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公開番号2025088263
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202852
出願日2023-11-30
発明の名称湧水観測装置とその形成分離方法
出願人大成建設株式会社,原工業株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 9/00 20060101AFI20250604BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】人力によるボーリング孔へのパッカーの設置や回収を不要にして、安全かつ効率的に切羽前方の湧水の状態を把握することのできる、湧水観測装置と湧水観測方法を提供する。
【解決手段】ボーリング孔Bの先端から湧水Wを取り込む湧水観測装置100であり、パッカー装置20と二重管ロッド30とが相互に接続され、さらにA観測計48を備えている軸状ユニット60と、ボーリング孔Bから軸状ユニット60を引き抜く移動装置17と、軸状ユニット60の内部に設けられ、送水された水をパッカー26の内側面に到達させる第1流路と、パッカー装置20にて取り込んだ湧水Wを観測計48に到達させる第2流路とを有し、軸状ユニット60の一部と移動装置17に跨がって双方の相対回転を不可に拘束する回転拘束治具200と、移動装置17の回転の際に軸状ユニット60の他部を拘束して供回りを防止する回転拘束部18Aをさらに有する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
切羽に設けられているボーリング孔に設置されて、該ボーリング孔の先端から湧水を取り込んで湧水観測を行う、湧水観測装置であって、
少なくとも、パッカーを備えているパッカー装置と、該パッカー装置の一端に装着される二重管ロッドとが相互に接続され、さらに観測計を備えている、軸状ユニットと、
前記軸状ユニットの少なくとも一部を前記ボーリング孔に挿入し、かつ該ボーリング孔から該軸状ユニットを引き抜く、移動装置と、
前記軸状ユニットの内部に設けられ、送水された水を前記パッカーの内側面に到達させる、第1流路と、
前記パッカー装置にて取り込んだ前記湧水を前記観測計に到達させる、第2流路とを有し、
前記軸状ユニットの一部と前記移動装置に跨がって双方の相対回転を不可に拘束する回転拘束治具と、該軸状ユニットの一部と該移動装置の回転の際に該軸状ユニットの他部を拘束して供回りを防止する回転拘束部をさらに有することを特徴とする、湧水観測装置。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記回転拘束治具は、2つの半割管が回動軸を介して相互に回動自在に接続され、前記移動装置と、前記軸状ユニットの双方の把持位置を把持した姿勢で、該回動軸の反対側において相互にボルト接合されるようになっている、パイプレンチであり、
少なくとも一方の前記半割管のうち、前記双方の把持位置に対応する位置には、多数の凸部を有するチャックピースがボルトにより把持位置を締め付け自在に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の湧水観測装置。
【請求項3】
前記回転拘束治具は、前記移動装置と、前記軸状ユニットの双方をコの字状に包囲しながら双方の把持位置に跨がる、ダブルレンチであり、
前記コの字状を形成する対向する一対の側壁の内側にあって、多数の凸部を有するチャックピースがボルトにより、前記移動装置の把持位置を締め付け自在に設けられており、
前記二重管ロッドと前記移動装置の把持位置は、フラットな把持面とされていることを特徴とする、請求項1に記載の湧水観測装置。
【請求項4】
前記パッカー装置の一端に装着される二重管ロッドと、該二重管ロッドの一端に装着されるとともに前記観測計を備えている流路切替えアダプタと、該流路切替えアダプタの一端に装着される第1逆止弁とをさらに有し、
前記パッカー装置と前記二重管ロッドと前記流路切替えアダプタと前記第1逆止弁が相互に接続されて、前記軸状ユニットが形成され、
前記第1逆止弁は、前記パッカー装置へ送水する際に前記第1流路を開き、該パッカー装置から戻り水が戻る際に該第1流路を閉じることを特徴とする、請求項1に記載の湧水観測装置。
【請求項5】
前記流路切替えアダプタと前記第1逆止弁との間に、水圧測定装置が介在し、該水圧測定装置も前記軸状ユニットを形成し、
前記水圧測定装置は、少なくとも前記第1流路内の水圧を測定し、
前記第1逆止弁は、前記パッカー装置へ送水する際に前記第1流路を開き、該パッカー装置から戻り水が戻る際に該第1流路を閉じるようになっており、
前記水圧測定装置は、前記第1流路を形成する主流路と、該主流路から分岐した枝流路とを備え、
前記枝流路の途中には第2逆止弁が介在して、前記パッカー装置へ送水する際に該第2逆止弁が前記枝流路を閉じるようになっており、
前記枝流路にチェック弁が取り付けられて、前記第1流路内の水圧が測定されることを特徴とする、請求項4に記載の湧水観測装置。
【請求項6】
