特許ウォッチ

公開番号2025008498
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023110721
出願日2023-07-05
発明の名称建物ユニットの上面嵩上構造
出願人積水化学工業株式会社
代理人弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類E04G 21/28 20060101AFI20250109BHJP(建築物)
要約【課題】主に、降雨時に、段差形状となっている建物ユニットの上面を面材で上から覆って全面を平らな状態とし得るようにする。
【解決手段】建物ユニット2の上面嵩上構造は、周縁部12に対して内側部分13が低くなった段差形状の建物ユニット2の上面11に、建物ユニット2の上面11の全体を覆って周縁部12と同じ高さか、周縁部12よりも僅かに高い平らな面にする面材21を設置する。そして、建物ユニット2の上面11に対する面材21の横ズレを防止するズレ防止材22と、面材21を内側部分13の上方に支持する複数の支持部材23と、の少なくとも一方を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
周縁部に対して内側部分が低くなった段差形状の建物ユニットの上面に、前記建物ユニットの上面全体を覆って前記周縁部と同じ高さか、前記周縁部よりも僅かに高い平らな面にする面材を設置し、前記建物ユニットの前記上面に対する前記面材の横ズレを防止するズレ防止材と、前記面材を前記内側部分の上方に支持する複数の支持部材と、の少なくとも一方を備えたことを特徴とする建物ユニットの上面嵩上構造。
続きを表示（約 500 文字）【請求項２】
請求項１に記載の建物ユニットの上面嵩上構造であって、
前記ズレ防止材は、前記建物ユニットの前記周縁部を構成する天井梁に沿って延びる長尺板材、前記天井梁に挟着保持可能な金属クリップ、前記天井梁に取付可能な板片、前記天井梁に形成された貫通孔に挿入固定可能な楔状部材、および、前記面材と前記楔状部材とを繋ぐ紐状部材、前記貫通孔を通過可能な重錘、および、前記面材と前記重錘とを繋ぐ紐状部材、前記貫通孔に挿入係止可能な押しピン型留具、前記天井梁に接着固定可能なテープ、前記貫通孔に挿入可能な軸状挿通部材の一つ以上であることを特徴とする建物ユニットの上面嵩上構造。
【請求項３】
請求項１または請求項２に記載の建物ユニットの上面嵩上構造であって、
前記支持部材は、前記面材の辺と平行な方向に延びる有色の長尺材であることを特徴とする建物ユニットの上面嵩上構造。
【請求項４】
請求項３に記載の建物ユニットの上面嵩上構造であって、
前記支持部材は、柔軟な連結部材により互いに間隔を有して連結されていることを特徴とする建物ユニットの上面嵩上構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
この発明は、建物ユニットの上面嵩上構造に関する。
続きを表示（約 2,800 文字）【背景技術】
【０００２】
住宅などの建物には、ユニット建物として構成されたものがある。ユニット建物は、予め工場で製造した建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で組み合わせることにより、短期間のうちに構築できるようにした建物である。
【０００３】
このようなユニット建物では、降雨時においても、建築現場での建物ユニットの据付作業ができるように、建物ユニットの上面にシート状の防水カバーを被せることが行われていた（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２００８－９７７９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
建物ユニットは、上面が段差形状になっているものがある。そのため、降雨時に建物ユニットの上面に直接防水カバーをかけると、段差形状の低くなっている部分に雨水が溜まって雨溜まりができる。
【０００６】
そこで、特許文献１では、建物ユニットの上面の中央部に局所的に防水カバー持上具を設けて、防水カバー持上具で防水カバーの中央部分を高くすることで、建物ユニットの上面からの雨水の排水性向上を図っている。しかし、持上具以外の部分は、防水カバーを支えるものがないため、防水カバー持上具を設けただけでは、防水カバー持上具の周囲に雨溜まりが生じるのを避けられなかった。
【０００７】
そこで、本発明は、上記した問題点の改善に寄与することを主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題に対して、本発明は、周縁部に対して内側部分が低くなった段差形状の建物ユニットの上面に、前記建物ユニットの上面全体を覆って前記周縁部と同じ高さか、前記周縁部よりも僅かに高い平らな面にする面材を設置し、前記建物ユニットの前記上面に対する前記面材の横ズレを防止するズレ防止材と、前記面材を前記内側部分の上方に支持する複数の支持部材と、の少なくとも一方を備えた建物ユニットの上面嵩上構造を特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明は、上記構成によって、降雨時に、段差形状となっている建物ユニットの上面を面材で上から覆って平らな状態にすることなどができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
