦材のいずれか一方または双方においては、長さ方向のどの部分においても、第1軸部と第2軸部のいずれかの軸材が、長さ方向に延在して、通し材となっている。これにより、長さ方向のどの部分においても、この通し材となった軸材が、軸力、せん断力、曲げの、各種応力を負担することができる。したがって、長さ方向において強固な構造を実現することができる。
このような構造を実現するに際しては、軸材を長さ方向に並べて、軸材相互を上下に接合することで、第1軸部と第2軸部を実現すればよいため、上弦材や下弦材を実現するのに一枚板が不要となる。また、このような構成によって、既に説明したように強固な構造を実現することができるため、軸材相互の連結のために、軸材の特殊な加工や、特別な接合金物等を必要としない。これにより、木質トラス梁を構築するためのコストを低減することができる。
特に、木質トラス梁に他の梁等の構造を交差させる場合においては、他の構造の部材を、第1軸部と第2軸部で長さ方向に並べられた軸材相互の、端部の間に設けて、他の構造の部材が木質トラス梁を貫いて交差する方向に延在する通し材となるように、設けることが可能となる。このように、交差する方向の他の構造が、木質トラス梁によって分断されないため、木質トラス梁を交差する方向に貫く、通し材として設けられた部材に、交差する方向における、軸力、せん断力、曲げの、各種応力を負担させることができる。したがって、交差する方向においても、その構造を強固なものとすることができる。
このようにして、コストを低減しつつ、長さ方向に強固な構造を実現し、かつ他の構造を、強度の低減を抑制しつつ交差させることができる、木質トラス梁を提供することができる。
【0009】
本発明の一態様においては、前記第1軸部の前記軸材の中間部には、前記束材と前記斜材の端部が接合され、平板状の接合金物を更に備え、前記接合金物は、前記長さ方向に延在して前記第1軸部の内部に設けられる基部と、前記基部から前記束材と前記斜材の各々に向けて張り出すように設けられて、前記束材と前記斜材の各々の内部に設けられる張出部と、を備え、前記接合金物により、前記第1軸部と前記束材、及び前記斜材の各々が剛接合されている。
このような構成によれば、第1軸部の軸材の中間部に束材と斜材の端部が接合される部分において、接合金物により、第1軸部と、束材及び斜材の各々とが剛接合されている。しかも、接合金物の基部は、第1軸部の内部に設けられ、接合金物の張出部は、束材と斜材の各々の内部に設けられている。これにより、第1軸部の軸材の中間部と、束材と斜材の端部とを、接合金物により強固に接合しつつ、接合金物が露呈して外観を損なうのを抑えることができる。
特に、斜材が接合されている対象が、軸材が継がれた部分ではなく、軸材が長さ方向に延在して通し材となっている中間部であるため、斜材に作用する応力が第1軸部に作用しても、軸材がこれに、効率的に抗し得る。したがって、長さ方向の強度をより強固なものとすることができる。
【0010】
本発明の一態様においては、前記斜材は、第1斜材と第2斜材を、前記長さ方向に直交する幅方向に重ね合わせて接合されている。
このような構成によれば、斜材が、第1斜材と第2斜材とを、幅方向に重ね合わせる、いわゆる二丁合せになっている。このため、上弦材、下弦材、及び束材を組んだ後に、最後に、第1斜材、第2斜材を、幅方向からはめ込むように組むことができ、組み立て作業性が向上する。
(【0011】以降は省略されています)

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