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公開番号2025098629
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214890
出願日2023-12-20
発明の名称セグメントのボルトボックスの閉塞構造と閉塞方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 11/08 20060101AFI20250625BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】ボルトボックスを閉塞する閉塞部材の落下の恐れがなく、閉塞効率に優れている、セグメントのボルトボックスの閉塞構造と閉塞方法を提供する。
【解決手段】隣接するセグメント10,10をボルト接合するボルト30が配設される、セグメント10に設けられているボルトボックスの閉塞構造100であり、ボルトボックス20の地山側の底面12に直接的もしくは間接的に固定され、ボルトボックス20の内部に突設している軸体41と、軸体41が挿通される貫通孔55を備えているブロック体50と、軸体41が貫通孔55を貫通しているブロック体50を軸体41に固定する、固定部材45とを有し、ボルトボックス20の内部にブロック体50が収容されて固定されることにより、ボルトボックス20の内部が閉塞される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
隣接するセグメントをボルト接合するボルトが配設される、セグメントに設けられているボルトボックスの閉塞構造であって、
前記ボルトボックスの地山側の底面に直接的もしくは間接的に固定され、該ボルトボックスの内部に突設している、軸体と、
前記軸体が挿通される貫通孔を備えている、ブロック体と、
前記軸体が前記貫通孔を貫通している前記ブロック体を該軸体に固定する、固定部材とを有し、
前記ボルトボックスの内部に前記ブロック体が収容されて固定されることにより、該ボルトボックスの内部が閉塞されることを特徴とする、セグメントのボルトボックスの閉塞構造。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
複数の前記ブロック体が、それぞれの貫通孔を連通させた状態で積層されて前記ボルトボックスの内部に収容され、複数の該ブロック体の連通する該貫通孔を前記軸体が貫通しており、
前記軸体はネジ付きボルトであり、
前記固定部材は固定用ナットであり、
積層する複数の前記ブロック体を貫通した前記ネジ付きボルトに対して、1つの前記固定用ナットが締め付けられることにより、全ての該ブロック体が固定されていることを特徴とする、請求項1に記載のセグメントのボルトボックスの閉塞構造。
【請求項3】
複数の前記ブロック体が、それぞれの貫通孔を連通させた状態で積層されて前記ボルトボックスの内部に収容され、複数の該ブロック体の連通する該貫通孔を前記軸体が貫通しており、
前記軸体はネジ付きボルトであり、
前記固定部材は固定用ナットであり、
前記ブロック体における前記貫通孔の周囲には座刳り溝が設けられており、
それぞれの前記ブロック体ごとに、前記貫通孔を貫通した前記ネジ付きボルトが固有の前記固定用ナットにて締め付けられ、該固定用ナットは前記座刳り溝に収容され、各ブロック体が固有の該固定用ナットにて固定されていることを特徴とする、請求項1に記載のセグメントのボルトボックスの閉塞構造。
【請求項4】
前記ネジ付きボルトは全ネジボルトであり、
鋼製の前記底面に基部ナットが固定されており、
前記基部ナットに対して、前記全ネジボルトにより形成される前記軸体が螺合されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載のセグメントのボルトボックスの閉塞構造。
【請求項5】
前記ボルトボックスの内部と前記ブロック体との間の隙間に、充填材が充填されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載のセグメントのボルトボックスの閉塞構造。
【請求項6】
隣接するセグメントをボルト接合するボルトが配設される、セグメントのボルトボックスの閉塞方法であって、
隣接するセグメントを双方の前記ボルトボックスを利用して前記ボルトによりボルト接合する、A工程と、
