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公開番号
2024160485
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-14
出願番号
2023075533
出願日
2023-05-01
発明の名称
ペプチドの製造方法及び製造装置
出願人
横河電機株式会社
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C07K
1/02 20060101AFI20241107BHJP(有機化学)
要約
【課題】少ない工程数及び短時間でペプチドを製造する手段を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、N末端アミノ基がN末端保護基によって保護されたN末端保護アミノ酸又はペプチドと、C末端活性化剤とをフローリアクターに導入してN末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端活性化誘導体を形成させる、C末端活性化工程;N末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端活性化誘導体と、C末端カルボキシル基がタグ保護基によって保護されたC末端保護アミノ酸又はペプチドとをフローリアクターに導入し、N末端側に伸長したN末端及びC末端保護ペプチドを形成させる、縮合工程;N末端側に伸長したN末端及びC末端保護ペプチドと、N末端保護基の脱保護剤とをフローリアクターに導入し、N末端側に伸長したC末端保護ペプチドを形成させる、N末端脱保護工程;及び抽出工程;を含む、ペプチドの製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
N末端アミノ基がN末端保護基によって保護されたN末端保護アミノ酸又はペプチドと、C末端活性化剤とをフローリアクターに導入し、フローリアクター中で該N末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端カルボキシル基を活性化して、N末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端活性化誘導体を形成させる、C末端活性化工程;
N末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端活性化誘導体と、C末端カルボキシル基がタグ保護基によって保護されたC末端保護アミノ酸又はペプチドとをフローリアクターに導入し、フローリアクター中でC末端保護アミノ酸又はペプチドのN末端側にN末端保護アミノ酸又はペプチドを縮合して、N末端側に伸長したN末端及びC末端保護ペプチドを形成させる、縮合工程;
N末端側に伸長したN末端及びC末端保護ペプチドと、N末端保護基の脱保護剤とをフローリアクターに導入し、フローリアクター中でN末端保護基を脱保護して、N末端側に伸長したC末端保護ペプチドを形成させる、N末端脱保護工程;及び
N末端側に伸長したC末端保護ペプチドを含む反応混合物を水相と混合して、N末端側に伸長したC末端保護ペプチドを有機相側に抽出する、抽出工程;
を含む、ペプチドの製造方法。
続きを表示(約 3,400 文字)
【請求項2】
C末端活性化剤が、ハロゲン化ギ酸エチル、ハロゲン化ギ酸イソプロピル、ハロゲン化ギ酸イソブチル、カルボン酸ハロゲン化物、ホスゲン及びホスゲン等価体、カルボジイミド系縮合剤、ホスホニウム系縮合剤、ウロニウム系縮合剤、ハロウロニウム系縮合剤、イミダゾール系縮合剤、トリアジン系縮合剤、並びに縮合添加剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
タグ保護基が、下記
(i)式(I):
TIFF
2024160485000062.tif
54
159
[式中、
環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立して脂肪族炭化水素基を有する有機基、水素原子又は電子吸引性基を示し、且つRa、Rb及びRcの少なくとも1つは脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;環A、B及びCはそれぞれ独立して電子吸引性基を有していてもよく;
ここで、脂肪族炭化水素基を有する有機基は、
式(b):
TIFF
2024160485000063.tif
17
159
(式中、
*は結合位置を示し;X
1
が-O-であり;R
1
が炭素数5~60の脂肪族炭化水素基であり;m
1
が1である)
で表される基、
式(c):
TIFF
2024160485000064.tif
36
159
(式中、
*は結合位置を示し;X
2
、X
2
'、X
2
''及びX
2
'''が-O-であり;R
2
及びR
4
はそれぞれ独立して炭素数5~60の脂肪族炭化水素基であり;R
3
は炭素数5~60の脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;n
1
、n
2
、n
3
及びn
4
が1であり;m
2
が1である)
で表される基、及び
式(d):
TIFF
2024160485000065.tif
22
159
(式中、
*は結合位置を示し;X
8
が-O-を示し;m
3
が2又は3であり;n
5
が1であり;n
6
が3であり;X
7
が-O-であり;m
3
個のR
12
がそれぞれ独立して炭素数4~30のアルキル基である)
で表される基
からなる群より選ばれる1種以上の基であって、該脂肪族炭化水素基を有する有機基は、フルオレン化合物の2位及び/又は7位に存在する]
で表されるフルオレン化合物、
(ii)式(II):
TIFF
2024160485000066.tif
58
159
[式中、
環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;nは1~19の整数を表し;Rc'は脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基であり;環A、B及びCはそれぞれ独立して脂肪族炭化水素基を有する有機基及び電子吸引性基から選ばれる1種以上を有してもよく;環Aが複数存在する場合の各環Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yが複数存在する場合の各Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rc'が複数存在する場合の各Rc'はそれぞれ同一でも異なっていてもよく;
ここで、脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基は、
式(a):
TIFF
2024160485000067.tif
15
159
(式中、
【請求項4】
N末端保護基が、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)、tert-ブトキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、及びアリルオキシカルボニル基(Alloc基)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
