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公開番号
2025094327
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-25
出願番号
2023209775
出願日
2023-12-13
発明の名称
杭基礎構造
出願人
大成建設株式会社
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
E02D
27/12 20060101AFI20250618BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】地下階の躯体量と地盤の掘削量を抑えて容易に施工する。
【解決手段】杭基礎構造1は、建物2を支える杭3と耐圧版6を含む杭基礎構造1であって、杭3と、杭3の杭頭部3tに接合され、杭頭部3tから上方に延伸して設けられている、地下に設けられた柱型の基礎部材4と、基礎部材4の上部に配置される柱5と、基礎部材4の下部に接合される耐圧版6と、耐圧版6の上方の位置で基礎部材4に接合される水平抵抗部材7と、を備え、柱5の柱脚部51は基礎部材4の上面に半剛接合されている、または柱5の柱脚部51は基礎部材4に比べて横断面積が小さく、かつ双方が剛接合されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
建物を支える杭と耐圧版を含む杭基礎構造であって、
前記杭と、
前記杭の杭頭部に接合され、前記杭頭部から上方に延伸して設けられている、地下に設けられた柱型の基礎部材と、
前記基礎部材の上部に配置される柱と、
前記基礎部材の下部に接合される前記耐圧版と、
前記耐圧版の上方の位置で前記基礎部材に接合される水平抵抗部材と、
を備え、
前記柱の柱脚部は前記基礎部材の上面に半剛接合されている、または前記柱の柱脚部は前記基礎部材に比べて横断面積が小さく、かつ双方が剛接合されていることを特徴とする杭基礎構造。
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
前記基礎部材は、水平方向に配置される基礎水平鉄筋の断面積に当該基礎水平鉄筋の材料特性を示す引張強度を乗じた水平方向の基礎鉄筋容量に比べて、鉛直方向に配置される基礎鉛直鉄筋の断面積に当該基礎鉛直鉄筋の材料特性を示す引張強度を乗じた鉛直方向の基礎鉄筋容量が大きくなるように、配筋されていることを特徴とする請求項1に記載の杭基礎構造。
【請求項3】
上端が前記柱に、下端が前記基礎部材に、それぞれ埋設されるように、前記基礎部材と前記柱との間に上下方向に延在して設けられる芯鉄筋を更に備え、
前記柱と前記基礎部材が半剛接合されている場合は、
前記柱は、下端がテーパー状に形成されることで傾斜表面を有し、かつ前記柱の下面は、前記基礎部材の上面に当接して、前記柱が前記基礎部材に対して傾動可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の杭基礎構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物を支える杭と耐圧版を含む杭基礎構造に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
建物を施工する場合に、地盤に杭を打ち込み、杭に接続するように、建築構造物の荷重を支える耐圧版を地盤上に設けることが、広く行われている。
例えば、特許文献1には、地盤中に埋設された基礎杭と、基礎杭の頭部に接合された、耐圧板としての基礎スラブと、を備える構成が記載されている。
また、特許文献2には、杭の杭頭部の上方に配置され、基礎梁に繋がれたフーチングと、フーチングに繋がれた基礎梁に囲まれた領域に設けられた耐圧版と、を備える構成が記載されている。
更に、特許文献3には、既存杭に支持された既存耐圧板と、既存耐圧板上に設けられた改良地盤と、改良地盤上に設けられた土間コンクリートと、を備える構成が記載されている。
【0003】
ここで、地震が生じた際に、杭の杭頭部には、曲げモーメントが作用するが、このような曲げモーメントに対し、特許文献1~3においては、基本的に、耐圧版のみによって抵抗する必要がある。このため、耐圧版が曲げモーメントに抵抗し得るように、耐圧版を頑強に、厚く構成する必要がある。また、このような耐圧版を構築するためには、地盤を深く掘削する必要も生じる。したがって、施工が容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7028728号公報
特開2021-147883号公報
特許第7129290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、地下階の躯体量と地盤の掘削量を抑えて容易に施工することができる、構造安全性に優れた杭基礎構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、杭と地上階の柱との間に柱型状の基礎部材を配置し、その基礎部材の下部側に耐圧版を接合させ、基礎部材の上部側に水平抵抗部材(床スラブまたは梁)が接合されて剛接合される構造体を形成することで、杭頭部に作用する曲げモーメントに対して耐圧版のみでなく、構造体全体が一体的に抵抗するため、耐圧版の厚みを薄くすることができ、地下階の構造体量および地盤の掘削量を低減することが可能となる。これにより、地下階の躯体量や地盤の掘削作業を削減することができ、より効率的な杭基礎構造を実現可能な点に着眼して、本発明に至った。具体的には、杭基礎構造では、基礎部材の上部に配置される柱の柱脚部は前記基礎部材の上面に半剛接合されている、または前記柱の柱脚部は前記基礎部材に比べて横断面積が小さく、かつ双方が剛接合されて、耐圧版と基礎部材、および水平抵抗部材が剛接合されて構造体が形成されている。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の杭基礎構造は、建物を支える杭と耐圧版を含む杭基礎構造であって、前記杭と、前記杭の杭頭部に接合され、前記杭頭部から上方に延伸して設けられている、地下に設けられた柱型の基礎部材と、前記基礎部材の上部に配置される柱と、前記基礎部材の下部に接合される前記耐圧版と、前記耐圧版の上方の位置で前記基礎部材に接合される水平抵抗部材と、を備え、前記柱の柱脚部は前記基礎部材の上面に半剛接合されている、または前記柱の柱脚部は前記基礎部材に比べて横断面積が小さく、かつ双方が剛接合されていることを特徴とする。水平抵抗部材は、床スラブまたは梁である。
