TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025005672
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023105941
出願日2023-06-28
発明の名称電気自動車
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類B60L 9/18 20060101AFI20250109BHJP(車両一般)
要約【課題】双方向コンバータとインバータを備える電気自動車において、リアクトルに流れる電流が小さいときに生じ得る制御系の振動を抑える。
【解決手段】本明細書が開示する電気自動車は、車輪を駆動するモータ、インバータ、双方向コンバータ、コントローラを備える。双方向コンバータの低電圧端がバッテリに接続され、高電圧端がインバータの直流端に接続される。コントローラは、モータの出力の変化に対して高電圧端の電圧が正の相関を有するように双方向コンバータを制御する。また、コントローラは、インバータの電圧利用率が利用率閾値よりも低ければインバータをPWM制御し、利用率閾値よりも高ければ矩形制御する。コントローラは、リアクトルに流れる電流の絶対値が所定の電流閾値よりも小さい場合、モータ出力および回転数にかかわらずに電圧利用率が利用率閾値を下回るまで高電圧端の電圧を高めるように双方向コンバータを制御する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
車輪を駆動するモータと、
交流端が前記モータに接続されているインバータと、
バッテリと、
低電圧端が前記バッテリに接続されており、高電圧端が前記インバータの直流端に接続されている双方向DC-DCコンバータと、
前記モータの出力または前記モータの回転数の変化に対して前記高電圧端の電圧が正の相関を有するように前記双方向DC-DCコンバータを制御するとともに、前記インバータの電圧利用率が所定の利用率閾値よりも低ければ前記インバータをPWM制御し、前記電圧利用率が前記利用率閾値よりも高ければ前記インバータを矩形制御するコントローラと、
を備えており、
前記双方向DC-DCコンバータは、
前記高電圧端とグランド線との間に直列に接続されている2個のスイッチング素子と、
一端が前記低電圧端に接続されており、他端が2個の前記スイッチング素子の直列接続の中点に接続されているリアクトルと、
を備えており、
前記高電圧端の電圧と前記電圧利用率の間には負の相関が存在し、
前記コントローラは、前記リアクトルに流れる電流の絶対値が所定の電流閾値よりも小さい場合、前記出力および前記回転数にかかわらずに、前記電圧利用率が前記利用率閾値を下回るまで前記高電圧端の電圧を高めるように前記双方向DC-DCコンバータを制御する、
電気自動車。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、車輪を駆動するモータと、モータに電力を供給するバッテリを備える電気自動車に関する。本明細書における「電気自動車」には、モータとエンジンの双方を備えるハイブリッド車や、電源としてバッテリと燃料電池を搭載する燃料電池車が含まれる。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車では、バッテリとモータの間にインバータが接続される。インバータは、バッテリの直流電力をモータの駆動に適した交流電力に変換する。また、インバータは、減速時にモータの逆駆動により発生する交流電力(交流の回生電力)を直流電力に変換してバッテリへ供給する。バッテリとインバータの間に双方向DC-DCコンバータが接続されることがある(例えば特許文献1)。双方向DC-DCコンバータの低電圧端がバッテリに接続され、高電圧端がインバータの直流端に接続される。
【0003】
双方向DC-DCコンバータは、2個のスイッチング素子と、リアクトルを備える。2個のスイッチング素子は、高電圧端とグランドの間に直列に接続される。リアクトルの一端は低電圧端に接続され、他端は2個のスイッチング素子の直列接続の中点に接続される。
【0004】
インバータの制御則として、矩形制御(矩形波制御)とPWM制御(パルス幅変調制御)が知られている。なお、本明細書における「PWM制御」には、正弦波PWM制御や過変調PWM制御など、パルス幅変調を基本とするが詳細が異なる種々の制御を含む。状況に応じてPWM制御と矩形制御を切り替える制御が知られている(例えば特許文献2)。矩形制御はPWM制御と比較すると電力の利用効率が高い。効率を優先する場合には矩形制御が選択される傾向がある。PWM制御は矩形制御と比較すると制御精度が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-191435号公報