台車と、該台車に対して回動自在に装着されているブームと、該ブームの先端に装着されているガイドシェルと、該ガイドシェルに沿ってスライドするドリフターと、該ドリフターの先端に装着されているシャンクロッドと、該シャンクロッドに送水する送水手段とを備えている、穿孔機において、該ドリフターと該ドリフターと該シャンクロッドが前記移動装置を形成し、該シャンクロッドに対して前記軸状ユニットが直接的もしくは間接的に接続され、該送水手段から前記第1流路に水が送水されるようになっていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の湧水観測装置。
【請求項7】
前記シャンクロッドと前記第1逆止弁との間に介在し、前記移動装置に含まれる異形コネクタをさらに備えていることを特徴とする、請求項6に記載の湧水観測装置。
【請求項8】
前記ガイドシェルの先端と該先端の後方にはそれぞれ、前方セントラライザと後方セントラライザが装着されており、
前記異形コネクタと前記第1逆止弁との間に介在して、前記軸状ユニットに含まれる押し込み管をさらに備え、
前記前方セントラライザよりも切羽側に前記第1逆止弁が位置していることを特徴とする、請求項7に記載の湧水観測装置。
【請求項9】
切羽に設けられているボーリング孔に設置されて、該ボーリング孔の先端から湧水を取り込んで湧水観測を行う、湧水観測装置であって、パッカーを備えているパッカー装置と、該パッカー装置の一端に装着される二重管ロッドとが相互に接続され、さらに観測計を備えている、軸状ユニットと、該軸状ユニットの少なくとも一部を前記ボーリング孔に挿入し、かつ該ボーリング孔から該軸状ユニットを引き抜く、移動装置とを有する湧水観測装置において、該移動装置と該軸状ユニットを接続して該軸状ユニットを該ボーリング孔に挿入して湧水観測を実施し、湧水観測後は該ボーリング孔から該軸状ユニットを引き抜き、該移動装置の他部から該移動装置の一部を分離し、次いで、該軸状ユニットの一部から該移動装置を分離して湧水観測装置を回収する、湧水観測装置の形成分離方法であって、
前記軸状ユニットを形成する際は、前記軸状ユニットの他部を前記ボーリング孔に挿入しつつ、該軸状ユニットの他部を回転拘束部により拘束し、回転拘束治具を該軸状ユニットの一部と該移動装置に跨がって双方の相対回転を不可に拘束し、該軸状ユニットの一部と該移動装置を同期して回転させることにより、該軸状ユニットの一部と他部を接続して前記軸状ユニットを形成し、
前記軸状ユニットと前記移動装置を分離する際は、前記軸状ユニットの他部を前記回転拘束部により拘束し、回転拘束治具を該軸状ユニットの一部と該移動装置に跨がって双方の相対回転を不可に拘束し、該軸状ユニットの一部と該移動装置を同期して回転させることにより、該軸状ユニットの一部と他部を分離し、次いで、該軸状ユニットの一部と該移動装置から回転拘束治具を取り外し、該軸状ユニットの一部を前記回転拘束部により拘束し、該移動装置を回転させることにより、該移動装置と該軸状ユニットの一部を分離することを特徴とする、湧水観測装置の形成分離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、湧水観測装置とその形成分離方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
山岳トンネルの施工においては、切羽前方の湧水区間の湧水量や湧水圧といった湧水の状態を把握し、事前に湧水対策を行うことが肝要である。
この湧水状態の把握方法としては、切羽にボーリング孔(先進ボーリング孔)を設け、人力にてパッカーを備えたロッド(パッカーロッド)を継ぎ足しながら孔奥へパッカーを挿入し、湧水量や湧水圧を測定した後に、人力によりパッカーロッドを引き抜いて回収する方法が一般に適用される。
しかしながら、この方法では、切羽の直下に人が立ち入るために安全性に課題がある。また、ボーリング孔から湧水が排水されている状況下で、パッカーを挿入する作業や引き抜いて回収する作業には多くの労力を要し、特に、切羽の天端付近等の高所にあるボーリング孔に対しては、穿孔機のマンゲージや高所作業車のバケット上での作業となることから、より一層困難な作業となり得る。
また、湧水圧が高い場合は、パッカーがボーリング孔から噴出する恐れがあることから、パッカーの噴出防止のためのパッカー押さえ設備等が必要となり、湧水状態の把握に手間と時間を要する。
【0003】
以上のことから、人力によるボーリング孔へのパッカーの設置や回収を不要にして、安全かつ効率的に切羽前方の湧水の状態(湧水量や湧水圧、水質等)を把握することのできる、湧水観測装置が望まれる。
【0004】
ここで、特許文献1には、ドリルジャンボとパッカーを用いて、掘削と注入を行う、二重管ダブルパッカー工法が提案されている。
