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公開番号2024178473
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-25
出願番号2021143644
出願日2021-09-03
発明の名称ウイルス増殖阻害活性を有する二環性含窒素複素環誘導体およびそれらを含有する医薬組成物
出願人塩野義製薬株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人,個人
主分類C07D 487/04 20060101AFI20241218BHJP(有機化学)
要約【課題】コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を示す化合物またはその製薬上許容される塩およびそれらを含有する医薬組成物を提供する。
【解決手段】式(I):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024178473000145.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">34</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">45</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式中、Xは-NH-等であり、Yは=N-等であり、Zは-NR1-等であり、Wは=N-等であり、R1は置換アルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基等であり、R2aは置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基等であり、R2bは水素原子等であり、nは1等であり、R4aは水素原子、置換もしくは非置換のアルキル等であり、R4bは水素原子等である)で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(I):
TIFF
2024178473000143.tif
33
45
(式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し;
Xは、-NR

-、-CR


5’
-、-O-、-S-または単結合であり;
Yは、=N-または=CR

-であり;
Zは、-NR

-または-CR
1’
=であり;
Wは、=N-、-O-、-CR


7’
-または-NR

-であり;


は、置換アルキル、置換アルケニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり;

1’
は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり;


は、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり;

2a
は、水素原子、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルケニルであり;

2b
は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
nは1または2であり;

4a
は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり;

4b
は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
nが1である場合は、R
2b
およびR
4a
は結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;
nが1である場合は、R
4a
およびR
4b
は結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;


およびR
5’
は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;


は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;


およびR
7’
は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;


は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルである)で示される化合物(ただし、以下の化合物:
TIFF
2024178473000144.tif
80
113
を除く)、またはその製薬上許容される塩。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
Yが=N-である、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項3】
Xが-NH-である、請求項1または2記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項4】
Zが-NR

-である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項5】
Wが=N-である、請求項1~4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項6】


が置換アルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、請求項1~5のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項7】


が置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である、請求項1~6のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項8】


が置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、請求項1~7のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項9】

2a
が置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基である、請求項1~8のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項10】

2b
が水素原子である、請求項1~9のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を示す化合物、およびコロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を示す化合物を含有する医薬組成物に関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
ニドウイルス目コロナウイルス科オルトコロナウイルス亜科に属するコロナウイルスは、約30キロベースのゲノムサイズを有し、既知のRNAウイルスでは最大級の一本鎖+鎖RNAウイルスである。コロナウイルスはアルファコロナウイルス属、ベータコロナウイルス属、ガンマコロナウイルス属およびデルタコロナウイルス属の4つに分類され、ヒトに感染するコロナウイルスとして、アルファコロナウイルス属の2種類(HCoV-229E、HCoV-NL63)およびベータコロナウイルス属の5種類(HCoV-HKU1、HCoV-OC43、SARS-CoV、MERS-CoV、SARS-CoV-2)の計7種類が知られている。この内、4種類(HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、HCoV-OC43)は風邪の病原体であるが、残りの3種類は重症肺炎を引き起こす重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス(SARS-CoV)、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(MERS-CoV)および新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)である。
【0003】
2019年12月に中国武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は急速に国際社会に蔓延し、2020年3月11日にWHOよりパンデミックが表明された。2021年8月24日時点で確認された感染者数は2.1億人以上、死者数は440万人以上に達する(非特許文献1)。SARS-CoV-2の主な感染経路として飛沫感染、接触感染およびエアロゾル感染が報告されており、SARS-CoV-2は3時間程度エアロゾルと共に空気中を漂い続け、感染力を維持することが確認されている(非特許文献2)。潜伏期間は2~14日程度であり、発熱(87.9%)、空咳(67.7%)、倦怠感(38.1%)、痰(33.4%)等の風邪様症状が典型的である(非特許文献3)。重症例では、急性呼吸窮迫症候群や急性肺障害、間質性肺炎等による呼吸器不全が起こる。また、腎不全や肝不全などの多臓器不全も報告されている。
【0004】
既存薬のドラッグリポジショニングから、抗ウイルス薬であるレムデシビル、抗炎症薬であるデキサメタゾン、リウマチ薬であるバリシチニブがCOVID-19に対する治療薬として承認されている。また、2021年7月に、抗体カクテル療法であるロナプリーブが特例承認された。これらの薬剤についての有効性や安全性については、十分なエビデンスが得られていない。したがって、COVID-19に対する治療薬、特に経口薬の創製は急務である。
【0005】
コロナウイルスは、細胞に感染すると、2つのポリタンパク質を合成する。この2つのポリタンパク質中には、新たなウイルス粒子を作り出すための構造タンパク質、ウイルスゲノムを作る複製複合体、2つのプロテアーゼが含まれている。プロテアーゼは、ウイルスから合成されたポリタンパク質を切断し、それぞれのタンパク質を機能させるために不可欠な働きをする。2つのプロテアーゼのうち、ポリタンパク質の切断のほとんどを担うのが、3CLプロテアーゼ(メインプロテアーゼ)である(非特許文献4)。
3CLプロテアーゼを標的とした、承認済のCOVID-19治療薬は存在せず、Pfizer社がPF-00835231のPhase1試験を実施中である。また、2021年3月、Pfizer社は新型コロナウイルス感染症に対する治療薬PF-07321332のPhase1試験を開始すると発表した。PF-00835231およびPF-07321332の構造式は以下に示す通りで、本発明化合物とは化学構造が異なる(非特許文献5および9)。
PF-00835231:
TIFF
2024178473000001.tif
36
61
PF-07321332:
TIFF
2024178473000002.tif
30
35
さらに2021年7月、ハイリスク因子を持つCOVID-19患者を対象とした、PF-07321332およびリトナビル併用のPhase2/3試験が開始されることがClinicalTrials.govに掲載された(NCT04960202)。
【0006】
3CLプロテアーゼ阻害活性を有する化合物が非特許文献5~8に開示されているが、いずれの文献においても本発明に関連する化合物は記載も示唆もされていない。
Ρ2X

