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公開番号2025004177
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-14
出願番号2024177008,2021545282
出願日2024-10-09,2019-10-15
発明の名称ナノグラファイトスポンジおよびその製造方法
出願人ラトガース,ザ ステート ユニバーシティ オブ ニュー ジャージー
代理人IBC一番町弁理士法人
主分類C01B 32/194 20170101AFI20250106BHJP(無機化学)
要約【課題】ナノグラファイトスポンジを調製するための方法を提供する。
【解決手段】(a)グラファイトミクロ粒子を、ポリマーから形成された溶融したポリマー相に分散させること、(b)一連のせん断ひずみイベントを溶融ポリマー相に印加して、グラフェン強化ポリマーマトリックス複合材料を形成すること、(c)前記ポリマー相の溶融温度または前記溶融温度よりも高いその近くの温度で加熱すること、(d)前記ポリマーのガス化温度または前記ガス化温度よりも高いその近傍の温度で、前記ポリマーが分解およびガス化してナノグラファイトスポンジを形成するのに十分な持続時間で、前記グラフェン強化ポリマーマトリックス複合材料を加熱すること、(e)前記ナノグラファイトスポンジを残留ポリマーが分解するまで加熱して、グラファイト/グラフェン粒子がナノグラファイトスポンジの総重量の70~100重量%を占めるようにすること、を含む、方法とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ナノグラファイトスポンジを形成するための方法であって、
(a)グラファイトミクロ粒子を、ポリマーから形成された溶融したポリマー相に分散させること;
(b)(a)工程の後に、一連のせん断ひずみイベントを溶融ポリマー相に印加して、グラファイトミクロ粒子の少なくとも50重量%が剥離され、c軸方向に沿った厚さが50ナノメートル未満のグラフェンナノ粒子の溶融ポリマー相中の分布が形成されるまで、溶融したポリマー相が各イベントで連続的にグラファイトを剥離するようにして、グラフェン強化ポリマーマトリックス複合材料を形成すること;
(c)(b)工程の後に、前記ポリマー相を分解またはガス化することなく前記ポリマーを溶融させるのに十分に、前記ポリマー相の溶融温度または前記溶融温度よりも高いその近くの温度で加熱すること;
(d)(c)工程の後に、前記ポリマーのガス化温度または前記ガス化温度よりも高いその近傍の温度で、前記ポリマーが分解およびガス化してナノグラファイトスポンジを形成するのに十分な持続時間で、前記グラフェン強化ポリマーマトリックス複合材料を加熱すること;ならびに
(e)(d)工程の後に、前記ナノグラファイトスポンジを、前記ポリマー相の溶融温度およびガス化温度よりも高い温度で、残留ポリマーが分解するまで加熱して、グラファイト/グラフェン粒子がナノグラファイトスポンジの総重量の70~100重量%を占めるようにすること、を含む、方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
(f)(e)工程の後に、リチウム、ケイ素、ナトリウム、硫黄およびこれらの組み合わせからなる群から選択される電気活性元素を含む前駆体を前記ナノグラファイトスポンジに蒸気浸透または液体浸透させて、電気活性元素が挿入されたナノグラファイトスポンジを形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラファイトミクロ粒子を分散させるステップが、前記グラファイトミクロ粒子を溶融した前記ポリマー相に分散させることを含み、前記グラファイトミクロ粒子の少なくとも50重量%は、c軸方向に沿った厚さが1.0~1000マイクロメートルの間のpグラファイト結晶からなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記一連のせん断ひずみイベントを印加するステップが、前記溶融したポリマー相に一連のせん断ひずみイベントを印加することで、前記溶融したポリマー相内のせん断応力を前記グラファイトミクロ粒子の層間せん断強度(ISS)以上とすることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも90重量%の前記グラファイトミクロ粒子が剥離されて、c軸方向に沿った50ナノメートル未満の厚さの前記グラフェンナノ粒子の溶融ポリマー相への分散が形成されるまで、前記一連のせん断ひずみイベントを印加するか;または、前記グラフェンナノ粒子の開裂が前記グラフェンナノ粒子の基底面を横切って形成されるまで前記一連のせん断ひずみイベントを印加し、前記開裂のエッジは、1つまたは複数の溶融した前記ポリマーと反応して、熱可塑性ポリマーの鎖が、前記グラフェンナノ粒子に直接共有結合して分子間架橋されている複合材料を提供する反応性フリーラジカル結合部位を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記グラフェン強化ポリマーマトリックス複合材料が、共有結合を介して前記グラフェンナノ粒子に分子間架橋された熱可塑性ポリマーの鎖を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記グラファイトが、前記剥離されたグラフェンナノ粒子の表面化学を改変する他の元素でドープされていることにより、剥離されたグラフェンと前記ポリマーとの間の結合強度が向上している、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記グラフェン強化ポリマーマトリックス複合材料が、0.1重量%~50重量%のグラフェンを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
