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公開番号2025084181
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023197863
出願日2023-11-22
発明の名称免震基礎構造、及び免震基礎構造の構築方法
出願人大成建設株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20250527BHJP(建築物)
要約【課題】免震装置が設けられる下側の基礎を、部分的に、プレキャストコンクリート造とするに際し、施工期間を低減しつつ、強固な構造を実現可能な、免震基礎構造、及び免震基礎構造の構築方法を提供する。
【解決手段】免震基礎構造1は、免震装置5が設置される免震基礎構造1であって、コンクリート造の基盤部3と、基盤部3の上方の位置に設置され、上面4tに免震装置5が設けられる、プレキャストコンクリート造の免震基礎部4と、基盤部3と免震基礎部4の間にコンクリート61cを後打ちすることで構築されている、後打ち基礎部6と、を備え、免震基礎部4は、上側端部42aが埋設された鉛直鉄筋42を備え、鉛直鉄筋42の下側端部42bは当該免震基礎部4の下面4dから突出して、後打ち基礎部6に埋設されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
免震装置が設置される免震基礎構造であって、
コンクリート造の基盤部と、
前記基盤部の上方の位置に設置され、上面に前記免震装置が設けられる、プレキャストコンクリート造の免震基礎部と、
前記基盤部と前記免震基礎部の間にコンクリートを後打ちすることで構築されている、後打ち基礎部と、
を備え、
前記免震基礎部は、コンクリート部と、当該コンクリート部に上側端部が埋設された鉛直鉄筋と、を備え、前記鉛直鉄筋の下側端部は、前記コンクリート部の下面から突出して、前記後打ち基礎部に埋設されている
ことを特徴とする免震基礎構造。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記基盤部は、上面から下方へと窪んで形成された凹部を備え、前記免震基礎部は、前記凹部の位置に、前記下面が前記基盤部の前記上面よりも下方に位置するように設けられ、
前記後打ち基礎部を形成する前記コンクリートは、前記凹部の、前記免震基礎部の前記下面よりも上方の高さまで打設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の免震基礎構造。
【請求項3】
免震装置が設置される免震基礎構造の構築方法であって、
コンクリート造の基盤部の上方の位置に、コンクリート部と、当該コンクリート部に上側端部が埋設されて下側端部が前記コンクリート部の下面から突出するように設けられた鉛直鉄筋と、を備える、プレキャストコンクリート造の免震基礎部を設置する工程と、
前記基盤部と前記免震基礎部との間に、前記鉛直鉄筋の前記下側端部を埋設するように、コンクリートを後打ちして後打ち基礎部を構築して、前記基盤部、前記後打ち基礎部、及び前記免震基礎部を一体化させる工程と、
前記免震基礎部の上面に前記免震装置を設置する工程と、
を含むことを特徴とする免震基礎構造の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、免震装置が設置される免震基礎構造、及び免震基礎構造の構築方法に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
建築構造物を施工する場合に、地震等が生じた際に振動を抑制させるように、基礎に免震装置を設けて免震基礎構造を構築することが、広く行われている。
例えば、特許文献1には、地盤上に構築された下部基礎と、下部基礎の上方に間隔をあけて設けられた上部基礎と、下部基礎と上部基礎との間に設けられた免震装置と、を備える構成が記載されている。この構成において、下部基礎は、現場打ちコンクリートにより形成されている。
このような免震基礎構造を、より短い施工期間で構築するために、免震装置が設けられる下側の基礎を、部分的に、プレキャストコンクリート造とすることがある。
これに関し、特許文献2には、下部躯体の上に設けられた下部免震基礎と、下部免震基礎の上に設けられた免震装置と、免震装置の上に設けられた上部免震基礎と、を備え、下部免震基礎が、プレキャストコンクリート造である構成が記載されている。この構成において、下部躯体を現場で構築した後、下部躯体上に下部免震基礎を設置している。
特許文献2に記載された構成においては、下部免震基礎はグラウトを挟んで下部躯体の上に設けられたのみの状態となっており、下部免震基礎と下部躯体とは、強固に接合されている構成とはなっていない。免震装置が設けられる下側の基礎を、部分的に、プレキャストコンクリート造とする場合においては、プレキャストコンクリート造の部分と、それ以外の、現場でコンクリートを打設することで構築された部分とを一体化させて、構造をより強固なものとするのが望ましい。