前記ボルトボックスの地山側の底面に直接的もしくは間接的に軸体を固定し、該軸体を該ボルトボックスの内部に突設させる、B工程と、
貫通孔を備えているブロック体の該貫通孔に前記軸体を貫通させて前記ボルトボックスの内部に該ブロック体を収容し、固定部材により、該ブロック体を該軸体に固定し、該ボルトボックスの内部を該ブロック体により閉塞する、C工程とを有することを特徴とする、セグメントのボルトボックスの閉塞方法。
【請求項7】
少なくとも、前記ボルトボックスの内部と前記ブロック体との間の隙間に、充填材を充填する、D工程をさらに有することを特徴とする、請求項6に記載のセグメントのボルトボックスの閉塞方法。
【請求項8】
前記セグメントのうち、前記ボルトボックス以外の領域のトンネル内空側には、表面が平滑な二次覆工が設けられており、
前記ボルトボックスのトンネル内空側に、表面が平滑な二次覆工を形成する、E工程をさらに有することを特徴とする、請求項6又は7に記載のセグメントのボルトボックスの閉塞方法。
【請求項9】
前記ボルトボックスの前記底面に対して、位置決め用定規を利用して基部ナットを固定しておき、
前記位置決め用定規は、
前記ボルトボックスの前記底面に設置された際に、前記基部ナットが固定されるべき位置を規定する、位置規定部を有し、
前記基部ナットを、前記位置規定部に位置決めして前記底面に固定し、
前記B工程では、前記底面に固定されている前記基部ナットに対して前記軸体であるネジ付きボルトを螺合して固定することを特徴とする、請求項8に記載のセグメントのボルトボックスの閉塞方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメントのボルトボックスの閉塞構造と閉塞方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
鋼製セグメントやコンクリート系セグメント(RC(Reinforced Concrete)セグメントや、鋼殻とコンクリートが合成された合成セグメント)のセグメント継手やリング継手には、所謂ワンパス方式の継手や、ボルトボックスを用いた継手など、様々な形式の継手が存在する。その中で、ボルトボックスを用いた継手は、下水トンネルや雨水トンネル等において、トンネルの内部から径方向外側へ向かう流体圧等が作用し、この流体圧に起因してセグメントに周方向の引張力(リングテンション)が生じる場合に、セグメント同士をボルトボックスを用いたボルト接合により強固に接続することのできる継手である。
【0003】
隣接するセグメント同士をボルトボックスを備えたセグメント継手により接合する場合は、例えば、一方のセグメントのセグメント継手にインサートナットが設けられ、他方のセグメント継手にボルトボックスが設けられる。ボルトボックスのうち、セグメント継手面に臨む側面にはボルト孔が設けられており、ボルトボックスの内部から相互に連通するボルト孔とインサートナットに対してボルトを締め付ける。対応するインサートナットとボルト孔の組合せは例えば複数あり、全てのインサートナットに対してボルトを締め付けた後、ボルトボックスの内部に固結材等を充填して閉塞する。
このように、ボルトボックスの内部を固結材等で閉塞することにより、ボルトボックスの内部にトンネル内の雨水や下水等が流入することを防止できる。
【0004】
しかしながら、ボルトボックスの内部を固結材等により閉塞する構造において、例えばボルトボックスがトンネルのスプリングラインよりも上方に位置する場合に、ボルトボックスを閉塞した固結材等の接着性がその重量に比べて小さいと、固結材等とボルトボックスとの間の接着が剥がれて脱落する恐れがある。
そこで、このような剥がれによる固結材等の脱落を確実に防止するべく、固結材として特殊材料を選定したり、手間のかかる施工が検討されることになるが、このような材料や施工方法の選定や施工そのものに時間と費用がかかるといった新たな課題が生じることになる。
さらに、ボルトボックスの内部に時間をかけて固結材等を充填し、必要に応じてボルトボックスの内面(トンネル内側面)に防食モルタル層を左官仕上げ等する一連の閉塞施工には時間がかかることから、閉塞施工の際の施工性の低下が課題としてあり、ボルトボックスが大きくなるに従い、この課題は一層顕著になる。
以上より、ボルトボックスを閉塞する閉塞部材の落下の恐れがなく、閉塞効率に優れている、セグメントのボルトボックスの閉塞構造と閉塞方法が望まれる。
【0005】