本実施の形態の上面嵩上構造を適用する建物ユニットの斜視図である。
建物ユニットの上面の縦断面図であり（ａ）は短辺の側から長辺の方向に見た図、（ｂ）は長辺の側から短辺の方向に見た図、である。
ズレ防止材として長尺板材を用いた上面嵩上構造の一例を示す部分拡大斜視図である。
（ａ）は建物ユニットの上面に対して面材を設置するまたは取外す状態を示すユニット建物の上部の斜視図、（ｂ）は山谷折りにする面材の側面図である。
ズレ防止材として金属クリップを用いた上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は分解斜視図、（ｂ）は側方から見た縦面図、（ｃ）は（ｂ）の金属クリップ部分の拡大図、（ｄ）は金属クリップの斜視図である。
ズレ防止材として板片を用いた上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は部分拡大縦断面図、（ｂ）は板片の斜視図である。
ズレ防止材として楔状部材を用いた上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は側方から見た縦断面図、（ｂ）は（ａ）の楔状部材の側面図、（ｃ）は楔状部材と紐状部材との繋ぎ部分を示す斜視図、（ｄ）は（ｃ）の部分拡大斜視図である。
ズレ防止材として重錘を用いた上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は天井梁の上側のフランジ部への取付け状態を示す側方から見た縦面図、（ｂ）は天井梁のウェブ部への取付け状態を示す側方から見た縦断面図、（ｃ）は重錘と紐状部材との繋ぎ部分を示す斜視図である。
ズレ防止材として押しピン型留具を用いた上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は押しピン型留具を用いた建物ユニットの上面の部分拡大斜視図、（ｂ）は（ａ）押しピン型留具の部分拡大斜視図、（ｃ）は（ａ）の押しピン型留具を取付ける状態を示す拡大縦断面図、（ｄ）は（ａ）の押しピン型留具の取付け状態の拡大縦断面図である。
ズレ防止材としてテープを用いた上面嵩上構造の一例を示す斜視図である。
ズレ防止材として軸状挿通部材を用いた上面嵩上構造の一例を示す斜視図である。
支持部材として有色の長尺材を用いた上面嵩上構造の一例を示す分解斜視図である。
支持部材としての有色の長尺材を連結部材で連結した上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は建物ユニットの上面の平面図、（ｂ）は建物ユニットの上面に有色の長尺材を拡げた状態を示す部分的な側面図、（ｃ）は建物ユニットの上面で有色の長尺材をまとめた状態を示す部分的な側面図である。
支持部材としての支柱状のスペーサを連結部材としての網状部材で連結した上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は面材とスペーサとの分解斜視図、（ｂ）は面材と支柱状のスペーサとを合わせた状態を示す斜視図、（ｃ）は建物ユニットの上面の縦断面図、（ｄ）は支柱状のスペーサの斜視図である。
面材を合板とした上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は合板の斜視図、（ｂ）は建物ユニットの上面の縦断面図である。
面材を合板やプラスチック段ボールとした上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は合板の斜視図、（ｂ）は建物ユニットの上面の縦断面図である。
面材をアルミ足場板とした上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）はアルミ足場板の斜視図、（ｂ）は建物ユニットの上面の縦断面図、（ｃ）は建物ユニットの上面の斜視図である。
面材をアルミ足場板とした上面嵩上構造の他の例を示し、（ａ）はアルミ足場板の斜視図、（ｂ）は建物ユニットの上面の縦断面図、（ｃ）は建物ユニットの上面の斜視図である。
面材をアルミ足場板とした上面嵩上構造の別の例を示し、（ａ）は吊りフレームにアルミ足場板をサブ組みした状態の斜視図、（ｂ）は建物ユニットの上面の部分的な縦断面図である。
アルミ足場板に対する支持部材の設置状態を示す図であり、（ａ）はアルミ足場板の斜視図、（ｂ）はアルミ足場板に対する支持部材の配置図、（ｃ）は建物ユニットの上面の部分的な縦断面図である。
面材を屋根パネルとした上面嵩上構造の一例を示し、（ａ）は屋根パネルの斜視図、（ｂ）は建物ユニットの上面の部分的な縦断面図、（ｃ）は屋根パネルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許