【0003】
これに関し、特許文献3には、基礎の内部に配筋された複数の鉄筋の一部が基礎上面から上方へ延び、基礎ブロックの底面に開口する受入部に挿入された構成が記載されている。この構成においては、基礎上面から鉛直方向へ延びる複数の鉄筋を備える基礎をコンクリートで打設した後、鉄筋を、基礎ブロックの底面に開口する受入部に挿入して基礎ブロックを設置している。
特許文献3のような構成においては、基礎ブロックを設置するに際し、複数の受入部の各々に、基礎上面から突出して設けられた鉄筋を挿入する必要があるため、鉄筋の各々を、受入部の位置にあわせて、精度よく配筋しなければならない。したがって、施工に多くの時間を必要とする。
免震装置が設けられる下側の基礎を、部分的に、プレキャストコンクリート造とするに際し、施工期間を低減しつつ、強固な構造を実現することが、望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6628588号公報
特許第7165548号公報
特開2020-101045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、免震装置が設けられる下側の基礎を、部分的に、プレキャストコンクリート造とするに際し、施工期間を低減しつつ、強固な構造を実現可能な、免震基礎構造、及び免震基礎構造の構築方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、免震装置を設置する免震基礎構造として、基盤部に配筋されたコンクリート造の基盤部に受架台を設置し、その上に鉛直鉄筋の下部材端を突出させたプレキャストコンクリート造の免震基礎部を設置する。そして、免震基礎部の下方側に鉛直鉄筋の下部材端を突出させた状態で、基盤部と免震基礎部との間にコンクリートを打設して後打ち基礎部を構築する。この方法により、鉛直鉄筋の下部材端は鉄筋継手を使用せずに後打ち基礎部に埋設されるため、後打ち基礎部と免震基礎部を強固に接合することができる。これが、本発明の特徴である。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の免震基礎構造は、免震装置が設置される免震基礎構造であって、コンクリート造の基盤部と、前記基盤部の上方の位置に設置され、上面に前記免震装置が設けられる、プレキャストコンクリート造の免震基礎部と、前記基盤部と前記免震基礎部の間にコンクリートを後打ちすることで構築されている、後打ち基礎部と、を備え、前記免震基礎部は、コンクリート部と、当該コンクリート部に上側端部が埋設された鉛直鉄筋と、を備え、前記鉛直鉄筋の下側端部は、前記コンクリート部の下面から突出して、前記後打ち基礎部に埋設されていることを特徴とする。
上記のような構成によれば、免震基礎構造は、基盤部と、基盤部の上方の位置に設置され、上面に免震装置が設けられる免震基礎部と、後打ち基礎部と、を備えている。後打ち基礎部は、基盤部と免震基礎部の間に構築されているため、免震基礎部の下方に位置している。この、免震基礎部と基盤部との間は、免震基礎部の、上側端部と下側端部の各々が免震基礎部のコンクリート部と後打ち基礎部にそれぞれ埋設されるように設けられた鉛直鉄筋によって、一体化されている。したがって、強固な構造を実現することができる。
ここで、後打ち基礎部は、基盤部の上方の位置に免震基礎部を設けた後に、基盤部と免震基礎部の間にコンクリートを後打ちすることで構築されている。したがって、コンクリートを後打ちして後打ち基礎部を構築する直前の段階においては、免震基礎部の鉛直鉄筋の下側端部が、コンクリート部の下面から突出するように、設けられた状態となっている。このため、基盤部と免震基礎部の間に、鉛直鉄筋を埋設するようにコンクリートを打設して後打ち基礎部を構築するだけで、鉛直鉄筋の下側端部が後打ち基礎部に埋設されて、上記のような、免震基礎部と後打ち基礎部とが鉛直鉄筋で一体化された構造を実現することができる。すなわち、例えば鉄筋の下端をコンクリートに埋設させ、上端をコンクリートから突出するように、コンクリートを現場打設した後に、その上にプレキャストコンクリート造の部材を、鉄筋の上端を受入穴等に挿入しつつ載置する場合のように、鉄筋を事前に、過剰に精度よく設ける必要がない。このようにして、免震基礎構造を容易に構築できるため、施工期間を低減することができる。
したがって、免震装置が設けられる下側の基礎を、部分的に、プレキャストコンクリート造とするに際し、施工期間を低減しつつ、強固な構造を実現可能な、免震基礎構造を提供することが可能となる。
【0007】