特開2009-225633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気自動車用の双方DC-DCコンバータは、一般に、モータの出力または回転数が高いほど、高電圧端の電圧を高くするように制御される。別言すれば、コントローラは、モータの出力または回転数に対して高電圧端(双方向DC-DCコンバータの高電圧端)の電圧が正の相関関係を有するようにDC-DC双方向コンバータを制御する。また、双方向DC-DCコンバータは、リアクトルに流れる電流の絶対値が小さいときに、制御精度(応答性)が低下する傾向がある。別言すれば、リアクトルに流れる電流の絶対値が小さいほど、共振周波数が下がる傾向がある。制御精度を低下させる要因は、例えば、フィードバック制御の遅れであったり、上スイッチング素子と下スイッチング素子が共にオフとなるデッドタイムの存在などである。双方向DC-DCコンバータとインバータは直列に接続され、それぞれがフィードバック制御される。インバータのPWM制御と矩形制御ではいずれも出力に変動成分が含まれる。双方向DC-DCコンバータの共振周波数が下がると、共振周波数がインバータの変動成分の周波数に近づくおそれがある。双方向DC-DCコンバータの共振周波数とインバータの変動成分の周波数が近づくと、双方向DC-DCコンバータの制御とインバータの制御が相互に悪影響をおよぼし、双方向DC-DCコンバータとインバータの全体の制御系の応答が振動的になるおそれがある。本明細書は、双方向DC-DCコンバータとインバータの全体の制御系の応答が振動的になる可能性を低減する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示する電気自動車は、車輪を駆動するモータ、インバータ、バッテリ、双方向DC-DCコンバータ、コントローラを備える。インバータの交流端がモータに接続される。双方向DC-DCコンバータの低電圧端がバッテリに接続され、高電圧端がインバータの直流端に接続される。双方向DC-DCコンバータは、2個のスイッチング素子とリアクトルを備える。2個のスイッチング素子は高電圧端とグランドの間に直列に接続される。リアクトルの一端は低電圧端に接続され、他端は2個のスイッチング素子の直列接続の中点に接続される。コントローラは、モータの出力または回転数の変化に対して高電圧端の電圧が正の相関を有するように双方向DC-DCコンバータを制御する。また、コントローラは、モータの実際の出力が目標出力に一致するようにインバータをフィードバック制御する。
【0008】
コントローラは、モータの目標出力またはモータの回転数の変化に対して正の相関を有するように双方向DC-DCコンバータの高電圧端の目標電圧を決定する。コントローラは、決定した目標電圧に高電圧端の電圧が一致するように双方向DC-DCコンバータをフィードバック制御する。また、コントローラは、インバータの電圧利用率が所定の利用率閾値よりも低ければインバータをPWM制御し、電圧利用率が利用率閾値よりも高ければインバータを矩形制御する。
【0009】
インバータの直流端の電圧(すなわち、双方向DC-DCコンバータの高電圧端の電圧)と電圧利用率との間には負の相関が存在する。直流端の電圧を上げれば電圧利用率が下がる。コントローラは、リアクトルに流れる電流の絶対値が所定の電流閾値よりも小さい場合、モータの出力および回転数にかかわらずに、電圧利用率が利用率閾値を下回るまで、高電圧端の電圧を高めるように双方向DC-DCコンバータを制御する。電圧利用率が利用率閾値を下回れば、インバータの制御則としてPWM制御が選択される。
【0010】
一般に、PWM制御と矩形制御ではいずれもインバータの出力に変動成分を含むが、PWM制御は矩形制御よりも変動成分の振幅が小さいことが知られている。本明細書が開示する電気自動車では、リアクトルに流れる電流の絶対値が所定の電流閾値よりも小さい場合、モータの出力および回転数にかかわらずに、PWM制御が選択される。インバータの出力の変動成分の振幅が矩形制御のときと比べて小さくなる。それゆえ、双方向DC-DCコンバータとインバータの制御系全体の応答が振動的となる可能性が小さくなる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

トヨタ自動車株式会社
車両
10日前
トヨタ自動車株式会社
車両
11日前
トヨタ自動車株式会社
車両
1か月前
トヨタ自動車株式会社
車両
1日前
トヨタ自動車株式会社
車両
1か月前
トヨタ自動車株式会社
車両
23日前
トヨタ自動車株式会社
車両
10日前
トヨタ自動車株式会社
車両
10日前
トヨタ自動車株式会社
車両
1日前
トヨタ自動車株式会社
車両
1日前
トヨタ自動車株式会社
車両
1日前
トヨタ自動車株式会社
車両
3日前
トヨタ自動車株式会社
電池
1か月前
トヨタ自動車株式会社
方法
23日前
トヨタ自動車株式会社
電池
1か月前
トヨタ自動車株式会社
車両
2日前
トヨタ自動車株式会社
電動車
1か月前
トヨタ自動車株式会社
電動車両
1日前
トヨタ自動車株式会社
駆動装置
23日前
トヨタ自動車株式会社
駆動装置
25日前
トヨタ自動車株式会社
二次電池
9日前
トヨタ自動車株式会社
エンジン
1日前
トヨタ自動車株式会社
駆動装置
25日前
トヨタ自動車株式会社
蓄電セル
10日前
トヨタ自動車株式会社
駆動装置
23日前
トヨタ自動車株式会社
制御装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
23日前
トヨタ自動車株式会社
蓄電セル
23日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
23日前
トヨタ自動車株式会社
システム
9日前
トヨタ自動車株式会社
システム
9日前
トヨタ自動車株式会社
システム
9日前
トヨタ自動車株式会社
電力機器
11日前
トヨタ自動車株式会社
制御装置
23日前
トヨタ自動車株式会社
解析装置
23日前
トヨタ自動車株式会社
金型装置
9日前
続きを見る