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公開番号2025109184
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-24
出願番号2024226891
出願日2024-12-24
発明の名称建築物風騒音の簡易評価方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類G01H 3/00 20060101AFI20250716BHJP(測定;試験)
要約【課題】風騒音を簡易的に、かつ、正確に評価することができる評価方法を提供すること。
【解決手段】簡易純音度と、簡易純音度と騒音レベルの合計値とを基準値とする風騒音指標を定め、風洞試験室で試験体ありと試験体なしにおける1/nオクターブバンド周波数(nは、1~24の自然数)ごとの音圧レベル値と騒音レベルとを測定し、試験体ありと試験体なしの音圧レベル値の差分(あり-なし)が規定値を超える場合に、試験体ありの音圧レベル値から簡易純音度(PR’)または補正済簡易純音度(PR’r)を求め、簡易純音度または補正済簡易純音度の最大値(PR’M)と、簡易純音度または補正済簡易純音度の最大値と試験体ありの騒音レベルとの合計値(PR’M+LA)を、風騒音指標に基づいてランク付けすることを特徴とする建築物風騒音の簡易評価方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
簡易純音度と、簡易純音度と騒音レベルの合計値とを基準値とする風騒音指標を定め、
風洞試験室で試験体ありと試験体なしにおける1/nオクターブバンド周波数(nは、1~24の自然数)ごとの音圧レベル値と騒音レベルとを測定し、試験体ありと試験体なしの音圧レベル値の差分(あり-なし)が規定値を超える場合に、
試験体ありの全ての音圧レベル値について、中心周波数(f

)の上下の中心周波数(f
k-1
、f
k+1
)の算術平均値(L
ave_k
=(L
k+1
+L
k-1
)/2)を算出し、
前記算術平均値(L
ave_k
)から中心周波数(f

)における音圧レベル値(L

)を引いた数値(ΔL

=L
ave_k
-L

)を小数第一位で四捨五入した整数として求め、
(1)連続する前記数値(ΔL

)が正、負、負、正の順に並ぶ箇所(ただし負のうち1つは0であってもよい)がない場合には、試験体ありの音圧レベル値から下記式1に基づいて簡易純音度(PR’)を求め、
TIFF
2025109184000030.tif
21
170
(ただし、


’:1/nオクターブバンド中心周波数(fM)における音圧レベル(dB)


’:fMの1つ低周波帯の1/nオクターブバンド中心周波数(fL)における音圧レベル(dB)


’:fMの1つ高周波体の1/nオクターブバンド中心周波数(fU)における音圧レベル(dB))
(2)連続する前記数値(ΔL

)が正、負、負、正の順に並ぶ箇所(ただし負のうち1つは0であってもよい)がある場合には、この4つの周波数帯域における試験体ありの音圧レベル値から下記式2に基づいて補正済簡易純音度(PR’r)を求め、
TIFF
2025109184000031.tif
20
170
(ただし、4つの周波数帯域の中心周波数が順にf
L-1
、f

、f

、f
U+1
であり、

MS
’:下記式3により求められる1/nオクターブバンド中心周波数がf

とf

における音圧レベルの合成値(dB)

L-1
’:1/nオクターブバンド中心周波数(f
L-1
)における音圧レベル(dB)

U+1
’:1/nオクターブバンド中心周波数(f
U+1
)における音圧レベル(dB)
TIFF
2025109184000032.tif
21
170


:1/nオクターブバンド中心周波数(f

)における音圧レベル(dB)


:1/nオクターブバンド中心周波数(f

)における音圧レベル(dB))
前記簡易純音度または前記補正済簡易純音度の最大値(PR’
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
簡易純音度と、簡易純音度と騒音レベルの合計値とを基準値とする風騒音指標を定め、
実際の建築物に対する風当たり音に関する1/nオクターブバンド周波数(nは、1~24の自然数)ごとの音圧レベル値と騒音レベルを測定し、
全ての音圧レベル値について、中心周波数(f

)の上下の中心周波数(f
k-1
、f
k+1
)の算術平均値(L
ave_k
=(L
k+1
+L
k-1
)/2)を算出し、
前記算術平均値(L
ave_k
)から中心周波数(f