具体的には、周壁に複数の注入孔を設け、かつリングビットを先端に取り付けたケーシング内に、単管掘削が可能な単管掘削機から受けた打撃力及び回転力をリングビットに伝える掘削ビットを取り付けたインナーロッドを挿入し、単管掘削機に連結したインナーロッドと、ケーシングとによって地山を掘削し、ケーシングからインナーロッド及び掘削ビットを引き抜いた後、吐出孔が形成されたパイプをケーシング内に挿入するとともに、ケーシングとパイプとの間隙にシール材を充填し、パイプ内に、該パイプ内の空間を隔てる一対のパッカーと、これらのパッカーの間に設けられた噴出孔とを備えるインジェクションパイプを挿入し、ケーシングを地山内に設置した状態で、インジェクションパイプの後端から注入材を供給し、注入材を噴出孔及び吐出孔を介して注入孔から地山に注入する工法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-274562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の二重管ダブルパッカー工法によれば、地山に形成された孔内に挿入されたスリーブパイプと、スリーブパイプ内に挿入されたインジェクションパイプとをパッカーを介して固定することはできるものの、上記する課題、すなわち、人力によるボーリング孔へのパッカーの設置や回収を不要にして、安全かつ効率的に切羽前方の湧水の状態を把握する技術を提案するものではない。
【0007】
本発明は、人力によるボーリング孔へのパッカーの設置や回収を不要にして、安全かつ効率的に切羽前方の湧水の状態を把握することのできる、湧水観測装置と湧水観測方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による湧水観測装置の一態様は、
切羽に設けられているボーリング孔に設置されて、該ボーリング孔の先端から湧水を取り込んで湧水観測を行う、湧水観測装置であって、
少なくとも、パッカーを備えているパッカー装置と、該パッカー装置の一端に装着される二重管ロッドとが相互に接続され、さらに観測計を備えている、軸状ユニットと、
前記軸状ユニットの少なくとも一部を前記ボーリング孔に挿入し、かつ該ボーリング孔から該軸状ユニットを引き抜く、移動装置と、
前記軸状ユニットの内部に設けられ、送水された水を前記パッカーの内側面に到達させる、第1流路と、
前記パッカー装置にて取り込んだ前記湧水を観測計に到達させる、第2流路とを有し、
前記軸状ユニットの一部と前記移動装置に跨がって双方の相対回転を不可に拘束する回転拘束治具と、該軸状ユニットの一部と該移動装置の回転の際に該軸状ユニットの他部を拘束して供回りを防止する回転拘束部をさらに有することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、パッカー装置と二重管ロッド、及び観測計を備えている軸状ユニットと、軸状ユニットをボーリング孔へ挿入し、かつ引き抜く移動装置と、送水された水をパッカーの内側面に到達させる第1流路、取り込んだ湧水を観測計に到達させる第2流路の2つ流水系統とを有し、観測計にて湧水の状態を示す物理量を測定することにより、人力によるボーリング孔へのパッカーの設置(挿入及び拡張)や回収を不要にして、安全かつ効率的に切羽前方の湧水の状態を把握することができる。
さらに、軸状ユニットの一部と移動装置に跨がって双方の相対回転を不可に拘束する回転拘束治具と、軸状ユニットの一部と移動装置の回転の際に軸状ユニットの他部を拘束して供回りを防止する回転拘束部をさらに有することにより、湧水観測装置の各構成要素を回転させながら接続して湧水観測装置を形成する際や、ボーリング孔から湧水観測装置の各構成要素を引き抜き、回転させながら分離(もしくは切断)して湧水観測装置を撤去する際に、複数の接続箇所(もしくは分離箇所)を好適な接続順序(もしくは分離順序)で接続(もしくは分離)することができる。従って、ある接続箇所(もしくは分離箇所)を回転させながら接続(もしくは分離)する際に、他の接続箇所(もしくは分離箇所)が供回りしたり、他の接続箇所(もしくは分離箇所)が先行して接続(もしくは分離)されることを防止できる。
【0010】
ここで、湧水の状態を示す物理量には、湧水量や湧水圧が含まれる。また、本態様では、観測計に到達させた湧水の物理量を測定することの他にも、湧水の濁度等の水質観察や地下水位観察等も「観察」に含まれるものとし、従って、湧水の物理量や水質等が観察対象となる。観測計による観測データ(計測データ)は、軸状ユニットを回収した後にデータ取得されてもよいし、観測計から無線通信によって、移動装置を備えた台車のオペレータキャビンにある携帯端末や、計測実施者等の携帯する携帯端末、トンネルの坑外にある管理施設にあるコンピュータ等、様々な携帯端末やコンピュータに対してリアルタイムに送信されてもよい。
また、二重管ロッドは、1本でも複数本でもよく、ボーリング孔の長さに応じて、例えば複数の二重管ロッドが順次継ぎ足されてもよい。
また、移動装置は、ダンプトラックや高所作業車等に搭載された油圧シリンダや、ボーリング孔を穿孔する穿孔機等であってよく、少なくとも人力による二重管ロッドやパッカーのボーリング孔への設置等を解消できる様々な形態が適用できる。
また、「軸状ユニットの少なくとも一部をボーリング孔に挿入する」とは、軸状ユニットの全体を挿入することの他に、パッカー装置と二重管ロッド(の一部)のみを挿入すること等を含む意味であるが、実際の運用では後者が一般に適用される。
(【0011】以降は省略されています)

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