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公開番号2025001049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-08
出願番号2021142161
出願日2021-09-01
発明の名称アルギニン誘導体
出願人積水メディカル株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C07C 279/24 20060101AFI20241225BHJP(有機化学)
要約【課題】液相ペプチド合成反応において、良好に液液分離が可能なグアニジル基保護アルギニン類、及びそれを用いるペプチド合成法を提供する。
【解決手段】次の式(1)、(2)又は(3)で表されるアルギニン誘導体又はその塩。
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(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示し、
Aは水素原子又はアミノ基の保護基を示し、
nは、1~6の整数を示す(但し、nが3であり、R1及びR2が水素原子又はメチル基であり、かつR3~R8がBoc基である場合を除く))
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の式(1)、(2)又は(3)で表されるアルギニン誘導体又はその塩。
JPEG
2025001049000022.jpg
48
170
(式中、R
1
及びR
2
は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示し、
Aは水素原子又はアミノ基の保護基を示し、

3
及びR
4
は、水素原子又はBoc基を示し、いずれか一方又は両方がBoc基であり、

5
及びR
6
は、水素原子又はBoc基を示し、いずれか一方又は両方がBoc基であり、

7
及びR
8
は、水素原子又はBoc基を示し、いずれか一方又は両方がBoc基であり、
nは、1~6の整数を示す(但し、nが3であり、R
1
及びR
2
が水素原子又はメチル基であり、かつR
3
~R
8
がBoc基である場合を除く))
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
式(1)、(2)又は(3)中のnが4である請求項1記載のアルギニン誘導体又はその塩。
【請求項3】
式(1)、(2)又は(3)において、Aが水素原子、Fmoc基、又はCbz基である請求項1又は2記載のアルギニン誘導体又はその塩。
【請求項4】
式(1)、(2)又は(3)において、R
1
及びR
2
がエチル基である請求項1~3のいずれか1項記載のアルギニン誘導体又はその塩。
【請求項5】
式(1)、(2)又は(3)において、AがFmoc基である請求項1~4のいずれか1項記載のアルギニン誘導体又はその塩。
【請求項6】
式(1)、(2)又は(3)において、R
3
~R
8
がBoc基である請求項1~5のいずれか1項記載のアルギニン誘導体又はその塩。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載のアルギニン誘導体又はその塩を用いる液相ペプチド合成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルギニン誘導体又はその塩に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ペプチド合成を行う際、原料アミノ酸の伸長点ではない官能基は、その部分に起因する副反応や分解等を防止するために予め保護しておく必要がある。アルギニン類を原料として使用する場合においても、グアニジル基を予め保護しておき、αアミノ基と他のアミノ酸のカルボキシル基との縮合反応後、必要に応じてその保護基を除去することが行われる。
【0003】
液相ペプチド合成におけるアルギニン類のグアニジル基の保護手段としては、古くは、(1)ニトロ基による保護、(2)2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル(TMS)基による保護、(3)強酸(たとえば塩酸)を作用させたプロトン付加による保護が知られていた(特許文献1)。さらにアルギニン類に対する様々な保護基が開発され、現在最も一般的に使用される保護基として、p-トルエンスルホニル(Tos)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマンー6-スルホニル(Pmc)、2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフランー5-スルホニル(Pbf)などがある。しかし、プロトン保護以外の保護手段では、脱保護の際に厳しい条件が必要となり、構造の他の部分に影響を与えるなどの理由から、アルギニン類に関しては、ペプチド伸張反応においてグアニジル基をプロトン化し、特定の保護基を用いずにペプチド合成反応に使用されてきた(特許文献2~5)。
なお、近年新たなグアニジル基の保護手段としてインドールスルホニルが開発された(特許文献6)。しかし、本化合物は入手が困難であり、広く一般的に使用可能ではない。
【0004】
ところで、近年、液相ペプチド合成において、液相ペプチド合成用担体(Tag)が報告されている(特許文献7~22)。本担体は疎水性が高い化合物であるため、親水性の高いアミノ酸、ペプチド、アミノ酸アミド又はペプチドアミド(以下、アミノ酸等ということがある)を本担体に結合することで、有機溶媒への溶解性を大きく向上させることができる。従って、本担体にアミノ酸等を結合した状態でペプチド伸長反応を実施した場合、担体に結合したアミノ酸等を有機層に溶解させ、不要成分、たとえばペプチド伸長反応に使用した余剰の原料アミノ酸や、その分解物、原料アミノ酸の保護基を脱保護した際に副生する化合物等を水層に溶解させることで、液液分離により、担体に結合したアミノ酸等を簡便に精製できるという利点がある。
なお、本明細書で「アミノ酸アミド」とは、アミノ酸のC末端のカルボキシ基(-COOH)がアミド基(-CONH
2
)となった構造を意味する。また、「ペプチドアミド」とは、ペプチドのC末端のカルボキシ基がアミド基となった構造を意味する。
さらに、本明細書で「液液分離」と記載した場合、前述の工程、すなわち担体に結合したアミノ酸等を有機層に溶解させ、不要成分、たとえばペプチド伸長反応に使用した余剰の原料アミノ酸や、その分解物、原料アミノ酸の保護基を脱保護した際に副生する化合物等を水層に溶解させる工程をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭61-36299号公報
特表2003-500416号公報
特表2004-516330号公報
特開平4-211096号公報
特開平5-170795号公報
特開2014-193872号公報
特許第5113118号公報
特許第4500854号
特許第5929756号公報
特許第6092513号公報
特許第5768712号公報
特許第5803674号公報
特許第6116782号公報
特許第6201076号公報
特許第6283774号公報
特許第6283775号公報
特許第6322350号公報
特許第6393857号公報
特許第6531235号公報
国際公開第2019/009317号
国際公開第2020/175472号
国際公開第2020/175473号
特許第6703668号公報
特許第6713983号公報
国際公開第2021/132545号
【非特許文献】
【0006】
Molecules 2021, 26, 3497-3505.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、液相ペプチド合成用担体を用いた有機溶媒中で行う液相ペプチド合成においては、アルギニン類のグアニジル基をプロトン化した化合物をペプチド伸長反応に供すると、得られた液相ペプチド合成用担体に結合したアルギニン類の液液分離ができないことがあった。また、これを解消するために酸性条件下で液液分離をする場合では、アミノ酸の保護基やカルボキシル基の保護基が外れてしまう問題も生じることが明らかとなった。
従って、本発明の課題は、液相ペプチド合成反応でグアニジル基を有する化合物を使用する場合において、液相ペプチド合成用担体と結合した後に良好な液液分離を可能とするグアニジル基保護アルギニン類、及びそれを用いるペプチド合成法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明者は、液相ペプチド合成に用いるアルギニン類のグアニジル基の保護手段について種々検討した結果、全く意外にも、アルギニン類のグアニジル基をBoc基で保護すれば、液相ペプチド用担体と結合した後の液液分離が良好であり、かつ当該Boc保護基が穏和な条件で除去できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、次の発明[1]~[7]を提供するものである。
[1]次の式(1)、(2)又は(3)で表されるアルギニン誘導体又はその塩。
【0010】
JPEG
2025001049000001.jpg
47
170
(【0011】以降は省略されています)

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