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公開番号
2025099551
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2023216291
出願日
2023-12-21
発明の名称
室内被害推定システム
出願人
大成建設株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
G01V
1/01 20240101AFI20250626BHJP(測定;試験)
要約
【課題】地震動に基づく室内被害を精度よく推定することができる。
【解決手段】事前に実施する学習工程の結果に基づいて、室内被害状況を推定工程で推定する室内被害推定システムであって、什器認識用モデルを用いて前記室内画像に写る什器を認識し、什器の種類、位置および寸法を推定する室内什器推定工程S23と、地震発生時から第1時点までの時刻歴応答波形を学習済みの床応答推定用モデルに入力することによって、当該第1時点から第2時点までの時刻歴応答波形を予測する時刻歴応答波形予測工程S24と、応答挙動情報と、室内の推定した什器の種類、位置および寸法と、第1時点から第2時点までの予測した時刻歴応答波形とに基づいて、第1時点から第2時点までの前記什器の時刻毎の挙動を求める什器挙動推定工程S25とを有する。
【選択図】図7
特許請求の範囲
【請求項1】
地震による建物内の室内被害状況を推定する、室内被害推定システムであって、
入力データを、什器の位置、及び3次元形状を表す什器情報データと、地震発生前後の什器を含む室内被害状況を表す室内画像データとし、前記入力データに対応する教師データとして、地震発生後の什器の挙動を含む室内被害状況データを学習データとして、畳み込みニューラルネットワークに基づいて深層学習された什器挙動推定部と、
入力データを、建物の位置、及び構造形態や階数を表す建物情報データと、過去の床単体の時刻歴波形データとし、前記入力データに対応する教師データとして、地震発生後の床単体の時刻歴波形データを学習データとして、LSTMネットワーク手法に基づいて深層学習された床応答推定用モデルと、
前記什器挙動推定部、及び前記床応答推定用モデルに、室内被害状況の推定対象となる什器情報データと地震情報データを入力して、地震発生後の床単体の時刻歴応答、及び床応答を含んだ什器の移動量を予測する被害推定本体部を備え、
前記什器の移動量は、前記什器挙動推定部で得られる什器単体の挙動、及び前記床応答推定用モデルで得られる床単体の時刻歴応答を用いて、合成スペクトルを作成した後、前記合成スペクトルに対して順および逆フーリエ変換を行い、床応答を含んだ什器の移動量から揺れやすさの周期特性を算定することを特徴とする室内被害推定システム。
続きを表示(約 300 文字)
【請求項2】
前記被害推定本体部では、第1時点から第2時点までの予測した時刻歴応答波形と、什器単体での挙動とを用いて合成スペクトルを作成した後、前記合成スペクトルに対して逆フーリエ変換を行い、前記時刻歴応答波形の影響を考慮した前記什器の移動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の室内被害推定システム。
【請求項3】
前記被害推定本体部では、時刻歴応答波形の加速度に什器の質量を乗じた荷重が床と什器との間に作用する動摩擦力を上回った場合に、什器単体での挙動に動摩擦力による滑り量分を付加して、前記什器の移動量を増大させることを特徴とする請求項1に記載の室内被害推定システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震による建物内の室内被害状況を推定する室内被害推定システムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
地震直後の建物の健全性評価を速やかに行う構造ヘルスモニタリングシステムが知られている。構造ヘルスモニタリングシステムは、総合建設業主導で普及および展開を図っており、企業等への導入が開始されている。構造ヘルスモニタリングシステムによれば、地震観測や建物の健全性評価が速やかに行われるので、地震直後の企業BCP(Business Continuity Planning)の一助となる。しかし、構造体が安全でも居住者の安全が担保されるとは限らない。その理由として、例えば室内に置かれている本棚や机などの什器が固定されていないことが挙げられる。什器が固定されていない場合、地震の揺れによる移動や転倒のリスクが高く、人への直接的な危害のほか、出入口の封鎖による避難阻害を与える可能性も少なくない。
【0003】
既往の研究として、1990年代には家具の転倒調査から転倒率と床応答の関係性についての論文があった(非特許文献1参照)。
また、2011年の東日本大震災に関するアンケート調査(非特許文献2参照)等により、超高層建物における家具の転倒が確認されたため、それ以降の2015年頃までは家具の転倒による被害推定の論文(非特許文献3参照)や、実験による家具の地震時挙動シミュレーションの論文(非特許文献4,5参照)が主流であった。