縮合工程の後に、
N末端側に伸長したN末端及びC末端保護ペプチドを含む反応混合物と、アミノ基を有するキャッピング剤とをフローリアクターに導入し、フローリアクター中で未反応のN末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端活性化誘導体とキャッピング剤とを反応させて、該C末端活性化誘導体を不活性化する、キャッピング工程;
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アミノ基を有するキャッピング剤が、2-(2-アミノエトキシエタノール)(AEE)、及び硫酸水素2-アミノエチル(AEHS)からなる群から選択される化合物である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
フローリアクターと、N末端アミノ基がN末端保護基によって保護されたN末端保護アミノ酸又はペプチド、及びC末端活性化剤を該フローリアクターに導入する原料導入部材とを有する、フローリアクター中で該N末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端カルボキシル基を活性化して、N末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端活性化誘導体を形成させる、C末端活性化手段;
フローリアクターと、N末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端活性化誘導体、及びC末端カルボキシル基がタグ保護基によって保護されたC末端保護アミノ酸又はペプチドを該フローリアクターに導入する原料導入部材とを有する、フローリアクター中でC末端保護アミノ酸又はペプチドのN末端側にN末端保護アミノ酸又はペプチドを縮合して、N末端側に伸長したN末端及びC末端保護ペプチドを形成させる、縮合手段;
フローリアクターと、N末端側に伸長したN末端及びC末端保護ペプチド、及びN末端保護基の脱保護剤を該フローリアクターに導入する原料導入部材とを有する、フローリアクター中でN末端保護基を脱保護して、N末端側に伸長したC末端保護ペプチドを形成させる、N末端脱保護手段;及び
N末端側に伸長したC末端保護ペプチドを含む反応混合物及び水相を混合する混合部材を有する、N末端側に伸長したC末端保護ペプチドを含む反応混合物を水相と混合して、N末端側に伸長したC末端保護ペプチドを有機相側に抽出する、抽出手段;
を含む、ペプチドの製造装置。
【請求項8】
フローリアクターと、N末端側に伸長したN末端及びC末端保護ペプチドを含む反応混合物、及びアミノ基を有するキャッピング剤をフローリアクターに導入する原料導入部材とを有する、フローリアクター中で未反応のN末端保護アミノ酸又はペプチドのC末端活性化誘導体とキャッピング剤とを反応させて、該C末端活性化誘導体を不活性化する、キャッピング手段;
をさらに含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
C末端活性化手段、縮合手段及びN末端脱保護手段が、2個以上の流入用流路と、該2個以上の流入用流路から流入する反応液を混合するミキサーと、該ミキサーで混合された反応液を流出させる1個以上の流出用流路と、原料を送液するためのポンプと、該流入用流路、流出用流路、ミキサー及びポンプの流路の温度を調節する温度調節装置とを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
抽出手段が、2個以上の流入用流路と、該2個以上の流入用流路から流入するN末端側に伸長したC末端保護ペプチドを含む反応液及び水相を混合するミキサーと、該ミキサーで混合されたN末端側に伸長したC末端保護ペプチドを含む反応液及び水相の混相を有機相及び水相に分離する相分離部材と、相分離部材で分離された有機相を流出させる1個以上の流出用流路と、水相を送液するためのポンプとを有する、請求項7に記載の装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチドの製造方法及び製造装置に関する。特に、本発明は、フローリアクターを用いるペプチドの連続的な製造方法及び製造装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ペプチドは、医薬品及び食品等の成分として広く用いられている。ペプチド合成は、100年以上に亘って研究開発が行われている。現在では、液相法及び固相法が一般的である。
【0003】
固相法は、通常は、アミノ酸又はペプチドのC末端を固相支持体に結合しておき、N末端側にペプチド鎖の伸長反応を行う。固相法の場合、固相支持体を洗浄することにより、未反応の原料及び反応剤、並びに副生成物を容易に除去できる。他方、固相法は、固相支持体上で伸長反応を行うため、反応性が低く、結果としてペプチドの製造に時間を要する。
【0004】
液相法は、原料及び反応剤を含む反応溶液中でペプチド鎖の伸長反応を行うことから、反応性が高く、製造規模の調整も容易である。しかしながら、液相法は、縮合反応及び脱保護反応ごとに生成物の分離及び精製を非連続的な処理(バッチ処理)で行うため、製造工程が煩雑となり、結果としてペプチドの製造に時間を要する。
【0005】
液相法における縮合反応及び脱保護反応を連続的に実施する方法として、フローリアクターを用いるフロー合成法が開発された。フロー合成法は、内径数mm以下の微細な流路を反応場(フローリアクター)として用いる方法である。フロー合成法の場合、反応溶液の混合を瞬時に行うことができるため、反応時間を数秒単位で厳密に制御し得る。また、フロー合成法の場合、通常のバッチ処理の液相法と比較して、反応溶液の単位体積に対する比表面積が顕著に大きいため、反応系の加熱又は冷却を瞬時に行うことができる。このような特徴から、フロー合成法は、ペプチドの製造に要する時間及びエネルギーコストを低減し得る(非特許文献1及び2)。
【0006】
フロー合成法は、ペプチド鎖の伸長反応に要する時間及びエネルギーコストを低減し得るものの、液相法と同様に、縮合反応及び脱保護反応ごとに生成物の分離及び精製をバッチ処理で行う必要がある。液相法及びフロー合成法におけるこの問題に対して、固相法のような固液分離を行うことなく、有機相及び水相の二相分離によって生成物の分離及び精製を行い得る保護基(以下、「疑似固相保護基」又は「タグ保護基」とも記載する)が開発された。
【0007】
例えば、特許文献1は、このような保護基として使用し得るベンジル化合物を記載する。
【0008】
特許文献2は、フローリアクター及び疑似固相保護基を用いる、ペプチドの製造方法を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2017/038650号
国際公開第2020/218497号
【非特許文献】
【0010】
Otake, Y.ら, Angew. Chem. Int. Ed., 2020年, 第59巻, p. 12925-12930
Fuse, S.ら, Nature Communications, 2016年, 第7巻, p. 13491
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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