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公開番号2025002436
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102612
出願日2023-06-22
発明の名称複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法
出願人エンバイロメントシステム有限会社
代理人個人
主分類C23F 1/36 20060101AFI20241226BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去して樹脂を取り出すための実用的な技術を提供する。
【解決手段】複合樹脂フィルムは、両面を樹脂層で覆われており内部にアルミニウムでできたアルミニウム層を持つ。複合樹脂フィルムに、小さな孔を多数穿つ。次いで、複合樹脂フィルムを水酸化ナトリウム水溶液に水没させる。水酸化ナトリウム水溶液の温度を25℃から50℃とし、水酸化ナトリウムの濃度を9.72%から23.9%とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルミニウムでできたアルミニウム層と、前記アルミニウム層の両面を覆う2つの樹脂層とを備えている複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法であって、
2つの前記樹脂層の少なくとも一方側の表面から、前記アルミニウム層にまで達する溝又は孔を設ける第1過程、
前記第1過程を経た前記複合樹脂フィルムを、濃度が9.72%から23.9%の水酸化ナトリウム水溶液に水没させる第2過程、
前記第2過程の後に、前記水酸化ナトリウム水溶液の温度を25℃から50℃の所定の温度に維持しつつ、前記複合樹脂フィルムを前記水酸化ナトリウム水溶液に前記アルミニウム層を構成するアルミニウムが概ねすべて溶解するまで水没させ続ける第3過程、
前記第3過程が終了した後、前記アルミニウム層が除去された前記複合樹脂フィルムを前記水酸化ナトリウム水溶液から取出す第4過程、
を含む、複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記第1過程が実行される前の前記複合樹脂フィルムが長尺ものであり且つロール状にされているとともに、
前記第1過程では、ロール状にされている前記複合樹脂フィルムを連続的に先端から解きつつ先端から巻き取ることにより再びロール状にする最中において、2つのロールの間を走る前記複合樹脂フィルムに対して、当該複合樹脂フィルムが持つ2つの前記樹脂層の少なくとも一方側の表面から、前記アルミニウム層にまで達する溝又は孔を設ける処理を実行する、
請求項1記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
【請求項3】
前記第1過程では、前記複合樹脂フィルムに前記複合樹脂フィルムを貫通する孔を多数穿つ、
請求項1又は2記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
【請求項4】
前記第2過程、前記第3過程では、13.0%から22.0%の水酸化ナトリウム水溶液を用いる、
請求項1記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
【請求項5】
前記第2過程、前記第3過程では、14.1%から20.5%の水酸化ナトリウム水溶液を用いるとともに、
前記第3過程における所定の温度を30℃以上とする、
請求項1記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
【請求項6】
前記第2過程、前記第3過程では、13.0%から21.5%の水酸化ナトリウム水溶液を用いるとともに、
前記第3過程における所定の温度を35℃以上とする、
請求項1記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
【請求項7】
前記第3過程では、水酸化ナトリウム水溶液の前記所定の温度が一定であり、且つ前記水酸化ナトリウム水溶液の水酸化ナトリウムの濃度C[%]と、温度T[K]とが、下記の数式を満たすようにする、
請求項1記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
k
290
(C)+[k
313
(C)-k
290
(C)]×(T-290)/23≧0.00815 min
-1
ただし、
k
290
(C)=0.00157+0.00554×Exp[-0.0141×(C-18.4)
2
]
k
313
(C)=(0.302+2.02×Exp[-0.00881×(C-15.2)
2
])×k
290
(C)
【請求項8】
前記第3過程では、前記水酸化ナトリウム水溶液の前記所定の温度が一定であり、且つ前記水酸化ナトリウム水溶液の水酸化ナトリウムの濃度C[%]と、温度T[K]とが、下記の数式を満たすようにする、
請求項1記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
k
290
