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公開番号2024180351
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2024096158
出願日2024-06-13
発明の名称ポリエステル系樹脂組成物、接着剤組成物、接着剤、繊維の積層体、衣料、及びポリエステル系接着剤
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 67/00 20060101AFI20241219BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】接着信頼性に優れ、さらに洗濯時に膨潤する透湿防水膜膜に対しても密着性が担保され、かつ、無溶剤でホットメルト塗工しやく、また、モノマテリアル化に貢献し、かつ、無駄なエネルギー消費が少なく、さらにリサイクルしやすい材料を提供できる、ポリエステル系樹脂組成物の提供を行うことを目的とする。
【解決手段】
非晶性ポリエステル系樹脂(A)と結晶性ポリエステル系樹脂(B)とを含有するポリエステル系樹脂組成物であって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)と結晶性ポリエステル系樹脂(B)との含有比(重量比)が、(A)/(B)=99/1~1/99であり、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)及び結晶性ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度が20℃以下であり、
前記ポリエステル系樹脂組成物に含まれる有機溶剤の含有量が、ポリエステルテル系樹脂組成物全体に対して0~5重量%であるポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非晶性ポリエステル系樹脂(A)と結晶性ポリエステル系樹脂(B)とを含有するポリエステル系樹脂組成物であって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)と結晶性ポリエステル系樹脂(B)との含有比(重量比)が、(A)/(B)=99/1~1/99であり、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)及び結晶性ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度が20℃以下であり、
前記ポリエステル系樹脂組成物に含まれる有機溶剤の含有量が、ポリエステルテル系樹脂組成物全体に対して0~5重量%であるポリエステル系樹脂組成物。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度が-80~10℃である請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項3】
前記結晶性ポリエステル系樹脂(B)の融点が60℃以上である請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項4】
前記結晶性ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度が-60~15℃である請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項5】
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)が脂肪族ジカルボン酸類(a1-2)由来の構造単位を含み、前記結晶性ポリエステル(B)が脂肪族ジカルボン酸類(b1-2)由来の構造単位を含み、前記脂肪族ジカルボン酸類(a1-2)と脂肪族ジカルボン酸類(b1-2)が同一の化合物であるか、又は、その炭素数の差が2以下の化合物である請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項6】
さらに加水分解抑制剤(C)を含有する請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項7】
ポリエステル系樹脂組成物の粘度が130℃で1~500Pa・sである請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物を含有する接着剤組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の接着剤組成物を含有する接着剤。
【請求項10】
請求項9に記載の接着剤と繊維とが積層された繊維の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系樹脂組成物、かかるポリエステル系樹脂樹脂組成物を含有する接着剤組成物、ポリエステル系接着剤に関し、さらにかかる接着剤と繊維とが積層された繊維の積層体、及びかかる積層体を備えた衣料に関する。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、実質的に溶媒を含まずに、加熱溶融により塗工するホットメルト用接着剤(粘着剤を含む)に好適に用いられる。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、衣服においては、生地の特性を活かし生地の弱点を補強するために、種々の芯地、裏地等を積層させた繊維生地積層体が用いられている。この積層体の積層方法としては、例えば、繊維シートの片面に接着剤を付着させ、ほかの繊維を積層する方法等が知られている。また、これらの繊維用接着剤としては、種々の素材が使用されており、例えば、結晶性ポリエステルやポリアミド等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン樹脂等が使用されている。
【0003】
特許文献1では、繊維用接着剤としてガラス転移温度が50℃以上、160℃での溶融粘度が20000ポイズ(2000Pa・s)以下で数平均分子量が7000以上の非晶性ポリエステル系樹脂を使用する接着芯地が、温水クリーニング時の汚染(色移り)が無いことが開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、フラットケーブル用の接着剤として、ガラス転移温度が-70~10℃、分子量5000~40000のポリエステル系樹脂75~95重量部と、ガラス転移温度が50~100℃、分子量5000~40000のポリエステル系樹脂5~25重量部を含有する接着剤を用いることで、高い接着性と耐トラッキング性を両立した接着剤が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3では密着性の高いベース樹脂と、湿気硬化型のイソシアネートを用いることで、耐熱性と密着性を両立した接着剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-32175号公報
特開2003-64339号公報
特開2020-2262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、化石資源の枯渇や地球の温暖化対策等の一環として、再生原料の使用が推奨されており、繊維の分野においても、地球環境にやさしい再生原料を用いた樹脂組成物の利用が検討されている。
特にポリエステル系接着剤はオールポリエステル素材の衣類に使用されることで再びポリエステルとしてリサイクルができることから環境負荷を軽減する接着剤として、近年ますます注目されつつある。また、接着剤としては、環境負荷を軽減させる点から、溶剤を含まない無溶剤型の接着剤が求められている。
【0008】
衣料用の繊維生地は、繰り返しの洗濯や乾燥にさらされることとなるため、繊維生地に用いられる接着剤には耐久性が求められる。例えば、洗濯の際には、水中で連続的に衝撃を受けることになり、乾燥機での乾燥の際には80℃程度の温度にさらされることとなる。そのため、繊維生地積層体は、これらに耐える耐久性を求められることになり、繊維生地積層体に用いられる接着剤には高い接着信頼性だけではなく、耐洗濯性・耐熱性が求められることになる。
一方で、繊維生地積層体の高機能化のために、裏地に機能膜を貼り合わせることも行われている。例えば、機能膜としてポリウレタン系やポリエステル系の透湿防水膜が用いられることがある。この透湿防水膜は、湿度を通して水を通さないものであり、水分により、透湿防水膜が膨潤することで機能を発現するものである。そのため、このような透湿防水膜を有する繊維生地積層体に用いられる接着剤には、高い接着力の他に、繊維生地と透湿防水膜との膨潤度の違いによる体積変化の差により生じるストレスがかかっても、剥離が生じないことが求められる。
【0009】
しかしながら、前記特許文献1の開示技術は、非晶性ポリエステルのガラス転移温度が高すぎて表面の密着性が低下するものであった。つまり、繊維(同士)の接着であれば、接着樹脂(ポリエステル系樹脂)が、溶融して繊維に含侵されるため、ある程度の接着信頼性が得られるが、溶融樹脂が含侵されないような機能膜と繊維を貼り合わせる場合には、その界面での密着性が低下するものであった。さらに、特許文献1に開示の技術は、洗濯時に膨潤する機能膜に対しては、全く密着性が担保できないものであった。
【0010】
また、接着剤に用いられるポリエステル系樹脂組成物の主成分であるポリエステル系樹脂のガラス転移温度が低くなると、接着力が高くなるものの、分子凝集力が低下し接着シートとした際の耐ブロッキング性が低下する場合がある。一方、ポリエステル系樹脂のガラス転移温度が高くなると、接着力が低下するものの、分子凝集力が増加し、接着シートとした際の耐ブロッキング性が向上する。
特許文献2の開示技術は、ガラス転移温度の低いポリエステル系樹脂と、ガラス転移温度の高いポリステル樹脂とを特定の組成比で混合して使用することで、接着力と耐ブロッキング性を両立させた発明であり、従来かかる思想により設計されたポリエステル系樹脂組成物が用いられている。
(【0011】以降は省略されています)

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