上記のような構成によれば、杭の杭頭部には、杭頭部から上方に延伸して設けられている、地下に設けられた柱型の基礎部材が接合されている。この柱型の基礎部材の下部には、耐圧版が接合され、耐圧版の上方の位置においては、水平抵抗部材(床スラブ、梁)が基礎部材に接合されている。このようにして、耐圧版と、水平抵抗部材と、基礎部材とは、頑強な、全体として一定の厚みを有する、一体の構造となるように形成されている。柱は、このような基礎部材の上部に配置されているため、例えば柱が、建物の外周柱のような、大きな荷重が作用するものであったとしても、その荷重は上方から下方へと、耐圧版と、耐圧版の下の地盤に伝達させることができる。このようにして、建物の大きな荷重が作用する柱においても、当該柱を支持する構造の軸剛性が高められ、結果として、構造安全性を高めることができる。
ここで、柱型の基礎部材は杭の杭頭部から上方に延伸して設けられているから、基礎部材の下部に接合される耐圧版は、杭頭部の近くに設けられている。水平抵抗部材(床スラブ、梁)は、このような耐圧版よりも上方の位置で、基礎部材に接合されているから、水平抵抗部材は、杭の杭頭部よりも、一定の高さだけ上方の位置で、基礎部材に接合された構成となっている。このような構成において、地震が生じ、杭の杭頭部に曲げモーメントが作用すると、これが耐圧版に伝達すると同時に、柱型の基礎部材を介して耐圧版と一体に形成された水平抵抗部材に対し、杭頭部の曲げモーメントとは異なる位置で曲げモーメントとは反対側の向きに作用する、偶力が生じる。この偶力により、杭頭部の曲げモーメントが相殺され、曲げモーメントが低減される。このように、本来は耐圧版によって抵抗すべき杭頭部の曲げモーメントが、基礎部材と、水平抵抗部材と、によって低減されるため、耐圧版のみによって曲げモーメントに抵抗する必要がなくなる。したがって、基礎部材を設けない場合に比べると、耐圧版を薄くすることが可能となるため、地下階の躯体量と地盤の掘削量を抑えることができる。
また、柱の柱脚部は、柱型の基礎部材の上面に半剛接合されている、または柱の柱脚部の横断面積を柱型の基礎部材の横断面積より小さくし、かつ柱脚部と基礎部材を剛接合されている。これにより、地震発生時においては、基礎部材から柱の柱脚部へ伝達される水平力が抑制され、地上部分の建物は、一定の柔軟性を確保しつつ、地震や振動に対する構造の安定性を高めることができる。特に、柱脚部と基礎部材との間において、曲げモーメントの伝達が抑制されるため、柱脚部と基礎部材との間の曲げモーメントに抵抗することを目的として、基礎部材を必要以上に頑強にする必要性が低減する。したがって、基礎部材を構築するに際し、例えば基礎部材の断面積を小さくしたり、せん断補強筋の数を低減したりすることによって、基礎部材をコンパクトに構築することができる。
上記の効果が相乗して、地下階の躯体量と地盤の掘削量を抑えて容易に施工することができる、構造安全性に優れた杭基礎構造を提供することが可能となる。
【0007】
本発明の一態様においては、前記基礎部材は、水平方向に配置される基礎水平鉄筋の断面積に当該基礎水平鉄筋の材料特性を示す引張強度を乗じた水平方向の基礎鉄筋容量に比べて、鉛直方向に配置される基礎鉛直鉄筋の断面積に当該基礎鉛直鉄筋の材料特性を示す引張強度を乗じた鉛直方向の基礎鉄筋容量が大きくなるように、配筋されている。
このような構成によれば、基礎部材における、水平方向の基礎鉄筋容量に比べて、鉛直方向の基礎鉄筋容量が大きいので、基礎部材による、耐圧版と水平抵抗部材との一体性を高めることにより、地震が生じて杭の杭頭部に曲げモーメントが作用した際における、曲げモーメントに対する抵抗力を高めることができる。
【0008】
本発明の一態様においては、本発明の杭基礎構造は、上端が前記柱に、下端が前記基礎部材に、それぞれ埋設されるように、前記基礎部材と前記柱との間に上下方向に延在して設けられる芯鉄筋を更に備え、杭基礎構造において、柱と基礎部材が半剛接合されている場合には、前記柱は、下端がテーパー状に形成されることで傾斜表面を有し、かつ前記柱の下面は、前記基礎部材の上面に当接して、前記柱が前記基礎部材に対して傾動可能に設けられている。
このような構成によれば、柱と基礎部材との間に上下方向に延在する芯鉄筋を備えるとともに、柱の下端がテーパー状に形成されることで傾斜表面を有するように、柱を形成することで、柱の柱脚部を、基礎部材の上面に半剛接合した構造として、柱を基礎部材に対して傾動可能に設けることができる。これにより、柱と基礎部材との間に一定の柔軟性を確保しつつ、地震や振動に対する構造の耐久性と安定性を向上することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、地下階の躯体量と地盤の掘削量を抑えて容易に施工することが可能な、構造安全性に優れた杭基礎構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る杭基礎構造を備えた建物の構成を示す図である。
図1のI-I部分の構造床梁伏せ図である。
図2のII-II矢視部分の縦断面図である。
図2のIII-III矢視部分の縦断面図である。
図3のIV-IV矢視部分の横断面図である。
図4のV-V矢視部分の横断面図である。
図3のVI-VI矢視部分の横断面図である。
図3のVII-VII矢視部分の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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