(C)+[k
313
(C)-k
290
(C)]×(T-290)/23≧0.0100 min
-1
ただし、
k
290
(C)=0.00157+0.00554×Exp[-0.0141×(C-18.4)
2
]
k
313
(C)=(0.302+2.02×Exp[-0.00881×(C-15.2)
2
])×k
290
(C)
【請求項9】
前記第2過程を実行する時点における前記水酸化ナトリウム水溶液の温度が20℃よりも低い温度であり、
前記第2過程を実行した後、前記第3過程を実行する前に、
20℃より低い温度から、前記第3過程における前記所定の温度まで前記水酸化ナトリウム水溶液の温度を上昇させる予熱過程を実行する、
請求項1記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。
【請求項10】
前記予熱過程の実行時間を、10分から30分とする、
請求項9記載の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム層を有する複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去させるための技術に関する。
続きを表示(約 6,300 文字)【背景技術】
【0002】
アルミニウム層を有する複合樹脂フィルム(以降、単に「複合樹脂フィルム」と称する場合がある。)が、広く用いられている。例えば、スナック菓子その他の食品や、薬剤の包装用に、アルミニウム層を有する複合樹脂フィルムが広く用いられている。
複合樹脂フィルムは、アルミニウム層を備えている。アルミニウム層は、箔である場合もあるし、隣接する樹脂の層にアルミニウムを蒸着することで形成されたものである場合もある。アルミニウム層の両面にはそれぞれ樹脂層が設けられている。アルミニウム層の両面に設けられた樹脂層はそれぞれ、単層である場合もあるが、異なる樹脂でできた複数の層でできているのが普通である。アルミニウム層と、両樹脂層(或いは、両樹脂層をそれぞれ構成する複数種類の樹脂の層)とにそれぞれ異なる機能を担わせることで、複合樹脂フィルムは、所望の機能を発揮できるようになっている。
複合樹脂フィルムは、包装すべき製品に合わせた適宜の印刷を行った長尺ものとされ、ロール状にして準備される。準備された複合樹脂フィルムは、適宜の幅に、また適宜の長さ毎に切断した後に、包装用の製品、例えば袋等のパッケージ等に加工される。
【0003】
上述したように、複合樹脂フィルムは、包装すべき対象に合わせた適宜の印刷を行った状態で準備される。
しかしながら、包装すべき製品に変更が生じた場合には複合樹脂フィルムの印刷にも変更を加える必要が生じるし、また、包装すべき製品に変更が生じない場合であっても広告宣伝の戦略を変える必要が生じた場合等にはパッケージの変更が必須となるため、複合樹脂フィルムの印刷に変更を加える必要が生じる。
複合樹脂フィルムに既に行われた印刷を修正することは事実上不可能であるため、そのような事情が生じた場合には、ロール状の複合樹脂フィルムが丸ごと廃棄されることになる。そして、複合樹脂フィルムを廃棄しなければならなくするような上述の如き事情はそれなりの頻度で生じるため、廃棄の対象となる複合樹脂フィルムの量は膨大である。
【0004】
ところで近年SDGsの意識が益々高まっている。そのような状況下で大量の複合樹脂フィルムをそのまま廃棄するというのはもちろん好ましくない。
複合樹脂フィルムには樹脂が含まれているため、アルミニウム層のアルミニウムを除去して樹脂層のみを残すことにより樹脂のみを取り出すことができれば、廃棄されるはずであった複合樹脂フィルムから大量の樹脂を回収することができる。回収された樹脂は、何らかの形態で再利用が可能となり、それはもちろん環境負荷の削減にも繋がる。
そのような観点から、複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去して、樹脂を回収する技術が提案されている。
アルミニウムがアルカリ水溶液中で溶解することは常識である。そこでアルカリ水溶液中に複合樹脂フィルムを浸し、複合樹脂フィルム中のアルミニウムのみを溶解させることにより複合樹脂フィルム中の樹脂を回収するという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4574543号
特許第5014488号
特許第6777263号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従前の技術では、複合樹脂フィルム中のアルミニウムを溶解させるのに要する時間が長くなり過ぎたり、複合樹脂フィルム中のアルミニウムを溶解させる際の反応が激しくなりすぎることにより安全性を確保するための手段を講じなければならなかったりするなどの不具合があり、原理的にはともかく実用するには難がある。
【0007】
本願発明は、複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去して樹脂を取り出すための実用的な技術を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本願発明者は、以下の発明を提案する。