溶融したポリマー相中に1つまたは複数の添加剤の均一な分布を形成することをさらに含み、前記添加剤は、リチウム、ケイ素、ナトリウム、硫黄およびこれらの組み合わせからなる群から選択される電気活性元素のナノグラファイトスポンジへの挿入を促進する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記グラファイトミクロ粒子が、軸方向溝付き伸長混合要素またはらせん状溝付き伸長混合要素を備えた一軸スクリュー押出機を使用してポリマーマトリックスに組み込まれる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、本明細書においてその全体が参照により援用される、2018年10月15日に出願された米国仮特許出願第62/745,839号に基づく優先権を主張する。
続きを表示(約 2,400 文字)【0002】
本開示は、ナノグラファイトスポンジ(NGS)およびグラフェン強化ポリマーマトリックス(G-PMC)からナノグラファイトスポンジの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
炭素原子の二次元(2D)単分子層であるグラフェンは、高い電気伝導率、高い熱伝導率、並外れた弾性、および剛性などのその魅力的な特性のために多くの注目を集めている。高い電気伝導率と熱伝導率を備えたグラフェンベースのポリマー複合材料は、電子デバイス、電磁シールド、熱管理などの多くの実用的な利用において非常に望ましいものである。
【0004】
しかしながら、グラフェンベースのポリマー複合材料の利用は、以下によって制限される:(1)比表面積が大きく、グラフェンシート間の分子間相互作用が強いため、ポリマーマトリックス中のグラフェンの分散が不十分であり;かつ、(2)フィラー含有量が少ない場合、グラフェンシートはポリマー鎖で覆われ、グラフェンシートが複合材料のパーコレーション限界に達するのを防ぐ。これらの複合材料の電気伝導率と熱伝導率は、分離されたフィラー粒子間の電子とフォノンのパーコレーションに強く依存しているため、複合材料の導電性を改善するには、ポリマーマトリックス内に導電性の相互接続ネットワークを形成するには、グラフェンシートの良好な分散と高いフィラー含有量が必要である。
【0005】
ポリマーマトリックス中のグラフェンのより良い分散を達成するために、分子機能化などの戦略が調査されてきた。しかしながら、分子の機能化は、分散を改善する一方で、グラフェンシートの電子共役を損傷し、複合材料の導電性を損なう。均一な分布が改善されているにもかかわらず、これらの複合材料の電気伝導率は依然として予想レベルをはるかに下回っている。さらに、フィラーの高負荷は、一般に、重度の凝集と不十分な界面結合のために、複合材料の加工性と全体的な特性を妨げる。
【0006】
3Dのコンパクトに相互接続されたグラフェンネットワーク(例えば、ナノグラファイトスポンジ(NGS))の構築は、ポリマー複合材料の電気伝導率および熱伝導率の大幅な増加を提供し得る。ワンステップ水熱法、化学還元誘導法、金属イオン誘導プロセスなどの自己組織化戦略など、NGSを製造するためのいくつかの方法が提案されている。しかしながら、組み立て中のグラフェンシートの再スタックと凝集は依然として深刻な問題である。したがって、望ましいグラフェン3Dネットワークを使用してNGSを製造することは依然として課題である。
【0007】
したがって、ナノグラファイトスポンジ(NGS)を製造するための、容易で、低コストで、スケーラブルな方法に対する差し迫った必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、新規のナノグラファイトスポンジ(NGS)およびNGSの製造方法を提供する。前記NGSは、グラファイトミクロ粒子、単層グラフェンナノ粒子、多層グラフェンナノ粒子、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される粒子を含み得る。前記粒子は、機械的に剥離された単層および/または多層グラフェンナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態では、前記単層および/または多層グラフェンナノ粒子は、c軸方向に沿って50nm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、前記粒子は、スポンジの総重量の少なくとも50%を占め得る。いくつかの実施形態では、前記NGSはさらに炭素粒子を含む。いくつかの実施形態では、前記NGSは、熱可塑性ポリマーをさらに含む。
【0009】
本明細書に開示されるNGSは、複数の連続気泡を含む連続気泡構造を有し得る。前記連続気泡は、さまざまな形状、サイズ、および寸法を有し得る。いくつかの実施形態では、前記連続気泡の平均細孔サイズは、約1nm~約5mmの範囲である。前記連続気泡は、連続気泡内にカプセル化された追加の元素を含み得る。前記追加の元素の例としては、Li、S、Si、Na、およびそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられ得る。前記NGSとしては、Li塩(例えば、LiCoO

、LiMn



、LiFePO

、LiOH、Li

CO

、LiCl、Li

SO

、HCOOLi、CH

COOLi、Li

(C





)、(COOLi)

、Li

S、Li



)等などの他の塩(例えば、金属塩)が挙げられ得る。
【0010】
前記NGSは、様々なサイズ/寸法で、いずれかの形状または形態に製造され得る。一例では、前記NGSはブロックに形成され得る。他の例では、前記NGSは糸に形成され得る。前記糸は、約1μm~約10mmの範囲の直径を有し得る。前記糸は、約1μm~約10mmの範囲の長さのペレットにさらに製造され得る。前記糸はまた、約0.1μm~約100μmの範囲のサイズを有する粉末形態にさらに製造され得る。前記糸に金属を含浸させ得て、それにより、前記金属は連続気泡内に含浸され、前記糸の表面にコーティングされる。いくつかの実施形態では、前記糸は、軽量の絶縁導電性ワイヤーを形成するために、その上に絶縁コーティングをさらに含み得る。
(【0011】以降は省略されています)

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