)における音圧レベル値(L

)を引いた数値(ΔL

=L
ave_k
-L

)を小数第一位で四捨五入した整数として求め、
(1)連続する前記数値(ΔL

)が正、負、負、正の順に並ぶ箇所(ただし負のうち1つは0であってもよい)がない場合には、前記音圧レベル値から下記式1に基づいて前記風当たり音の簡易純音度(PR’)を算出し、
TIFF
2025109184000033.tif
21
170
(ただし、


’:1/nオクターブバンド中心周波数(fM)における音圧レベル(dB)


’:fMの1つ低周波帯の1/nオクターブバンド中心周波数(fL)における音圧レベル(dB)


’:fMの1つ高周波体の1/nオクターブバンド中心周波数(fU)における音圧レベル(dB))
(2)連続する前記数値(ΔL

)が正、負、負、正の順に並ぶ箇所(ただし負のうち1つは0であってもよい)がある場合には、この4つの周波数帯域における試験体ありの音圧レベル値から下記式2に基づいて補正済簡易純音度(PR’r)を求め、
TIFF
2025109184000034.tif
20
170
(ただし、4つの周波数帯域の中心周波数が順にf
L-1
、f

、f

、f
U+1
であり、

MS
’:下記式3により求められる1/nオクターブバンド中心周波数がf

とf

における音圧レベルの合成値(dB)

L-1
’:1/nオクターブバンド中心周波数(f
L-1
)における音圧レベル(dB)

U+1
’:1/nオクターブバンド中心周波数(f
U+1
)における音圧レベル(dB)
TIFF
2025109184000035.tif
21
170


:1/nオクターブバンド中心周波数(f

)における音圧レベル(dB)


:1/nオクターブバンド中心周波数(f

)における音圧レベル(dB))
前記簡易純音度または前記補正済簡易純音度の最大値(PR’
【請求項3】
nが、3、6、9、12のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の建築物風騒音の簡易評価方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の建築物風騒音の簡易評価方法によって得られた評価をフィードバックして、建築物の設計を繰り返し、風騒音を低減した建築物を設計することを特徴とする建築物設計方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物によって生ずる風騒音の簡易評価方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
純音とは単一の正弦波からなる音である。風騒音には、純音に類似した狭い周波数帯域において他帯域よりも音圧レベルが突出する特徴があり、広帯域の騒音と比較して耳障りな印象を強く受けるため、その軽減が強く求められている。
建築分野では、多くの建築物の設計図書において、風騒音が発生するかどうか、発生する風騒音が聴感上の印象として問題になりやすい程度であるかどうかを検討することが要請されている。しかし、建築物に関する風騒音の測定や評価方法は、学会などから提案された確立された手法がないのが実情である。そのため、風騒音の評価は、風洞試験室で外装材の実物や一部を切り出したモックアップ模型(モデル)に、様々な風向・風速で風を当てた際の音を建築物の施主等に聞かせて、良し悪しをその場で判断する方法で行われている。
この方法は、測定対象となる風向・風速の条件が多く検討に時間を要するとともに、評価経験の無いまたは少ない施主等による官能評価であり、評価結果の信頼性が高いとは言い難かった。また、建築物を実際に利用する居住者等は、通常、この評価に参加する機会が無いため、実際に居住した後に風騒音が問題となる場合がある。
【0003】
本発明者らは、特許文献1において、風騒音を客観的に評価する評価方法を提案している。特許文献1に記載の方法により、純音性の風騒音を客観的に評価することができ、風騒音の少ない設計への変更等が可能である。
ここで、様々な周波数の音を含む実際の騒音の中から、純音性の高い騒音を選出する方法としては、ISO/PAS 20065:2016(非特許文献1)の方法が確立している。この方法は、純音性可聴度(TA:Tonal Audibility)を用いて純音性の高い音を選出するものであり、音圧レベルが近接する周波数帯の音よりも突出している、すなわち、周波数-音圧レベルスペクトルにおいて、一定以上の傾きが必要である。
【0004】
実際の風騒音には、純音性可聴度の低い、すなわち、純音よりもやや広い帯域の騒音もある。このような騒音は、周波数-音圧レベルスペクトルで山形のピークを有しており、その傾きが不足して、非特許文献1に記載の方法では選出できない場合がある。そして、特許文献1の方法では、このような山形のピークを有する騒音は、その評価フローにおいて、C工程で「凸の傾きが規定値以下のため検討不要(特許文献1の図1参照)」となり、風騒音を評価することができなかった。
【0005】
顕著な離散周波数音の検出方法の一つとして、純音度(PR:Prominence Ratio)が知られている(非特許文献2)。この方法により純音性の低い山形ピークを検出することができるが、この方法は風騒音をスペクトル分析するものであり、専門プログラムを搭載した高性能PC等が必要である。なお、特許文献1に記載の方法も、純音性の高い騒音を選出するためにスペクトルデータの処理が必要なため、簡易的に風騒音を評価することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6768479号公報
【非特許文献】
【0007】
ISO/PAS 20065:2016:Acoustics-Objective method for assessing the audibility of tones in noise-Engineering method.2016
JIS X7779:2012(ISO X7779:2010)音響-情報技術装置から放射される空気伝搬騒音の測定 附属書D(参考)顕著な離散周波数音の特定及び評価
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、ある1/nオクターブバンド中心周波数の音圧レベルが、上下に隣接する周波数帯の音圧レベルからどれだけ突出しているかを表す指標である簡易純音度(PR’)により、純音性可聴度(TA)では選出することのできない山形のピークであっても選出することができ、これにより風騒音を評価する方法を見出した。
しかし、さらに検討を重ねたところ、簡易純音度(PR’)は、風騒音のピーク周波数が1/nオクターブバンド中心周波数付近に生じたときと、2帯域の1/nオクターブバンド中心周波数の中間付近に生じたときとで、著しくその値にズレが生じてしまうことを発見した。これは、風騒音が2帯域の1/nオクターブバンド中心周波数に分割されて算出されてしまうためである。
【0009】
本発明者らは、鋭意研究の結果、これを補正する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、風騒音を簡易的に、かつ、正確に評価することができる評価方法を提供することを課題とする。また、本発明は、純音よりも広い帯域を有する風騒音を評価することができる評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.簡易純音度と、簡易純音度と騒音レベルの合計値とを基準値とする風騒音指標を定め、
風洞試験室で試験体ありと試験体なしにおける1/nオクターブバンド周波数(nは、1~24の自然数)ごとの音圧レベル値と騒音レベルとを測定し、試験体ありと試験体なしの音圧レベル値の差分(あり-なし)が規定値を超える場合に、
試験体ありの全ての音圧レベル値について、中心周波数(f