受容体阻害作用を有する誘導体が特許文献1および2に開示されているが、3CLプロテアーゼ阻害活性および抗ウイルス効果については記載も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2018/074390号
公開特許公報2019-182806号
【非特許文献】
【0008】
“COVID-19 Dashboard by the Center for Systems Science and Engineering at Johns Hopkins University”、[online]、Johns Hopkins University、[2021年2月8日検索]、インターネット<URL:https://coronavirus.jhu.edu/map.html>
The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE(2020年)、382巻、1564~1567頁
“Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)”、[online]、2020年2月28日、WHO、[2021年2月8日検索]、インターネット<URL:https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/who-china-joint-mission-on-covid-19-final-report.pdf>
Science(2003年)、300巻、1763~1767頁
“A comparative analysis of SARS-CoV-2 antivirals characterizes 3CLpro inhibitor PF-00835231 as a potential new treatment for COVID-19”、Journal of Virology、[online]、2021年2月23日、[2021年3月16日検索]、インターネット<URL: https://jvi.asm.org/content/early/2021/02/19/JVI.01819-20><doi: 10.1128/JVI.01819-20>
Cell Research(2020年)、30巻、678~692頁
Science(2020年)、368巻、409~412頁
“Potent Noncovalent Inhibitors of the Main Protease of SARS-CoV-2 from Molecular Sculpting of the Drug Perampanel Guided by Free Energy Perturbation Calculations”、ACS Central Science、[online]、2021年2月22日、[2021年3月16日検索]、インターネット<URL: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acscentsci.1c00039><doi: 10.1021/acscentsci.1c00039>
261st Am Chem Soc (ACS) Natl Meet ・ 2021-04-05 / 2021-04-16 ・ Virtual, N/A ・ Abst 243
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を有する化合物を提供することにある。好ましくは、本発明は、抗ウイルス作用、特にコロナウイルスの増殖阻害作用を有する化合物、および該化合物を含有する医薬を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下に関する。
(1)式(I):
TIFF
2024178473000003.tif
34
45
(式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し;
Xは、-NR

-、-CR


5’
-、-O-、-S-または単結合であり;
Yは、=N-または=CR

-であり;
Zは、-NR

-または-CR
1’
=であり;
Wは、=N-、-O-、-CR


7’
-または-NR

-であり;


は、置換アルキル、置換アルケニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり;

1’
は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり;


は、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり;

2a
は、水素原子、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルケニルであり;

2b
は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
nは1または2であり;

4a
は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり;

4b
は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
nが1である場合は、R
2b
およびR
4a
は結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;
nが1である場合は、R
4a
およびR
4b
は結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;


およびR
5’
は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;


は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;


およびR
7’
は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;


は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルである)で示される化合物(ただし、以下の化合物:
TIFF
2024178473000004.tif
80
114
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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