本願発明は、アルミニウムでできたアルミニウム層と、前記アルミニウム層の両面を覆う2つの樹脂層とを備えている複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法(以下、単に「アルミニウム除去方法」と称する場合がある。)である。このアルミニウム除去方法でアルミニウムを除去する対象となる複合樹脂フィルムは、背景技術の欄で説明した複合樹脂フィルムと同じである。
そして、このアルミニウム除去方法は、2つの前記樹脂層の少なくとも一方側の表面から、前記アルミニウム層にまで達する溝又は孔を設ける第1過程、前記第1過程を経た前記複合樹脂フィルムを、濃度が9.72%(重量%、以下すべて同じ。)から23.9%の水酸化ナトリウム水溶液に水没させる第2過程、前記第2過程の後に、前記水酸化ナトリウム水溶液の温度を25℃から50℃の所定の温度に維持しつつ、前記複合樹脂フィルムを前記水酸化ナトリウム水溶液に前記アルミニウム層を構成するアルミニウムが概ねすべて溶解するまで水没させ続ける第3過程、前記第3過程が終了した後、前記アルミニウム層が除去された前記複合樹脂フィルムを前記水酸化ナトリウム水溶液から取出す第4過程、を含む。
このアルミニウム除去方法は、複合樹脂フィルムが持つ2つの樹脂層の少なくとも一方側の表面から、アルミニウム層にまで達する溝又は孔を設ける第1過程を含む。つまり、第1過程が終了した段階で、複合樹脂フィルムの内部に存在するアルミニウム層が、溝又は孔を介して2つの樹脂層の少なくとも一方から露出した状態となる。孔は、複合樹脂フィルムを貫通していても良いし、そうでなくてもよい。溝及び孔は、多数とするのが好ましい。溝及び孔は、複合樹脂フィルムの全体に満遍なく、多数設けるのが好ましい。ただし、溝及び孔が複合樹脂フィルムが破断するような複合樹脂フィルムの強度低下を招かないように考慮すべきである。
このアルミニウム除去方法では、第1過程が終了した後の複合樹脂フィルムを、第2過程において水酸化ナトリウム水溶液に水没させる。水酸化ナトリウム水溶液の水酸化ナトリウムの濃度は、9.72%から23.9%とする。
そして、このアルミニウム除去方法では、第3過程において、水酸化ナトリウム水溶液に複合樹脂フィルムを水没させた状態で、前記水酸化ナトリウム水溶液の温度を25℃から50℃の所定の温度に維持しつつ、複合樹脂フィルムを水酸化ナトリウム水溶液にアルミニウム層を構成するアルミニウムが概ねすべて溶解するまで水没させ続ける。本願では、アルミニウム層を構成するアルミニウムが98%以上溶解した場合に、アルミニウムが「概ねすべて」溶解したと言うものとする。第3過程が実行されている場合、アルミニウム層中のアルミニウムと水酸化ナトリウム水溶液との接触を促すため、バッチ的でも連続的でも良いが、水酸化ナトリウム水溶液を撹拌するのが好ましい。
複合樹脂フィルム中のアルミニウム層は概ねすべて溶解するため、その後このアルミニウム除去方法では、第4過程として、アルミニウム層が除去された前記複合樹脂フィルムを水酸化ナトリウム水溶液から取出す。
このアルミニウム除去方法では、第1過程を実行することで、2つの樹脂層の少なくとも一方から、本来であれば複合樹脂フィルムの内部に存在するアルミニウム層(正確にいうと、アルミニウム層は複合樹脂フィルムの縁では、上述の溝又は孔を設けるまでもなく、外部に露出している場合がある。)を、溝又は孔を介して露出させる。それにより、第2過程以降で水酸化ナトリウム水溶液が、アルミニウム層に接触しやすくなる。
従来の複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法では、本願のアルミニウム除去方法における第1過程に相当する処理が存在しなかった。したがって、従来の方法では、アルカリ水溶液は、複合樹脂フィルムの縁部でしか露出していないアルミニウム層にまず接触し、そこからアルミニウム層を溶解させながら、複合樹脂フィルムの中心のアルミニウム層に向けて進行していくことになる。それと比較すれば、第1過程を実行したことで、2つの樹脂層の様々な位置で溝又は孔を介してアルミニウム層を露出させた複合樹脂フィルムを水酸化ナトリウム水溶液に水没させる本願のアルミニウム除去方法は、アルミニウムを溶解させるに必要な時間を大幅に短縮させることが可能となる。
具体的には、本願発明によるアルミニウム除去方法でアルミニウム層におけるアルミニウムを概ねすべて溶解するのに必要な時間は、概ね8時間以内であり、場合によっては6時間以内となる。8時間程度、或いは6時間程度の時間内に複合樹脂フィルムからアルミニウムを除去するアルミニウム除去方法を実施できるのは、例えば、工場の操業時間との兼ね合いで、アルミニウム除去方法の実用化に大きな意味を持つ。
【0009】
水酸化ナトリウム水溶液の濃度と、温度を上述の範囲とするのは以下のような理由による。
水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウムとが接触した場合には、以下の(1)、(2)の化学式で示された反応が生じる。
Al + NaOH + 3 H
2
O → Na[Al(OH)
4
] + 3/2 H
2
……(1)
Al + 3NaOH → Al(OH)

