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公開番号2024178019
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023096502
出願日2023-06-12
発明の名称熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物、硬化物及びシート
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 83/07 20060101AFI20241217BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高熱伝導率かつ高い耐湿性を有する2液付加硬化型高熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【解決手段】第1液と第2液からなる熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物であり、(A)アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)特定の平均粒子径を持つ球状酸化アルミニウム粉末(C-1)~(C-4)、及び特定の平均粒子径を持つ球状または不定形状酸化アルミニウム粉末(C-5)を含む熱伝導性充填剤、(D)シランカップリング剤及び/又は下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン、及び(E)白金触媒を含み、前記第1液は前記(B)を含有せず、前記第2液は前記(E)を含有せず、組成物全体における(A)~(E)成分を特定の比率で含むものである熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1液と第2液からなる熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物であり、
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)平均粒子径80μm以上120μm以下の球状酸化アルミニウム粉末(C-1)、平均粒子径60μm以上80μm未満の球状酸化アルミニウム粉末(C-2)、平均粒子径25μm以上60μm未満の球状酸化アルミニウム粉末(C-3)、平均粒子径5μm以上25μm未満の球状酸化アルミニウム粉末(C-4)、及び平均粒子径0.1μm以上5μm未満の球状または不定形状酸化アルミニウム粉末(C-5)を含む熱伝導性充填剤、
(D)シランカップリング剤および/または下記一般式(1)
TIFF
2024178019000016.tif
37
120
(式中、R

