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公開番号
2025113720
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-04
出願番号
2024008013
出願日
2024-01-23
発明の名称
トンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法とトンネルの拡幅施工方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
E21D
13/02 20060101AFI20250728BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約
【課題】切り開きによって形成される開口周りの開口補強材の仕様や設置範囲を低減もしくは省略することのできる、トンネルの拡幅施工方法と、この拡幅施工方法の設計段階で適用されるトンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法を提供する。
【解決手段】トンネルの拡幅施工が、切り開き工程と、拡幅工程とを備え、切り開き工程は、拡幅区間が複数に分割された分割区間を切り開き、拡幅工程は、分割区間の全部もしくは一部をその基端側から順に拡幅し、拡幅区間において、基端側の分割区間から順に切り開き工程と拡幅工程を繰り返して拡幅部を施工する、トンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法であり、分割区間を切り開いた際に、切り開かれた分割区間を挟む基端側分割区間と先端側分割区間に存在している、真円部もしくは施工済みの拡幅部に対して、切り開かれた分割区間に周辺地盤から作用する荷重の半分ずつを分配して設計荷重とする。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
既設トンネルの真円部からその側壁の一部を切り開いて、所定の拡幅区間の拡幅部を、施工が開始される基端側から施工が終了する先端側に向かって順に施工する、トンネルの拡幅施工が、切り開き工程と、拡幅工程とを備え、
前記切り開き工程は、前記拡幅区間が複数に分割された分割区間を切り開き、
前記拡幅工程は、前記分割区間の全部もしくは一部を、その基端側から順に拡幅し、
前記拡幅区間において、基端側の前記分割区間から順に、前記切り開き工程と前記拡幅工程を繰り返して前記拡幅部を施工する、トンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法であって、
前記分割区間を切り開いた際に、切り開かれた分割区間を挟む基端側と先端側にある基端側分割区間と先端側分割区間に存在している、前記真円部もしくは施工済みの前記拡幅部に対して、該切り開かれた分割区間に周辺地盤から作用する荷重の半分ずつを分配して設計荷重とすることを特徴とする、トンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記分割区間がセグメントの2リングの範囲であり、
前記真円部を構成するセグメントの1リングに作用する荷重を100%とした際に、
前記荷重が分配された後の前記先端側分割区間の前記真円部の分配後の設計荷重が、200%もしくは略200%に収束することを特徴とする、請求項1に記載のトンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法。
【請求項3】
前記荷重が分配された後の前記基端側分割区間の前記拡幅部の分配後の設計荷重が、100%もしくは略100%に収束することを特徴とする、請求項2に記載のトンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法。
【請求項4】
隣接する前記分割区間の上ラインと下ラインが揃っていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法。
【請求項5】
既設トンネルの真円部からその側壁の一部を切り開いて、所定の拡幅区間の拡幅部を、施工が開始される基端側から施工が終了する先端側に向かって順に施工する、トンネルの拡幅施工方法であって、
先行拡幅掘削工程と、拡幅部構築工程と、後行拡幅掘削工程とを備え、
前記先行拡幅掘削工程は、前記拡幅区間の基端側にあるセグメントの2リングの範囲を拡幅掘削して拡幅掘削領域を施工し、
前記拡幅部構築工程は、前記拡幅掘削領域のうち、基端側のセグメントの1リングの範囲に拡幅部を構築し、
前記後行拡幅掘削工程は、前記拡幅掘削領域の先端側におけるセグメントの1リングの範囲に新たな拡幅掘削領域を施工し、
前記拡幅部構築工程と前記後行拡幅掘削工程を繰り返して、前記所定の拡幅区間に前記拡幅部を施工することを特徴とする、トンネルの拡幅施工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法とトンネルの拡幅施工方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、軟弱な地盤が分布する都市部において道路トンネルを施工する場合、開削工法の適用が一般的であるものの、開削工法は、工事中の騒音や振動、交通規制等の課題を内在している。また、都市部の道路下空間は、複数の地下鉄や共同溝等の埋設物が輻輳していることから、新たに施工しようとするトンネルの設置深度は往々にして深くなる傾向にあり、設置深度の深層化は建設費の増大に直結する。このような背景の下、道路トンネルの施工に際してシールド工法を適用するケースが増加している。