その後の研究としては家具の地震時の3Dシミュレーションを学習し、CNNによる室内被害の研究(非特許文献6参照)がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
翠川 三郎,佐藤 俊明,松岡 昌志、「1993年釧路沖地震での釧路市役所および釧路気象台での家具の転倒調査(家具転倒率と設置状態の関係)」、日本建築学会構造系論文集 59巻 461号、日本建築学会、p.11-17、1994年7月
肥田 剛典,永野 正行、「アンケート調査と強震記録に基づく2011年東北地方太平洋沖地震時における超高層集合住宅の室内被害-不安度と行動難度および家具の転倒率の検討-」、日本建築学会構造系論文集 第77巻 第677号、日本建築学会、p.1065-1072、2012年7月
金子 美香、「家具の転倒率関数を用いた住宅内の地震被害推定」、日本建築学会構造系論文集 第78巻 第693号、日本建築学会、p.1879-1886、2013年11月
松下 卓矢、他5名、「振動台実験に基づく地震時室内被災状況のモニタリング技術とシミュレーションの開発」、日本建築学会技術報告集 第19巻 第43号、日本建築学会、p.871-874、2013年10月
磯部 大吾郎、他5名、「有限要素法を用いた地震時における家具の挙動解析」、日本建築学会構造系論文集 第80巻 第718号、日本建築学会、p.1891-1900、2015年12月
松本 雄馬,肥田 剛典,糸井 達哉、「3D モデル画像をデータセットとした畳み込みニューラルネットワークによる地震時室内被災度判定」、日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)、日本建築学会、pp.221-222、2021年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来、什器の動きのみで室内被害を検討しており、そのため地震動が異なった場合は、什器の動きの予測がつかないという課題があった。つまり、床の動きとの相互作用を考慮していないので、地震動に基づく室内被害を精度よく推定することが難しかった。
【0006】
このような観点から、本発明は、地震動に基づく室内被害を精度よく推定することができる室内被害推定システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、地震による建物内の室内被害状況を推定する室内被害推定システムであって、入力データを、什器の位置、及び3次元形状を表す什器認識用モデル(什器情報データ)と、地震発生前後の什器を含む室内被害状況を表す室内画像データとし、前記入力データに対応する教師データとして、地震発生後の什器の挙動を含む室内被害状況データを学習データとして、畳み込みニューラルネットワークに基づいて深層学習された什器挙動推定部と、入力データを、建物の位置、及び構造形態や階数を表す質点系モデル(建物情報データ)と、過去の床単体(加速度と変位)の時刻歴波形データとし、前記入力データに対応する教師データとして、地震発生後の床単体の時刻歴波形データを学習データとして、LSTMネットワーク手法に基づいて深層学習された床応答推定用モデルと、前記什器挙動推定部、及び前記床応答推定用モデルに、室内被害状況の推定対象となる什器情報データと地震情報データを入力して、地震発生後の床単体の時刻歴応答、及び床応答を含んだ什器の移動量を予測する被害推定本体部を備え、前記什器の移動量は、前記什器挙動推定部で得られる什器単体の挙動、及び前記床応答推定用モデルで得られる床単体の時刻歴応答を用いて、合成スペクトルを作成した後、前記合成スペクトルに対して順および逆フーリエ変換を行い、床応答を含んだ什器の移動量から揺れやすさの周期特性を算定することを特徴とする。
【0008】
前記被害推定本体部では、第1時点から第2時点までの予測した時刻歴応答波形と、什器単体での挙動とを用いて合成スペクトルを作成した後、前記合成スペクトルに対して逆フーリエ変換を行い、前記時刻歴応答波形の影響を考慮した前記什器の移動量を算出してもよい。
【0009】
また、前記被害推定本体部では、時刻歴応答波形の加速度に什器の質量を乗じた荷重が床と什器との間に作用する動摩擦力を上回った場合に、什器単体での挙動に動摩擦力による滑り量分を付加して、前記什器の移動量を増大させてもよい。
このようにすると、床と什器との間の摩擦力の影響を考慮した実現象に即した、床応答に適応する什器の移動量を推定できる。
【0010】
また、本発明に係る室内被害推定システムでは、事前に実施する学習工程の結果に基づいて、室内被害状況を推定工程で推定するシステムである。学習工程は、学習準備工程と、応答解析工程と、時刻歴応答波形学習工程と、を有する。推定工程は、推定準備工程と、推定用情報取得工程と、室内什器推定工程と、時刻歴応答波形予測工程と、什器挙動推定工程と、を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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