)の上下の中心周波数(f
k-1
、f
k+1
)の算術平均値(L
ave_k
=(L
k+1
+L
k-1
)/2)を算出し、
前記算術平均値(L
ave_k
)から中心周波数(f

)における音圧レベル値(L

)を引いた数値(ΔL

=L
ave_k
-L

)を小数第一位で四捨五入した整数として求め、
(1)連続する前記数値が正、負、負、正の順に並ぶ箇所(ただし負のうち1つは0であってもよい)がない場合には、試験体ありの音圧レベル値から下記式1に基づいて簡易純音度(PR’)を求め、
TIFF
2025109184000002.tif
21
170
(ただし、


’:1/nオクターブバンド中心周波数(fM)における音圧レベル(dB)


’:fMの1つ低周波帯の1/nオクターブバンド中心周波数(fL)における音圧レベル(dB)


’:fMの1つ高周波体の1/nオクターブバンド中心周波数(fU)における音圧レベル(dB))
(2)連続する前記数値(ΔL

)が正、負、負、正の順に並ぶ箇所(ただし負のうち1つは0であってもよい)がある場合には、この4つの周波数帯域における試験体ありの音圧レベル値から下記式2に基づいて補正済簡易純音度(PR’r)を求め、
TIFF
2025109184000003.tif
20
170
(ただし、4つの周波数帯域の中心周波数が順にf
L-1
、f

、f

、f
U+1
であり、

MS
’:下記式3により求められる1/nオクターブバンド中心周波数がf

とf

における音圧レベルの合成値(dB)

L-1
’:1/nオクターブバンド中心周波数(f
L-1
)における音圧レベル(dB)

U+1
’:1/nオクターブバンド中心周波数(f
U+1
)における音圧レベル(dB)
TIFF
2025109184000004.tif
21
170


:1/nオクターブバンド中心周波数(f

)における音圧レベル(dB)


:1/nオクターブバンド中心周波数(f

)における音圧レベル(dB))
前記簡易純音度または前記補正済簡易純音度の最大値(PR’
(【0011】以降は省略されています)

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