本発明の一態様においては、前記基盤部は、上面から下方へと窪んで形成された凹部を備え、前記免震基礎部は、前記凹部の位置に、前記下面が前記基盤部の前記上面よりも下方に位置するように設けられ、前記後打ち基礎部を形成する前記コンクリートは、前記凹部の、前記免震基礎部の前記下面よりも上方の高さまで打設されている。
このような構成によれば、基盤部の、上面から下方へと窪んで形成された凹部の位置に、免震基礎部の下面が基盤部の上面よりも下方に位置するように、免震基礎部が設けられており、後打ち基礎部を形成するコンクリートが、凹部の、免震基礎部の下面よりも上方の高さまで打設されている。このため、免震基礎部においては、少なくともその下面の全体が、後打ち基礎部を形成するコンクリートの中に位置せしめられて、当該コンクリートに接触した状態となっている。このようにして、免震基礎部の下面の全体が後打ち基礎部と面接合されるため、免震基礎部と後打ち基礎部との一体性が高められる。
また、後打ち基礎部が基盤部の凹部の内側に形成されるため、後打ち基礎部は基盤部によって、側方から拘束されている。更に、後打ち基礎部を形成するコンクリートが、免震基礎部の下面よりも上方の高さまで打設されることにより、免震基礎部の側面は、少なくともその下部が、後打ち基礎部のコンクリートによって、側方から拘束された状態となる。このようにして、基盤部と、後打ち基礎部、及び免震基礎部の間で、水平方向に作用する力が効率的に伝達される、より一体性が高められた免震基礎構造を、実現することができる。
【0008】
本発明の一態様においては、本発明の及び免震基礎構造の構築方法は、免震装置が設置される免震基礎構造の構築方法であって、コンクリート造の基盤部の上方の位置に、コンクリート部と、当該コンクリート部に上側端部が埋設されて下側端部が前記コンクリート部の下面から突出するように設けられた鉛直鉄筋と、を備える、プレキャストコンクリート造の免震基礎部を設置する工程と、前記基盤部と前記免震基礎部との間に、前記鉛直鉄筋の前記下側端部を埋設するように、コンクリートを後打ちして後打ち基礎部を構築して、前記基盤部、前記後打ち基礎部、及び前記免震基礎部を一体化させる工程と、前記免震基礎部の上面に前記免震装置を設置する工程と、を含むことを特徴とする。
上記のような構成によれば、後打ち基礎部は、基盤部の上方の位置に免震基礎部を設けた後に、基盤部と免震基礎部の間にコンクリートを後打ちすることで構築されている。このような構成においては、基盤部と免震基礎部の間に、上側端部が免震基礎部のコンクリート部に埋設されて、下側端部がコンクリート部の下面から突出するように設けられた、鉛直鉄筋を埋設するように、コンクリートを打設するだけで、免震基礎部と基盤部との間が鉛直鉄筋によって一体化された、強固な構造を実現できる。これにより、強固な構造を有した免震基礎構造を容易に構築できるため、施工期間を低減することができる。
したがって、免震装置が設けられる下側の基礎を、部分的に、プレキャストコンクリート造とするに際し、施工期間を低減しつつ、強固な構造を実現可能な、免震基礎構造を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、免震装置が設けられる下側の基礎を、部分的に、プレキャストコンクリート造とするに際し、施工期間を低減しつつ、強固な構造を実現可能な、免震基礎構造、及び免震基礎構造の構築方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る免震基礎構造の構成を示す縦断面図である。
本発明の実施形態に係る免震基礎構造のうち、免震基礎部、免震装置、及び上側基礎部のみが組み立てられた状態を示す正面図である。
図2の側面図である。
本発明の実施形態に係る免震基礎構造の構築方法の流れを示す図である。
免震基礎構造の構築方法を示す図であり、基盤部を構築した状態を示す縦断面図である。
免震基礎部を施工現場に搬入した状態を示す図である。
免震基礎部を持ち上げて傾斜させた状態を示す図である。
免震基礎部を立てた状態を示す図である。
図8に続く状態を示す図であり、免震基礎部を、上面を上方に向けた状態で吊り上げた状態を示す図である。
図9に続く状態を示す図であり、免震基礎部を、凹部内の受架台上に載置した状態を示す図である。
図10に続く状態を示す図であり、免震基礎部からワイヤ及びブラケットを撤去した状態を示す縦断面図である。
後打ち基礎部を構築して、基盤部、後打ち基礎部、及び免震基礎部を一体化した状態を示す縦断面図である。
上記実施形態の変形例における免震基礎構造における、免震基礎部と免震装置との接合部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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