ここで、特許文献1には、コンクリートセグメントにおける継手凹所の閉塞構造が提案されている。この閉塞構造は、連結するコンクリートセグメントの接合端面に埋設された継手部材同士を合わせるとともに、双方の継手部材の内側に形成された継手凹所のうちの一方から両継手部材に貫通させたボルトでこれら継手部材同士を締結した後、各継手凹所を、継手凹所が形成されたセグメント内面に沿って略平坦に閉塞する構造である。継手凹所の開口周縁が略矩形状に形成され、この周縁の相対向する2組の辺部のうちの一方の組の辺部に、継手凹所の底部側に向けて広がるアンダーカット状の切欠きが形成されることにより係合部が設けられ、盤状の閉塞蓋を開口に配してからセグメント内面に沿って略90度回転させることにより、閉塞蓋の周部を係合部に係合させ、その状態で閉塞蓋の表面がセグメント内面と略面一となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平7-305595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載される閉塞構造は、盤状の閉塞蓋を開口に配してからセグメント内面に沿って略90度回転させることにより、閉塞蓋の周部を係合部に係合させるとしているが、ボルトボックスが一般の直方体状の箱型の場合に、このように閉塞蓋を回転させて閉塞することは極めて難しく、従って一般のボルトボックスへの適用には不向きであるものと解される。
また、特許文献1では、蓋の内部をモルタルで充填するとしているが、特に上向き作業でモルタルを充填する場合、モルタルを空隙なく充填するのは極めて難しく、上部には往々にしてエア溜まりが生じ易い。
また、特に上向き作業でモルタルを充填する場合は、モルタルを充填した際の漏出が課題としてあり、セグメントの養生や清掃に多くの手間を要することになる。
また、ボルトボックスへのモルタルの充填はシールド掘進後に行われることが多いことから、モルタル材料の坑内への運搬や残モルタルの処理、作液・充填設備の清掃後の排水処理が難しいといった課題もある。
さらに、コンクリートブロックの取付けはシールド掘進の一連の作業として、シールド掘進と並行してシールド工で容易に設置が可能であるが、モルタル充填では上記の課題があることから、シールド掘進と並行して作業することができず、そのために追加の工程が必要になるといった課題もある。
【0008】
本発明は、ボルトボックスを閉塞する閉塞部材の落下の恐れがなく、閉塞効率に優れている、セグメントのボルトボックスの閉塞構造と閉塞方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明によるセグメントのボルトボックスの閉塞構造の一態様は、
隣接するセグメントをボルト接合するボルトが配設される、セグメントに設けられているボルトボックスの閉塞構造であって、
前記ボルトボックスの地山側の底面に直接的もしくは間接的に固定され、該ボルトボックスの内部に突設している、軸体と、
前記軸体が挿通される貫通孔を備えている、ブロック体と、
前記軸体が前記貫通孔を貫通している前記ブロック体を該軸体に固定する、固定部材とを有し、
前記ボルトボックスの内部に前記ブロック体が収容されて固定されることにより、該ボルトボックスの内部が閉塞されることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、ボルトボックスの内部に突設している軸体がブロック体の貫通孔を貫通し、固定部材がブロック体を軸体に固定することによりボルトボックスの内部が閉塞されることから、ボルトボックスを閉塞する閉塞部材の落下の恐れはなく、ボルトボックスを閉塞する際の閉塞効率に優れた閉塞構造となる。
ここで、ボルトボックスを備えたセグメントとしては、鋼製セグメントやコンクリート系セグメント(合成セグメント含む)等を挙げることができ、セグメントの内側の表面(トンネル内面)に樹脂モルタル(防食モルタル)による二次覆工が設けられているセグメント等も含まれる。
トンネルが雨水トンネルや下水トンネル、貯水トンネル等である場合に、表面に樹脂モルタルによる二次覆工が設けられていることにより、樹脂モルタルが防食層を形成するとともに、樹脂モルタルが表面の平滑性を保証することからスムーズな流水に寄与する。
(【0011】以降は省略されています)

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