ところで、この道路トンネルの施工では、断面円形(断面が馬蹄形の略円形も含む)のトンネルを地中で切り開く(切り拡げる)ことにより、非常口や非常駐車帯が一般に施工される。このように、断面円形の一般部の一部を側方に切り開くことにより、トンネル軸方向(トンネル長手方向)には一定区間の拡幅部が施工されることになる。
上記するトンネルの拡幅施工では、既設トンネルの真円部に一定区間の拡幅部を施工するに際し、当該一定区間の真円部の側壁を一括で撤去して切り開いた後、側方の地盤に対して拡幅掘削を行い、拡幅部用のセグメントを設置して一定区間の拡幅部を構築する施工方法が適用されている。尚、この拡幅掘削に当たり、必要に応じて地山を保持するための補助工法が適用され、例えば、拡幅掘削領域に対して薬液注入等の地盤改良が実施されるとともに、パイプルーフ等による土留めが施工される。
【0003】
ここで、「トンネルライブラリー第23号 セグメントの設計[改訂版]-許容応力度設計法から限界状態設計法まで- トンネル工学委員会 技術小委員会 セグメントの設計法検討部会」によれば、下水道トンネルや共同溝トンネルにおいて開口を設ける場合は、開口のためにセグメントリングが円形の断面形状でなくなることから、開口補強を行い、円形である場合のリングに発生する断面力を開口周りの補強材に負担させる必要があるとしている。ここで、開口補強の方法としては以下のようなものが主として存在する。
【0004】
その1つの方法は、開口周りの二次覆工の部分に、鋼材からなる梁部材や柱部材を設置する方法である。また、他の1つの方法は、開口周りのトンネルの外部に鋼材や鉄筋コンクリートによる補強構造を設ける方法である。さらに他の1つの方法は、セグメントリングに開口補強材である梁部材や柱部材を内蔵させ、セグメントに開口補強の機能を持たせる方法である。この開口補強では、開口径をdとした際に、開口補強範囲を3dの範囲としている。尚、このように開口補強範囲を3dの範囲とする規定は、「下水道仮設設計マニュアル -シールド工事編- 令和5年4月 東京都下水道サービス株式会社」の2-16頁の「3-2 補強範囲」に記載があり、この記載は、「既設下水道リング構造物等の枝管直接取付けに関する実験的研究 報告書、昭和58年」に準拠している。
【0005】
上記するように、既設トンネルである道路トンネルに対して拡幅施工にて非常駐車帯等を施工する場合には、シールドトンネルの進行方向に広範囲に亘って拡幅施工を行う必要が生じる。そのため、従来の拡幅施工のように一括で既設トンネルを切り開いて開口を設ける施工方法においては、開口補強を行う範囲が開口径に比例(上記例では、3倍の範囲)することから、広範囲に開口補強材を設置する必要があり、工期の長期化と施工コストの高騰に繋がる。
また、一時的に地山を露出させることから、地山を保持するための上記補助工法が必要となるが、補助工法の仕様が極めて大きなものとなり、その範囲も極めて広範囲となり得る。
【0006】
以上のことから、既設トンネルの側壁の一部を切り開いて拡幅部を施工する、トンネルの拡幅施工方法に関し、切り開きによって形成される開口周りの開口補強材の仕様や設置範囲を低減もしくは開口補強材を省略することのできるトンネルの拡幅施工方法と、このトンネルの拡幅施工方法の設計段階で適用される、トンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法が望まれる。
【0007】
ここで、特許文献1には、既設トンネルの一部に大断面トンネルを構築するに際し、作業領域となる空間を確保するために設けた地下躯体を補強する、地下躯体の補強構造が提案されている。この補強構造は、地下躯体が、大断面トンネルの構築予定領域の外側であって周方向に構築されるリング状躯体と、リング状躯体からなる筒体の両端部の各々に構築され、既設トンネルが貫通される前方側褄壁及び後方側褄壁とにより構成され、既設トンネルの既設覆工体における、前方側褄壁に接合された範囲の所定位置、及び地山に面する範囲の所定位置に、既設トンネルの軸線方向に延在する緊張材の一端及び他端が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-75931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の地下躯体の補強構造によれば、緊張材を用いて前方側褄壁に作用する側方土圧の一部を負担することから、前方側褄壁にシールド開口が形成されるなどして剛性が低下する事態が生じた場合でも、前方側褄壁の構造安全性を確保できるとしている。しかしながら、特許文献1には、上記する課題、すなわち、トンネルの拡幅施工方法に関し、切り開きによって形成される開口周りの開口補強材の仕様や設置範囲を低減し、もしくは開口補強材を省略する手段を開示するものではない。
【0010】
本発明は、既設トンネルの側壁の一部を切り開いて拡幅部を施工する、トンネルの拡幅施工方法に関し、切り開きによって形成される開口周りの開口補強材の仕様や設置範囲を低減することができ、もしくは開口補強材を省略することのできる、トンネルの拡幅施工方法と、このトンネルの拡幅施工方法の設計段階で適用される、トンネルの拡幅施工における設計荷重の評価方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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