……(2)
これらはいずれも、アルミニウムを溶解させる反応であるが、(2)の化学式で示される反応で生じたAl(OH)

は、水酸化ナトリウム水溶液中で沈殿する。
水酸化ナトリウム水溶液内では、化学式(3)で示される以下の反応も生じる。
Al(OH)

+ NaOH → Na[Al(OH)
4
]……(3)
(3)の反応は、(2)の 反応で生じたAl(OH)

が、水酸化ナトリウム水溶液中で再度溶解する反応である。この反応が生じると、水酸化ナトリウム水溶液中の沈殿物は減っていく。しかしながら、(1)の反応により(3)の化学式の右辺のNa[Al(OH)
4
]が増えると(3)の反応は化学平衡に達し、(3)の左辺から右辺への反応は生じなくなっていく。つまり、(1)の反応によってアルミニウムの溶解が進んでいくにつれ上述の化学平衡が生じて(3)の反応が生じにくくなっていき、それ故、水酸化ナトリウム水溶液中のAl(OH)

の沈殿量が徐々に増えていくという現象が生じることになる。
本願出願人は、本願発明をなすにあたり、水酸化ナトリウム水溶液の濃度と温度とを様々な条件で変化させて実験を行った。その実験、及びその結果に対する考察から見出したのは次のようなことである。
まず、上述の(1)の反応は、水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの濃度が高い程盛んに生じ、また、多くの化学反応がそうであるように、温度が高い程盛んに生じる。
したがって、上述の(1)の反応を効率よく生じさせてアルミニウムを効率よく或いは素早く溶解させるには、水酸化ナトリウムの濃度と温度を高くすべき、ということになる。これらは極めて常識的である。
しかしながら出願人は、実験により、水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの濃度がある濃度よりも高いとき、或いは水酸化ナトリウム水溶液の温度がある温度よりも高いときには、上述の(2)の反応が盛んに生じること、或いは上述の(3)の反応が十分に生じないこと、又はそれらの両者が同時に起こることを見出した。その結果、水酸化ナトリウム水溶液中には、Al(OH)

が多く沈殿していくことになる。
Al(OH)

の沈殿量の増加は、本願のアルミニウム除去方法では極めて由々しき問題を生じる。なぜなら本願のアルミニウム除去方法では、第1過程において樹脂層に設けられた溝や孔を介して水酸化ナトリウム水溶液がアルミニウム層中のアルミニウムに接触することによりアルミニウムの溶解を促進するものであるところ、上述の沈殿物が溝や孔に付着すると、アルミニウムに対する水酸化ナトリウム水溶液の接触が妨げられるからである。複合樹脂フィルムの強度を考えると、上述の溝や孔の幅や大きさを大きくすることは難しいため、沈殿物がそれらに付着すると、アルミニウムに対する水酸化ナトリウム水溶液の接触が容易に妨げられてしまうことになる。
そのような点を考慮すると、上述の(1)の反応のみに着目して水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの濃度をいたずらに高くし、また、水酸化ナトリウム水溶液の温度をいたずらに高くするのは得策でない、ということを本願発明者は見出した。
そして、様々な実験、及びその結果の考察から、複合樹脂フィルムを水没させる水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの濃度を、9.72%から23.9%とするとともに、複合樹脂フィルムを水没させた水酸化ナトリウム水溶液の温度を25℃から50℃に維持して概ね8時間以内に、複合樹脂フィルムのアルミニウム層を構成するアルミニウムが概ねすべて溶解することがわかったのである。
なお、水酸化ナトリウム濃度の下限の9.72%と、温度の下限の25℃は、上述の(1)の反応を促進するために最低限必要な濃度と温度であり、水酸化ナトリウム濃度の上限の23.9%と、温度の上限の50℃は、(2)の反応を過剰にしないか、或いは(3)の反応を十分にするために必要な濃度と温度である。
【0010】
これには限られないが、前記第1過程が実行される前の前記複合樹脂フィルムは、長尺ものであり且つロール状にされていてもよい。というより、背景技術の欄で説明したように、長尺物でありロール状にされているというのは、ごく一般的な使用前の複合樹脂フィルムの態様である。複合樹脂フィルムがそのようなものである場合、前記第1過程では、ロール状にされている前記複合樹脂フィルムを連続的に先端から解きつつ先端から巻き取ることにより再びロール状にする最中において、2つのロールの間を走る前記複合樹脂フィルムに対して、当該複合樹脂フィルムが持つ2つの前記樹脂層の少なくとも一方側の表面から、前記アルミニウム層にまで達する溝又は孔を設ける処理を実行するようにしてもよい。
そのようにすることにより、長尺である場合の複合樹脂フィルムの全長にわたって、溝又は孔を設ける処理を施すことが可能となる。これは、複合樹脂フィルムの全長において、アルミニウム層のアルミニウムと水酸化ナトリウム水溶液とを接触させることにつながり、ひいては、アルミニウム除去方法の実施に必要な時間の短縮に繋がる。
(【0011】以降は省略されています)

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