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公開番号2024179929
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023099268
出願日2023-06-16
発明の名称発泡体、発泡用樹脂組成物及び発泡体の製造方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C08J 9/04 20060101AFI20241219BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】性能が低下することなく高生産効率で得られ、かつ合わせガラス用中間膜のリサイクル品としても有用な発泡体、及び、その製造方法を提供する。また、このような発泡体を得るための発泡用樹脂組成物も提供する。
【解決手段】多数の気泡を有する発泡体であって、熱可塑性樹脂、可塑剤、インジウム及びスズを含有する、発泡体;該発泡体を製造する方法であって、熱可塑性樹脂、可塑剤、発泡剤、インジウム及びスズを含有する樹脂組成物を加熱する工程を含む、発泡体の製造方法;熱可塑性樹脂、可塑剤、発泡剤、インジウム及びスズを含有する、発泡用樹脂組成物。
【選択図】図1



特許請求の範囲【請求項1】
多数の気泡を有する発泡体であって、
熱可塑性樹脂、可塑剤、インジウム及びスズを含有することを特徴とする発泡体。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記インジウム及びスズの合計含有量は、100ppm以上10000ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタールを含むことを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項4】
連続気泡率が20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項5】
前記インジウム及びスズは、酸化インジウムスズとして前記発泡体に含まれることを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項6】
前記可塑剤の含有量は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対し、20重量部以上60重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項7】
前記可塑剤は、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエートを含むことを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項8】
熱可塑性樹脂、可塑剤、発泡剤、インジウム及びスズを含有することを特徴とする発泡用樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~7のいずれかに記載の発泡体を製造する方法であって、
熱可塑性樹脂、可塑剤、発泡剤、インジウム及びスズを含有する樹脂組成物を加熱する工程を含むことを特徴とする発泡体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡体、発泡用樹脂組成物及び発泡体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
樹脂を含む発泡体は、軽量で柔軟であり、かつ衝撃吸収性や制振性等にも優れるため、自動車、航空機、船舶等の車両用部材、建築部材、電子部品、床材等の住宅用建材、家庭用、業務用の電気製品等のあらゆる用途に用いられている。
【0003】
従来の発泡体に関し、例えば特許文献1には、アスファルトフオーム再生溶液、ウレタンフオーム再生溶液及び重油の混合液を発泡体シートに含浸させることで、発泡体シートを基材とする複合材シートを製造する方法が開示されている。また特許文献2には、結晶性ポリアミド樹脂、カーボンブラック及び無機強化材を所定割合で含有する発泡成形体用ポリアミド樹脂組成物が開示されている。
【0004】
ところで近年では、自動車、航空機等の車両用ガラスや建築物の窓ガラス等として、一対のガラス板に熱可塑性樹脂と可塑剤とを含む合わせガラス用中間膜を挟み、互いに密着させて得られる合わせガラスが広く使用されている。例えば特許文献3には、可視光性透過率が高く、かつ遮熱性等の各種性能に優れる合わせガラスが開示されている。だが、一般に、合わせガラスの製造時には、合わせガラス用中間膜をガラスと貼り合わせた際に、端部に余った合わせガラス用中間膜が切断され、大量の合わせガラス用中間膜が廃棄されている。また、品質基準に適合しなかった合わせガラスや使用済みの合わせガラスを解体した際にも、大量の合わせガラス用中間膜が廃棄されている。
【0005】
そこで、環境負荷やコストの低減等の観点から、合わせガラス用中間膜の廃棄物を再利用(リサイクル)する技術が求められている。例えば特許文献4では、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有し、多数の気泡を有するポリビニルアセタール多孔質体が開発されている。この多孔質体は、合わせガラス用中間膜の廃棄物をそのまま原料として用いることができるため、合わせガラス用中間膜のリサイクル品として有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭61-272250号公報
国際公開第2014/185371号
特開2016-193830号公報
国際公開第2018/016536号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の複合材シートの製造方法や、特許文献2に記載の樹脂組成物を用いる手法では、生産効率が充分ではなく、得られる発泡体の性能面でも課題を有していた。また特許文献4に記載の多孔質体は、合わせガラス用中間膜の廃棄物のリサイクル技術に寄与できる上、制振性等も優れ、各種用途に好適である。だが、このような多孔質体を工業的に更に有用なものとするために、性能が低下することなく高生産効率で製造できるようにするための工夫の余地があった。
【0008】
本発明は、上記現状に鑑み、性能が低下することなく高生産効率で得られ、かつ合わせガラス用中間膜のリサイクル品としても有用な発泡体、及び、その製造方法を提供することを目的とする。また、このような発泡体を得るための発泡用樹脂組成物を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、熱可塑性樹脂及び可塑剤を含む発泡体を高効率で製造可能な手法について鋭意検討するうち、発泡体の原料として熱可塑性樹脂及び可塑剤に加えてインジウムとスズを含有する樹脂組成物を用いて、発泡剤の存在下で発泡操作を行うと、該原料がインジウムとスズとを含むことに起因して、発泡速度が著しく向上することを見出した。同時に、発泡速度が著しく向上したにも関わらず、得られた発泡体に性能低下が生じないことも見出した。原料として合わせガラス用中間膜の廃棄物を用いた場合も、インジウムとスズを含有するものとすれば、同様の効果が得られることも見出した。この効果は、インジウム及びスズを含まない場合には得られない(例えば後述の試験例1、11~14を参照)。このようにして得られる発泡体は、多数の気泡を有し、かつ熱可塑性樹脂、可塑剤、インジウム及びスズを含有するが、これは合わせガラス用中間膜のリサイクル品としても有効で、環境負荷の軽減やコスト低減を実現できることも見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
なお、上述した特許文献1には、ウレタンフオーム再生溶液の調製時に錫系触媒を使用することが記載されているが、インジウムに関する記載は一切ない。また特許文献2には、無機強化材の一例として酸化インジウム及び酸化錫が例示されているが、これらの併用系に限定する記載もなければ、これらの併用による効果等も一切検討されていない。特許文献3には発泡に関する記載がなく、特許文献4には、インジウム及びスズに関する記載が一切ない。
(【0011】以降は省略されています)

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