は独立に1価炭化水素基であり、R

は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基またはアシル基であり、aは5~100の正数であり、bは1~3の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、及び
(E)ヒドロシリル化反応用白金触媒
を含み、前記(A)~(E)成分のうち、前記第1液は前記(A)、(C)、(D)、及び(E)を含有し、前記(B)を含有せず、前記第2液は前記(A)、(B)、(C)、及び(D)を含有し、前記(E)を含有せず、前記第1液と前記第2液を合わせた組成物全体における前記(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、前記(D)成分を100~200質量部含有しており、前記(A)成分と(B)成分と(D)成分の合計100質量部に対して、前記(C-1)成分を200~600質量部、前記(C-2)成分を200~500質量部、前記(C-3)成分を200~500質量部、前記(C-4)成分を200~500質量部、前記(C-5)成分を300~700質量部含有し、前記(C-1)~(C-5)成分の合計が1700~2000質量部、
であるものであることを特徴とする熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記第1液と前記第2液のそれぞれについて25℃における粘度が、スパイラル粘度計による回転数10rpm測定時において、30~800Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項3】
前記(C-5)成分が不定形状酸化アルミニウム粉末であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物の硬化物であって、前記熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を硬化させて得られるシート状の硬化物の硬度をASTM D 2240-05に規定されるShore OO硬度計によって測定した値が20~80の範囲であることを特徴とする硬化物。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物の硬化物であって、前記熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を硬化させて得られるシート状の硬化物の硬度を85℃/85%RHに1000時間供したのち、JIS K 6251に準拠した引張2号形ダンベル状の引張試験片で、JIS K 7161に規定される引張試験により測定した切断時伸びが10%以上であることを特徴とする硬化物。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を硬化してなるものであることを特徴とする熱伝導性シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物、硬化物及びシートに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
発熱性電子部品は使用中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として、様々な放熱技術が用いられている。一般的に、発熱部の付近に冷却部材(ヒートシンク等)を配置し、両者を密接させたうえで冷却部材から効率的に除熱することにより放熱を行っている。その際、発熱部材と冷却部材との間に隙間があると、熱伝導性の悪い空気が介在することにより熱伝導率が低下し、発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような現象を防ぐため、熱伝導率がよく、部材の表面に追随性のある放熱材料、例えば放熱グリースや放熱シートが用いられている。
【0003】
近年、電子機器の小型化・高密度化により実装部品の発熱量は増加傾向にある。例えば、CPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理装置)は高性能化に伴い、発熱量が非常に多くなっている。動作温度を低温に保ち、高い性能を維持するためにも、熱対策として使われる放熱材料には高い放熱性能が求められる。
【0004】
また、ADAS(先進自動運転支援システム)に用いられるGPUは車載用途であるため、GPUの熱対策に使用される放熱材料には絶縁性や高い信頼性を求められている。放熱材料に使われる熱伝導性充填剤の一例として、絶縁性かつ高熱伝導性である酸化アルミニウムや窒化アルミニウム、酸化マグネシウムが挙げられる。しかし、窒化アルミニウムや酸化マグネシウムは熱伝導率が酸化アルミニウムより高い反面、吸湿性が高く、吸湿して強いアルカリ性を示す課題があった。
【0005】
酸化アルミニウムを熱伝導性充填剤として用いた熱伝導性樹脂組成物の例として、平均球形度、水酸基量が規定された平均粒子径が10~50μmの球状酸化アルミニウム粉末と、平均粒子径0.3~1μmの酸化アルミニウム粉末を使用し、それぞれの体積比での配合比率と充填量が規定された高熱伝導性樹脂組成物が例示されているが、平均粒子径の最大が50μmのフィラーでは十分な熱伝導性が得られなかった(特許文献1:特許第5755977号公報)。
【0006】
また、平均粒子径が80~100μmの球状アルミナ粒子を60~80体積%と、平均粒子径0.5~7μmの非球状アルミナ粒子を20~40体積%で含む、高熱伝導性樹脂コンパウンド用配合粒子と、それを体積比で60~85体積%含む高熱伝導性樹脂コンパウンドが例示されているが、平均粒子径が大きいアルミナ粒子を多量に含むと、経時でのオイル分離が生じる上、粘度が増大するという課題があった(特許文献2:特許第5085050号公報)。
【0007】
また、平均粒子径が50~150μmの球状酸化アルミニウム粒子と平均粒子径0.5~7μmの球状または不定形状酸化アルミニウム粒子を、合計80~90体積%含み、平均粒子径が50~150μmの球状酸化アルミニウム粒子と平均粒子径0.5~7μmの球状または不定形状酸化アルミニウム粒子の配合割合の体積比が5:5~9.5:0.5である高熱伝導性シリコーン組成物が例示されているが、オルガノポリシロキサンのシランカップリング剤を多量に含有する組成物であり、高温高湿条件での硬さの上昇や伸びの低下が著しいという課題があった(特許文献3:特許第6648837号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第5755977号公報
特許第5085050号公報
特許第6648837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
高い熱伝導率を得るためには熱伝導性組成物中の熱伝導性充填剤の割合を高めることが考えられるが、熱伝導性充填剤の割合を高めると粘度が上昇し、取扱性が悪くなる。また、熱伝導性充填剤の割合を増やすと、熱伝導性充填剤の表面を処理するシランカップリング剤もしくは片末端にアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンの割合を増やす必要がある。これらシランカップリング剤やオルガノポリシロキサンは耐湿条件下で縮合すると考えられており、熱伝導性組成物中にこれらを多量に含むと、耐湿条件下で熱伝導性組成物の硬化物の硬さが上がる原因となる。硬さが上がった熱伝導性組成物の硬化物は伸びが低下し、基材のそり等に追従できなくなるために放熱材料としての信頼性が低下する。
【0010】
また、1液付加硬化型放熱材料とは異なり、室温保管可能であることが特徴の2液付加硬化型材料においては、室温保管時に熱伝導性充填剤によるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの脱水素が起こりうるため、熱伝導性充填剤を表面処理することで、表面の活性を落として脱水素を抑制する必要がある。そのため、シランカップリング剤もしくは片末端にアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンを適切な量にすることが2液付加硬化型放熱材料の室温保存性を高めるために必要である。
(【0011】以降は省略されています)

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